はじめに
このブログの記事数が、遂に100を超えました!昨年の8月にスタートさせて以来、何度やめようと思ったか分かりませんが、「もっと日本でNHL人気が高まればいいな」の思いと、自分のNHL研究促進から、少しずつ面白そうな記事を拾って、注釈や解説を付けて紹介してきました。
これからも、紆余曲折はあるでしょうが、少しずつ続けていきたいと思っています。
今回は、好調なダラス・スターズの中心選手、ジェイソン・ロバートソンについてです。フィリピン系アメリカ人であるロバートソンのゴールを目指す直向きなプレーぶりと、そこはかとなく漂うアジアな表情を見ていると、いつの間にか彼のファンになってしまいました。
チームの上昇と同時に進化し続けるロバートソンの魅力をお届けしましょう。
ロバートソンの凄まじいまでの得点&アシスト能力は、
NHL.TVの画面からでもビンビン伝わってくる!
非常にスター性のある選手だにゃ!
引用元:NHL.com「Robertson’s rise with Stars latest success for U.S.-born players in NHL」。
ダラスの新星、大活躍!
ジェイソン・ロバートソンは、米国生まれのNHL選手による新しい波の中で、彼の描く軌跡が誰にも劣らず有望であることを証明し続けています。
ダラス・スターズのフォワードは、米国生まれの選手では、シカゴ・ブラックホークスのフォワード、パトリック・ケインと並んでポイント(178試合で193)で5位タイ、初のフル・シーズンとなった2020-21シーズン以降、ゴール数(91)で4位となっています。
23歳の彼は、今シーズン、53試合で69ポイント(33ゴール、36アシスト)を獲得し、107ポイントのペースでゲームをレベルアップさせています。
ラインメイトについて語る
ロバートソンのルーキーシーズンから一貫しているものとして、ラインメイトが挙げられます。センターのループ・ヒンツと、米国生まれの現役NHL選手ではゴール数2位(435)、ポイント3位(972)のFWジョー・パベルスキを中心にしたラインでプレーしてきました。
2020-21シーズン以降、ロバートソン、ヒンツ、パベルスキはFWトリオの中で最多となる174ゴールを決めています。
38歳のパベルスキーとロバートソンが同じラインで成功を収めたことは、今世紀に入ってから、NHLにおける米国生まれによる最大のサプライズである2人の間で、聖火の受け渡しがなされたと考えることができます。
パベルスキーは、2003年のNHLドラフト7巡目(205位)でサンノゼ・シャークスに指名された逸材です。スターズは、2017年のNHLドラフト2巡目(39位)でロバートソンを指名しました。
ロバートソンは「ただ相性が良いだけのことさ、ジョーとループという選手に精通しているだけだよ」と語りました。「僕は彼らと一緒にプレーしてきた、ほとんどすべての試合で、僕たちは健康な状態で同じラインメイトとしてプレーしてきたんだ。
一緒にプレイすればするほど、スピードとか色んなことを知ることができる。それは完璧な嵐のようなものさ。今のところ本当にいいね」とコメントしています。
ダラスが11日(土曜日、東部標準時午後1時。日本時間、12日・午前3時)にタンパベイ・ライトニングとホームで戦う時、全米のテレビ視聴者がロバートソンの活躍を見ることができます(ABC, ESPN +, SN NOW)。ABCのダブルヘッダー第1試合となっています。
ワシントン・キャピタルズは、第2戦(東部標準時午後3時30分。日本時間、12日・午前5時30分:ABC、ESPN+、TVAS、SN NOW)、ボストン・ブルーインズのホームで対戦します。
ロバートソンの進歩の様子
スターズにドラフト指名された後、ロバートソンはオンタリオ・ホッケー・リーグのキングストンに戻り、そこでプレーし、次の2シーズンはOHLのナイアガラでもプレーしました。
彼は、2019-20シーズンにアメリカン・ホッケー・リーグのテキサスで、最初のプロ・シーズンのほとんどをプレーし、ダラスでは60試合で47ポイント(25ゴール、22アシスト)、NHLでは3試合で1アシストを記録しました。
しかしその後、2020-21シーズンにロバートソンは51試合で45ポイント(17ゴール、28アシスト)を記録し、カルダー・トロフィーの投票ではミネソタ・ワイルドのFWキリル・カプリゾフに次ぐ2位となりました。
それ以来、ロバートソンのゲームあたりの平均ポイントは毎年劇的に向上し、ルーキー時の0.88ポイントから昨シーズンは1.07、今シーズンは1.30(NHL10位)を記録しています。
10月5日に署名した4年・3100万ドル(日本円で約41億円。平均年額775万ドル)の契約により、彼は報われたのです。
数字の上からも進歩してきてるのが分かるにゃ。
マイナー・リーグで切磋琢磨したおかげだね。
他チームの選手からの評価
同じく米国生まれのニュージャージー・デビルズのセンター、ジャック・ヒューズは、2月3日、オールスター・ゲーム・メディア・デーで、「(ロバートソンにとっては)あっという間の出来事だった。彼はかなりクレイジーな1年を過ごしたね。
