NHLブラックホークス、「不正行為」でコーリー・ペリーの契約解除!

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はじめに

 プロ・アマを問わずスポーツの世界には、多くの人を感動させる輝かしい表の部分もあれば、「まさか、そんな事が起きるなんて…」と眉間にしわを寄せてしまう裏の部分もあります。今、日本では某大学のアメフト部、そして某NPBチームの問題がクローズ・アップされています。

 「廃部」や「自由契約」で幕引きしそうな雰囲気もありますが、それでは済まない「何か」が根底にある気がしてなりません。周囲からの期待がプレッシャーとなるスポーツの世界、「脱落者切り」ではなく、チーム全体のメンタル管理の早期実施が必要なのではないでしょうか。

 今回は、NHLで起きてしまった「ベテラン選手による不正行為」に関する記事です。黄金ルーキー、コナー・ベダード擁するシカゴ・ブラックホークスで起きた事件は、現時点、当該選手のリリースとチームの引締め直しを実行した段階ですが、まだまだ予断を許さいないようです。

讃岐猫
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引用元:ESPN.com「Blackhawks waive Corey Perry for ‘unacceptable’ conduct

NHL.com「Perry has contract terminated by Blackhawks

大ベテラン、「不正行為」のため自由契約に

 11月28日(火曜日)、シカゴ・ブラックホークスのゼネラル・マネージャー、カイル・デビッドソンは、先週のチーム遠征中、コーリー・ペリー(右ウィング、38歳)が不正行為を犯した可能性について、フロント・オフィスから告げられ、内部調査の結果、チームはベテラン・ウィンガーとの関係を断ち切ったと述べました。

 デビッドソンは、その日の内に、契約解除のため、ブラックホークスが38歳のペリーの保有権を無条件で放棄したと発表後、1チームによるペリー退団の決定について、記者団と10分間話しています。

 ブラックホークスは当初の声明で、ペリーが「容認できない」行為をしたと主張し、契約条件と「プロフェッショナルで安全な労働環境を促進することを目的とした」チームの内部規定の両方に違反していると述べました。何が起こったのかについて、彼らは詳しく述べていません。

 「今回の件は厳しい状況であり、皆さんが答えを求めていることは分かっています」とデビッドソンは言いました。

 「さらなる情報を共有する前に、必要な措置をすべて講じることが重要でした。今日、全てにお答えできないかもしれないことについて、ご理解いただければ幸いです。しかし、状況を考慮して、関係者への敬意から、できる限りオープンかつ正直になるつもりです」。

 事件自体が犯罪的なものだったのか、あるいは犯罪になる可能性があるのか?との質問に対し、デビッドソンは「職場の問題だ」と答えています。

チームが知る前に調査されていた?

 NHLとNHLPA(選手組合)は、事前に何が起きているのかを認識していたとした上で、デビッドソンは「チーム内での出来事であり、チームの決定だった」と述べました。

 デビッドソンによると、先週・11月22日(水曜日)、ブラックホークスがにオハイオ州コロンバスでブルージャケッツと対戦した際、この疑惑について、チームは初めて知らされたということです。

 情報筋がESPNのエミリー・カプランに語ったところによると、試合前日の先週火曜日、ペリーはチームと一緒にコロンバスへ遠征し、その日にチーム関係者を巻き込む事件が起きたと言われています。

 7-3で敗れたチームの試合に出場しなかったペリーは、ブラックホークスから通知を受けると「即座に試合から外され」、その時点でクラブは調査を開始したとデビッドソンは言いました。

 ペリーがチームの決定にどう反応したかと尋ねられたデビッドソンは、ペリーとの話し合いの詳細には踏み込む発言をしていません。デビッドソンは、その日の早い時間帯にチームと話し、ペリーの権利を放棄するというブラックホークスの決定を伝えたと語りました。

 また、選手たちは事件について何も知らないし、詳細も知らないと述べています。

 「それは明らかに…とても大変な仕事だった」とデビッドソンは語りましたが、記者会見中、さまざまな場面で言葉に詰まっていました。「ここ数日は大変だった」。

讃岐猫
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SNS上でのペリーと他の選手に対する疑念

 ブラックホークスにおけるペリーの地位は、2疑問視されていたようです。彼の最近の出場した試合は11月19日のバッファロー・セイバーズ戦で、3-2で敗れており、ペリーは0ポイントに終わりました。

 デビッドソンが疑惑を初めて知る前、ブラックホークスがプレーした最後の試合となります。

 ペリーは当初チームから休暇を取っていましたが、11月25日・土曜日、デビッドソンは記者団に対し、ペリーをチームから外す決定は経営陣によって下されたと語りました。

 ペリーの代理人パット・モリスは同日の声明で、ブラックホークスを離れるのはペリーの決断だったと述べています。

 ペリーの欠場をめぐる疑問は、過去数日間にわたり、ソーシャルメディア上で、事件そのものにブラックホークスの選手の家族が関与しているのではないか、という憶測を生みました。

その「憶測」の一つが、ペリーとベダードの母親が付き合っていると言うものである。何ともバカバカしい、情けない「憶測」だ。

 声明の冒頭で、デビッドソンはこうした噂について言及しています。彼は、この事件に選手やその家族は3関与していないと述べました。

 デビッドソンは、「事実と食い違っている情報を述べているものや人は、どれも非常に不正確で、率直に言ってうんざりするものばかりだ」と述べています。

 記者会見の終盤、デビッドソンは憶測についても質問されました。感情的になっていたデイビッドソンは、過去24時間は「非常に不穏だった」と述べた上で、「見るのがつらかった」と付け加えています。

