評価が分かれるオライリーら現役3人、ホッケー殿堂入りの可能性

現役スター選手紹介

はじめに

 昨日のブログ記事では、レジェンドたちの聖域である「ホッケー殿堂(HHOF)」の境界線上に位置する、現役スター選手たちの激しい議論について深掘りしました。本日お届けする続編では、さらにファンの意見を二分する3人の名手にスポットライトを当てます。

 圧倒的な数字、あるいはスタッツに表れない高い貢献度を持ちながらも、殿堂入りの絶対的な決定打を欠く彼らの現在地を、専門的な視点から精緻に分析していきましょう。✨

参照記事:The Athletic「Brayden Point? John Carlson? 6 active players who could be tough Hall of Fame calls

攻守兼備の職人ライアン・オライリーが直面する「評価の壁」

 35歳を迎えたライアン・オライリー(ナッシュビル・プレデターズ)は、昨季キャリア最高クラスのオフェンスシーズンを終えたばかりです。

 現在通算898ポイントを記録しており、今後のキャリアを考慮すれば、殿堂入りの一つの目安とされる通算1,000ポイントの大台を大きく超える可能性が極めて高い位置にいます。

 彼が攻守両面に優れたセンターだからこそ、評価の判断が難しくなるのです。🏒

 彼を強力に支持する根拠は、その輝かしい受賞歴と実績にあります。守備型フォワードの最高栄誉であるセルケ・トロフィーを1度受賞しているだけでなく、同賞の投票でトップ5入りを3度も経験しているリーグ屈指の職人です。

 さらに2018年にセントルイス・ブルースへ加入すると、すぐさまチームを球団史上初のスタンレーカップ優勝へと導き、その過程でコン・スマイス・トロフィー(プレーオフMVP)も獲得しました。🏆

 しかし、彼が「聖域」に足を踏み入れるには、大きな反論が存在します。17シーズン以上もの長期にわたり一線でプレーしているにもかかわらず、リーグMVPを決めるハート・トロフィー投票やオールスター投票において、一度もトップ10に入ったことがありません。

 「子どもを試合に連れて行った際、特別の才能を持った選手だと指差したくなる存在か」と言われると、称賛には値するものの殿堂入りレベルには届かないという印象を抱く人も多いでしょう。👀

 客観的データ分析の指標である「Adjusted Hockey」の評価スコアはわずか「173」に留まり、実際の殿堂入りレベルには程遠く、真剣な検討対象には届かない数字となっています。📊

 ちなみにこのモデルは、殿堂入り論争で頻繁に比較対象となるロッド・ブリンダムールのケースの方を高く評価していますが、それでも彼自身、殿堂入りにはまだ遠いとしています。

 時代背景を調整すれば、両者の得点数は近いものになるでしょう。ブリンダムールはセルケ賞を2度受賞しているのに対し、オライリーは1度だけですが、オライリーにはトップ5入りのシーズン数が倍あり、さらにコン・スマイス受賞歴もあります。

 指導者実績という評価対象外ながら影響する要素を持つブリンダムールに比べ、現時点でオライリーが選出される可能性は低く、昨季のようなシーズンをあと数年続けて遅咲きの候補者として浮上するのを待つ必要がありそうです。🤔

【讃岐猫😸の深掘りコラム】「なぜライアン・オライリーは“殿堂級”に見えないのか? 数字では測れない評価の壁」

 ライアン・オライリーの評価が不思議に低く見える最大の理由は、単純に実績不足だからではない。むしろ問題は、彼のキャリアが「ホッケー殿堂が評価しやすい華やかな形」と少しズレている点にある。

 オライリーは35歳を迎え、2025-26シーズンもナッシュビル・プレデターズで81試合25ゴール・49アシスト、74ポイントを記録している。年齢を考えれば依然としてトップ6級の貢献を続けている選手であり、通算1,000ポイント到達も現実的な位置にいる。