彼はずっとチャンスを狙っていた選手で、誰もが話題にしている(米国生まれの)若い選手の一人さ」と述べました。
1154試合出場で、ゴール(439)、アシスト(776)、ポイント(1215)を記録した、米国生まれの現役NHLプレーヤーをリードする存在のケインは、セントラル・ディビジョンでロバートソンと多くのマッチアップを経験しており、目にするもの全てに感銘を受けていると語りました。
ケインは「つまり、彼を見ているとだね」とした上で、「彼のスピードや技量が際立っているわけじゃないんだ。つまり、彼は確かにたくさんの技術を持っていて、非常に賢くそれを使える選手だと思うんだ」。
「彼は、そこでヒンツやパベルスキとうまく溶け込んでやっている。彼らは本当にお互いをうまく使っているようだ。(ロバートソンは)やり遂げる男だと思うね」と述べました。
ロバートソンの歩みは平坦ではなかった
しかし、簡単ではありませんでした。カリフォルニア州アルカディア生まれのロバートソンは、2015年のOHLドラフトで4巡目(62位)に指名され、2020年2月13日にNHLデビューを果たすまで、同リーグで5シーズン、AHLで1シーズンプレーしました。
その日、ロバートソンは、2008-09シーズンにトロント・メープルリーフスでデビューしたティム・ステープルトンに次ぐ、NHLで2番目のフィリピン人選手となりました。
フィリピン系の選手でNHLでプレーしたのは、ロバートソン、ステイプルトン、ミネソタ・ワイルドのディフェンスマン、マット・ダンバ、そしてメープルリーフスのフォワード、ジェイソンの弟であるニコラス・ロバートソンだけです。
アジアの血を引く選手が頑張ってくれるのは嬉しいけど、
日本人選手ももっと頑張ってほしいにゃ。
ピーター・デボーアは、スターズのコーチとしての最初のシーズンで、ロバートソンの絶え間ない技術への取り組みに即座に感銘を受けたと述べました。
デボーアは、ロバートソンによると、ロバートソンが偶然にNHLランクのトップに近づいたのではなく、エリート選手達の中でずっと力を維持しており、ダラス(30-13-10、70ポイント)がセントラル・ディビジョンで1位である大きな理由だと語りました。
「ジェイソンがここに来るまでの道のりが大好きだ」とデボーアは語りました。「OHLドラフトでは、確かにアーリー・ラウンドでのドラフト指名じゃなかったよ。アーリー・ラウンドのNHL候補でもなかった。彼は全体のトップ5や10にすら入っていなかった。
マイナー・リーグで過ごしながら、ここに来るために働いてきた。そして今、彼は地球上で最高のスコアラーの一人であり、彼が次の10年間もそこにいると思ってる」と述べました。
MVP争いに若手選手が多数参戦!
エドモントン・オイラーズのセンター、コナー・マクデイビッドはポイント(94ポイント:52試合、41ゴール・53アシスト)でNHLを大幅にリードしており、NHLの最優秀選手に選ばれるハート・トロフィーの最有力候補となっています。
しかし、ハートの最終候補には、アメリカ生まれで25歳以下のフォワードが5人います。ロバートソンの他に、ヒューズ、21歳。フロリダ・パンサーズのフォワード、マシュー・トカチュク、25歳。バッファロー・セイバーズのセンター、テージ・トンプソン、25歳。トロントのセンター、オーストンマシューズ、25歳。
膝の怪我で離脱中のマシューズは、昨シーズン、アメリカ生まれの選手としては、2016年のケイン以来となるハート・トロフィーを受賞しました。
また、マシューズはNHLのゴール・リーダーとして、ロケット・リチャード・トロフィーを連続受賞(2020-21シーズン41ゴール、昨シーズン60ゴールでリーグトップ)しています。
コロンバス・ブルージャケッツのジョニー・ゴードローも米国生まれのフォワードで、昨シーズンはカルガリー・フレームズでポイント数(115ポイント、82試合、40ゴール・75アシスト)でNHL2位タイ、ハート・トロフィー投票では4位に入賞しました。
ゴードローは、多くのアメリカ人選手がリーグMVPを争っているのを見て誇りに思っていると述べ、その中にはここにいることを期待していた選手もいれば、ロバートソンのように新たな高みを目指し続けている選手もいると語りました。
「アメリカの若い選手が少しずつ認められるようになったのは、とてもいいことだ」とゴードローは語りました。「みんな素晴らしい選手だ。確かに他の(アメリカ人が)賞を勝ち取るのを見るのは素晴らしいことさ」と述べました。
まとめ
NHLのスター中のスター、オイラーズのコナー・マクデイビッドの牙城を崩すのは、なかなか容易ではありませんが、彼にぐっと近づける若手がこれだけ多数存在するということから、NHLの未来が決して暗くないことが分かります。
その中に、アジアの血を引くロバートソンが入っていることに誇らしい気もします。
今後のシーズン展開から考えて、ロバートソンはもう1ランク、ギアをアップさせることになるでしょう。プレーオフ進出だけでなく、その先を見据えているはずですし。記事中にもあったように、彼の絶え間ない向上心がさらに燃え盛る様子を、遠い日本の地から見続けたいと思います。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!