はじめに
プレーオフで光ったのは、まさかのルーキーたち!?🔥カロライナ・ハリケーンズが見せた“粘り”と“再生”の第4戦を、2本の記事に分けてじっくり解説します✍️今回も記事2つ分ですよ😉
若手の活躍、ベテランの安定感、そしてチーム全体の戦術まで、初心者にもわかりやすくまとめました!どちらも見逃せませんよ👀💥
参照記事:North State Journal1「Hurricanes rookies ‘seizing the moment’」
新人が主役!?ハリケーンズの意外な逆襲劇🏒🔥
スポーツのプレーオフシーズンといえば、ベテランの経験がものを言う――そんな常識を、カロライナ・ハリケーンズがひっくり返そうとしています。
ポストシーズンに向けた補強を各スポーツのトレード期限で探すとき、多くのチームが求めるのは「目に見えない要素(インタンジブル)」です。どのチームも欲しがるのは「実績ある選手」や「優勝経験者」、「精神的支柱になるリーダー」、そういう存在こそが試合やシリーズ、そしてチャンピオンシップを勝ち取る、と一般的には考えられています。
ですが、今季のハリケーンズを支えているのは、なんとルーキーたちなんです!
プレッシャーのかかる大一番で、まだプロ1年目の若者たちが堂々たるプレーを見せ、チームを勝利に導いている姿に、多くのファンが驚かされています。その“勝負強さ”は、そもそもそれが何なのかさえ分かっていないかもしれない若手選手たちから生まれている、というわけです。
「この時期にルーキーとして出場して、ああいうプレー時間をこなすのは簡単じゃない」と、ハリケーンズのディフェンスマン、ヤコブ・スラヴィンは語りました。彼が言及したのは、5月26日・月曜日の試合でチームがフロリダ・パンサーズとのイースタン・カンファレンス決勝第4戦で3-0の勝利を収め、敗退を回避したときに出場していた4人の新人選手たちについてなのです。
スター誕生?ジャクソン・ブレイクの台頭✨
まず注目したいのは、ウィンガーのジャクソン・ブレイク(2021年ドラフト全体109位)。技巧派のウィンガーであり、元NHL40ゴールスコアラー、ジェイソン・ブレイク2の息子という血筋も話題ですが、それだけではありません。
昨年は大学ホッケー界のトップ選手としてホビー・ベイカー賞3のファイナリストに選ばれた彼、見事な移行を遂げたと言っていいでしょう。プロ入り1年目の今季は、なんとレギュラーシーズンで17ゴールをマーク。そして、初のスタンレーカップ・プレーオフでもすでに3得点と、しっかり結果を出しています。
勢いだけではなく、確かな実力を持っていることが証明されていますね💪
ブレイクがパンサーズの選手と激突して流血!の記事はこちら。
急成長中のディフェンス陣も要チェック👀
ブレイクだけじゃないんです。ディフェンスラインにも頼れるルーキーが続々と登場しています。
まずは、将来有望なNHLキャリアの1年目を迎えているスコット・モロー(2021年ドラフト全体40位)。
彼はシーズンの多くをAHL(アメリカン・ホッケー・リーグ。シカゴ・ウルブズに所属。52試合出場、13ゴール・26アシスト)で過ごしていましたが、しかし、カロライナがワシントン・キャピタルズとの第2ラウンドでジャレン・チャットフィールドを負傷で失ったことにより、急遽プレーオフに召集されました。
プレッシャーの中でも冷静なプレーを見せ、将来の柱になりそうな予感を漂わせています。
モローは若さを爆発させてます!
そして注目のもう一人が、長らく待たれていたディフェンスの有望株、ロシアからやってきたアレクサンドル・ニキーシン(2020年ドラフト全体69位)。ロシアでのKHLシーズン4が終了したわずか1か月ほど前にハリケーンズと契約し海を渡り、キャピタルズとのシリーズ第5戦でNHLデビューを果たしたばかり。
ハリケーンズのロッド・ブランダムール監督はその初戦を「荒削りだった」と評しました。だが、ショーン・ウォーカーもチャットフィールドに続いて負傷したことで、監督は再びニキーシンを起用するしかなかったようです。
ニキーシン、試合中、こんな事もありました。
監督によれば、言語の壁と、ポストシーズン中にチームが練習をあまり行わないことから、ニキーシンはチームに馴染むのに苦労していたということです。月曜日、ニキーシンはその困難な状況を乗り越え続けており、シフトを重ねるごとにより効果的なプレーを見せました。コーチ陣も彼を重要な場面で起用することに、信頼と必要性の両面から自信を深めています✨。
チームに溶け込む姿勢もプレーに現れる👏
ニキーシンは第4戦でペナルティキルにも出場。主力のチャットフィールド(リーグ最強のPKにおいて重要な役割を担っている)もウォーカー(ショートハンドでDFが必要なときの代役)が不在の中で、PK成功率100%(4回)に貢献しました。