 それでもハート・トロフィー(リーグMVP)投票やオールスター投票で一度も上位に入ったことがないという事実は、殿堂入り議論では大きな弱点になる。なぜならホッケー殿堂の投票者は「長期間優秀だった選手」よりも、「ある時代を代表した選手」を評価する傾向が強いからである。

 オライリーはまさに「最高の補助エンジン」と呼ぶべき存在だった。攻撃では20~30ゴール級、守備では相手エースを封じ、フェイスオフ、ペナルティキル、リーダーシップでも価値を発揮する。しかし、その万能性ゆえに突出した一芸が見えにくい。

 ここがパトリス・ベルジュロンとの大きな違いである。ベルジュロンは同じ守備型センターでもセルケ賞を6度受賞し、リーグ最高峰の守備的フォワードという明確なブランドを築いた。

 対してオライリーはセルケ賞1度、トップ5入り3度という十分すぎる実績を持ちながら、「ベルジュロン級」という比較対象が存在することで逆に評価の基準が上がってしまったのである。

 さらに問題なのは、現代NHLでは攻撃的なスター選手ほど記憶に残りやすい点である。100ポイント級シーズン、得点王争い、ハート賞候補といった派手な実績がない場合、どれだけチームに重要だったかを後世へ伝える材料が減ってしまう。

 オライリーの場合、最大の輝きは個人タイトルよりもチーム成功の場面にあった。

 2018-19シーズン、セントルイス・ブルースへ移籍した直後に球団史上初のスタンレーカップ制覇へ導き、プレーオフMVPであるコン・スマイス・トロフィーを獲得した。しかし殿堂評価では、プレーオフでの象徴的な活躍よりも、レギュラーシーズン全体で何度リーグ最高峰だったかが重視される傾向がある。

 つまりオライリーは「重要な瞬間に最高だった選手」ではあるが、「長年リーグの顔だった選手」とは見なされにくいのである。

 比較対象となるロッド・ブリンダムールの場合、事情はさらに複雑である。現役時代のブリンダムールもまた、派手な得点王タイプではなく、守備・フィジカル・リーダーシップで評価されたセンターだった。

 通算1,184ポイント、セルケ賞2度という実績は非常に強力で、同じ「攻守両面型センター」の系譜に位置する。

 ただしブリンダムールには、オライリーには存在しないもう一つの物語がある。それが指導者としての成功である。

 2026年時点でブリンダムールはカロライナ・ハリケーンズの指導者としても高い評価を受けており、選手時代と指導者時代の両方でチーム文化を象徴する存在になっている。厳密には選手部門とビルダー部門は別評価であるが、世間的な「殿堂入りすべき人物」という印象形成では、この影響は無視できない。

 一方でオライリーには、「チームを変える文化的象徴」という評価よりも、「どのチームでも必要な完成度の高い選手」という評価が強い。

 これは皮肉なことである。NHL関係者や分析者ほどオライリーの価値を理解している一方、殿堂投票で必要になる“物語性”が不足しているのである。

 高度な分析モデルで低評価になる理由もここにある。過去の殿堂入り選手は、得点王、MVP級シーズン、複数回の主要賞受賞など「ピークの高さ」を持つ選手が多い。オライリーはキャリア全体の安定感では一流だが、突出したピーク値では歴代殿堂選手の基準に届きにくい。

 結論として、オライリーの評価が低いのは「偉大ではなかったから」ではない。「偉大さの種類が、殿堂入り投票の歴史的基準と噛み合っていないから」である。

 彼は“スターではなく勝利を作る選手”だった。しかしホッケー殿堂では、そのタイプの選手を評価するための明確な物差しが、まだ十分に整備されていないのである。

出典リスト

・NHL.com「Bergeron, Brind’Amour among candidates for Hockey Hall of Fame in 2026」(2025年11月11日)

・StatMuse「Ryan O’Reilly 2025-26 Season Stats」(2026年6月確認)

・The Philadelphia Inquirer「Hockey Hall of Fame case for former Flyer Rod Brind’Amour」(2022年1月11日)

