はじめに
6月のドラフト以降、NHL公式をはじめ、NHLの情報サイトは全体1位指名コナー・ベダードの話題で持ちきりです。まだ20歳にもなっていない若武者は、プレシーズン・マッチで噂通りの活躍を見せそうな予感を漂わせており、シカゴのファンは開幕を待ちきれない様子です。
しかし、ベダードだけが期待の若手ではありませんし、ブレイク寸前の選手はまだまだたくさんいます。そういう選手ばかりのリストを作ってくれるのは、やはり長文&リスト好きのESPN.comでした。リストアップされたのは25名!
すでに有名になっている選手もいますが、「へー、こんな選手いたんだ」という新たな発見も。リスト全員をブログで紹介すると、そればっかりになってしまうので^^;、今回はダイジェスト版、一部選手の紹介記事としました。
25人のうち何人がレギュラー・シーズン中にブレイクするか、楽しみだにゃ。
プレーオフを逃したチームは育成と勝敗のバランスを考えながらの勝負になるので、
起用法なんかも注目ポイントになるな。
引用元:ESPN.com「2023-24 NHL breakout player predictions: Drouin, Kakko, more」。
最初はみんな若手だった…
3シーズン前、テージ・トンプソン(右ウィング、25歳)は、まだテージ・トンプソンではありませんでした。
彼は23歳の時、バッファロー・セイバーズのフォワードとして、キャリアハイの8ゴールを叩き出しましたが、2018年、ライアン・オライリーとのトレードの際、セントルイス側のトレード要員数名に加えられた1人に過ぎなかったことで知られています。
しかしその後、彼は2021-22シーズンに38ゴールを決めました。それがブレイクアウトの瞬間だったのです。これに続く47ゴールは、2022-23シーズン、NHLで6番目に高い記録でした。その後はスターとして活躍しています。
NHL選手の勢いは、このように急速に高まります。時に若い選手が大きな役割を担うこともあります。また、周囲の景色やラインメイトを変えることによって、実績を作る選手もいます。
突然、水面下で泡を出していた誰かがオールスターになったり、優勝争いに加わるチームの重要な一員になったりします。
2023-24シーズン、NHLでブレイクしそうな25人のプレーヤーを、簡単な5つのランクに分けて紹介します:
景色が君だけを変える…
ティア1:新しい景色
これらの選手はチームを変えたことによって、(自分の)株価上昇を見ることができました。
タイラー・ベルトゥッツィ 左ウィング トロント・メープルリーフス
ベルトゥッツィがここに含まれない唯一の論拠として、2021-22シーズン、彼がすでにデトロイト・レッドウィングスで68試合に出場し、30ゴール、32アシストを記録してブレイクしていることがあります。これは統計的な観点から見て、公平です。
しかし、リーフスのトップラインで、1オースン・マシューズやミッチ・マーナーとともに助手席に乗ることで、彼がどれだけのキャッシュを得られるかを考えてみましょう—ましてや契約年に。キャリアハイを更新する可能性はあります。
ホッケーという宇宙の中心で、新たなスターダムにのし上がる可能性はさらに高いのです。
ベルトゥッツィの移籍は、ちょっと驚いたにゃ。
ベテラン中心の強豪ブルーインズからわざわざ出てまでリーフスを選んだのは、
馴染みやすい若手が多いからかな。
コナー・ブラウン 右ウィング エドモントン・オイラーズ
オイラーズがスタンレーカップを追い求めて失敗するたびに、ファン共通の嘆きは「もし我々の元に2人以上のコナーがいたら」ということです。さて、今は2人のコナーがいます!(これはおそらく彼らの考えていたものと違います)
今シーズン、ブラウンはコナー・マクデイビッドの2ラインメイトとしてプレーするという、よりうらやましいチャンスを手にするかもしれません。ブラウンとマクデイビッドはOHLのエリー・オッターズのチームメイトでしたので、これは一種の再会3なのです。
ブラウンがNHL最高の選手と一緒に時間を過ごせば、彼のキャリアハイ(21ゴール、43ポイント)は抹消されるかもしれません…、今後、彼が健康でいられれば、の話ですが。
昨シーズン、ACL(前十字靱帯損傷)の負傷でわずか4試合の出場に終わり、ワシントンで最初の(そして唯一の)キャンペーンが台無しになってしまったからです。
良き相棒を探せ!
