はじめに👇
NHLに興味はあるけど、どこから知ればいいの?という初心者の方に向けて、今回は2つの記事をお届けします😊注目は、AHLで実績を積んだ名コーチ・トッド・ネルソン。彼は現在、カナダの名門「バンクーバー・カナックス」の新監督候補のひとりでもあります🏒チームの未来を左右する監督選びを、わかりやすく解説します!
参照記事:russianmachineneverbreaks.com1「Todd Nelson reportedly ‘in the mix’ for vacant Vancouver Canucks head-coaching position」
NHLへの道を歩む名コーチ、トッド・ネルソンってどんな人?🏒
アイスホッケーの世界には、選手だけでなく“名コーチ”と呼ばれる人物がいます。今回ご紹介するトッド・ネルソンもそのひとり。彼は現在、アメリカのマイナーリーグ「AHL(アメリカン・ホッケー・リーグ)」のチーム「ハーシー・ベアーズ(ワシントン・キャピタルズ傘下)」の監督として活躍しています。
そんなネルソンが、「今夏の監督採用面接候補」として取り沙汰され始めています。NHLではまだ6チームがヘッドコーチを探していて、そのうちの1つがバンクーバー・カナックスであり、CHEK2の記者リック・ダリウォールは最近、ネルソンがこのポジションの「候補の一人」であるとの見解を示しました。
「カナックスはAHLとNHLの両方の経験を持つ人物を探しているかもしれない。AHL出身のコーチは若手選手との連携が得意だ。一方で、NHLのベテランコーチはベテラン選手の扱いに長けている。だから、注目して見ていきたい」とダリウォールは先週語りました。
ネルソンはその条件にピッタリ当てはまるんです✨ネルソンは、2014–15シーズン中にダラス・イーキンス3の代役として途中就任したエドモントン・オイラーズでの46試合の暫定的な指揮経験以来(51試合、17勝25敗9分け)、「もう一度本格的にNHLで指揮を執りたい」という気持ちを公言しています🔥。
「トッド・ネルソンは候補に入っていて、マニー・マルホトラ(後述)もその一人だし、アダム・フット(後述)もカナックスとの面接を受ける予定だ」。
実はネルソン、元NHLのディフェンスマン(3試合出場)で、現在ベアーズのヘッドコーチとして3シーズン目4を迎えており、最初の2年間でチームを2年連続のカルダー・カップ5優勝に導いています。彼がこれまで率いたAHL3チームは、なんとAHL記録となる9シリーズ連続でプレーオフに勝ち進んでいるというから驚きです!
さらに、これまでの実績もすごい。 今シーズン、ベアーズは44勝20敗8分という成績でAHLアトランティック・ディビジョンの首位に立ちました。ネルソンはAHLのベンチボスとして通算450勝6を挙げ、歴代5位にランクインしています。ベアーズでの勝利数は141勝で、チーム史上7位。勝率.704はフランチャイズ歴代1位です。
2024年のAHL最優秀コーチ(Coach of the Year)にも選ばれたネルソンですが、昨夏には具体的な関心を集めることはなかったようです。彼は2年連続でカルダー・カップ決勝で直接対決7を制したダン・バイルズマ8がNHLに昇格するのを横目に見ていました。ちなみにそのバイルズマは、シアトル・クラーケンでわずか1年で解任されたばかりです。
セミ・ファイナルではフライヤーズ傘下のファントムズと対戦!
