はじめに
8月…日本では酷暑だと例年通り(?)の大騒ぎですが、NHLは全く音無しの季節に入りました。と言いながらも、NHL情報サイトでは本当か嘘かわからない噂話が飛び交いまくっています。「どうせデマでしょ」と思いつつ、それに一喜一憂している自分がいたりして。
今回は、移籍関係の「噂話」、いやいや^^;、おそらく(?)正確な情報を提供してくれているサイト、SI.comからニュース3点をお届けしましょう。23-24シーズン終了後、ロシアのKHLやフィンランド等の東欧のリーグに移籍する選手が多く、その類のニュースを一つ。
その他、新シーズン開幕直前、あるいはシーズン中の移籍もあり得る注目選手達の現状もレポートします。8月は一応ロースターも固まり、各チーム、やや寛げる時期ではあるのですが、深く静かに事が運んでいく時期でもあるのです…。
移籍の噂が絶えない大物として、
コロンバス・ブルージャケッツのフォワード、
パトリック・レインがいたにゃ。ウィニペグから移籍後、
なかなかフル出場できない上に、チーム・スタッフとの仲も悪い。
おまけに23-24シーズンは怪我でほとんど出ていない。こりゃ出されるわ。
引用元:SI.com「Two Surprise Names Still on NHL Trade Block」
動きのない8月だが…
NHLチームは、2024-25シーズンが近づくにつれて、現在のロースターにかなり満足しているようです。トレード市場は停止し、唯一行われているのは制限付きフリーエージェントとの契約です。
無制限フリーエージェントの中には、まだ残っている選手もいますが、ほとんどの選手は目立った変化はありません。
しかし、この静かな期間は永遠に続くわけではありません。NHLのシーズンが始まれば、トレードの噂が再び飛び交うでしょう。2024-25シーズン、サプライズでトレードのターゲットになりそうな選手は誰でしょうか?
Bleacher Report1のライル・リチャードソンは、8月にまだトレードされる可能性のある選手トップ10をマッピングしましたが、静かな月になるかもしれません。これらの意外な名前が、2024-25シーズン間近に、あるいはシーズン中に移籍する可能性はあるのでしょうか?
どこへ行っても活躍できるフォワード
マーティン・ネカス
オフシーズン序盤のトレードの2噂の主役はマーティン・ネカスでしたが、カロライナ・ハリケーンズは2年契約を結んだことで、その噂を一掃しました。
ハリケーンズは、制限付きフリーエージェントだったネカスと契約することで仲裁(第三者をまじえた年俸に関する審議)を回避したのです。
新しい契約をかわしたとはいえ、ハリケーンズがトレード交渉を見直さないという意味ではありません。ハリケーンズはバッファロー・セイバーズと交渉中と報じられましたが、それは却下されました。
また、ハリケーンズはネカスへの提示価格(年俸650万ドルの2年契約)が高かったため、ウィニペグ・ジェッツが手放したくなかった3何人かのビッグネームを探していたのかもしれません。
2024-25シーズンが開幕し、ネカスが期待に応えられなかった場合、彼の契約には彼をカロライナに縛る条項(以前の契約同様、トレード拒否条項無し)はありません。彼は、確かに多くのチームが喜んで獲得するであろう、多くの可能性を秘めた選手です。
ネカスにとって年俸650万ドルの2年間は、いくつかのチームが検討すべき有利な契約です。
才能あふれる22歳のゴールキーパーも引っ張りだこ
ヤロスラフ・スカロフ
ナッシュビル・プレデターズはパイプ(先発・第一GK→次を担う第二GK)の間に良い問題を抱えています。
ユーゼ・サロスというベジナ・トロフィー候補の常連となるスターターと、ヤロスラフ・アスカロフという世界でもトップクラスのゴールキーパーになり得る若手の1人がいます。
プレデターズが最近サロスと8年間の契約延長を結んで以来、22歳のアスカロフはトレードの話題のほとんどを独占してきました。サロスはおそらく生涯ナッシュビルでプレーすることになるでしょうから、アスカロフはその才能を4他の場所で発揮することになると思われます。
アスカロフはNHLレベルで3試合しか出場していませんが、アメリカン・ホッケー・リーグでは信じられないほどの有望株です。AHLレベルでプレーした92試合で、アスカロフは56勝29敗6延長負けの成績を残しています。
プレデターズが窮地に立たされ、(選手の)穴を埋める必要がある場合、彼らはアスカロフという、間違いなくリーグトップクラスのトレード材料を手にしています。
引用元:SI.com「Report: Tony DeAngelo May Be Headed to KHL」
また1人、KHLへ
NHLのフリーエージェントとして1ヶ月以上経った後、ディフェンスマンのトニー・ディアンジェロは海外に向かうかもしれません。
2023-24シーズンを5カロライナ・ハリケーンズで過ごしたディアンジェロは、SKAサンクトペテルスブルグと契約を結んだと報じられています。