試合では出場時間19分近くも氷上に立ち、連続2試合で5つのヒットを記録。身体を張るプレーで、チームからの信頼を着実に得ています。監督も「彼は今、この瞬間を掴み取っている」と賞賛し、ニキーシンの落ち着きぶりを高く評価し、「この大舞台にも全く動じていない」と語りました。
「彼の良いところは、動揺していないところだ。とにかく出て行ってプレーしている。若い選手やルーキーの中には、いかにこの場が特別で大きいかを理解できずに、ただホッケーをやっているだけの子もいる」。
新人でも関係ない。そんな姿勢が、今のハリケーンズには溢れています🔥
鮮烈な連携プレー!ニキーシン&スタンコーベンの一撃💥
第4戦で最も印象的だったプレーの一つは、第2ピリオドに生まれました。
スコアが0-0、カロライナがシリーズ初のリードを狙っていた緊張感の中、ニキーシンが中立ゾーンで素早くバックハンドパスを出すと、左サイドを疾走していたハリケーンズのもう1人の新人、ローガン・スタンコーベン(2021年ドラフト全体47位)がそれを受け取り、そのままフロリダのゴーリー、セルゲイ・ボブロフスキーの右肩越しにシュートを決めました⚡️
スタンコーベンの得点シーン。パンサーズ、完全に裏を取られていますね。
これがこのシリーズでカロライナにとって初のリードとなり、その後一度も追いつかれることなく、3-0の完封勝利へとつながりました。
「新人らしからぬプレーだった」と、ブランダムール監督はスタンコーベンとニキーシンについて語っています。「いや、(スタンコーベン)は多少経験がある。彼はこういう場面を経験しているからね」。
ニキーシンについても特に印象的だったのは、彼がプレー時間を“無理やり”与えられているにも関わらず、その多くをこなしている点だと、ブランダムール監督は賞賛しました。「今夜は2人とも素晴らしかった」。
スタンコーベンの経験と闘志🔥
スタンコーベンもルーキーですが、トレードデッドラインでダラスからカロライナに移籍してきたこの小柄なフォワード(173センチ)は、昨シーズン、ダラス・スターズの一員としてウェスタン・カンファレンス決勝を戦った経験があります(19試合、3ゴール・5アシスト)。その経験が今、ハリケーンズでも活かされているようです。
彼は今プレーオフですでに5得点を挙げており(14試合、3アシスト)、パンサーズとのシリーズでは最も危険なフォワードと化しています。
キャプテンのジョーダン・スタールも「彼はとても闘志あふれるプレーをする。彼はどんなパックも絶対にあきらめない。しつこく食らいついて、まさに“生粋のハリケーン”だ」と第4戦後に絶賛していました💯
ルーキーたちの“今”がチームを救う🌟
シリーズのスウィープ(4連敗)を避け、カンファレンスファイナルへの希望を繋いだのは、経験豊富なベテランたちではありませんでした。むしろ、チームの未来を担うルーキーたちが最大の違いを生み出しているのです。
ヤコブ・スラヴィンによると、ニキーシンは初めてのNHLポイントを挙げ、チームのシーズン継続に貢献したあと、ほんの少しの英語で短いスピーチをチームに伝えたそうです。
「グッドゲーム。ステップ・バイ・ステップ。グッドジョブ。」たったこれだけの言葉。でも時には、それが何よりも大きな力になるんですよね。
新人たちがプレッシャーをものともせず、堂々とプレーするハリケーンズ。今後の彼らの活躍から目が離せませんね🏒✨
参照記事:The Times of India5「Hurricanes play steady game, shut out Panthers in Game 4」
アンダーセンの完封劇!ハリケーンズ、第4戦で反撃🔥
勝利が絶対条件、絶体絶命の状況で迎えた第4戦。カロライナ・ハリケーンズのゴールを守ったのは、ベテランのフレデリック・アンダーセンでした。
第3戦を欠場6していたアンダーセンですが、この大一番で完璧な復帰。チームが敗退の危機に直面していた状況の中で、相手の20本すべてのシュートを止め、完封勝利を飾りました👏そのプレーはとても冷静でコントロールされたプレーを見せ、まさに「頼れる守護神」といった存在感!ハリケーンズには彼のプレーが必要だったのです。
試合序盤からプレッシャーのかかる展開でしたが、アンダーセンは全てのピリオドで冴えわたり、彼の安定感に加え、味方選手たちのシュートブロックやパック管理の意識も高く、相手にほとんど決定的なチャンスを与えませんでした。
鍵はペナルティキルとシュートブロック🛡️
第4戦での勝因のひとつは、間違いなくハリケーンズの積極的かつ効率的なペナルティキル(PK)です!
