はじめに
NHLのトロント・メープルリーフスは、プレーオフの第2ラウンドでフロリダ・パンサーズと激突中。今回は、5月11日に行われた第4戦の模様を中心に、今のリーフスがどんな状況にあるのかをわかりやすくお届けします✨
参照記事:torontosun.com1「SIMMONS: Are the Maple Leafs in trouble against Panthers after Game 4 loss?」
崖っぷちのメープルリーフス、光と影のプレーオフ🌟🥶
この日、トロントの守備陣で最も気を吐いたのは、なんと控えディフェンスマンのサイモン・ブノワ2。彼がチームメイトの誰よりも努力し、エネルギッシュに滑り、体を張った彼のプレーはまさに見応えアリ。しかし、彼がプレーオフらしい激しさを見せている時点で、それはトロント・メープルリーフスにとって「勝った夜」とは言えません。
チーム全体で見ると、試合の流れも体の強さでも完全にパンサーズに押され気味💦この夜は、リーフスの第6ディフェンスマンであるブノワにとっては素晴らしい夜であり、負傷したアンソニー・ストラーズの代役としてゴールを守ったジョセフ・ウォルにとっても非常に良い夜でした。
しかしそれ以外では、リーフスに今後も頼っていけるような要素はほとんどなかったのです。
第1戦・第2戦で1勝ずつを分け合ったこのシリーズも、これで2勝2敗。7戦4勝制のプレーオフは、いよいよ残り3戦で勝敗が決まる短期決戦に突入しました。
フロリダで勝てる可能性はあったものの、リーフスは金曜の夜には延長戦の末に敗れ、そのチャンスを逃しています。そして日曜の夜は、あらゆる面で完全に「2番手」のチームに成り下がっていました。
この日曜の試合後、より激しく、フィジカルに優れ、規律を守るパンサーズ相手に、リーフスがあと2勝できるのかという疑問が浮かんできます。まだ可能性はあるのでしょうか? もちろん、可能性はあります。しかし、もしパンサーズがこの2-0の勝利で複数の勝ち方を見つけたのなら、もはやその可能性は高いとは言えません。
第4戦のハイライト映像です!
エース不発…得点が欲しいときに沈黙する主力たち😨
今やNHL屈指のスコアラー、オーストン・マシューズ。シーズン中は大量ゴールを叩き出す彼ですが、なんとフロリダでの2試合ではノーゴール…。過去20試合のプレーオフでわずか3ゴール3しか挙げていないというのは、彼にしては到底受け入れがたい数字です。
彼がNHLにデビューして以降、誰よりも多くのゴールを決めてきました。ただし、プレーオフの時間帯、そして最も重要な場面ではそうではありません。
一方、彼の相棒・右ウィンガーであるミッチ・マーナーも不調。この2試合では、まさかのシュートゼロ。敵将ポール・モーリス監督が言うように、「シュート数そのものに大きな意味はない」のかもしれませんが、どんなに天才でも、ゴールを狙わなければ、あるいはネットを捉えなければ、得点にはつながりませんよね🌀
つまり、リーフスは、かつて69ゴールを挙げたスコアラーと、現在100ポイントを記録するウィンガーから得点を必要としていましたが、何も得られなかった訳です。
この2人はリーフスの中心であり、給料もリーグトップクラス、NHLで最も優れたオフェンシブプレーヤーの2人です。その分、責任も大きいわけですが…。
一方で、ダラス・スターズのミッコ・ランタネンは、直近6試合で9ゴールを挙げています。マシューズは直近27試合のプレーオフで9ゴール、マーナーに至っては過去7シーズンのプレーオフ通算で9ゴールしか決めていません。
ランタネン大活躍については、このブログでも触れています!
ウィリアム・ニランダーを別とすれば(ここまで10試合出場、6ゴール・9アシスト)、彼らはメープルリーフスにとって最も得点力のある選手たちです。しかし、最も注目される場面やプレーオフの激しさが一段と増すとき、彼らは結果を出せなくなるのです。
プレーオフになると、これほどの貢献者が貢献しなくなるのは、一体なぜなのか、説明するのは簡単ではありません。
なぜ、サイモン・ブノワのようなギリギリの立場の選手が、純粋な情熱と激しさによって本来以上の存在になれる一方で、マシューズやマーナーのような選手が、毎試合「もっとできるのでは」「本当にここぞのときに力を発揮できているのか?」と思わせるのでしょうか?
地味だけど頼れる男、ヴァーヘイグの存在感🔥
一方で、フロリダのカーター・ヴァーヘイグには注目です👀パンサーズのフォワード陣の中で、ブノワのより才能あるバージョンと言える存在だからです。
彼は日曜の試合で決勝ゴールを決め、プレーオフでの得点数を4に伸ばしました(4アシスト)。実はレギュラーシーズンでは20ゴール程度の選手なのに(33アシスト)、プレーオフになるとやたら強い! 重要な場面では常にそこにいるように見えます。昨年のスタンレーカップでは11ゴール(10アシスト)、さらにその前の2シーズンでも13ゴール4を記録しています。
ヴァーヘイグは、サーシャ・バーコフやマシュー・カチャック、サム・ラインハートのようなフロリダの偉大なオフェンス選手と混同されることは決してないでしょう。彼はスター選手ではないけれど、「ここぞ」の場面に強く、彼は確実にスコアシートにその名を残します。それって、チームにとってめちゃくちゃ大きな存在です💪
パスがピタッと決まって、とても気持ちいい!