 その後、これらの噂が流れていることを考えると、何が起こっているのかについて、もっと早く説明しておけばよかったと思いますか、と質問されました。

 「うーん、責任ある調査を行うために、できる限り迅速に手続きを進めたいと思っている」とデビッドソンは述べています。

 ブラックホークスは、ペリーの最後のプレーになると思われる試合以来、すでに3試合消化しており、唯一の勝利は11月24日のトロント・メープルリーフスとの延長戦によるものだけです。

讃岐猫
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ペリーの略歴

 ブラックホークスは、オフシーズンにペリーと400万ドル(日本円で約5億9千万円)相当の1年契約を結びました。ペリーは過去2シーズンをタンパベイ・ライトニングでプレーし、クラブでの最終年には12ゴールと25ポイントを獲得しています。

 19年目のベテランであるペリーは、アナハイム・ダックス、ダラス・スターズ、モントリオール・カナディアンズ、ライトニング、ブラックホークスで1,273試合に出場し、421ゴールと471アシストを記録しています。

 彼は2007年にダックスでスタンレーカップを獲得し、NHL2010-11シーズンMVPとして、ハート・トロフィーを獲得しました。

【NHL.comにおける関連記事から補足】 

シカゴの選手からのコメント 

 ブラックホークスのフォワード、ニック・フォリーニョはクラーケン戦での勝利後4(11月28日火曜日、ユナイテッド・センター、スコアは4-3)、「正直に言って、素晴らしいことだ」と語っています。「ちょっと唖然としてるね。そこには多くのことが関係している。

 気にかかっているヤツがいて、何が起こったとしても、彼は僕らにとって気になる存在なんだけど、詳細をすべて知っているわけじゃないんだ。

 このロッカー・ルームにいる全員が気にかけている人物であり、(彼は)この事件の大きな部分を占めているので、人間的な側面で考えると、どうすればいいのか、難しいところだよ」。

 「しかし、自分たちが(必要だと感じた)方法で、チームは対処した。正直なところ、すべての詳細を把握しているわけではないから、これ以上コメントするのは難しいよ。

 とはいえ、チームの対応は自分たちの信念と、氷の上でも外でも、ホッケー文化に必要なものをしっかりと貫くつもりでやったことさ。僕らの仕事は、そのレベルに見合ったパフォーマンスをするため、室内や氷上でできることは何でもやることだね」。

まとめ

 この一件の情報を知った当初、「不正行為って、きっとあれだろな」となんとなく想像していました。昔からNHLでポツポツ見られていた「あの事例」かなと…。ところが、海外のサイトやYouTubeを見ていると、全然違う筋のニュースが流れていて、さらに驚いてしまいました。

 心の底からガセネタであって欲しいと思うと同時に、「NHLの次代を担う才能」を潰してしまいかねない内容なだけに、「裏で大きな力が働いてる陰謀なんじゃないの?」という良からぬ考えも浮かんでしまいました。もしそうなら、人として「あるまじき行為」です。

 いずれにせよ、氷上での真剣かつ健全な勝負こそが見る者を感動させる訳で、現時点でペリーは体調面の不安から一線を引いたと解釈しています。今後、彼の名誉を傷つけるような誹謗中傷がなくなり、しっかりと健康を取り戻してほしいと祈るばかりです。

讃岐猫
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【註釈】

  1. 11月28日の午後、ブラックホークスは2024年ドラフト5巡目指名権(条件付き)と交換で、バンクーバー・カナックスからフォワードのアンソニー・ボーヴィリエ(左ウィング、26歳)を獲得している。

     早速補強に動いていることから考えて、本件について、チームがある程度情報を入手していた可能性は高い。
    ↩︎
  2. ペリーは16試合で9ポイント(4ゴール、5アシスト)を記録し、チームではフォワードのコナー・ベダード(17ポイント)、フィリップ・クラシェフ(12ポイント)、ジェイソン・ディキンソン(11ポイント)に次いで4位タイ。

     物凄く貢献していた訳ではないが、38歳という年齢を考えると、及第点をあげてもいいように思える数字ではある。
    ↩︎
  3. YouTube等に数多くアップされているのは、コナー・ベダードの母親とペリーの関係である。だが、これはどうやらガセネタらしく、CBC等のサイトを見ると、アルコール依存とメンタルヘルスの問題だと本人がSNS上で語ったと報じている。

    ※それらを受けてなのか、NHL.comの記事は加筆訂正されており、ペリー自身の発言として、メンタルヘルスと薬物乱用分野の専門家と協力して、アルコール依存との闘いを始めた事、チームメイトやその家族に迷惑をかけてしまった事への謝罪文がアップされている。詳細は、上記引用元を見ていただきたい。
    ↩︎
  4. NHL.comの記事から類推すると、この試合前のミーティングで、デビッドソンから選手たちに決定事項を伝えたと思われる。調査の詳細は、選手たちには共有されていない。

     デビッドソンのコメントを見ると、「ロッカールームとチームの回復力には非常に自信を持っている」「もちろん厳しい日々だが、選手たちとコミュニケーションを取り続け、前に進んでいく」とある。

     また、デビッドソンはチーム状況への対応について語った際、「何よりも、悪しき文化を変え、自分たちが正しいことをしているかどうかを確認するという決意を強めてくれると思う」「私たちの価値観を維持し、説明責任を負っていく文化を確実に構築し続ける」としている。

     これらを総合すると、前述フォリーニョの発言も、デビッドソンのそれを承けたものと思われ、一応、他の選手とペリーの一件は無関係のようである。 ↩︎
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