ロシア代表不在のミラノ五輪!選手が語る葛藤と幻の最強布陣の裏側

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夢の「最強ロシア代表」ロスターを想像してみたら…💭

 もし、ロシア代表がミラノ・コルティナ五輪に出場できていたとしたら、一体どんなチームになっていたのでしょうか?スポーツメディアのESPNが最近、その気になる「予測ロスター」を発表しました。

その気になる「予測ロスター」を発表

米スポーツメディアのESPNは、2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開催が近づく中で、もしロシア代表が出場できた場合の男子ホッケー代表ロスター(仮想メンバー)を予想した記事を公開している。

 このページでは、NHLで活躍する複数のスター選手を中心にした想定布陣を紹介しており、強力な攻撃陣とゴールテンダー陣のタレント層の厚さを解説。記事は、オベチキン、クチェロフ、カプリゾフ、パナリン、マルキンの名前を挙げつつ、センター陣の選択肢や守備・ゴーリーの構成についても詳細に触れている。[What would a Russian Olympic hockey team look like in 2026? – ESPN]

 このESPNの記事は、NHL復帰が決まった2026年大会の文脈の中で、「もしロシアが禁止措置を受けていなかったら」という仮定のもとにチーム構成を検討しており、当時のリーグ成績や選手の実績をもとに予想ロスターを組んだもの。

 そのリストには、そうそうたる顔ぶれが並んでいました。フォワード陣には、キリル・カプリゾフ、ニキータ・クチェロフ、エフゲニー・マルキン、アルテミ・パナリン、そしてあのオベチキンといった超一流のスターたちが名を連ねていたんです。

 マルチェンコもその一人として選ばれていました。彼は自分の名前を見つけて思わず笑みを浮かべたそうですが、負けず嫌いな一面も見せ、「本当なら、コロラド・アバランチのウィンガー、ヴァレリー・ニチューシキンの代わりに、(サードラインではなく)セカンドラインでプレーすべきだったのに!」なんて冗談を言っていました。

 ディフェンス陣も、オルロフやザドロフをはじめ、ウラジスラフ・ガブリコフ、イワン・プロボロフ、ミハイル・セルガチョフといった鉄壁の布陣です。

 そしてロシアが直面していたであろう最大の難題が、ゴールテンダー(ゴーリー)の顔ぶれです🥅。セルゲイ・ボブロフスキー、イゴール・シェスチョルキン、イリヤ・ソロキン、アンドレイ・ヴァシレフスキーという、リーグを代表する4人のエリートの中から、たった3人を選ばなければならないという、贅沢すぎる悩みに直面していたはずなのです。

 セルガチョフは、この夢のようなチームについてこう語っています。「もちろん、史上最高のゴールスコアラー(オベチキン)がいる素晴らしいチームになっていただろう。それに、ゴーリーたちもリーグ最高。ボブロフスキーは将来の殿堂入り間違いなしだし、シェスチョルキンもソロキンも本当にすごい。みんな僕の親しい友人だけど、特に“ヴァシ(ヴァシレフスキー)”は、僕にとっては別格の存在なんだ」。

 「本当にいいチームになっていたはず。みんなでまた集まれたら、どんなに楽しかっただろう。でも、こうして想像すること自体が、今は少しつらいですね」と、彼は切ない胸の内を明かしてくれました。

讃岐猫
讃岐猫

ベテラン選手たちの「最後の舞台」と、途絶えそうな夢のバトン🏒

 ユタ・マンモスのディフェンス、ミハイル・セルガチョフが「ロシア代表なら好成績を残せたはずだ」と確信している理由は、その戦力だけではありません。実は、今のロシア代表を支えるボブロフスキー、マルキン、そしてオベチキンといったレジェンドたちが、オリンピックでプレーする姿を見られる最後のチャンスだったかもしれないという、重い現実があるのです。

 ボブロフスキーは2014年の大会に出場経験があり、マルキンとオベチキンにいたっては、これまで3度もオリンピックに出場しています。彼らは世界選手権では優勝の美酒を味わっていますが、オリンピックのメダルにはまだ一度も手が届いていないのです。

 「本当に悲しいことですが、これが現実」とセルガチョフは静かに語ります。「今さらそのことに執着しても仕方ない。僕たちには毎日のようにNHLの試合があるし、解決すべき政治的な課題も山積みだ。だから、なるべく考えないようにしているが……それでも、もし(オリンピックへの)復帰が実現したら、それは本当に素晴らしいことだ」。

 そんな年長世代の背中を見ているザドロフは、さらに深刻な不安を抱いています。それは、自分たちの世代のロシア人選手が、誰一人としてオリンピックで祖国を代表する機会を得られないまま、キャリアを終えてしまうのではないか、という危惧です。