ティア2:新しい相棒
これらのプレーヤーは、新しいラインメイトや守備面でのペアリング・パートナーによって、成長する可能性があります。
ケント・ジョンソン センター コロンバス・ブルー・ジャケッツ
ミシガン大出身で、今シーズン、コロンバスで大きなインパクトを残すだろうと多くの人が予想している選手がいます。いいえ、アダム・ファンティリではありません――それもそうだが、あの男はスターになるでしょう。
いや、ここで話題にしているのは、昨シーズン、ジャケッツで79試合に出場して40ポイントを挙げたケント・ジョンソン(2021年ドラフト5位指名)です。
試合ごとの氷上時間が14分31秒を超え、ジョニー・ゴードローらとスケートをする機会が増えれば、2年目の活躍が4期待できます。
ニック・パービックス ディフェンス タンパベイ・ライトニング
昨シーズン、25歳の彼はボルツ(タンパベイの愛称)で69試合20ポイントを獲得しました。ビクター・ヘドマン(ディフェンス、32歳)とは、ザック・ボゴシアン(33歳)、エリック・チェルナーク(26歳)とともに3人の主要パートナー(候補)の1人でした。
しかし、シーズン終了の頃、元ノリス(・トロフィー)獲得者とプレーしていたのはパービックスでした。
今シーズン、パービックスは今シーズン、ヘドマンとともにプレーすること(ラインメイト、ファースト・ライン)が想定されており、それは両者にとってメリットになるはずです。
ルーカス・レイモンド 左ウィング デトロイト・レッドウィングス
ブレイクアウトの絶対的な典型と言うべき21歳のウィンガーは、ルーキー時代に82試合で23ゴールを記録しましたが、昨シーズンは74試合で17ゴールとやや成績を落としました。
レッド・ウィングスでは、ディラン・ラーキン(センター、27歳)や新たに獲得したアレックス・デブリンカット(右ウィング、25歳)とラインを組む可能性もあり、(チームは)3年目の彼を成功させるつもりでいるようです。レイモンドが新たなレベルに到達するためのすべてが、デトロイトにあります。
デトロイトの大量補強が吉と出るか、凶と出るかも新シーズンのお楽しみの一つなんだにゃ。
いいお手本いっぱいいることにより、レイモンドまでグッと成長したら、
デトロイトがぶっちぎりで優勝するかも。
新シーズン、この選手の名前が連呼されるかも
ティア3:若いスターからメジャースターへ
これらの名前はすでに知っているかもしれません。もっとたくさん聞く準備をしてください。
コール・コーフィールド 右ウィング モントリオール・カナディアンズ
昨シーズン、コーフィールドの1試合平均ゴール数は、82試合で46ゴールを記録すると予測していました。でも、それは数字のトリックじゃないでしょうか。22歳のウィンガーは昨シーズン、怪我のため46試合の出場にとどまり、26ゴールを挙げました。
健康状態が良好で、ラインメイトのニック・スズキ(センター、24歳)との相性も良好であることから、今シーズン、この小柄なスコアラーはスターになる可能性があります。
メイソン・マクタビッシュ C アナハイム・ダックス
ダックスが再建を終えて再び戦う準備を整えたとき、マクタビッシュがパトリス・バージェロンやジョナサン・トウズのように、驚異的な技術と執念を持った「いかしたつなぎ役」になることは想像に難くありません。
典型的なルーキーシーズンで、80試合に出場して17ゴールを挙げ、NHLレベルの守備を学びながら攻撃面で優れたプレーを見せました。パワープレーでの彼の数字はもっと良くなるはずで、アレックス・キローン(左ウィング、34歳)のような選手がいれば、5対5の時の援護も増えるでしょう。
彼はただ健康を維持する必要があります。マクタビッシュはプレシーズンですでに怪我を5しています。
マクダビッシュのケガは大したことなさそうで、
巻き返しを図るダックスのフロントもホッと一息だにゃ。
未知数ながら、いい若手の多いダックス。
新シーズン、ダークホース的存在になると見ているんだが、予想が当たるかな?
時は来た!もう待ちきれないぜ!
ティア4:待機の時は終りました
我々が待ち望んでいた選手たちのうち、最終的に誰がブレイクするのか。
クイントン・バイフィールド センター ロサンゼルス・キングス
2020年のドラフトで全体2位指名され、昨シーズン、アイスタイムが1試合あたり2分近く(14分04秒)伸び、キャリア初のトップライン・プレーヤーのチャンスを掴みました。
エイドリアン・ケンペ(センター、27歳)、アンゼ・コピター(センター、36歳)とのラインは、5対5で54.7%の予想ゴール率を記録し、バイフィールド自身は53試合でキャリアハイの22ポイントを記録しています。21歳の才能がようやく表面化したのでした。
トーマス・ハーレー ディフェンス ダラス・スターズ
ハーレーはNHLでレギュラーシーズン40試合に出場し、6ポイントを挙げました。しかし、最も興味をそそられたのは、昨シーズン、ダラスで、スタンレー・カップのプレーオフに出場したときのパフォーマンスだったのです。
19試合で9ポイントを獲得し、一晩平均16分10秒もスケートをしたのです。
唯一彼の足を引っ張っているのは、ライアン・スーター(38歳)とエサ・リンデル(29歳)も左サイドの守備を担当しているという、スターズの選手層だけかもしれません。
しかし、ハーレーはこの問題と戦うつもりのようです。何よりも、彼はパワープレーに参加するチャンスを得たのですから。
ルーキーだからって甘くみるなよ!
