ブルーインズ監督、コーチ・オブ・ザ・イヤー獲得レースで独走!

NHLチーム紹介

はじめに 

 2022-23年レギュラー・シーズンも日程の大半を消化しましたが、チームの順位と個人タイトルそれぞれの争いは、より一層激烈な展開を迎えています。しかし、そんな中、頭一つどころか、二つも三つも飛び抜けて勢いのある、強力なチームがあります。 

 アトランティック・ディビジョンの首位を独走するボストン・ブルーインズがそれ。 

 とにかく強い!その一言に尽きます。一度連勝街道に乗ったら、なかなか止まりません。日本のBリーグ所属・千葉ジェッツの21連勝も凄いのですが、ブルーインズも二桁連勝を連発し、未だに負け数は一桁(8敗)という掟破りの強さで、ゴール・テープを切ってしまうでしょう。 

 今回は、毎年、最優秀監督に贈られる、ジャック・アダムス賞のレース展開についての記事なのですが、もう既に結果が見えてしまっている感は否めません。そんな充実のブルーインズの現状を解説します。 

讃岐猫
讃岐猫

他のディビジョンがかなり激しい首位争いをしているから、

よけいにブルーインズの強さが際立つんだにゃ。

もうプレーオフでどこと対戦するかを

シミュレートしているんじゃないかなぁ…。

引用元:NHL.com「Trophy Tracker: Montgomery remains leader for Jack Adams as coach of year」。

ジム・モンゴメリー、得票数でも圧勝! 

 2022-23年レギュラー・シーズンの3/4を無事通過したことを記念して、NHL.comは今週、トロフィー・トラッカー・シリーズの第3弾を実施します。今日は、NHL放送協会の投票で選ばれたNHLのトップコーチに毎年贈られるジャック・アダムス賞のレースを見ていきます。 

NHL放送協会=NHL Broadcasters’ Associationのこと。米国に25チーム、カナダに7チームを擁するNHLは、米国とカナダにある4つの主要なプロスポーツ・リーグの中で唯一、各国に個別の全国放送局を維持しており、 

それぞれがレギュラー・シーズンの試合を個別にテレビ放送している。試合は、両国の複数の地域スポーツ・ネットワークでも放映されており、その様子は、NHL.TVを見ると、よく分かる。 

 ジム・モンゴメリーと2022-23シーズンのボストン・ブルーインズに関する質問には、それほど時間はかかりませんでした。プロフィールを再構築してセカンド・チャンスを与えられた監督と、移行期にあると予想されていたチームが、10-1-0と21-3-1でスタートしました。 

プロフィールを再構築してセカンド・チャンスを与えられた監督=2020年1月3日、当時、スターズの監督であったモンゴメリーは、アルコール乱用に対処するためにリハビリに参加したことを発表。 

 これ以前に、彼は、スターズから解雇されており、スターズの「適切な呼びかけ」のおかげで、自らの「有害なライフスタイル」に気づいたとされている。4日後、モンゴメリーの飲酒が原因で解雇されたと報じられている。 

10-1-0と21-3-1でスタート=前者は開幕の2022年10月21日〜11月3日までの成績、後者は開幕〜12月7日までの成績。だいたい12試合前後を一区切りと考えているようだ。 

 NHL.comの15人のライターが、シーズン4分の3終了時点で、NHLの年間最優秀監督に贈られるジャック・アダムス賞について、満場一致でモンゴメリーを選んだのは、決して(過去の彼の成績を)振り返ることなく、納得させるものがあったからです。 

 モンゴメリーは75票を獲得しました。ニュージャージー・デビルズのリンディ・ラフが2位(47)、カロライナ・ハリケーンズのロッド・ブリンドアーマーが3位(21)でした。 

 5位以下は、シアトル・クラーケンのデイブ・ハクストール(16)、ドン・グラナート(バッファロー・セイバーズ)、ピーター・デボーア(ダラス・スターズ)がそれぞれ13で続きました。

強さは全く衰えを見せず! 

 ブルーインズ(49-8-5)は、2013-14年の12-0-0以来最長となる10連勝中で、アトランティック・ディビジョンと、レギュラー・シーズン中に最も多くのポイントを獲得したチームに贈られるプレジデンツ・トロフィーで圧倒的なリードを保っています。 

2013-14年の12-0-0以来最長となる10連勝中=今年に入ってからも強さは衰えず、2月14日のスターズ戦から3月4日のレンジャーズ戦まで連勝中。11連勝をかけて、3月9日に対戦するのは、マクデイビッド擁するオイラーズ。 

 1995-96年のデトロイト・レッドウィングスと2018-19年のタンパベイ・ライトニング、そして1976-77年のモントリオール・カナディアンズが持つNHL記録、65勝と136ポイントを、それぞれ更新するペースです。 

 NHL史上最速でシーズン100ポイントを達成したチーム(61試合、1976-77年のカナディアンズより1試合少ない)として、すでに記録に残っています。 

讃岐猫
讃岐猫

現時点で、2位のメープルリーフスとの勝ち点差は

17も開いてるにゃ。

他のディビジョンも首位と2位の勝ち点差が無かったり、

あっても5以内なのに…。

監督の談話 

 ボストンが、2011年以来のスタンレーカップ優勝を果たせるかどうかは、時間が解決してくれるでしょう。最も重要なのは現在です。 

 「個人的には、それほど意味がありません」とモンゴメリーは、3月2日のセイバーズ戦で7-1で勝利した後、100ポイント獲得について、次のように述べています。「我々は”今”を大切にすることを心がけているのでね。 

