NHL2026年も分散ドラフト採用、進行遅延に改善策は?

その他のNHLネタ

はじめに

 NHLは2026年も「分散型ドラフト」形式を継続する方針を決定しました。ファンの間では賛否が分かれるこの形式。Zoomインタビューや長すぎる進行など、課題も山積みです。

 個人的意見ですが、今年のNHLドラフトはダラダラしてたのは間違いない!選手にとってもファンにとっても、本当にベストな形とは何かを考えたいところです。

NHLチームが分散型の2026年NHLドラフトに賛成票を投じる

参照記事:The Athletic「NHL teams vote in favor of decentralized 2026 NHL Draft: Source

🏒NHLドラフトが分散型に!その背景とは?

 2026年のNHLドラフトについて、大多数のNHLクラブが分散型1(非集中型)フォーマットを支持する投票を行ったと、リーグ関係者がThe Athleticのピエール・ルブラン記者に伝えました✨

 2025年以前、NHLは他の主要スポーツリーグとは異なる形式でドラフトを実施していたのです。他のリーグがドラフト中に本拠地の作戦室(ウォールーム2)にフロント陣を揃えるのに対し、NHLは中央集中的なフォーマットを採用し、各チームの意思決定者がアリーナのフロアに一堂に会する形式をとっていました。

今年のウォールームの様子。パンデミック時の採用がヒントになってます。

 それはそれで、ファンにとっても見ごたえのあるイベントだったと言えます。

 しかし、近年では違う流れが出てきています。2025年のドラフトで初めて分散型が採用され、チーム関係者がそれぞれ別々の場所から参加するスタイルに。実はこれ、コロナ禍に行われた2020年・2021年のリモート形式をきっかけに、進化したかたちとも言えるんです。

 最後に対面形式で実施されたドラフトは、2024年にラスベガスのスフィア3で行われたものでした。

🤔集中型のドラフト、実は不満も…

 ファンにとってはワクワクするイベントだった集中型のドラフト。この従来の環境は、ファンにとって素晴らしいテレビコンテンツを提供していたからです。チーム同士の議論を促す場でもありましたが、このフォーマットに対して、実際に運営する側からは色んな不満がありました。

 一番大きかったのは「チームの重要な意思決定に関する内部議論をする上で、必要なプライバシーが不足している!」という点。アリーナのど真ん中でチームの未来を決めるような議論をするのは、やっぱり厳しいですよね💦

 さらに、マネジメント側からは、フリーエージェンシー開始とドラフトの日程が近すぎるというスケジュール上の問題や、コスト面の負担も指摘されていました。オーナーたちにとっては、分散型の方が費用を抑えられてありがたい面もあるんです。

🎥バーチャル化の課題と評価

 とはいえ、今年の夏、分散型については批判もありました。今年のNHLドラフト1巡目は、テンポが悪く、ちょっと気まずいシーンも…。特に「NHLドラフトハウス4」でのバーチャルインタビューでは、指名された選手と新しいチームのマネージャーとのやりとりがぎこちなく感じられた場面もありました😅

これが噂のドラフトハウス。確かに変な間ができたり、トンチンカンなやり取りになったり。

 しかし!視聴率は非常に好調📺✨リーグとしても評価されるべき点はあります。

 そして、2日目のドラフト進行はスムーズで、多くの人から高評価を受けていました。パンデミック中に行われた完全リモート形式よりも、格段に良くなっていることは確かです。リーグとしても、この経験から何がうまくいかなかったかを学んで、2026年の初日により良いドラフト体験を提供することができるでしょう👍

讃岐猫
讃岐猫

👏選手にとっては一生の思い出

 フィラデルフィア・フライヤーズから2巡目指名を受けたシェーン・ヴァンサギ(全体48位指名、ミシガン州立大学。右ウィング、18歳)は、今回の形式についてポジティブに語っています。

 「結局のところ、すべての指名候補者がその場にいました。僕たちはみんな指名され、ステージに上がってジャージを着て、NHLの一員になった。それがドラフトの本質だと僕は思う。僕自身はこれまで対面のドラフトに参加したことがなかったので、これが僕にとっての“普通”だった。テレビで見ていたドラフトも、とてもきちんとした印象だったよ」とコメント🎤


 彼にとって、テレビの中のドラフトが“普通”だったから、違和感もなかったようです。

 「もちろん文句を言う人もいるだろう。でも、候補者としてドラフトに参加した僕にとっては、本当に素晴らしい経験だったし、家族もとても楽しんでくれた。僕にとって一生忘れられない瞬間であり、経験になったね」と語ってくれました✨

🎯他のリーグとの違いは?

 普通のファンにとっては気にならないことかもしれませんが、分散型を続けることで、NHLが唯一、大規模なコンベンション形式のイベントを持たないリーグになることを意味します。MLBにはウィンターミーティング5、NFLにはコンバイン6、NBAにはサマーリーグ7など、象徴的であり、ファンが集まる恒例イベントがあります。

 でも、NHLにはそういう“祭り”がなくなってしまう可能性があるんです🤔ファンにとっては少し寂しい変化かもしれませんね。

ファンの声を無視した賛成票?