若手育成の名手としても知られるネルソン👶➡️🏒
トッド・ネルソンが評価されている理由は、勝利数だけではありません。彼は多くの若手選手を育てて、NHLという大舞台へと送り出してきた名コーチなんです✨
ネルソンがハーシーの監督に就任してから、アリアクセイ・プロタス(ワシントン・キャピタルズ)、コナー・マクマイケル(同)、ディラン・マクイルラス(同)、ベック・マレンスタイン(バッファロー・セイバーズ)といった選手たちがNHLのレギュラー選手へと成長しました。
また、イーセン・フランク、ヴィンセント・イオリオ(ハーシー・ベアーズ)、ハンター・シェパード、クレイ・スティーブンソン、イワン・ミロシュニチェンコ、ピエリック・デュベらも、ネルソンの下でハーシーに在籍した後にキャピタルズでNHLデビューを果たしました。まさに“ホッケー界の育成職人”と言っても過言ではありません。
ただし本人はとても謙虚。「何も聞いていませんし、期待もしていません」とネルソンは昨年語っています。「この道は何度も通ってきました。今は目の前の仕事に集中しています。何が起きても、それはそれです」。あくまで選手たちと日々向き合うことを大切にしている様子が伝わってきます😊
今シーズン初め、ネルソンはプロ通算1,000試合目の指揮を執りました。そのうち722試合はAHL、46試合はNHL、232試合はUHLでのものです。ハーシーでのヘッドコーチ就任前には、エドモントン・オイラーズ(NHL)、グランドラピッズ・グリフィンズ(AHL)、オクラホマシティ・バロンズ(AHL)、マスキーゴン・フューリー(UHL9)での監督経験がありました。
彼は2017年にグリフィンズでカルダー・カップを制し、マスキーゴン・フューリーでは2004年と2005年に2度のチャンピオンに輝いています。
2017年にグリフィンズでカルダー・カップを獲得した際、ネルソンは1994年に選手として、2008年にアシスタントコーチとして、そして2017年にヘッドコーチとして同じトロフィーを獲得した、トリプルクラウン”的な実績を持つ、めちゃくちゃレアな存在(史上3人目)なんです🏆
この快挙を達成したのは、他にボブ・ウッズ10とマイク・ストーザース11のみです。また、彼はAHLオールスターイベントに4回出場した史上初の人物でもあります。
ネルソン以外にも、ダリウォールは元シカゴ・ブラックホークスのヘッドコーチ、ルーク・リチャードソン12や、現キャピタルズのアシスタントコーチ、ミッチ・ラブ13の名前もカナックスの候補として挙げています。ブリティッシュコロンビア州出身のラブは、複数のヘッドコーチ空席チームから「関心を集めている」と報じられています。
参照記事:bolavip.com14「NHL News: Elias Pettersson’s Canucks reportedly narrow coaching search to two names after Rick Tocchet’s departure」
カナックス新監督は誰に?ペターソンのチームに迫る決断🏒🔥
アイスホッケーの世界で、チームにとって監督(ヘッドコーチ)の存在はとっても重要。選手をまとめ、勝利へ導く“頭脳”とも言える存在です。そんな中、カナダのNHLチーム「バンクーバー・カナックス」が、新しい監督探しで注目を集めています👀
チームのエース、イリアス・ペターソンを中心に、2024-25シーズンに劇的な展開を見せたカナックスは、2025-26シーズンを前に大きな転機を迎えています。これまで指揮をとっていたリック・トケット15が2025-26シーズン以降の指揮を執らないことを発表し、ペターソンをはじめとしたチームは、ベンチのリーダー不在という状況に直面しました。
カナックスは、過去5シーズンのうち4回もプレーオフ進出を逃していて16、フロント陣にとっては深刻な課題となっています。これまで安定した戦力を築けず、ベンチのリーダー選びにも苦戦してきました。チームとしても“何かを変えたい”というタイミング。今回の監督交代は、まさにチームの未来を左右する重要な出来事なんです。
トケットの退任は、バンクーバーにとって冷や水を浴びせられたような衝撃となりました。組織の課題に加え、ロッカールーム内の有名な対立も相まって、有望なヘッドコーチが町を去る結果となったのです。今後は、ジム・ラザフォード社長とパトリック・オルビンGMが、ペターソンやクイン・ヒューズらを導くのに最適な人物を見つけ出す責任を担っています。
「ロッカールーム内の有名な対立」については、過去にブログでも言及しました!
