ストーンとスタンレー・カップが小児病院の子供達を明るくする!

現役スター選手紹介

はじめに 

 NHL公式サイトを見ると、スタンレー・カップがあちこちに移動している記事を目にします。「旅する優勝カップ」と言われるだけのことはあるのですが、その理由は記事を見ていただくとして、歴史的優勝カップは人の心に勇気と希望をもたらします。

 今回の記事は、優勝カップを見ることにより、大人同様、病気療養中の子供達が元気になってほしい、そう強く願う一選手の思いを綴った内容になっています。新型コロナ禍を経験し、本当に健康のありがたみを感じている今日この頃、とても心に残る記事でした。 

讃岐猫
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引用元:NHL.com「Stone brings Stanley Cup to children’s hospital in Winnipeg」。

スタンレーカップ、小児病院を訪問

 特に子供たちへの恩返しは、マーク・ストーン(右ウィング、31歳)の心に深く響くものなのです。

 スタンレーカップ・チャンピオンであるベガス・ゴールデンナイツのキャプテンで、ウィニペグ育ちの彼は、このオフシーズン、チャンピオンズツアーの一環として、優勝カップを持参することによって、人々にインパクトを残すことが重要だと感じていました。

チャンピオンズツアーの一環=スタンレーカップは、優勝チームへ授与された後、地元へ優勝パレード等で凱旋したり、NHLアウォードやドラフト会場にお目見えする。中でもユニークなのが、選手をはじめとするチーム・スタッフが24時間カップを独占できる点である。

 よって、選手の地元へカップが移動したり(他国への移動も可能)、今回のような慈善活動の場にカップがもたらされ、人々に勇気をもたらす場合も出てくるのである。

 そのため、彼は妻のヘイリーと父親のロブと共に、水曜日、HSC(Health Sciences Centre)小児病院で何時間もカップと共に過ごしています。

HSC小児病院=カナダ、ウィニペグにあり、正式名称はThe Children’s Hospital of Winnipeg。外来、心臓、救急、透析、集中治療、医学、メンタルヘルス、新生児、外科治療の分野で、高度に専門化された急性期の小児医療を提供。

 最年少の患者が快適な病院生活を過ごせるよう、小児患者は滞在中に無料のテレビスタジオ、厳選された文化的に多様な図書館、革新的な音楽や演劇を利用できる。

 児童保健プログラムの一部には、患者と家族を擁護し、心理社会的サポートを提供し、子どもたちに治療や処置の準備をさせるチャイルドライフチームがある。

 ストーンは「(カップを持っていくことが)12時間延長できると分かっていたし、何か特別なことをして、つらい思いをしている子供たちの顔に笑顔を届けたかったんだ」とストーンは語りました。

 「スタンレーカップはユニークなトロフィーだ。それを見ると、ほとんどの人が笑顔になるので、ここに来て、子供達のための1日を明るくしようとするのは刺激的だったよ」と述べています。

讃岐猫
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今回の訪問に対するマーク・ストーンの思い

 ストーンが子供たちの健康の重要性を痛感したのは、ホッケーを通じて築いた友情からでした。

 彼が地元のウェスタン・ホッケー・リーグのブランドンでプレーしていたときのことです、ストーンは、元NHL選手のライアン・ホワイトの家族の元に下宿していました。

ライアン・ホワイト=カナダ、マニトバ州ブランドン出身、35歳。現役時代のポジションはセンター。現在、マニトバ・ジュニアホッケーリーグのウィンクラー・フライヤーズでアシスタントコーチを務める。NHL最多出場は、2015-16シーズン、フライヤーズでの73試合。

 2022年2月、ライアン・ホワイトの息子ゴーディは、治療が困難な希少がんであるびまん性固有海綿体神経膠腫(小児期に発生しやすい脳幹の腫瘍)と診断されたのです。

ライアン・ホワイトの息子ゴーディ=後に、米国のクラウドファンディング・プラットフォームであるGoFundMe(事故や病気などの困難な状況に対する支援などのために、資金を集める)より、20万ドル以上が調達されている。

 「それが、こういうことをやろうと思ったきっかけなんだ」とストーンは言いました。「彼の戦いぶりやタフさ、そして彼が経験していることを目の当たりにする、というのが、僕がこれをやった最大の理由さ」。

 「つらい時もあります。この子たちが経験している様々なことを見るのは難しいけど、彼らはとてもタフなんだよ。彼らは戦士であり、とても激しく戦っている。そして、僕が言ったように、彼らの顔に笑顔をもたらすのは、僕が笑顔になるのと同じなんだよ」。

自らも背中の手術で苦しんだ

 彼自身のこれまでを含め、人生と健康に対する視点は、ストーンにとって失われていません。NHLで12年間プレーしたベテランは、9ヶ月の間に背中の手術を2度受けました(最初の手術は昨年5月)

 ;直近では1月31日、スタンレー・カップ・プレーオフのベガスの初戦まで離脱を余儀なくされています。

1月31日=この日に、2度目の手術があったものと思われる。「思われる」としたのは、Wikiではストーンの負傷した日が「2023年2月12日」となっているのに対し、NHL公式では「1月12日」(相手はどちらもパンサーズ)となっていて、日付に誤差があるため。

 ストーンは(プレーオフの)残り試合も欠場せず、スタンレーカップ決勝第5戦でのハットトリックを含む22試合で24ポイント(11ゴール、13アシスト)を記録し、フロリダ・パンサーズに9-3の勝利を収めました。

 「いいかい、僕はホッケーを生業にしているんだ」とストーンは言います。「今、自分に小さな娘がいるので、今日のようなことはつらい。涙を流すこともあるけど、言ったように、誰かを笑顔にすることは、僕にとっての全てなんだ」。

 小児病院財団(すべての病気、怪我、状態を持つ子供たちのための最先端の機器、重要な研究、現場での支援に資金を提供)のステファノ・グランデ会長兼最高経営責任者(CEO)は、ストーンの訪問は大きな影響を与えたと述べました。

讃岐猫
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選手とカップが訪問する意義

 「マーク・ストーンのようなリーダーには、とても感謝しています」とグランデは述べています。「(彼は)ゆっくりと入院している子供たちを見舞うことで、地域社会への深い思いやりを示してくれました」。

 病院スタッフによると、ストーンのような特別な面会は、家族が病院で前向きな思い出を作るのに役立つだけでなく、治療を受けている子供たちに安らぎや気晴らし、モチベーションを与えるとのことでした。

 ストーンは「ラスベガスにいても子供たちといろいろなことをしているので、(ゴールデンナイツの)スタッフに連絡を取ってもらい、幸運にもすぐに設定することができた」と語っています。

 「ここで素晴らしい小さなイベントを開催した。子供たちの思い出が一生続くことを願っているよ」。

まとめ 

 日本でも、プロ・アマを問わず、スポーツ選手が様々な社会活動を行なっています。ただ、優勝カップが選手同様に「活動している」例はないと思います。今回の記事でスタンレー・カップに歴史と文化があり、いかに多くの人々に認知されているかが分かります。

 今シーズン、ストーンも大怪我をし、2度の手術を経たこともあり、より一層自らの身体のケアに務めてくれることでしょう。そして、新シーズン、さらにパワーアップしたストーン、ゴールデンナイツが見られるよう、心の底から期待しています!

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