参照記事:OutKick8NHL Teams Ignore Everyone And Vote For Another Decentralized Draft

🏒分散型ドラフト、来年も続行決定!

 NHLは2026年も「分散型ドラフト」を継続することを決定しました📩NHLチームは、数日間どこかの都市に移動するくらいなら、「また変で退屈なドラフト形式をやろう」と考えているようです😅

 Sportsnetによると、この形式は、各チームが1か所に集まらず、自宅や地元の拠点からリモートで参加するというもの。副コミッショナーのビル・デイリーが「分散型」支持を表明し、リーグがこのスタイルを提案したところ、チームからも支持が集まり、投票の結果、このフォーマットが来年も継続されることが決まりました。

 でもこのニュース、ファンにとっては最悪です😢多くのファンがこの新しい形式を嫌っていたからです。本来はスピーディーな進行を目的としていたはずの新しい形式が、なぜかその真逆になってしまいました。なんと1巡目が4時間以上かかってしまうという結果に…。

 さらにひどかったのは、「NHLドラフトハウス」と呼ばれる奇妙なバーチャル環境。選手たちが新しいチームのフロントと話す様子は、まるで『オズの魔法使い』のように不思議で、まるでクリスマスに祖父母とフェイスタイムしようとする時のような、ぎこちない感じでした📱💬

 人が話をかぶせ合ったり、気まずい沈黙があったり、音声トラブルも頻発…💻🎙️。見ている側としては、正直ちょっとつらい場面も多かったんです💦

🎤やっぱり“あの雰囲気”が恋しい…

 多くのファンが懐かしく思っているのが、昔ながらの「クラシックなドラフト」の雰囲気であり、そっちの方がずっと優れている、ということです。


 何よりワクワクしたのは、どこかのチームのテーブルで「ざわつき」が起きたとき。「おや?デトロイトのテーブルがざわついてますね」なんてアナウンサーの声が聞こえると、数分後にコミッショナーが壇上に現れてトレードを発表✨──そんなドラマチックな瞬間がなくなってしまいました😢

 今年も確かにトレードは行われましたが、ファンが目にするのはインサイダーのテキスト速報だけ📱目の前で起きる“ドラマ”や臨場感がないのは、やっぱり物足りないですよね。

 でも、このニュースにも少しだけ希望もあります。リーグ側も、今回の分散型ドラフトが完璧ではなかったと認識しています。デイリー副コミッショナーは「2026年のドラフトをもっと短くできる簡単な方法がある🔧📉」とコメントしており、次回には改善が期待できそうです🔧✨

カナダのNHLオーナーが、ゲイリー・ベットマンとNHLに反論?

参照記事:houseofhockey.net9Canadian NHL Owner Takes a Stand Against Gary Bettman and the NHL for Controversial Vote

🏒NHLドラフトの「分散型」形式、来年も継続決定!

 どうやらNHLは、いくつかの気まずい場面があったにも関わらず、今シーズン同様、2026年のドラフトでも、賛否両論あった「分散型」ドラフトを続けることが決まりました!✨

 今回のドラフトは、1巡目の指名選手全員を発表するのに4時間以上かかり、各チームの指名後、各選手がZoomで新チームの幹部とライブビデオインタビューをするために控室へと案内される形式を取っています。このやり方にファンからは否定的な声が多かったんです😅

 しかし、多くのゼネラルマネージャーがこの方式を支持し、この形式は少なくとももう1年は続く見込みですが、一部のチームはこれに公然と反対していました。とはいえ、1巡目の進行を早める調整が検討されています。マスコミもこの結果には少し驚いています。

🏟️オタワ・セネターズは反対、開催地だけが得する?

 TSNのブルース・ギャリオックによると、オタワ・セネターズは分散型ドラフト形式を好まず、公然と反対の立場を取っていました。オーナーのマイケル・アンドラウアーは、舞台でジャージを着て写真に収まる瞬間は選手にとって重要な思い出になる、これが省かれるのは残念だと考えています。

 分散型の形式が続く一番の理由はコスト面。開催都市だけが得をして、チームにはあまりメリットがないのが現状です。

 ちなみに、今回のドラフトは、ロサンゼルスのダウンタウンにあるピーコックシアターで行われましたが、チームはそれぞれ自分たちの拠点、“ウォールーム”スタイルの拠点からドラフト指名の操作していました。NFLやNBAのドラフトと同じスタイルですね。

まとめ

 2026年も続く「分散型ドラフト」。コスト面では合理的でも、臨場感やファンの満足度には課題が残ります。個人的意見ですが、今年のNHLドラフトはダラダラしてたのは間違いない!今後の改善に期待したいところです。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. ドラフトにおいて、関係者が一堂に会さず、オンラインツールや通信手段を用いて各自の場所から参加する形態を指す。

