クエンヴィル新体制で挑むダックス2025年注目ポイント総まとめ

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はじめに

 2025年5月、名将ジョエル・クエンヴィルがアナハイム・ダックスの新監督に就任。プレーオフ復帰を目指すチームにとって大きな転機となりますが、久々の現場復帰で感覚が戻っているかは未知数。

 正ゴーリーのドシュタルや新加入のベテラン勢にも注目が集まり、若手とベテランの融合で新たなシーズンが始まります!特に元フライヤーズのカッター・ゴーティエの驚異的な身体能力がチームに大きな期待をもたらしているようです。そんなこんなで、今季のダックスの見どころをわかりやすく解説していきましょう!

アナハイム・ダックスが直面する3つの課題

参照記事:NHL公式サイト「3 questions facing Anaheim Ducks

 NHL.comは、8月1日から9月1日にかけて、全32チームそれぞれの詳細な分析を提供しています。今回は、アナハイム・ダックスが直面する3つの重要な課題について取り上げます。

🦆ダックスに新たな風!ジョエル・クエンヴィル監督が就任

 2025年5月9日、アナハイム・ダックスに大きな動きがありました。NHLで歴代2位の勝利数を誇る名将、66歳のジョエル・クエンヴィルがチームの新ヘッドコーチに就任!

 彼の任務は、2018年以来プレーオフ進出を果たせていないチームを、再びスタンレーカップ・プレーオフに導くこと。これは、かなり期待が持てるニュースです✨

 クエンヴィル監督は、シカゴ・ブラックホークスで3度のスタンレーカップ制覇(2010年、2013年、2015年)を成し遂げた実績を持ち、コロラド・アバランチのアシスタントコーチとしても1度優勝経験あり(1996年)。

 通算で1,768試合の指揮を執り、969勝(レギュラーシーズン)、121勝(プレーオフ)という素晴らしい数字を残しています。

 フォワードのライアン・ストロームも、「これだけ多くのチームで成功を収めてきたコーチって、本当にすごいことだよ。彼はどこに行っても勝ってきたんだ。正直、レジェンド級のコーチの下でプレーできる機会なんて、キャリアの中でそう何度もあるもんじゃない。

 このリーグじゃ、コーチの交代は日常茶飯事で、すぐに解任されることも多い。でも“Q(クエンヴィルの愛称)”みたいな存在を迎えたなら、それを活かして、できる限り多くを学ぶべきなんだ」と意気込みを語っていました🔥

クエンヴィルをはじめとする2025−26シーズンの新任監督については、こちら。

🥅ルーカス・ドシュタルのブレイクに期待✨

 ジョン・ギブソンが6月28日にデトロイト・レッドウィングスへトレードされ、アナハイム・ダックスの正ゴーリーの座を引き継いだのが、ルーカス・ドシュタルです。

 昨シーズンは自身最多の54試合(うち49試合で先発)に出場し、23勝23敗7分というまずまずの成績を残しました。セーブ率は.903、平均失点は3.10と、安定感も見せました💪

 7月17日には5年契約を結び、チームの将来を担う存在として大きな期待が寄せられています。

 クエンヴィル監督もドシュタルの成長に太鼓判を押していて、「ゴーリーというポジションの重要性は、我々もよく理解している。ドシュタルは素晴らしいシーズンを過ごした。この若さでここまで“プロフェッショナル”で“競争心がある”と絶賛される選手はなかなかいない」とコメント。

 「……彼が“典型的なゴーリー”かどうかは分からないけど、同時に彼には特別な何かがあるんだよ。独特なやり方を持っていて、それが彼をスペシャルな存在にしているんだ」と語っていました🌟

 個性と実力を兼ね備えたゴーリーが、今シーズンどんな飛躍を見せてくれるのか、ファンとしても目が離せません👀

ドシュタルのスーパーセーブ!右に左に動くパックを見極め、片手で止めた!サッカーのGK好きの方に見てほしい!

🔥オフェンスとパワープレーは改善されるか?新戦力に注目!

 アナハイム・ダックスのここ数年の課題は、ズバリ“得点力不足”です。昨シーズン、ダックスが記録した総得点217点はNHL全体で30位で、ナッシュビル・プレデターズ(212点)とサンノゼ・シャークス(208点)をわずかに上回るだけでした。

 アナハイムは2023-24シーズンでも208得点で30位、2022-23シーズンは206得点で31位と、過去7シーズンで24位以上にランクされたことがありません。パワープレー成功率もわずか11.8%でリーグ最下位と、厳しい状況が続いていました💦

 そんな中、今オフに加わった新戦力1が、ベテランフォワードのクリス・クライダー(ニューヨーク・レンジャーズから)とミカエル・グランルンド(ダラス・スターズから)の2人✨

 クライダーは、過去11シーズンのうち10シーズンで20ゴール以上を記録。パワープレーでも116ゴールという実績を持っています。グランルンドも昨シーズン22ゴールを挙げ、通算で187ポイントをパワープレーで稼いできた実力派です!