Hockey News Hub(KHL情報中心のサイト)がTwitterで最初に報じたところによると、ディアンジェロは少なくとも来シーズンはサンクトペテルブルクに加入すると言われています。まだ公式なものはありませんが、これはKHLの強豪にとって大きな契約となるでしょう。
サンクトペテルブルクは、先日ハリケーンズとの契約を相互解消したフォワードのエフゲニー・クズネツォフを迎え入れるのにそう遠くないと言われています。
Hockey News Hubは、特にクズネツォフとの契約後、サンクトペテルブルグがディアンジェロのような選手をもう一人獲得する余裕があるのかどうかが気になるところとしています。
KHLのチームは常にサラリーキャップを遵守しなければなりませんが、契約を再編したり選手をカットしたりすることは可能です。
結構な問題児なのです
ディアンジェロは2023-24シーズン中に31試合にしか出場せず、3ゴール・8アシストで合計11ポイントを記録しました。それは、通常堅実にパックを動かすディフェンダーにとって、間違った方向へのちょっとした一歩です。
この数年、オフにはいくつかの(チーム内外で)不和があったものの、6ディアンジェロは常に攻撃面で結果を出す7方法を見出していました。キャリア371試合で48ゴール・162アシスト、合計210ポイントを獲得しました。
ディアンジェロのキャリアハイ・ポイントは、短縮された2019-20シーズン、ニューヨーク・レンジャーズで、68試合で53ポイント(15ゴール・38アシスト)を記録したものです。これは、NHLでの8年間で50ポイントを獲得した2シーズンのうち、最初のシーズンでした。
タンパベイ・ライトニングは2014年にディアンジェロを全体19位でドラフト指名しましたが、彼はボルト(ライトニングの愛称)で試合に出場することはありませんでした。
ディアンジェロは、2016-17シーズンにアリゾナ・コヨーテズでNHLのキャリアをスタートさせています。ディアンジェロは2022-23シーズン、フィラデルフィア・フライヤーズでもプレーしました。
↑何かひとこと言わないと気が済まない人なんです。
とにかく短気で喧嘩っぱやく、気分屋さんなお騒がせ男なんだにゃ。
気分が乗ると、誰も追いつけないレベルのプレーをするんだけど、
乗らないと、周囲に当たり散らすのは日常茶飯事。
KHLは良いような悪いような。今までのように王様扱いはしてくれないと思うが…。
引用元:SI.com「Analyst: Ducks Likely to Trade Superstar Forward」
もしかしたら、イケメンスターが巣立ってしまう!?
NHLは今年最もスローな動きをする月を迎えていますが、アナハイム・ダックスのような一部のチームは依然として懸命に働いているかもしれません。
ほとんどのNHLチームはメンバー構成をかなりしっかり決めていますが、ダックスはスター・フォワードのトレバー・ゼグラスに関して何らかの決断を下すかもしれません。
この若きスーパースターは、約1年前からトレード対象になっていると噂されてきましたが、2024-25シーズンが始まる前に事態は頂点に達するかもしれません。
アナリストのスチュアート・グリムソンはNHLネットワーク8で、トレードが間近に迫っている可能性を考えていると述べました。
「そこには本当に確かな可能性があると思う」とグリムソンは言いました。「トレードによって、本当に大きな利益をもたらすことのできる選手であれば、ゼグラスの移籍する可能性は十分にある」。
グリムソンは、彼の若さにもかかわらずゼグラスの能力を高く評価しましたが、特定のスキルはまだ成熟する必要があると語っています。
「私はゼグラスのファンだよ」とグリムソンは言いました。「彼は攻撃面で素晴らしい才能を持っていると思うね。進化するには、ある程度の成熟度を必要とする部分があるんじゃないかな…パックのディフェンス面とかね」。
怪我さえ治れば…
ゼグラスはNHLレベルで211試合に出場し、55ゴール、99アシスト、合計154ポイントを獲得しています。彼のシーズンでのキャリアハイはわずか65ポイントですが、彼にはそれ以上の能力があると多くの人が信じています。
2023-24シーズンは23歳の彼にとって厳しいシーズンとなり、負傷のため31試合を除く全試合に出場できませんでした。その間、彼はわずか15ポイント(6ゴール、9アシスト)しか記録していません。
怪我のない時の成績が良いにもかかわらず、ゼグラスがダックスからトレードされるという噂は消えていません。グリムソンは、あのような噂は偶然ではないと考えています。
「火のないところに煙は立たないからね」。
フォース・ピリオド(トレード情報専門のサイト)は、ゼグラスをNHLのトップトレードターゲット9で7番目にランク付けしており、すでに8チームが興味を示しています。