才能だけじゃ勝てない?プレーオフの本当の難しさ🤔
NHLの世界では、才能があるだけでは勝てないのがプレーオフの厳しさ。
このシリーズで、リーフスはマシューズやマーナー、そして他の選手たちに、ヴァーヘイグのようなプレーを見つけ出す必要があるのです。「彼の読みはすべて正確だ」と、モーリス監督は彼を称賛しました。「彼は非常に激しく、非常に速いホッケーをプレーしている」。
その言葉自体は特に複雑なものではありませんが、「非常に激しく、非常に速く」プレーするというのは、誰にでもできることではないのです。リーフスは、エドモントン(・オイラーズ)を除けば、プレーオフに出場しているチームの中で最も上質なタレントを持っています。しかし、才能があるだけでは、すべての問いへの答えにはなりません💥
プレーオフでは、相手が激しくチェックしてくるのでスペースがなくなり、シュートのチャンスも激減します。そんな中で、いかにパックを奪い合い、チームとして体を張って戦うかが超重要💡それこそが、プレーオフホッケーで勝つための鍵なのです。さらにそこには、賢さ、創造性、規律、そして恐れのなさも必要です。
さらに大事なのが「ミスをしないこと」。トロントは第4戦の第1ピリオドで、避けられたはずのペナルティを4回も取られました…。これは「賢い」とは言えません。ヴァーヘイグが第1、第2ピリオドを通じて唯一のゴールを決めましたが、それはリーフスが1人、いや2人近く少ない状態5でのことでした😢
小さな判断ミスが命取りに…ディフェンスのほころび⛔️
試合の後半では、リーフスのディフェンスにもミスが出てしまいました。
特に痛かったのは、第3ピリオド、2対1の場面での読み違い。クリス・タネフはパスに対応、ディフェンスのジェイク・マッケイブに背後から来るシューター、サム・ベネットに行くよう合図をしたのですが、マッケイブが、味方の合図と逆の動き、つまりタネフの側へ動いてしまい、サム・ベネットにフリーでゴールを決められてしまいました。
彼は普段、そのようなミスをほとんどしない選手のはずです。こうした「ほんの少しのズレ」が命取りになるのが、プレーオフの怖いところ。
リーフスの若手フォワード、マシュー・ナイズも何度かチャンスを得ましたが、いずれもシュートを外すか、最後は相手ゴールキーパーのボブロフスキーに阻まれてしまいます。

第4戦でのリーフスはミスも多かったし、自らの手でチャンスを潰しているように見えたにゃ。初戦からいろいろトラブル続きの対戦になっており、特にリーフスは落ち着いて氷上に出られていないのかもしれない。第5戦はいい形で早めに先制点→中押し点を取るべく、ダッシュをかけよう。
最後の砦「ボブ」が覚醒⁉️ゴールを守り切る鉄壁の守護神🧱🥅
日曜の夜の敗戦で、トロント側にとって最も衝撃的だったのは、フロリダのゴーリー、セルゲイ・ボブロフスキーの復活かもしれません。
シリーズ序盤では調子が悪く、リーフスは2試合で9ゴールを奪いましたが、第4戦ではまさに“プレーオフのボブ”6として覚醒🔥 スタンレーカップを勝ち取ったあの時のゴーリーのようでした。誰がチャンスを得ても関係ありませんでした──マシューズにも2度、良いチャンスがあった──が、そのすべては「ボブ」の手中にあったのです。
ここからシリーズに勝ち進むためには、この「壁」をあと2回打ち破らないといけない…まさに崖っぷちです💣
まとめ:次に笑うのは誰?運命の残り3試合へ🏒✨
今はフロリダに勢いがあるように見えますが、プレーオフには「流れ」というものがないとも言われています。今、この事実だけがリーフスの味方と言えるかもしれません。つまり、まだまだ何が起こるかわかりません!
トロント・メープルリーフスが誇るスター選手たちが、次の試合で意地を見せるのか。それとも、フロリダ・パンサーズがそのまま勢いに乗って勝ち切るのか。次戦がとにかく楽しみです🔥

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- カナダ・トロントの日刊タブロイド紙およびニュースサイト。大衆向けで読みやすい文体、中道から右寄りの政治論調、時にセンセーショナルな報道が特徴。トロント地域内外の幅広いニュースを提供し、賛否両論ありながらもトロント市民にとって重要な情報源の一つである。
↩︎ - ここまでのプレーオフの成績は10試合出場1ゴール・1アシスト。プラス・マイナス評価は-4。レギュラーシーズンの成績は78試合出場1ゴール・9アシスト。プラス・マイナス評価は+12となっており、彼の攻撃力の高さが分る。
↩︎ - 2023年のプレーオフ、第2ラウンド初戦から数えて20試合。その相手も今回と同様、フロリダ・パンサーズ。第2ラウンドは5試合を戦い、マシューズはノー・ゴール。2024年が1ゴール、今シーズンがここまで2ゴールとなっている。
↩︎ - 2022年が10試合出場、6ゴール・6アシスト、プラス・マイナス評価が+7。2023年が21試合出場、7ゴール・10アシスト、プラス・マイナス評価が+7。昨シーズンは-5だったが、今シーズンも+1となっており、彼の貢献度は高い。
↩︎ - 第1ピリオド・13分38秒、フッキングのペナルティでまず1人がボックス行き。2分間のマイナー・ペナルティが終了する直前の15分36秒、パックがガラス・ボードを超えたため、遅延行為と見なされ、2人目のボックス行きとなっている。
↩︎ - 2022-23シーズンのフロリダ・パンサーズのスタンレーカップファイナル進出、そして2023-24シーズンのスタンレーカップ優勝において、彼の傑出したパフォーマンスが大きく貢献した。
23年は18試合に先発出場し、12勝6敗、平均失点2,78、セーブ率.915。翌年は24試合に先発出場し、16勝8敗、平均失点2,32、セーブ率.906。キャリアを概観しても、プレーオフになると、ほとんどセーブ率が9割を超えている。 ↩︎