はじめに
このブログでも紹介しまくった、NHLウィンター・クラシックも無事終了。Yahoo!のスポーツ・ニュースとかにも、珍しく(?)取り上げられていましたね。すでに来年の日程も発表されており、なんと1月1日、シアトル・クラーケン対ベガス・ゴールデンナイツの新興チーム同士の対戦が組まれています。
毎年、クラシックの際には、試合内容もさることながら、その周辺事情も話題になります。今回は、その中からユニークなものをピックアップした記事をお届けします。特に「パスタで造った選手像」は、超が三つか四つ付くくらいユニークですよ…。
オイラ、パスタは普通に食べたいにゃ。
引用元:ESPN.com「Penguins-Bruins – Sights from Winter Classic at Fenway Park」。
NHLウィンター・クラシック、無事終了
月曜日に開催されたNHLウィンター・クラシックでは、ボストン・レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークでピッツバーグ・ペンギンズ対ボストン・ブルーインズ戦が行われました。
地元チームは、ジェイク・デブラスク(左ウィング、26歳)の試合終盤の2ゴールにより、2-1で勝利を収めました。
NHLがグリーン・モンスターの前でプレーするのは2回目で、2010年に初めて行われました。2008年にウィンタークラシックが始まって以来、野球場で6回試合が行われています。
冬のフェンウェイ・パーク
しかし、110年の歴史を持つフェンウェイ・パークにとって、この時期は野球以外のスポーツが活発な時期でした。12月17日には、ルイビル・カージナルス対シンシナティ・ベアキャッツの「ワサビ・フェンウェイ・ボウル」が行われました。
※ワサビ・フェンウェイ・ボウル=フェンウェイ・ボウルは、マサチューセッツ州ボストンのフェンウェイ・パークで行われる、NCAA ディビジョンI・カレッジ・フットボール・ボウル・ゲームのこと。ワサビとは、ワサビ・テクノロジーズが冠スポンサーとなったため。
※シンシナティ・ベアキャッツ=シンシナティ大学のアメフト・チームのこと。ビッグ12・カンファレンスのメンバーとして、NCAAディビジョンI・フットボール・ボウル・サブディビジョンに所属。
※ルイビル・カージナルス=ルイビル大学のNCAAアスレチックチームのこと。カージナルスは、2014年からスタートしたアトランティック・コースト・カンファレンスでプレー。
11回のワールド・シリーズが開催されたこの野球場は、サッカースタジアムとホッケーリンクのように見えました。
月曜日のフェンウェイパークは風光明媚な景色でいっぱいでした。2023年のウィンタークラシックの最高の観光スポットは次のとおりです。
ネットの記事には、いろんな角度から撮影された
試合会場の画像がアップされてるにゃ。確かに見晴らし良さげ!
グリーンモンスターの上のホッケー
NHLの屋外試合の第三回である2010年クラシックと今日の大きな変更点は、今年のリンクは、左翼のグリーンモンスターと平行に設置されました。
そのため、フェンウェイ・パークの最もユニークな座席は、素晴らしい中央の氷の景色を眺めることができ、NHLの屋外試合では間違いなく最高の座席でもありました。
シーズン・チケットを持っている人に送られた座席表によると、グリーンモンスターの上からウィンター・クラシックを見るためのチケットの額面は400ドル(日本円で約5万2千円)でした。
私たちが話を聞いたファンの中には、早く入手したファンの中には、もっと安いと言った人もいました。グリーンモンスターのチケットは、試合当日には2,000ドル(日本円で約26万円)を優に超える価格で販売されていました。
数か月前、ブルーインズ・ファンのトミー・ドリスコルは、モンスターの立ち見席のみのチケットを350ドル(日本円で約4万6千円)で購入しました。
午後12時30分頃、彼と友人は午後2時33分のパック・ドロップ(試合開始)に向けて、(自分達の席の場所を示すため)壁に掲示しました。立ち見場所を維持するために、彼らは交代で売店とトイレに行きました。
ダグアウトの後ろに座っていた2010年の試合より、「確かに見晴らしがいい」とドリスコルは言います。
「氷の位置が違っているね。ウィンター・クラシックがどれだけ進歩したかがわかるだろう」と彼は言いました。―グレッグ・ウィシンスキー(アメリカのスポーツライター兼ラジオ・パーソナリティ。Yahoo!を中心に執筆活動)
ボストンの王族
2人の偉大なボストンのアスリート―ブルーインズの偉大なボビー・オア(ディフェンス。得点力も高く、2度のポイント王)とレッドソックスの元キャプテンのジェイソン・バリテック(現・レッドソックスのゲームプランニングコーディネイター)―は、始球式を務めました。
ミケランジェロのダビデ像(パストルナク・パスタ彫刻)
