はじめに
シーズン開幕ギリギリになって、やっとNHL.tvがリスタートしました!まだフロント・ページを見ただけで、視聴契約などはしていないのですが、いろいろとシステムが変わっている感じがします(あくまで見た目の印象)。なかなか試合の見れない日本のファンからすれば、取りあえず無事に出発したことは安心ですね。
さて、前回、ESPN.com版「このチーム、プレーオフに出られる?出られない?」特集をピックアップしました。今回はその続きであり、セントラル、パシフィック各ディヴィジョン編。まるで、日本のプロ野球のリーグみたい。
ここの2ブロック=ウェスタン・カンファレンスには、新興チームであるベガス・ゴールデンナイツやシアトル・クラーケンもいれば、昨年度のスタンレー・カップの栄誉に輝いたコロラド・アバランチもいます。イースタンと比べると、個性の強いチームが多いような気がします。
辛口ESPN.comは、どのチームを評価し、あるいはダメ出しをするのでしょうか。
フルで試合が見れそうで、オイラも安心したニャ!
引用元:ESPN.com「The NHL’s ‘reversal of fortune’ teams for 2022-23: Playoff teams most likely to miss, non-playoff teams most likely to make it」。
セントラル・ディヴィジョン
プレーオフを逃す可能性大:ナッシュビル・プレデターズ
回帰とは「以前の、またはあまり発達していない状態への復帰」 と定義されます。それはまた、プレデターズファンにとって最大の懸案事項です。昨シーズン、チームのオフェンスが爆発した後、コロラドとのプレーオフ・シリーズ第1ラウンドの日程を獲得したものの、第一ラウンドは….短いものでした。
プレデターズは試合当たり平均3.20ゴールで、前の56試合のシーズン (2.70) の半分以上のゴール数が上乗せされており、2019-20年度の平均 (3.07) を上回っています。5対5のシュート成功率は8.79%で、2019-20年の8.56%を上回り、2020-21年の7.73%を大きく上回りました。
センターのライアン・ヨハンセン(30歳)は、シュート率が前年比で11.6%ポイント上昇しました。昨シーズン、キャリアハイの43ゴールでチームを牽引したマット・デュシェン(センター、31歳)は、シュート率を10.7ポイントも伸ばしました。フォワードのタナ・ヤノット(左ウィング、25歳)は昨シーズン19.4%のシュートを放ち、全ルーキーの中で2位でした。
プレデターズに期待できることがいくつかあります。ディフェンスマンのロマン・ヨッシ(キャプテン、32歳)は、彼のキャリアの中で最高のホッケーをプレーしています。ゴールキーパーのユース・サロス(27歳)は、昨シーズン、自身最多となる67試合に出場し、ベジーナ・トロフィー(最高のゴールキーパーに贈られる賞)にノミネートされました。
ディフェンスマンのライアン・マクドナー(33歳。タンパベイ・ライトニングから)とフォワードのニーノ・ニーダーライター(30歳。カロライナ・ハリケーンズから)のオフシーズンの加入は、このチームの戦力をより分厚く、より良いものにしています。このチームにはいい要素がたくさんあります。
昨シーズン、多くのチームが攻撃的プレイ・スタイルのブームを経験し、COVID-19による中断や他の多くの要因により、リーグの得点レベルが1990年代半ば以来の最高レベルに引き上げられました。プレデターズ以上にその恩恵を受けたチームはほとんどありませんでした。
ラスベガスやバンクーバーなどのチームを押しのけて、ワイルドカード進出に彼らを導いたゴール・スコアリングは、再現するのが難しいかもしれません。
攻撃は水物と言うからにゃ。
そうは問屋は降ろさない!ってか。
プレーオフに進出する可能性大:ウィニペグ・ジェッツ
「回帰」を定義したので、「デフォルト」という語句を定義しましょう。「セントラル・ディビジョンに残っている3チームのうちの1チームをプレーオフ候補に選ぶ」という意味だと思いますが、他の2チームはシカゴ・ブラックホークスとアリゾナ・コヨーテスです。