ブルースを初優勝へ導いた、ライアン・オライリーの栄光の瞬間を捉えたニュース・インタビュー映像です。

数字に表れない至高の守備職人、ジャコブ・スラヴィンが挑む伝統

 ホッケー殿堂が守備型フォワードの評価に苦戦しているなら、守備特化型ディフェンスマンについては何をすればいいのか、さらに分かっていないように見えます。

 過去にロッド・ラングウェイが殿堂入りした際はノリス・トロフィー(シーズン最優秀ディフェンスマン)を2度受賞しており、ケビン・ロウは6度、セルジュ・サバールは7度のカップ優勝経験を持っていました。

※ロッド・ラングウェイ、ケビン・ロウ、セルジュ・サバールって誰?

ロッド・ラングウェイ(Rod Langway)

 アメリカ合衆国出身。卓越した守備力から「氷上の秘書(Secretary of Defense)」の異名を持つ。攻撃型ディフェンスマンが脚光を浴びていた1980年代において、自陣守備に特化したプレースタイル(ステイアットホーム・ディフェンスマン)で絶大な存在感を示した。

 モントリオール・カナディアンズで1979年にスタンリー・カップ優勝を経験した後、1982年にワシントン・キャピタルズへ移籍。低迷していたキャピタルズを強豪へと引き上げた功績から、実質的なチームの救世主と称される。

 キャピタルズ時代の1982-83、1983-84シーズンに、シーズン最優秀ディフェンスマンに贈られるジェームズ・ノリス記念賞(ノリス・トロフィー)を2年連続で受賞。

 さらに1983-84シーズンには、守備専門の選手でありながら、シーズン最優秀選手賞(ハート・トロフィー)の投票でウェイン・グレツキーに次ぐ2位にランクインするという異例の評価を受けた。1999年に米国アイスホッケー殿堂、2002年にホッケーの殿堂(Hockey Hall of Fame)入りを果たした。

ケビン・ロウ(Kevin Lowe)

 カナダ出身。1980年代にNHLを席巻したエドモントン・オイラーズの黄金期(王朝期)を支えた守備の要である。1979年のNHLドラフトにおいて、オイラーズが球団史上初めて第1巡目で指名した選手であり、同球団のNHLにおける記念すべき第1号ゴールを決めた選手としても知られる。

 ウェイン・グレツキー、マーク・メシエ、ポール・コフィーといった華やかな攻撃陣がメディアの注目を集める中、チームの失点を防ぐ強固なディフェンスの土台として機能した。

 現役生活を通じて計6度のスタンリー・カップ優勝を誇り、その内訳はオイラーズで5度(1984年、1985年、1987年、1988年、1990年)、ニューヨーク・レンジャース移籍後に1度(1994年、レンジャースにとっては54年ぶりの優勝)である。

 引退後はオイラーズのヘッドコーチやGM、ホッケー運営部門代表などの要職を歴任。2020年にホッケーの殿堂入りを果たした。

セルジュ・サバール(Serge Savard)

 カナダ出身。モントリオール・カナディアンズの1970年代の黄金期において、ラリー・ロビンソン、ガイ・ラポワントと共に伝説的なディフェンス陣「ビッグ・スリー」を形成した名選手である。

 ブログ記事内にある「7度のカップ優勝」という記述には歴史的な背景が存在する。カナディアンズがスタンレー・カップを制した1970-71シーズンにおいて、サバールはレギュラーシーズンには出場していたものの、深刻な脚の骨折によりプレーオフを全試合欠場した。

 このため、一部の北米の統計サイトやデータベース(Hockey-ReferenceやStatMuseなど)では、プレーオフに出場して貢献した優勝回数として「7度」と集計・表記されることがある。

 ただし、公式な優勝刻印としては同シーズンも含め「選手として計8度」のスタンレー・カップ優勝を経験しており、これはNHLのディフェンスマンにおける史上最多タイ記録となっている。