フェンウェイパーク近くで開催されるウィンター・クラシックのファンフェスティバルでは、パック・シューティングの大会やホッケー・グッズ、試合前の大量の飲み物を楽しむことができると思われています。
スパゲッティとトマトソースで作られたボストン・ブルーインズのウィンガー、デイヴィッド・パストルナック(右ウィング、26歳)の像のような現代アートがあるとは思ってもみませんでした。
彫刻は「デイヴィッド・パストルナック・イン・パスタ」と呼ばれ、「パスタ」はブルーインズの得点王の愛称です。この24インチの像は、アーティストであるアダム・パーカー・スミスが、特殊なパスタと樹脂を用いて制作したもので、以前にも同じパスタを用いてギリシャのアンフォラを変形させたことがあります。
「パスタ・イン・パスタは、ブルーインズのスターの全人格をとらえることを意味しています」と、ディスプレイには説明が書かれています。
何だかパスタが筋肉みたいに見えるんだにゃ…。
パストルナク像は単に芸術的に豊かにするだけでなく、地元の慈善団体を財政的にも強化することを目的としています。
このパスタ像はオークションにかけられ、収益はグレーター・ジョンズタウン高校のホッケー・プログラムと、選手を支援するキース・ガーマン記念ホッケー基金に寄付されます。
これは、2022年に33歳で亡くなったブルーインズの元チーム・シェフ、故キース・ガーマンにちなんで名付けられた基金です。―グレッグ・ウィシンスキー
※グレーター・ジョンズタウン高校=米国東部の公立高校で、ペンシルベニア州ジョンズタウン内、グレーター・ジョンズタウン学区が運営する唯一の高校。
ドローンの視点
※ESPN.comの該当記事(上記引用元をクリック)で、NHL.com公式Twitterにアップされたドローン映像が見られます。
ゲーム前のファッション
野球場でプレーしながら、ペンギンズは周囲に溶け込んでいます。
ジェイク・ゲンツェル(左ウィング、28歳)、ヤン・ルッタ(ディフェンス、32歳)、ブライアン・ラスト(右ウィング、30歳)、ジェイソン・ザッカー(左ウィング、30歳)などのチームメンバーは、試合前にピッツバーグ・パイレーツのビンテージ・ユニフォームを着ていました。
ゴールキーパーのケイシー・デスミス(31歳)は、キャッチャー・ギアまで身に着けていました。
1925年のパイレーツはワシントン・セネタースを破り、フランチャイズ2度目のワールドシリーズ優勝を果たしています。
ブルーインズはレッドソックスのビンテージのユニフォームを着て、球場に到着しました。
ブルーインズのフォワード、チャーリー・コイル(センター、30歳)はESPNの取材に対し、「あれは1937年のユニだから、僕たちの衣装全てが当時を再現しているようなものさ」と語りました。
地元スポーツ局のインタビューに応じた際、コイルは自分の手で野球グローブを傷つけてしまいました。
「何人かの人は、自分のを壊してしまったようだよ。私はほとんど(手を)動かせないんだ」と笑っていました。「すごくかっこいい。こんなの着てたのかよ。今はかなり変わっているね」 と述べています。
野球のグローブとアイスホッケーのそれじゃ全然作り違うから、
上手く使いこなせなかったのかにゃ。
パストルナックのフェンウェイ・スティック
週末、ボストン・ブルーインズのスター選手であるデイヴィッド・パストルナックが、屋外での試合用に特別にデザインされた「グリーン・モンスター」スティックとスケート靴を公開したのは週末でした。
どちらもフェンウェイの象徴である左翼の壁を模したグリーンと、ベースボールを連想させるステッチが特徴です。ウィンター・クラシックのロゴとフェンウェイのスコアボードのモックアップも含まれています。
ブルーインズのウィンガーはスケートとスティックに個人のロゴを入れているが、どちらもバウアー・ホッケー(世界No.1のアイスホッケーブランド!)が作ったものです。
変わったところでは、スティックの軸とスケートの側面にレッドソックスの伝説的選手、デビッド・オルティズ(2017年、背番号「34」がレッドソックスの永久欠番。2022年、アメリカ野球殿堂入り)のロゴが描かれています。―グレッグ・ウィシンスキー
まとめ
ウィンター・クラシックは公式戦であり、かつお祭り的要素が強い試合です。試合会場入りまでの間、選手達もお祭りを楽しもうとしていたようですね。しかも、スポーツの垣根を超え、NHLの選手達による、MLBレッドソックスの選手へのリスペクトを忘れないところが、さらに好感度を増しています。
日本のプロスポーツでも様々なイベントで集客の努力をしていますが、中には「ただ楽しければいい」というものも見受けられます。スポーツ全体に対する敬意というか、そういうものをプレーヤー、スタッフ、そして観客に抱いてもらうようなイベントをやってほしいですね。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!