     この形式は、特に2020年の新型コロナウイルス感染症パンデミック時に採用され、各チームのGMやコーチ、スカウトらが自宅などからバーチャルウォールームを構築。高速インターネット、ビデオ会議システム、専用回線などを駆使して、情報共有や意思決定、他チームとのトレード交渉を行った。

     コミッショナーや指名選手も自宅から中継で参加し、ドラフトが滞りなく実施された。

    主な特徴と意義:
    継続性の確保:災害やパンデミックなどの緊急時でも、ドラフトを中断せずに開催できる強みを示した。
    技術的な対応:高度な通信インフラとセキュリティ対策が不可欠となり、各チームに技術担当者が配置されるなど、万全の体制が敷かれた。
    ↩︎
  2. NFLなどのドラフトにおいて、各チームが選手指名戦略を練るための司令塔となる部屋のこと。オーナー、GM、コーチ陣、スカウトなど主要な意思決定者が集まり、以下の機能を持っている。

    情報集約:候補選手の身体能力、成績、怪我歴、性格評価などのあらゆる情報が集められる。
    ドラフトボード:候補選手を評価に基づいてランク付けしたリストが掲示され、指名戦略の基礎となる。
    模擬ドラフト:実際のドラフトに備え、様々な状況を想定した練習が行われる。
    トレード交渉:ドラフト中の指名権や選手トレードの交渉がリアルタイムで行われる。
    迅速な意思決定とコミュニケーション:限られた時間内で最適な選手を選び、リーグや選手への連絡を迅速に行う。

     「ウォールーム」という名称は、軍の作戦室のように、情報に基づき迅速な意思決定を行う場所であることに由来する。パンデミック時のバーチャルドラフトでは、各関係者の自宅に設置されたウォールームが注目を集めた。
    ↩︎
  3. 2023年9月にラスベガスにオープンした、世界最大の球体型エンターテイメント施設。

    革新的な外観:高さ約112m、幅約157mの巨大な球体の外壁全体がLEDディスプレイで覆われ、様々な映像を映し出す新ランドマークとなっている。
    没入型体験:内部には16Kの高解像度LEDスクリーンが観客を包み込み、約16万個のスピーカーによる最適な音響、座席の振動、風、香りなどの特殊効果が組み合わさり、五感を刺激する圧倒的な没入感を提供。
    多用途性:音楽ライブ(U2がこけら落とし公演)、没入型映画「Postcard From Earth」、eスポーツなど、多様なイベントが開催されている。

     総工費約23億ドルを投じて建設され、来場者にこれまでにない「完全没入型体験」を提供することを目指している。
    ↩︎
  4. 2025年のNHLドラフトでは、従来の会場一体型形式を廃止し、初の「分散型ドラフト」が導入された。チームは各地の拠点からオンラインで参加し、選手はロサンゼルスの会場で「NHL Draft House」と呼ばれる仮設スペースを通じて、バーチャルで指名チームと初対面を果たす演出が行われた。

     技術的な問題や演出への賛否は分かれ、2026年以降の継続可否は検討中とされている。
    ↩︎
  5. 毎年12月に開催されるオフシーズン最大のイベントで、全30球団のGMやスカウト、エージェント、報道関係者が集結。トレードやFA契約、Rule 5ドラフト、ドラフト指名順抽選などが集中して行われる。ビジネス展示や球団職員採用フェアも併催され、リーグの重要な意思決定と交流の場となっている。
    ↩︎
  6. ドラフト候補選手がNFL各チームの前で身体能力・知能・人間性などを披露する選考イベント。40ヤード走やベンチプレスなどの測定に加え、面接やメディカルチェックも行われ、選手評価や指名順位に大きな影響を与える。毎年2月下旬〜3月にインディアナポリスで開催される。

     事前登録制で一部の身体能力テストが一般公開されており、スタジアム内での観覧や中継視聴が可能。非公開部分も多いが、近年はファン向けイベントとしての側面が強まっている。
    ↩︎
  7. ルーキーや若手選手が出場するオフシーズンの育成・評価リーグ。毎年7月にラスベガスなどで開催され、実戦を通じて選手の適応力や将来性を見極める場として活用されている。ファンにとっては新人選手をいち早くチェックできる人気イベントでもある。
    ↩︎
  8. 2011年創設の米国保守系スポーツ・文化メディアで、2021年にFox傘下となった。スポーツや政治、ポップカルチャーを保守的視点で発信し、月間数百万から数千万の訪問者を持つ。トランスジェンダー関連などで論争も多い。
    ↩︎
  9. NHL専門のニュースサイトで、試合結果や移籍情報、選手のコメントなど最新の情報を提供している。主に米国とカナダのファンが利用し、月間数十万の訪問者がある。 ↩︎
タイトルとURLをコピーしました