 「このチームの仲間たちとリンクに行くのが楽しみだ」とクライダーはトレード後にダックスの公式サイトで語りました。「ここで何か特別なものを築き上げていくために、しっかり取り組んでいきたい。……毎年のトレーニングキャンプに向かうときの目標は、プレーオフ進出なんだ。

 このチームがそこに到達するために、自分の力で貢献して、できる限り試合に勝つ手助けをしたいと思っているよ」。チームに新しい風を吹き込んでくれそうです🌪️

讃岐猫
讃岐猫

NHL EDGEデータで見る2025-26シーズン:アナハイム・ダックス編

参照記事:NHL公式サイト「NHL EDGE stats leaders for Anaheim Ducks

 NHL.comの「32 in 32」シリーズの一環として、2025-26シーズンに向けて各チームの注目すべきNHL EDGE2スタッツ(先進データ)を紹介します。今回は、アナハイム・ダックスに影響を与える3つの重要な高度指標に注目します。

🥅ドシュタルのセーブがすごい!

 アナハイム・ダックスの守護神、ルーカス・ドシュタルは昨シーズン、セーブ位置別のデータで驚異的な数字を叩き出しました。なんと、NHL全体で唯一、すべての主要なシュートエリア3(高危険度・中距離・遠距離)でセーブ数トップ5にランクインしたゴーリーなんです✨

○高危険度セーブ数:350本(全体4位)
○ミッドレンジ(中距離)セーブ数:412本(全体5位)
○ロングレンジ(遠距離)セーブ数:371本(全体5位)

 この安定感は、まさに鉄壁!しかも、彼は昨季54試合に出場し、ゴーリー全体で15位タイという“酷使されがち”なポジションでも堂々と結果を出しました👏

 さらに、6月28日にベテランゴーリーのジョン・ギブソンがデトロイト・レッドウィングスへトレードされたことで、今シーズン、ドシュタルが完全にナンバーワン・ゴーリーとして期待される立場に。守るだけでなく、チームを引っ張る存在として注目されています。

 とはいえ、ドシュタルの前でプレーするアナハイムの得点力は昨季かなり厳しく、1試合平均たった2.55点(30試合以上出場した45人のゴーリーの中で40位💦)。パワープレー成功率も11.8%とリーグ最下位でした。これは…ちょっとつらい😅

 でも、オフにはミカエル・グランルンドとクリス・クライダーという経験豊富なフォワードが加入!ドシュタルにとっては追い風となるかもしれません。彼らの力でドシュタルへの援護射撃が増えれば、彼の負担もきっと軽くなるはずです🔥

🚀ゴーティエの身体能力が規格外!

 2024年1月8日、フィラデルフィア・フライヤーズからトレードで加入した期待の若手フォワード、カッター・ゴーティエ。昨シーズン、彼はルーキーにもかかわらず、アナハイムで目を見張るような“高度スタッツ”を記録し、将来性の高さを大いに示しました✨

 21歳のゴーティエは、以下のスタッツカテゴリにおいて、フォワードの中で90パーセンタイル4以上というエリートクラスの数値を叩き出しています

 たとえば…

○最高スケート速度:時速23.37マイル(約37.61km)で全フォワード中95パーセンタイル💨
○時速20マイル以上のスピードバースト(加速回数):200回(95パーセンタイル)🔥
○最大ショットスピード:93.22マイル(92パーセンタイル)🏒
○平均ショットスピード:64.13マイル(93パーセンタイル)
○中距離からのシュートオンゴール数:79本(94パーセンタイル)
○中距離からのゴール数:10得点(90パーセンタイル)
○遠距離からのシュートオンゴール数:20本(90パーセンタイル)

 この数字のすごさ、ピンとこない人もいるかもですが…要するに、走れて撃てて決められる、全方位型の超アスリートということ!💪✨

 スピード・パワー・決定力、どれをとってもすでにリーグ上位クラス。まだ21歳という若さを考えると、将来がめちゃくちゃ楽しみな選手です。今後数年でチームのエースに成長するのも、まったく不思議じゃありません🌟

🛡️ディフェンスからもハイデンジャーゴールが狙える時代へ

 アナハイム・ダックスのディフェンス陣は、昨シーズン「守るだけじゃない」強みを見せてくれました🔥特に目立ったのが、ハイデンジャー(ゴール近くの高危険エリア)からのゴール数。なんと、ダックスのディフェンス全体で10ゴールを記録し、これはリーグ4位タイという好成績👏

 注目すべきはジャクソン・ラコーム。彼ひとりで6ゴールを挙げ、ディフェンス選手の中で、ブルージャケッツのザック・ワレンスキー(7ゴール)に次いでディフェンス選手中2位タイ。

【追記】
 上記の映像は、ラコームの守備について解説している。総括は以下の通り。

 パック回収時のプレーには様々な解決方法があるが、ラコームの興味深い点は、あえてスピードを落とすことで、わざと相手からプレッシャーを呼び込み、長めに周囲を見渡し、状況を把握してから変化を加えて相手を騙すという手法である。

