ジェッツ、第2戦はアバランチの第2ピリオドの大波に圧倒される!

アイスホッケー名勝負

はじめに 

 プレーオフ第1ラウンド、北米各地で熱戦が繰り広げられ、成績上位チームが順当に勝ち星を重ねている中、例外が2カードあります。 

 ワイルドカードのベガス・ゴールデンナイツがディビジョン1位のダラス・スターズに2連勝、そしてディビジョン3位のコロラド・アバランチが、2位のウィニペグ・ジェッツを圧倒しています。「攻め」のアバランチ、「守り」のジェッツの対決と言っていいでしょう。 

 アバランチは、ディフェンスマンもどんどん攻撃に参加してくるタイプのチーム。それを迎え撃つジェッツには、NHL史上に残るゴールテンダー、コナー・ヘレビュイックがゴール前を死守しています。この2チームの対戦、どんな試合展開になっているのでしょうか。 

讃岐猫
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引用元:NHL.com「Jets ‘not satisfied’ heading into Game 3 against Avalanche

ジェッツ=守備的チームという印象あるが…

 ウィニペグ・ジェッツは、ウェスタン・カンファレンス第1ラウンドでまだ本格的にプレーしておらず、コロラド・アバランチにとって、それは悪いニュースになるかもしれません。

 ウィニペグはレギュラーシーズン最後の8試合に勝利した後1、勢いに乗ってスタンレーカップ・プレーオフに臨んだ、息苦しいほどディフェンス重視のチームではありませんでした。

 「僕らはこういうタイプのグループだから、チームは決して満足していないと思うね」と、ジェッツのフォワード、カイル・コナーは、カナダ・ライフ・センターで行われた第2戦でアバランチに5-2で敗れ、7試合を戦うシリーズで1勝1敗のタイになった後、そう語っています。

この試合のハイライト映像です!

 「”ボーンズ”(ジェッツのリック・ボウネス監督)と話していると、常に改善すべき点が出てくるんだ。

 ああ、守備面では前回(Game1、7-6でジェッツが勝利)に比べていくつかの進歩を遂げたけど、同時に、僕らは前のゲーム(Game1)でアタッキング・ゾーンに入るタイムが多くなり、より多くの攻撃の形を生み出せていたね。

 だからかな、同時に、自分達のゲームに完全に満足することは決してなく、もっと努力していきたいのさ。それが、このグループを成功に導いている理由なんじゃないかな。

 僕らは、いつもチームの弱い部分に目を向けている。ボーンズがまずそれを始めてくれるんだ。彼は僕らの味方さ。最初の勝利(Game1)の後でも、彼は僕らに改善すべき点を指摘してくれたからね」。

記録から見たジェッツの守備力

 ジェッツはレギュラーシーズンで1試合平均2.41ゴールを許し、フロリダ・パンサーズとNHLで1位タイとなりましたが、ウィニペグはリーグ最低の199ゴール(シュートアウト〈PK戦〉決定ゴールを含む)を許しています(フロリダは200失点)。

 1試合あたり3.68ゴールでリーグトップのアバランチは、このシリーズの最初の2試合で11ゴールを決めています。ジェッツの1試合あたり平均失点5.50は、プレーオフに進出した16チーム中15位で、ここまで唯一1試合で7失点したロサンゼルス・キングスを上回っています。

 コナー・ヘレビュイックは、レギュラーシーズン60試合出場で平均失点2.39ゴール、セーブ率.921、5完封を記録し、37勝19敗4延長負けで、勝利数、平均失点(GAA)、セーブ率、完封数でトップ5にランクインしました(最低25試合以上出場したGKを対象)。

 しかし、アバランチとの最初の2試合で、彼は77シュートを浴び、10ゴールを許しています2(平均失点5.04、セーブ率.870)

讃岐猫
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少ないチャンスをモノにしないと

 しかし、ボウネスが指摘したように、ジェッツは第2ピリオド、アバランチのフォワード、アルトゥーリ・レフコネンによって2-2の同点に追いつかれる直前にチャンスがあり、そのチャンスを生かさなければなりませんでした。

 「昨夜は相手のゾーンに少し詰め寄ったけど、それを十分に活用できなかった」とボウネスは4月24日(水曜日)に語っています。

 「でも、あの時に戻って、小言を言いたいんだろ?(ジェッツが)2-1とした時、我々は下がってしまっていて、(コナーが)ポストを叩き、ゲイブ(ビラルディ)がリバウンドを打った時のことさ。あそこでゴールに入れる必要があったはずだ。

 そして、最後の数分間は、我々自身で問題を招いたようなものだった。だから、我々はそれらの問題を修正し、より多くのチャンスを得て、先に進んでいかねばならない」。

アバランチはホームで強い!