ゼグラスにはモントリオール・カナディアンズ、フィラデルフィア・フライヤーズ、ナッシュビル・プレデターズ、シカゴ・ブラックホークス、ボストン・ブルーインズ、ニューヨーク・レンジャーズ、カルガリー・フレームズ、バッファロー・セイバーズが関心を示しています。
まとめ
ゼグラスはまだ23歳の伸び盛り、ダックスとしては、もう1シーズン、少なくとも12月まで様子を見るんじゃないですかね。客を呼べるスーパースター候補であることに変わりないわけで、よっぽど良い条件じゃないと手放さないでしょう。
例えばゼグラス1人に対して、若手とベテランを混ぜた3人+ドラフト上位指名権とか。ネックになるのは、確かゼグラスは22-23シーズン・オフに年俸調停していて、そこで何らかの付帯条項が契約にくっついている可能性があります。
これがややこしいと、簡単に「はい、さよなら」とはなり得ません。「故郷から遠方には行きたくないから、あのチームへの移籍はちょっと…」とか、これ、マジでありますので。怪我の回復具合によっては、早ければ9月のトレーニング・キャンプで見切りをつけられるかも。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- スポーツとスポーツ文化に焦点を当てたウェブサイト。本社はサンフランシスコ。7月に発表された記事を見ると、後述マーティン・ネカスが1位、トレバー・ゼグラスが7位となっている。
8月の記事ではネカスが10位、ヤロスラフ・スカロフが3位となっている。
↩︎ - ネカスは熟練したプレイメーカーであるとされ、2023-24シーズン53ポイント、22-23シーズンにはキャリア最高の71ポイントを獲得した。
しかし、ハリケーンズがプレーオフで敗退した後、彼は第3ラインのウィンガーよりも大きな役割を望んでいるという報道が浮上。そして、7月5日に給与調停を申請。
実はNHLドラフト前、ハリケーンズがコロンバス・ブルージャケッツと全体4位指名権を巡る話し合いをし、ネカスがジャケッツと話すことを許されるところまで進んだが、取引は失敗に終わり、ジャケッツはその指名権を使ってケイデン・リンドストロムを指名した。
なお、調停後、ハリケーンズはその結果に同意するか、年俸が474万ドルを超える場合は契約を破棄することができたのだが、そうなるとネカスは無制限フリーエージェントになるため、チームとしては年俸アップを飲まざるを得なかったのである。
↩︎ - この記事だけではどの選手か判別できないが、ジェッツとハリケーンズの間で、28歳のフォワード、ニコライ・イーラス(ジェッツ)とネカスのトレードが進んでいるとの報道もある。イーラスも、各チームからトレードの打診が来ている選手ではある。
↩︎ - 22歳のアスカロフ(2020年のNHLドラフト全体11位指名)は、過去2シーズンをAHLのミルウォーキーでプレー。アスカロフは2024-25シーズンにサロスのバックアップに昇格すると思われていた。
しかし、プレデターズは7月1日にベテランのスコット・ウェッジウッドと2年契約を結んだ。ウェッジウッドがサロスのフォロー役を務めることで、アスカロフはミルウォーキーに復帰することになる。
今後2年間、サロスとウェッジウッドが残ること、記事中にあるようにミルウォーキーでの好成績によって、NHLのスターターにするチャンスがより高いクラブへの移籍を、彼が希望するきっかけになるかもしれない。
↩︎ - 2023年7月14日、フィラデルフィア・フライヤーズからバイアウトされた後、ディアンジェロは同年同月24日にハリケーンズに復帰する1年契約を結んだ。ハリケーンズ在籍は、2021-22シーズン以来。
↩︎ - 2016-17シーズン、アリゾナ・コヨーテズ在籍時に審判へ暴行を加えたのを皮切りに、非常にラフ・プレーの多い選手である。
18-19シーズン、移籍したニューヨーク・レンジャーズでも、相手選手を脳震盪による意識不明にさせるなどの暴行やスポーツマンシップに反する行為(延長負けの後、味方GKと口論)を重ね、バイアウトで放出され、2021年、ハリケーンズ獲得となる。
ハリケーンズ、フライヤーズでも、相手選手にスティックを突き刺すような暴行を働いている。
↩︎ - ディアンジェロは主に攻撃志向のディフェンスマンであり、レンジャーズのコーチであるデイビッド・クインがかつて「世界クラスのスキル」と評したプレイメーカーとしての能力を持つ。彼の得点のほとんどはアシストから来ている。
↩︎ - NHLとNBCユニバーサルの合弁会社である、アメリカのスポーツ専門ケーブルおよび衛星テレビネットワーク。
アイスホッケーの放送に特化しており、NHLやその他のプロおよび大学のホッケーリーグの試合の生中継のほか、分析プログラム、特別番組、ドキュメンタリーなどのNHL関連コンテンツを放送。
↩︎ - 詳細はこちら→☆。
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