一見したところ、ジェッツは来夏にコナー・ベダード(ウェスタン・ホッケー・リーグのレジーナ・パッツ所属。センター、17歳)をドラフト指名することを期待して、「破壊的なボール(チームの和を乱すような移籍選手)」をロスターに持っていかなかったので、プレーオフ進出は確実ではないにしても、このチームを候補として選択することは明瞭な判断です。
このジェッツのチームには長所があります。カイル・コナー(左ウィング、25歳)はNHLで最も安定したゴール・スコアラーの1人であり続けています。マーク・シャイフェレ(センター、29歳)は、依然として1試合あたりの得点率において攻撃性を発揮しています。
ピエール=リュック・デュボワ(左ウィング、24歳)とニコライ・イーラス(左ウィング、26歳)は、NHLという表舞台でいまだに爪痕を残し続けています。ブレイク・ウィーラー(右ウィング)は35歳となってペースを落としましたが、昨シーズン、65試合で60ポイントを獲得しました。
コナー・ヘレビュイック(29歳)がゴールテンダーの座に就き、しっかりとポジションに定着している中で.910のセーブ率を記録しているおかげもあって、ウィニペグはすべての試合で勝つチャンスを有しています。
新監督のリック・ボウネス(67歳)が2つのことをすれば、ジェッツはプレーオフ出場権を争うことができます。一つ目は戦術面:ウィニペグは、昨シーズン、5対5でプレーした際の予想失点は60分あたり2.75となっており、守備はあまりにもひどいものでした。ヘレブイック一人ではできないので、それは劇的に改善しなければなりません。
もうひとつは、ボウネスがすでにやろうとしていることで、チームの権力構造を破壊し、ロッカールームからネガティヴな要素を取り除くことです。例えば、ベテラン年代の選手達の気持ちを変化させるために、ウィーラーのキャプテンシーを剥奪しました。
今シーズン、ジェッツが向かおうとする先の話よりも、ウィニペグを去るかもしれない選手達にまつわる多くの話が出ていました。しかし、ここには、ワイルドカード進出を可能にするだけの十分な才能があります。少なくとも我々は、彼らがセントラル・ディヴィジョンで最下位にも下から二番目にもならないことを知っています。
フライヤーズの監督同様、
ロッカールームの意識改革なんだにゃ。
パシフィック・ディヴィジョン
プレーオフを逃す可能性大:ロサンゼルス・キングス
昨シーズン、キングスのプレーオフ出場は、いくつかの点で驚きでした。
3月7日のプレーを最後に、上半身のケガでシーズン残りを欠場したドリュー・ダウティ(ディフェンス、副キャプテン、32歳)なしでそれを成し遂げました。チームは、全体を引っ張っていける将来有望な選手達を、移籍等で集めることなくやり遂げたのです。
エイドリアン・ケンペ(センター、26歳)は、リーグのトップ・スコアラーの中にランクされた唯一の25歳以下のプレーヤーでした。カル・ピーターセン(ゴールテンダー、27歳)がチーム内で効力を発揮できず一歩後退した後、ジョナサン・クイック(ゴールテンダー、36歳)がゴール・ネットの中で選手達をリードして、チーム全体を管理するようになりました。
彼らは引っ掻き傷を負いながらも、爪を立てることを繰り返し、最終的に必要なポイントを獲得し、パシフィックディビジョンで3位に入りました。
今シーズンもキングスはレベルアップし続ける可能性があります。クイントン・バイフィールド(センター、20歳)やアーサー・カリエフ(右ウィング、21歳)などの選手は昨年より成長するでしょう。チームは、ケビン・フィアラ(左ウィング、26歳)をポストシーズンに導いたベテラン・フォワードの一団に加えることにより、彼の得点力の高さをトップラインにもたらそうとしています。
昨シーズンのNHLでの戦いが、チームのフランチャイズの前途を占うものだったのかもしれません。
しかし、昨シーズンのロサンゼルスでうまくいったことのいくつかが、2022-23年にうまくいかない可能性もあります。
36歳のクイックがルネッサンスだったのか、それとも異常だったのか?もし後者なら、ピーターセンがまたもがいたらどうなりますか?将来有望な選手達の育成に、もう少し時間が必要ではないですか?ディフェンス陣は、氷の上より紙の上の方でよく見えるのではないですか?
キングスにとって最大の課題は、フレイムズとオイラーズが彼らより先にフィニッシュする可能性が高く、キングスの後ろにいる他のチームが追いつく可能性があることです。
2匹目のドジョウはいないにゃ。
猫はドジョウを食うけどニャ!
