はじめに
NHL開幕から1ヶ月が経過しようとしている中、少しずつ調子の良いチームと、そうでないチームの格差が付きつつあります。と同時に、調子の良い選手・悪い選手もはっきりしてきてるように思います。シーズン開幕前「今季もかなりやりそう」と予想されていた、エドモントン・オイラーズのコナー・マクダヴィッドは、引用記事冒頭にもあるように、やはり絶好調キープです。
今回は、米Gizmodoによる、シーズンMVPをはじめとする各賞受賞者予想(かなり気が早い気もしますが)をピックアップします。このブログでは、数ある賞の中でも、いぶし銀のLady Byng Trophy(gentlemanly play)とSelke Trophy(best defensive forward)が、どのように予想されているのか見てみましょう。
激しいプレーの多いNHLで、紳士的なプレーをするなんて、
なかなかできないにゃ。
引用元:ESPN.com「NHL Awards Watch: Who’s leading for Hart, Norris, Calder?」。
今回の各賞予想システムについて
NHLシーズンの最初の月は、選手やチームについての物語が形成され始める時期です。それらのいくつかは定着するものもあれば、中にははかないものもあり、あるものはコナー・マクダヴィッドがコナー・マクダヴィッドであることを表しているだけの物もあります。
11月のNHLアワード・ウォッチへようこそ。米Gizmodo(最新テクノロジーやデジタル社会に関連するニュースを扱うテクノロジーメディアサイト)はプロホッケー記者協会の投票者を対象に匿名でアンケートを実施し、現在、各賞リーダーの風がどこに吹いているのかを把握しました。
ご覧の通り、MVPレースにはすでに何人かのリーダーがいますし、ノリス・トロフィー(最優秀ディフェンス選手賞)には爆発的な人気選手がいます。基本的に、すべての1年生プレーヤーが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの混戦に巻き込まれています。
PHWA(Professional Hockey Writers Association=新聞、雑誌、ウェブサイト等に書いているアイスホッケージャーナリストのための北米の専門協会)がハート(最優秀選手賞)、ノリス、カルダー(最優秀新人選手賞)、セルケ(最優秀守備的フォワード選手賞)、レディ・ビング(能力とスポーツマンシップの融合した選手に贈られる賞)に投票することに注意してください。
放送局はジャック・アダムス賞(最優秀コーチ賞)に投票します。ゼネラルマネージャーがヴェジナ(最も顕著な活躍をしたゴールテンダーに贈られる賞)を担当します。また、ハート賞とジャック・アダムス賞には、「受賞するために勝利しなければならない」という非公式な規定があることも覚えておいてください。
統計はすべてHockey-Reference.com、Natural Stat Trick、Evolving Hockey(NHLの統計と歴史、現在および過去のNHLプレーヤー、チーム、スコア、リーダー等の完全な情報を伝えるサイト)から提供され、10月31日の試合時点の記録です。
Lady Byng Trophy(gentlemanly play)
※このトロフィーは、ヴィミー・リッジの戦いでカナダ軍を指揮し、1921年から1926年までカナダ総督を務めたヴィミー・ビング子爵の妻、マリー・エブリン・モートン(レディ・ビング)にちなんで名付けられました。
レディ・ビング・メモリアル・トロフィー(旧名称:レディ・ビング・トロフィー)として知られており、毎年ナショナル・ホッケー・リーグにて「最高のスポーツマンシップと紳士的な行動を示し、高い水準のプレー能力を備えていると判断された選手」に贈られます。
この賞について、私が言及しているのは、紳士的なプレイを表彰するレディ・ビング・トロフィーは、リーグの審判団関係者かナショナル・ホッケー・リーグ選手協会によって投票されるべきであるという部分です。
昨シーズン、ウィニペグ・ジェッツのカイル・コナー(左ウィング、25歳)が、ディフェンス選手の連続受賞のチャンスを台無しにしてしまいました。私たちの希望は、もう一度、他のディフェンスマンがビングを受賞すること……あるいは、より良いのはゴールキーパーが賞を手にすることです。