 歴史という重いバトンが、自分たちの代で途切れてしまうかもしれない。そんな目に見えないプレッシャーと、やり場のない焦燥感が、今のロシア人選手たちの胸を締め付けています❄️。

失われる「絶頂期」と、揺るぎないアスリートの信念🏒

 プロアスリートにとって、30代前後の数年間はいわば「黄金期」です。心技体が最も充実し、経験も豊富なこの時期にオリンピックという最高の舞台に立てないことは、選手個人にとって取り返しのつかない損失でもあります。

 ザドロフは、切実な表情でこう語ります。「僕たちの世代の選手は、もう30歳前後になっている。クチェロフも、パナリンも、ヴァシレフスキーも、みんな30代だ。今がまさにキャリアの絶頂期で、一番いいプレーができる時期なのに、その時間をオリンピックなしで過ごさなければならない……。

 次のオリンピックが来る頃には、みんな33歳や34歳になっている。もちろんまだプレーはできるだろうけど、今の勢いのまま挑めるチャンスは、もう二度と戻ってこない」。

 かつて、ソ連時代のスター選手たちは、兵役や国家の管理下でホッケーをすることを義務付けられていました。しかし今の選手たちは、自分の力でNHLという過酷な世界を生き抜き、自由を勝ち取った世代です。そんな彼らだからこそ、政治的な理由でプレーの場が制限されることに、より複雑な感情を抱いています。

 それでも、ザドロフは自分の信念を曲げようとはしません。彼はこれまでも、今の情勢について自分の意見をはっきりと口にしてきました

今の情勢について自分の意見をはっきりと口にしてきました

ザドロフは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とその政策を公然と批判してきた数少ない選手の一人でもある。2019年、ザドロフは『The Athletic』のインタビューで、ロシアのインターネット法案に反対し、「本当に愛国心のある人間は声を上げるべきだ」と語った。

 さらに2023年には、ロシア人YouTuberのユーリー・ドゥドとの対談で、ウクライナ戦争に反対の立場を示し、「次の世代を育てる代わりに、彼らを死に追いやってしまった」と発言している。またザドロフは以前から、「プーチンが大統領でなくなるか、その体制が続く限りは」ロシアに戻るつもりはないとも語ってきた。

 「僕は自分の考えを変えるつもりはない。僕は今でも、平和が一番大切だと信じている。子どもたちが亡くなったり、人々が住む場所を追われたりしている状況は、本当に心が痛む。一日も早く、すべてが平和に解決することを願っている。それが実現して、またみんながスポーツを通じて手を取り合える日が来ることを信じている🤝」。

 彼の言葉は、単なる一選手の「試合に出たい」という願いを超えて、一人の人間としての深い願いが込められています。

リンクの外から見つめる祭典、そして未来へのステップ⛸️

 たとえ自分たちがリンクに立つことができなくても、アイスホッケーを愛する気持ちが変わることはありません。ロシア人選手たちの中には、複雑な事情を抱えながらも、一人のホッケーファンとして、そしてプロのアスリートとして、オリンピックを見届けようとしている選手もいます。

 「僕はホッケーが大好きですし、これは世界最高の選手が集まる『ベスト・オン・ベスト』の大会ですから」と、セルガチョフは語ります。

 「ロシアが出ていないのは残念だが、最高レベルの戦いであることに変わりはない。シドニー・クロスビーがオーストン・マシューズと対戦したり、コナー・マクデイビッドとジャック・ヒューズがぶつかり合ったりする姿は、やっぱり見たいよ。彼らのプレーから、オリンピックという特別な舞台がどんなものなのかを学びたいんだ」。

 彼は4ネイションズ・フェイスオフの時も、同じような気持ちで試合を見ていたそうです。トップ中のトップが集まる場所には、必ず自分の成長に繋がるヒントがある。そう信じて、彼は画面越しにライバルたちの動きを研究しようとしています📺。

 一方で、少し距離を置こうと考えている選手もいます。マルチェンコは、オリンピック期間中は「どこかビーチのある場所」へ行って、リラックスする時間を作りたいと話しています。もちろん、体をなまらせないように近くのリンクでワークアウトは続けるつもりですが、シーズン再開前に一度心をリフレッシュさせたいという思いがあるようです。

 でも、そんな彼にも気になる存在がいます。「ザック・ウェレンスキー(ブルージャケッツのチームメイト。アメリカ代表)の試合だけは、全部チェックして応援したいですね。彼は僕の大切な友人ですし、その勇姿を見届けたいんです」と、仲間への熱い友情を覗かせてくれました。

まとめ

 ロシア人選手たちは、それぞれのやり方でこの「空白の時間」を過ごし、いつかまた世界の舞台で戦える日が来ることを信じています。彼らの切実な願いと、アイスホッケーへの純粋な情熱が、いつか再びオリンピックの氷の上で輝く日が来ることを願わずにはいられません❄️✨。

讃岐猫
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