この試合でPKは4回ありましたが、すべて無失点7で乗り切りました。それだけでなく、数的不利の中でも攻める姿勢を見せてシュートを放つ場面もありました🔥
規律とタイミングが鍵となり、特に序盤、フロリダ・パンサーズが勢いよく攻め込んでいた時間帯での守備に顕著に表れていました。ハリケーンズはこの試合で合計15本のシュートをブロックし、リードを守るための献身的な姿勢を見せつけました。
中でもディフェンスのヤコブ・スラヴィンは4ブロックを記録。チーム全体に「守り切る」という意識の高さが伝わってきます。
また、これまでの試合と比べてターンオーバー(パックの不用意な喪失)が大きく減ったことも勝因の一つです。ハリケーンズはミスを最小限に抑え、ニュートラルゾーン8でのプレーをコントロールできていたことも大きなポイントでした。フロリダのリズムを見事に崩しているように見えました。
主導権を握って完全勝利!✨
1点リードで迎えた第3ピリオドでも、ハリケーンズは守りに入ることなく、積極的に前へ出ました。試合のペースを支配し続け、その結果、終盤にはセバスチャン・アホとジョーダン・スタールがエンプティネットゴール(相手ゴールキーパーがいない状態での得点)を決めて、試合を3-0で締めくくりました💪

これこれ!積極的に前へ出るのがハリケーンズのアイスホッケーのはずだにゃ。ここ数試合はパンサーズの圧に押され気味で、やや出足が鈍かった。パンサーズは試合前からいろいろ仕掛けてくるから、無理もないんだけど、それを押しのけないと先はない。第4戦、パンサーズが余裕持った試合運びをしすぎていたとも思えるわけで、次が本当の勝負だよ!
この第4戦は、シリーズを通して最も完成度の高い試合内容だったと言えるでしょう。すべてのラインが役割を果たし、慌てることなく、自分たちのスタイルを貫いたことで、勝利を手にしました。
ハリケーンズはこの試合でテンポを完全にコントロールし、フロリダの攻撃を沈黙させ、全てのゾーンで高いレベルのプレーを見せたこの勝利で、シリーズは1勝3敗に。数字以上に大きかったのは、「この戦い方で勝てる」という自信を取り戻せたことです🔥
次の試合でもこの勢いを維持できるか、注目です👀
まとめ
ルーキーの勢いとベテランの安定感が絶妙にかみ合い、ハリケーンズがシリーズの流れを変える大きな一勝を掴みました🏒🔥「守って、攻める」チームの本来の姿が戻ってきた今、次戦の展開がますます楽しみですね😊この勢い、見逃せません!

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- アメリカ・ノースカロライナ州を拠点とするニュースメディア「North State Journal」の公式サイト。州全体の政治、経済、スポーツなどを独立した視点で報道しており、オンラインと紙媒体の両方で情報を発信している。
↩︎ - アメリカ合衆国出身。彼は1999〜2012年までNHLでプレー。その前には、USHLのウォータールー・ブラックホークス、そして大学ではフェリス州立大学とノースダコタ大学でプレーした。
ブレイクはドラフト外で、1999年にロサンゼルス・キングスとフリーエージェント契約。その後、ニューヨーク・アイランダーズ、HCルガーノ、トロント・メープルリーフス、アナハイム・ダックスでもプレーした。世界選手権、ワールドカップ、冬季オリンピックなど、国際大会でアメリカ代表として活躍。
2007年にはトロント・メープルリーフスと5年契約を結んだが、慢性骨髄性白血病と診断された。この診断にもかかわらずプレーを続け、その忍耐と献身が認められビル・マスタートン記念賞を受賞。
↩︎ - カレッジホッケーで最も権威ある賞。プレーヤーの氷上スキルに加え、人格、スポーツマンシップ、学業も評価され、ホビー・ベイカーという伝説的選手を記念して創設された。
↩︎ - ニキーシンはKHLではスパルタク・モスクワとSKAサンクトペテルブルクでプレー。特にサンクトペテルブルクでの3年間、通算193試合出場、45ゴール、112アシストを記録。ディフェンスながら、得点力の高さを示した。
また、2022年の冬季オリンピックでは銀メダルを獲得に貢献。KHLの契約終了後、2025年4月にカロライナ・ハリケーンズと2年契約を結んだ。
↩︎ - 「The Times of India」の公式サイトで、インド国内最大級の英字新聞。政治・経済・スポーツなど幅広いニュースを英語で発信しており、世界中の読者に利用されている。
↩︎ - 第1戦・第2戦と連敗、特に良くないのがセーブ率で、どちらも.750しかないのはいただけない。第3戦はリフレッシュの意味もあって、欠場したものと思われる。今シーズンのプレーオフでは、現在まで8勝4敗、平均失点1.84、セーブ率.914と35歳のベテラン、全く衰えを感じさせない。
↩︎ - ペナルティキル(PK)を無失点でしのぐのは、数的劣勢という非常に不利な状況下での高度な守備戦術であり、チームの連携、運動量、判断力、そしてゴーリーの活躍がすべて揃って初めて可能になる。単なる運ではなく、規律を守ったポジショニング、勇敢なシュートブロック、効果的なプレッシャーが不可欠で、試合の流れを大きく左右する重要なプレー。
↩︎ - リンク中央、2本のブルーラインに挟まれた領域。ここは攻守が頻繁に入れ替わる重要なエリアで、攻撃の起点となる一方、相手の攻めを阻む守備の要(ニュートラルゾーン・トラップ)としても機能する。このゾーンをいかに支配し、攻守転換を成功させるかが、試合の鍵を握る。 ↩︎