プレーオフに進出する可能性大:ラスベガス・ゴールデンナイツ
ロビン・レーナー(ゴールテンダー、31歳)のシーズン終盤の負傷で、多くの選手がナイツの敗退を確信しました。しかし、ローガン・トンプソン(同、25歳)、ローラン・ブロソイト(同、29歳。現在故障者リスト)、アディン・ヒル(同、26歳。サンノゼ・シャークスから新加入)が合流することで、今シーズン、ベガスのリーグにおける平均ゴール・セーブ率アップに貢献するかもしれないことを考えてみてください。
率直に言って、彼らが他のほぼすべての分野で優れていることを考えると、それだけでナイツが必要とするものすべてかもしれません。
キングスとプレデターズに敬意を表しながら、ゴールデンナイツは、間違ったタイミングで発生したケガによる混乱がなければ、昨シーズン、プレーオフ・チームになっていたでしょう。
マーク・ストーン(右ウィング、キャプテン、30歳)は2月9日から4月11日までラスベガスでプレーしませんでした。ナイツは彼抜きでも12勝13敗1延長負けでシーズンを進めました。シーズン終了後、プレーインゲームに相当する試合で、レーナーを失ってしまいました。ライリー・スミス(右ウィング、31歳)はシーズン最後の1ヶ月半を欠場しました。
ナイツが昨シーズンに期待されていたチームでなかったのは事実ですが、その短い歴史の中で初めてプレーオフ進出を逃したのではなく、あと数回勝てばいいところで、毎回惜敗を喫してしまうのです。
今シーズン、状況が違います。ナイツはうまくいけば、トップラインに元気な(そして幸せな)ジャック・アイケル(センター、25歳)を加え、マックス・パシオレッティをハリケーンズにトレードした時、ゴール・ギャップ(ゴールまでの距離)を埋めるべく、そのポジションにはフィル・ケッセル(センター、35歳。アリゾナ・コヨーテズから新加入)が入るでしょう(つなぎ役でもあり、司令塔でもあるのかな)。
ストーンは戻ってきて元気いっぱいです。チームはスミスを新しい契約により連れ戻しましたが、スミスと時々ラインメイトを組んでいた、ジョナサン・マルチェソー(センター、31歳)とウィリアム・カールソン(センター、29歳)は強力な攻撃力をいまだ維持しています。アレックス・ピエトランジェロ(ディフェンス、32歳)とシェア・セオドア(同、27歳)はブルーラインを押さえています(守備の要です)。
今シーズンの鍵は、ブルース・キャシディ新監督(57歳)かもしれません。昨シーズンのラスベガスには何か違和感がありました。ロッカールームで(キャシディの)新しい声と二つの目が違いを生むかもしれません。
もし彼が適切なフィット感を持ち、ナイツのチーム状態が正常であり続け、ゴールテンディングのプランが大失敗でないなら、ラスベガスはこのポストシーズンで金(プレイオフに参戦、その入場料収入のこと?チーム名のゴールデンを意識した表現か)を取り戻すことができるかもしれません。
他のサイトでも、評価の高いナイツ。
台風の目になりそうにゃ。
まとめ
まず、トレーニング・キャンプを経て、プレデターズの攻撃力がさらに上昇しているのか、はたまたリセットされてしまったのか。バンバン得点の入る試合が見たいですからね、プレデターズの元気の良さが持続していることを期待しています。
それにしても、ナイツのゴールテンダーの補強ぶりは凄まじいです。各チームのロースター覧を見ると、ゴールテンダーはだいたい3人くらいなんですが、ナイツは5人います。記事にもありますように、彼らをローテで回すプランがあるんでしょうけど、果たしてそれが上手く行くかどうか。誰かがトレードに出されるんじゃないかなぁ。
そのナイツとジェッツも、ロッカールームにメスを入れたようです。ファースト&セカンド・ラインに入れなかったり、ラインメイトと合わなかったりがあると、途端に不満が出るのは仕方ありません。その辺をどうやり繰りしていくのか。ビシッと注意する監督さんもいれば、やんわりと分からせる監督さんもいるんじゃないでしょうか。
とにもかくにも開幕です!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!