※一昨シーズン(2020-2021)の受賞者は、カロライナ・ハリケーンズのディフェンス、ジェイコブ・スラヴィン。100年近い歴史を持つ同賞の過去の記録を見ると、センターの選手が多く受賞しており、ディフェンスは6名のみで、ゴールテンダーにいたっては、いまだに受賞者が出ていません。
フォワードの選手はガツガツ体を当てに行くから、
紳士的プレーしてるとは言えないかもだが…。
NHLのイメージ回復のため、
クリーンなディフェンスをする選手が喜ばれるのかにゃ。
Selke Trophy (best defensive forward)
リーダー(受賞者最有力候補):パトリス・バージェロン(センター、37歳), ボストン・ブルーインズ。
ファイナリスト(最終選考まで残りそうな選手):ニコ・ヒーシェル(センター、23歳), ニュージャージー・デビルズ。マーク・ストーン(右ウィング、30歳), ラスベガス・ゴールデンナイツ。
パトリス・バージェロンについて
当たり前の答えが、正しい答えになることもあるのです。昨シーズン、バージェロンはNHL記録となる5度目のセルケ・トロフィーを獲得し、投票者の50%強が再びこの分野でのトップに彼を置いているのです。
ブルーインズのキャプテンは、フェイス・オフ・サークルで熟達したプレーを見せ(63.6%)、5対5でのプレーをコントロールし続け、氷上にいる時、60分あたり1.2ゴールという数字を残しています。
※フェイス・オフ・サークル=ピリオドの開始時、および反則、アウト・オブ・バウンズなどで中断したプレーを再開する際に行われるのがフェイス・オフ。その際に使うリンク上の円を指す場合と、プレー自体を指す場合があります。
バージェロンはフェイスオフで相手に勝ち、味方にパックをパスする率が63.6%と高い数値を示しています。
ある投票者はこう言いました、「いつものように、バージェロンかマーク・ストーンのどちらかに絞られるだろう。彼らの目標としているパーセンテージの数字は、正気の沙汰とは思えないよ。
でも、どちらに投票するか迷ったら、センター(バージェロンのポジション。ストーンは右ウィング)が均衡を破ることになるかな」。
マーク・ストーンについて
ストーンはセルケ賞の最終候補に2度選ばれていますが、2002-03年のダラス・スターズのイェレ・レティネン(このシーズン、31ゴール、48ポイント、自己最高のプラスマイナス+39を記録し、3度目のセルケ賞を受賞)以来となるウィンガーに同賞を与えるほど、彼は十分に投票者を説得できていません。
ストーンはNHL最高のテイクアウェイ・アーティスト(相手チームからパックを取り返すプレーに長けた選手)の1人であり、今シーズンの対戦相手は、ストーンと5対5で相対した場合、11試合で60分あたり平均0.37ゴールしか奪えませんでした。
ニコ・ヒーシェルについて
デビルズが数年ぶりに復活を遂げる中、ヒーシェルはセルケ賞の候補者としてスポットライトを浴び始めています。23歳の彼はフェイスオフの63%以上で勝利しており、スイス出身の彼が氷上にいる時、対戦相手は5対5で相対した場合、60分あたり平均1.54の予想得点率(expected goals、ゴールにつながる可能性のある得点機会の確率)を挙げています。
ヒーシェルは、他の選手で複数の1位票を獲得した唯一の選手でした。その他、カロライナ・ハリケーンズのジョーダン・スタール(センター、34歳)、ロサンゼルス・キングスのフィリップ・ダノー(センター、29歳)、ダラス・スターズのループ・ヒンツ(センター、25歳)もセルケ賞の投票で名を連ねました。
久しぶりに映像をアップするにゃ。
ヒーシェル(背番号13)のスティックさばきに注目!
まとめ
今回は取り上げませんでしたが、ほとんどの賞で受賞候補筆頭に挙がっているのが、エドモントン・オイラーズのコナー・マクダヴィッド。シーズン開幕当初は調子悪いのかな?と思いましたが、あっという間に絶好調モードに入っています。最優秀新人賞は、オタワ・セネターズのシェーン・ピントが持っていきそうな予感。
混戦になりそうなのが、最優秀コーチ(監督)賞。今のところ、ボストン・ブルーインズのジム・モンゴメリーが最有力候補らしいですが、まだまだわからない様子。チームの勢いとホッケーの面白さで、僕はベガス・ゴールデンナイツのブルース・キャシディを推したいです。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!