 第1戦でジェッツが7-6で勝利した試合を含め、最初の2試合は騒々しいカナダ・ライフ・センターで行われました。

 ジェッツは、金曜日(東部時間午後10時;MAX、truTV、TNT、ALT、TVAS、CBC)にデンバーのボール・アリーナで行われる第3戦で、同じようにとても騒々しい雰囲気の場所に入っていくでしょう。

 アバランチはレギュラー・シーズン中にホームで31勝9敗1延長負けの成績であり、NHLチームの中で最も多くのホーム勝利を収めていますから、次の試合で形勢を逆転するかもしれません。

 「我々は何か特別なことをするわけじゃない。試合中、いくつかのフェイスオフに勝つつもりだし、そうなれば、我々は試合をコントロールできると思う」とボウネスは言いました。

 ジェッツはすべての準備ができています。

讃岐猫
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相手ホームに乗り込むジェッツ側も準備している

 「どのチームもホーム・アリーナを(相手にとって)タフな場所にしようとしているが、確かに、コロラドは今年それをすることがよくできていたね。向こうの選手達と、おそらくライン構成がマッチングしていたんだろう。

 彼らのホームゲームを41試合全部見たわけではないけど、その中で何が上手くいっているのかを伝えようと思っている。

 でも、これまで戦ってきた試合で、アウェーでは試合のことをあまり気にせず、氷の上にいる相手を理解することだけに集中するよう考え方を変えたんだ」とジェッツのディフェンスマン、ジョシュ・モリッシーは水曜日に語りました。

 「でも、選手として試合に出て、できる限り自分の仕事をしようとしている。

 コロラドがホームでプレーして気持ちいいのは分かっているし、そして、今シーズン、我々もアウェイで彼らと対戦して、ある程度成功を収めてはいるんだ(12月7日に4-2で勝利し、4月13日に7-0で勝利)。

 だから、4月26日・金曜の夜、あのアリーナに行って、自信を持って試合に臨まなきゃいけない」。

シュート打たれまくりは覚悟している

 ジェッツはシリーズを1勝1敗のタイとし、ウィニペグから去っています。ジェッツが第1戦でコロラドのミスを突いたように、第2戦ではアバランチにミスを突かれてしまいました。クリーンアップしたいところはあるが、チームはそれができると確信しています。

 「コロラドには、アバランチにとって、いい観客が集まるだろう。僕らは自分たちのゲームに取り組み続け、自分たちらしさを見つけ続けなければならない」とジェッツのフォワード、マーク・シャイフレは4月23日(火曜日)に語りました。

 「向こうはファンタスティックなチームだから、彼らを大いに称賛しなければいけない。彼らはたくさんの良いプレーをしてきた。多くのシュートをブロックし、(第2戦で)こちらが何かをしようとしても、なかなかうまくいかなかった。

 それがプレーオフの面白いところでもあるんだ。このシリーズが簡単なものになるとは思っていない。彼らはあそこで素晴らしいチームになる。我々はパンチを受け続けるしかない」。

まとめ

 プレーオフ最新の試合結果は、6-2でコロラド・アバランチの勝利となり、2勝1敗でアバランチが一歩リードとなりました。第2ピリオド終了までは、ジェッツの2-1のリードで進んでいたのですが、第3ピリオドで悲劇が…。

 第3ピリオド開始から3分間で、立て続けにペナルティを取られたのが(一つはダブル・マイナー・ペナルティ)、最大の敗因と言っていいでしょう。シャイフレが言っていた「我々はパンチを受け続けるしかない」が現実になった、第3ピリオドとなってしまったのです。

第3戦のハイライト映像です!

 短期決戦において、自滅を招くミスが命取りなのは、どのスポーツでも同じこと。これでジェッツが自信喪失してしまうかどうか、そして、Game1〜3まで、ジェッツのリードしていた時間帯が必ずあったので、それをいかにキープするか、が今後の鍵でしょうか。

讃岐猫
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【註釈】

  1. 4月1日からのレギュラー・シーズン8試合全勝(ホーム、アウェイ各4勝)。アウェイ4勝中、完封試合2試合(ダラス・スターズに3-0、コロラド・アバランチに7-0)を含む。35ゴール、15失点。
    ↩︎
  2. チームの失点は11だが、最後の失点はエンプティ・ネット。つまり、ゴール・キーパー無しのため、ヘレビュイック自身の失点は10となる。 ↩︎
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