幸いなことに、新シーズンの開幕が近づく中で、コーチ探しは最終段階に入っているようです。報道によれば、カナックスはすでにトケットの後任候補を2人に絞ったとのことです。
「パトリック・ジョンストン17」と「Canucks Army18」によると、次期カナックスのヘッドコーチ候補は、アダム・フットとマニー・マルホトラのどちらかになる見込みで、特にマルホトラが有力視されているようです。
フットもマルホトラも、ここ数年の間にカナックスに深く関わってきた人物であり、バンクーバーのフロント陣が「即戦力として機能する人物」を求めていることは明らかです。ロジャース・アリーナのロッカールームに足を踏み入れた瞬間から、戸惑わずに対応できるような人物が求められているのです。
フットとマルホトラ、どっちがカナックスにぴったり?🤔
まずアダム・フット19ですが、彼は前任のトケット監督のアシスタントとしてすでに現在のロースターとも関係を築いてきた人物です。続投するような形でチームを引き継げる点が魅力💡
しかし、彼をヘッドコーチとして迎えるということは、実質的にトケット時代のスタイルを継続することを意味します。それが必ずしも結果につながるとは限りません。カナックスは実際、トケットの続投を望んでいましたが、残念ながらそれが実現することはなく、チームは昨季もプレーオフ進出を逃していますからね😅
トケットとフットは、最近、トヨタ提供の映像に出演しています。仲は良さそう。
一方のマニー・マルホトラ20は、2016–17シーズンを前に現役を引退し、その後すぐに育成コーチとしてキャリアをスタートし、2017年にはアシスタントコーチに昇格し、2020年までその役職を務めました。
その後はトロント・メープルリーフスで経験を積み(アシスタントコーチ)、2024年にブリティッシュコロンビア州に戻り、AHLのアボッツフォード・カナックスのヘッドコーチとして“カムバック”しました💼
この人がマルホトラ、小峠じゃないですよ(笑)。
つまり、マルホトラのほうが最近ヘッドコーチを務めていたという点で、指導の感覚がより新鮮なのかもしれません。また、AHLという下部リーグで若手選手の育成にも関わってきたため、今後のカナックスの再建にもマッチしそうです🌱
一方、フットが最後に監督を務めたのは、2018年から2020年にかけてWHL(ウェスタン・ホッケーリーグ)のケロウナ・ロケッツを指揮していた時期です。

マスコミによって、全然カナックスの監督候補が異なっているのにビックリしたにゃ。実績では最初に紹介したトッド・ネルソンがすごそうだけど、ある程度チームの内情を分かっていた上で新風を吹き込めそうなのは、マルホトラかな。トケットはフライヤーズの監督候補にも挙がっていて、こちらも興味津々だ。
まとめ
AHLで実績を重ねたネルソンや、カナックスと縁の深いフット&マルホトラ。それぞれの強みを知ることで、監督選びの見方もぐっと面白くなります😊ファンの間でも「どっちがいいんだろう?」と話題になっています。
次の監督が誰になるかで、カナックスの未来が大きく変わるかも…。今後の発表に注目しつつ、NHLの世界をもっと楽しんでいきましょう🏒✨

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 主にワシントン・キャピタルズを中心としたNHLに関するニュース、分析、解説を提供するウェブサイト。
↩︎ - カナダのブリティッシュコロンビア州にあるテレビ局の名前。具体的には、CHEK-DTというテレビ局で、バンクーバー島にあるビクトリアを拠点としている。
↩︎ - 現在ドイツのDELリーグ、アドラー・マンハイムのヘッドコーチ兼ゼネラルマネージャー。過去にはNHLのエドモントン・オイラーズとアナハイム・ダックスでヘッドコーチを歴任した。また、NHLの下部リーグであるAHLや、トロント・メープルリーフスの傘下チームでの指導経験も。現役時代はNHLのディフェンダーとして複数のチームでプレーしていた。
↩︎ - 今シーズンもプレイオフを順調に勝ち進み、ディビジョンファイナルは5月16日(土)、シャーロット・チェッカーズと対戦することが決定している。
↩︎ - AHLのプレーオフ優勝チームに与えられるトロフィー。1937-38シーズンから続く歴史あるトロフィーであり、将来のNHL選手やコーチにとって重要なステップとなる大会。プレーオフはレギュラーシーズン後に行われ、複数のラウンドを経て優勝チームが決定する。
↩︎ - ベアーズ以外では、グランドラピッズ・グリフィンズ: 3シーズン(2015-2018)で133勝78敗17OT負け(勝率.619)。2016-17シーズンにはカルダー・カップ優勝。オクラホマシティ・バロンズ: 5シーズン(2010-2015)で176勝111敗12OT負け。
↩︎ - バイルズマがコーチェラーバレー・ファイヤーバーズ監督時代に対戦。22-23シーズンは3勝4敗、23-24シーズンは4勝2敗でいずれも涙をのんでいる。