 最初は(10-1-0)でスタートして、「信じられない」という感じだったのですが、しっかりと自分を受け止めて、その勝利の瞬間に戻るように心がけてきたのさ。それが、おそらく12試合ごとに11勝1敗という今の成績に繋がったのだと思うよ。 

 選手達が素晴らしい存在になりたい、と思っているのを見るのは本当に素晴らしいことだね。なぜなら、チームのスケジュールやあらゆることを考え合わせると、それは本当に印象的なことばかりだったから」。

チーム所属選手の様子 

 ブルーインズは過渡期のチームであっても、古すぎないことが証明されています。実際、チームは、ポジションの確立された若いスターと、ベテランの経験値の間でスイート・スポットの状態にあります。 

 26歳のフォワード、デイビッド・パストルナック(右ウィング、26歳)は44ゴールでNHL2位です。 

 リーナス・ウルマーク(29歳。32‐4‐1、平均1.89失点、セーブ率.938、2完封)はリーグ最高のゴールテンダーとして、ヴェジーナ・トロフィーの有力候補に挙げられています。 

 ベテラン・フォワードのブラッド・マーチャンド(左ウィング、34歳)、パトリス・バージェロン(センター、37歳)、デビッド・クレイチ(センター、36歳)は最高のパフォーマンスを維持しており、2011年のスタンレーカップ優勝チームからの残留メンバーでもあります。 

 ボストンの得失点差はプラス106。カロライナはプラス57で次点です。 

 フォワードのチャーリー・コイル(センター、31歳)は、土曜日に行われたニューヨーク・レンジャーズ戦に4-2で勝利して、10連勝に到達した後、「このグループで方法を見つけることさ。 

決して慌てないこと、何が起こっても、僕達が劣勢であっても、撃たれまくっていても、どんな場合でも」と語りました。「“粘りつよくやる”だけさ。パニックという感覚はないね。みな落ち着いている。誰もが課題が何なのかわかっている」。 

 記録的なペースで連勝が続いても、ブルーインズは満足していません。フォワードのタイラー・ベルトゥッツィ(左ウィング、28歳。デトロイトから新加入)とガーネット・ハサウェイ(右ウィング、31歳。ワシントンから新加入)、 

ディフェンスのドミトリー・オルロフ(31歳。ワシントンから新加入)をトレードで獲得し、無制限フリーエージェントになる前の最終シーズン終盤、パストルナックに9000万ドル(日本円で約123億3000万円)で8年契約を結びました。 

讃岐猫
讃岐猫

どちらかと言うと、ベテラン依存型チームなのだけど、

若手とのミックスのさせ具合が絶妙なのだにゃ。

キングスも同タイプのチームで、やっぱり首位争いをしている。

若手育成の一つの指針かもしれない。

強い信頼関係 

 新加入選手は、優れたゴールテンディング、完全に相手の動きを封じ込めてしまうディフェンス、4本の攻撃的ラインを回す仕組みなど、チームの何がうまくいっているのかをすぐに知ることになるでしょう。 

 (この戦術の)パッケージは新しい勝ち方を生み出し続け、歴史に残るシーズンを築き上げています。 

 3月1日、ボストンがカルガリー・フレームスを延長戦の末4-3で破った後、モンゴメリーは「いつも違うヒーローがいて、それがあのロッカールームの特別なところだ」と語りました。「彼らはロッカールームでこう言っているようだよ、『疑い余地なんてどこにもない』ってね」。

投票集計 

(5-4-3-2-1-基準でポイントを付与)。 

ジム・モンゴメリー、ブルーインズ、75ポイント(1位票・15票);リンディ・ラフ、デビルズ、47;ロッド・ブリンダムール、ハリケーンズ、21;デイブ・ハクストル、シアトル・クラーケン、16;ドン・グラナート、バッファロー・セイバーズ、13; 

ピーター・デボール、スターズ、13;ジャレッド・ベドナー、コロラド・アバランチ、11;リック・ボウネス、ウィニペグ・ジェッツ、9;ブルース・キャシディ、ベガス・ゴールデンナイツ、9;トッド・マクレラン、ロサンゼルス・キングス、5; 

シェルドン・キーフ、トロントメープルリーフス、3;デレク・ラロンド、デトロイト・レッドウィングス、2;ディーン・エヴァソン、ミネソタ・ワイルド、1。 

まとめ 

 モンゴメリーの賞当確は置いといて、彼以外の監督に目を向けると、クラーケンのハクストル監督の健闘はもっと讃えられていいのではないかと思います。創設されてまだ2年目のチームが、ワイルド・カード争いどころか、ディビジョン首位をうかがおうとしているなんて奇跡過ぎます。 

 ブルーインズ絶好調の割りを食って、あまり目立たないのが、同ディビジョン2位・メープルリーフスのキーフ監督。もともと強豪チームな上に、駒も揃っていることもあり、2位は当たり前という声もありますし、やはりブルーインズの独走を許したという点が票の伸びを抑えたと思います。 

 来年の今頃、また同じように賞レースの投票が行われることでしょう。その中に、フライヤーズやコヨーテズそれぞれの監督の名前が入っていてほしいな、と心の底から思います。今の監督が留任するか、違う人が来るのかは全く分からないので、何とも言えませんがね。  

讃岐猫
讃岐猫

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

 

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