 これにより、最初のフォアチェッカーをかわしてスペースを作り出し、その後のプレーへとつなげている。しっかりと相手を引きつけておいて、そのスペースを狙ってパス出しするのが上手い。
落ち着きと分析力が、彼の最大の武器である。

 しかも、ハイデンジャーエリアからのシュートオンゴール数も27本と、コロラド・アバランチのケイル・マカー(29本)やワレンスキー(35本)に次ぐ3位の実績を残しています。

 ここに今季はさらなる後押しも!ラドコ・グダスやジェイコブ・トルバといった、フィジカルに強いベテランDFが加入し、若手のジャクソン・ラコームやオーレン・ゼルウェガー、パベル・ミンチュコフといった将来有望な選手をしっかりサポート💪

 加えて、ヘッドコーチにはあの名将ジョエル・クエンヴィル(通算969勝、歴代勝利数2位)が就任。若いコアメンバーを支える経験豊富なフォワードも補強しています。

 ダックスは過去7シーズン連続でスタンレーカップ・プレーオフを逃していますが、いよいよ本格的な“再建モード”から“勝負モード”へ切り替わる時期が来たのかもしれません🦆✨パシフィック・ディビジョンの“伏兵”としてプレーオフ争いに浮上する可能性も出てきています。

まとめ

 今季のアナハイム・ダックスは、実績あるベテランと若手の融合で新たなスタートを切ります。守護神ドシュタルの成長やゴーティエの将来性、ディフェンス陣の得点力向上がチームのカギとなりそうです。

 名将クエンヴィル監督の指揮のもと、これらの要素がどんな化学反応を起こすか、今季のアナハイム・ダックス、目が離せませんよ👀🔥

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. 2025年6月12日、クライダーはレンジャーズからアナハイム・ダックスへトレードされ、見返りとしてケアリー・テランスと2025年の3巡目指名権がレンジャーズへと渡った。同年7月1日、スターズとの契約満了によりフリーエージェントとなったグランルンドは、アナハイム・ダックスと3年総額2,100万ドルの契約を結んだ。
    ↩︎
  2. NHLが導入した公式のパフォーマンス・トラッキング・システムである。選手のスケーティング速度、滑走距離、加速度、シュート速度などの詳細なデータをリアルタイムで収集・分析することを目的としており、試合や選手のプレーを客観的に評価するための指標を提供している。

     使用されている技術は、選手のユニフォームとパックに取り付けられたチップを利用して位置や動作を記録するものであり、各チームの戦術分析やファン向けの情報発信にも活用されている。
    ↩︎
  3. 得点期待値(Expected Goals)やゴール発生率に基づいて「高危険度(High Danger)」「中距離(Medium Danger)」「遠距離(Low Danger)」の3つに分類される。以下にそれぞれの特徴を解説する。

    高危険度(High Danger)  最もゴールの可能性が高いエリアである。具体的にはゴール前の「スロット(slot)」や「クリーズ(crease)」と呼ばれるエリアを指し、両ゴールポストの間を基点としたゴール前半円状のスペースが該当する。  このエリアから放たれるシュートは、ゴールキーパーにとって反応時間が短く、視界も遮られることが多いため、非常に危険とされる。
    特徴:
    ○ゴールから約3〜15フィート(約1〜5メートル)以内
    ○ゴール正面の中心エリア
    ○リバウンド、スクリーン、ワンタイマーが多発する

    中距離(Medium Danger)  ゴール前ほどではないが、依然として得点の可能性があるエリアである。フェイスオフサークルの内側から外周、およびその周囲のエリアが該当する。
    特徴:
    ○ゴールから約15〜30フィート(約5〜9メートル)の距離
    ○通常のスナップショットやラップアラウンド、ミドルレンジのワンタイマーが多い
    ○ディフェンスの対応により得点期待値は状況次第で大きく変動する

    遠距離(Low Danger)  ゴールから離れた位置、主にブルーライン付近やサイドボード近くからのシュートを指す。得点期待値は最も低く、通常はキーパーが視認・反応しやすい位置からのシュートである。
    特徴:
    ○ゴールから30フィート(約9メートル)以上離れた位置
    ○主にディフェンスやポイントマンによるシュート
    ○リバウンド狙いやトラフィック発生を目的とするケースが多い

    総括:
     これらのエリア分類は、チームの戦術分析や選手評価、シュートの質の判断に用いられる。現代のNHLでは、単なるシュート数ではなく、「どのエリアから打たれたか」が重要な分析指標となっている。特に高危険度エリアからのシュート数を増やすことが、得点力の向上に直結するため、各チームはこのエリアでの支配権を争う傾向にある。
    ↩︎
  4. データ全体における特定の値の相対的な位置を示す指標。具体的には、「ある値以下のデータが全体の中で何パーセントを占めるか」を表す。例えば、80パーセンタイルであれば、その値以下のデータが全体の80%を占めることを意味し、上位20%に位置することを示唆する。

     データの分布を把握したり、順位付けを行ったりする際に有用で、単位に依存しないため異なるデータの比較にも適している。 ↩︎
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