↩︎ - シーズン途中から就任したピッツバーグ・ペンギンズのヘッドコーチ時代には、2009年にスタンレー・カップ優勝を果たし、2010-11シーズンにはジャック・アダムス賞を受賞。
その後、バッファロー・セイバーズとシアトル・クラーケンのヘッドコーチ、デトロイト・レッドウィングスの アシスタントを歴任した。また、アメリカ代表のコーチとしてもオリンピックや世界選手権に関わっている。現役時代はNHLの右ウイングとしてプレー。
↩︎ - United Hockey League (1997-2007): これは、かつて存在したマイナープロアイスホッケーリーグ。1991年にColonial Hockey Leagueとして設立され、1997年にUnited Hockey Leagueに改称、2007年にInternational Hockey League (IHL) と合併し、さらに2010年にCentral Hockey League (CHL) に吸収された。
↩︎ - 選手としてはECHLでディフェンダー最多得点記録を持つなど輝かしいキャリアを築き、2つの優勝を経験、ECHLの殿堂入りも果たしている。コーチとしては、NHLの複数のチームでアシスタントコーチを務め、豊富な経験を持つ。
特にハーシー・ベアーズ(AHL)のヘッドコーチ時代にはカルダー・カップ優勝に導くなど、指導者としても実績がある。ディフェンスとペナルティキルを専門とするコーチとして知られる。
↩︎ - 北米アイスホッケー界で選手とコーチの両面で豊富な経験を持つ。NHLのドラフト1巡目指名を受け、選手としてはスタンレー・カップ決勝にも出場。
コーチとしては30年以上のキャリアを持ち、NHLの複数のチームでアシスタントコーチを務める傍ら、AHLではハーシー・ベアーズとオンタリオ・レインでヘッドコーチとしてカルダー・カップ優勝を経験し、AHL最優秀コーチ賞も受賞している。また、WHLやOHLなど、様々なリーグでの指導経験も有る。
↩︎ - NHLで1400試合以上に出場した経験豊富な元ディフェンダー。ドラフト1巡目指名を受け、オタワ・セネターズではキャプテンも務めた。引退後はコーチに転身し、NHLの複数のチームでアシスタントコーチやヘッドコーチを歴任。AHLでのヘッドコーチ経験や、カナダ代表のコーチとしての実績も持っている。
↩︎ - 主にカナダのWHLでヘッドコーチを務め、リーグの最優秀コーチにも選出された。その後、AHLのヘッドコーチとして顕著な成功を収め、2021-22シーズンにはAHL最優秀コーチ賞を受賞。その実績が評価され、現在はNHLのワシントン・キャピタルズでアシスタントコーチを務めている。最近、若手ながら指導力が高く評価されているコーチ。
↩︎ - スポーツニュース、特にサッカーに関する情報を提供するウェブサイト。速報ニュースから詳細な分析まで、幅広いコンテンツを提供している。Better Collective という企業によって運営。
↩︎ - NHLで18シーズンにわたり活躍した元フォワード。フィラデルフィア・フライヤーズなどでプレーし、1992年にはピッツバーグ・ペンギンズでスタンレー・カップ優勝を経験。引退後はコーチに転身し、NHLの複数のチームでヘッドコーチを務めた。
ピッツバーグ・ペンギンズのアシスタントコーチ時代にはスタンレー・カップを2度制覇。バンクーバー・カナックスのヘッドコーチとしては、2023-24シーズンにジャック・アダムス賞を受賞。
↩︎ - 23-24シーズンのみプレーオフ進出。第2ラウンド、エドモントン・オイラーズに3勝4敗で敗退。4回は、5~7位の間の順位である。
↩︎ - 主にカナダのニュース媒体であるThe ProvinceとVancouver Sunのためにアイスホッケーの取材をしているスポーツジャーナリストのこと。NHLのバンクーバー・カナックスの報道で知られている。
↩︎ - バンクーバー・カナックスに関する情報を提供するウェブサイト、ポッドキャスト、YouTubeチャンネル、そしてソーシャルメディアアカウントの総称。ファンによって運営されており、「NHLファンによる、NHLファンのためのサイト」と自称している。
ニュース、分析、噂、試合結果など、カナックスに関する幅広いコンテンツを提供しており、熱心なファンにとっては欠かせない情報源の一つとなっている。
↩︎ - NHLで19シーズンにわたり活躍した元ディフェンダー。特にコロラド・アバランチでは2度のスタンレー・カップ優勝に貢献し、カナダ代表としてもオリンピック金メダルを獲得した。引退後はコーチに転身し、NHLのアシスタントコーチやWHLのヘッドコーチを歴任。現在、バンクーバー・カナックスのアシスタントコーチを務めている。
↩︎ - NHLで長年活躍した元センター。引退後はコーチに転身し、NHLのバンクーバー・カナックスとトロント・メープルリーフスでアシスタントコーチを歴任。現在はAHLのアボッツフォード・カナックスのヘッドコーチを務めている。現役時代はフェイスオフの技術に優れていた。 ↩︎