ティア5:センセーションを起こしそうな新人
1年目からブレイクするの選手たち。
ローガン・クーリー センター アリゾナ・コヨーテズ
クーリーがミネソタ大学からNHLに移籍したのは、アリゾナで早くから頭角を現すチャンスがあると考えたからです。「コヨーテズには明らかに多くのチャンスがあるね。若い才能がいっぱいさ。高いレベルの選手たちとプレーするのを楽しみにしているよ」と述べました。
そして彼ら(コヨーテズのメンバー)は、昨シーズン、ゴーファーズ6で39試合に出場して60ポイントを記録し、このルーキークラスでは見られないような、ダイナミックな攻撃の才能を持つクーリーとプレーすることを楽しみにしています。
最初のプレシーズンゲームで、年間最優秀選手候補のゴールを挙げた新人選手は何人いるでしょうか。
コヨーテズ期待の若手の1人が大学から舞台を移し、
いよいよNHL本チャンでベールを脱ぐ時が来たにゃ。
大学時代、チームをチャンピオンに導いた腕前は伊達じゃない、
なんかやってくれそうな選手だ。
ブロック・フェイバー ディフェンス ミネソタ・ワイルド
21歳のフェイバーは、昨シーズン、NHLのレギュラーシーズンでわずか2試合を戦っただけで、プレーオフの戦いに放り込まれました(6試合出場)。
ミネソタ出身の彼は、NCAAでは凄まじく(ミネソタ大学で3年間プレー。87試合出場、7ゴール・43アシスト)、NHLでは堅実なディフェンスマンになることを目指しています。
ミネソタではジョナス・ブロディン(30歳)やジャレッド・スパージョン(33歳)ら、リーグ屈指のブルーライナー(ディフェンダー)から学ぶチャンスもあります。
まとめ
NFLやNBA同様、大学時代にスターだった選手というのは、その勢いをチームに持ってきてくれる率高め。今回の記事にある選手も、ほぼそんな感じで来ています。後はどれだけラインメイトに恵まれ、チーム戦術を多く吸収するかどうかでしょう。
その逆で、ダラスのトーマス・ハーレーのように、ベテランに足を引っ張られかねない選手もいるにはいます。それもまた自身を磨くための必要な試練だと思えば、どうってことないのかもしれません。そんな困難を乗り越えねば、スター選手になれませんからね。
NHLでビッグになれば、NFLの誰かさんみたいに、テイラー・スウィフト並みの超ビッグ・女性スターと付き合えるかもよ!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 2023年3月2日、ベルトゥッツィは、2024年のNHLエントリードラフトの条件付き1巡目指名権と2025年のNHLエントリードラフトの4巡目指名権とのトレードで、デトロイトからボストン・ブルーインズに移籍。
ボストンでは21試合に出場し、プレーオフではさらに7試合をプレー。同年7月2日、FAでトロントと1年550万ドルの契約を結ぶ。
↩︎ - 2022年7月13日、2024年のドラフト2巡目指名権と引き換えにワシントン・キャピタルズへトレード。2022-23シーズン、わずか4試合に出場した後、ブラウンは前十字靱帯損傷を負い、手術。年内残り試合を欠場。
キャピタルズとの契約終了時にフリーエージェントとなり、2023年7月1日、エドモントンと2023-24シーズンのインセンティブを含む1年400万ドルの契約を結ぶ。
↩︎ - 2010年、オンタリオホッケーリーグ(OHL)のエリー・オッターズに加入。2011-12シーズン、ポイント(53)、ゴール(25)、アシスト(28)でチーム・トップの成績を残したが、チームは最下位。
その弱点を補うべく、2012年のOHLドラフトでオッターズが全体1位したのが、現在、エドモントンのキャプテン、NHLを代表するスター選手、コナー・マクデイビッドである。
2012-13シーズン、ブラウンはチームのキャプテンに。2013-14シーズン、コナー・マクデイビッド共にプレーし、68試合で45ゴール83アシスト、128ポイント、プレーオフ中の14試合で8ゴール10アシストをそれぞれ記録している。
↩︎ - 2022年4月8日、ジョンソンはブルージャケッツと3年間のエントリーレベル契約を結び、同年同月13日のモントリオール・カナディアンズ戦でNHLデビュー。そのシーズン、最終的に9試合3アシストを記録。正確に言うと、23ー24シーズンは3年目となる。
↩︎ - 軽傷(上半身のケガ)だったようで、9月26日の練習から徐々に復帰。10月1日に行われたプレシーズンマッチ(コヨーテズ戦)に出場。
↩︎ - ミネソタ・ゴールデンゴーファーズの男子アイスホッケーチームの愛称。ビッグテン・カンファレンスのメンバーであり、NCAAのディビジョンI・アイスホッケーに出場している。
ビッグテンのレギュラーシーズン・チャンピオンシップトロフィーを2021–22、2022–23と2シーズン連続で獲得している強豪。ゴーファーとは、地下にトンネルを掘って生息するホリネズミのこと。 ↩︎