 また、1968-69シーズンの優勝時には、ディフェンスマンとしてNHL史上初となるプレーオフ最優秀選手賞を受賞した。

 現役引退後はカナディアンズのGMに就任し、フロントのトップとしても2度(1986年、1993年)チームを世界一に導いており、選手・フロントを合わせて計10回もスタンレー・カップ獲得に関わった偉大なレジェンドである。1986年にホッケーの殿堂入りを果たした。

 それ以外となると、守備特化型での該当者は非常に少ないのが歴史の現実です。🛑

 32歳となったジャコブ・スラヴィン(カロライナ・ハリケーンズ)の実績には現在、カップ優勝リングと金メダルが加わっており、これは評価に大きなプラスとなります。

 また、今季のケガによる短縮シーズン以前は、9年連続でノリス賞投票に名前が入り、2020年には5位まで上昇しました。

 しかしそれ以上に、彼は重要な能力を備えた素晴らしい選手であり、その貢献度は賞の投票者から必ずしも正当に評価されるわけではありません。💪

 スタッツや受賞歴は素晴らしい指標ですが、スラヴィンは本当に「試合を見ればその凄さが分かる」タイプの代表格です。一方で、ノリス賞の最終候補(トップ3)に一度も入ったことがないディフェンスマンが殿堂入りするのは非常に難しいという、高い反対の壁もあります。

 攻撃面での数字が不足している点も致命的です。ただ、彼がレディ・ビング賞(高いプレー技術に加え、優れたスポーツマンシップと紳士的な振る舞いを示した選手に毎年授与される)を2度受賞している事実は、ディフェンスマンにとっては珍しく助けになるはずです。🎖️

 「Adjusted Hockey」のスコアは「169」で、候補にはまったく届いていません。しかし、このモデルは過去の殿堂入り選手を基準にしているため、現実の殿堂と同じく守備型ディフェンスマンに対しては適切な評価が難しくなる特徴があります。📊

 読者アンケートでは「殿堂入りすると思う」と答えた人はわずか30%であり、確実な選出候補だと考える人と意見が真っ二つに分かれるケースとなっています。

 もし今後ノリス賞を獲得することがあれば、その時点で議論はおそらく不要になるでしょう。実際に彼が殿堂入りする可能性は確実にあります。殿堂側の評価基準が変化する必要はありますが、そうした変化は時に起こるものです。

 そして32歳という年齢を考えれば、彼にはまだ実績を積み上げるための十分な時間が残されています。今後の選考委員会の動向に注目が集まります。🔮

「ディフェンス・マスタークラス(守備の模範演技)」と題された、ジャコブ・スラヴィンの至高の守備職人技!

ウィニペグのスコアラー、マーク・シャイフリーが歩む孤高の量産ロード

 33歳になったばかりのマーク・シャイフリー(ウィニペグ・ジェッツ)が難しい判断になるのは、彼が通算1,000ポイントに到達する見込みで、もしかすると来季にも達成するかもしれないからです。

 昨季キャリア最高となる103ポイントのシーズンを終えたばかりであることを考えると、最終的に1,200ポイント以上に到達する姿を想像するのは難しくなく、殿堂入りしていない選手の中で歴代最多ポイントを記録する可能性もあります。🚨

 殿堂入り資格を持つ選手の中で、通算1,200ポイント以上を記録しながら殿堂入りしていないのは、基本的にはヴィンス・ダンプフースとバーニー・ニコルズくらいしかいません。ただし、この2人はキャリアの大部分を得点が非常に多かった1980年代に過ごしています。

 そのため、時代補正を考慮すれば、シャイフリーはこの2人を大きく上回るペースにあると言え、これが強力な支持理由となります。📈

【讃岐猫😸の深掘りコラム】1980年代の過密スコアと現代の氷上戦術――シャイフリーの価値を裏付ける「時代補正(Era Adjustment)」の真実

 NHLにおける通算ポイント(ゴール数+アシスト数)は、単なる累積数値ではなく、その選手がどの「時代」にリンクへ立っていたかという背景を抜きには語れない。

 歴代の殿堂入り論争において、通算1,200ポイントを超えながらも選出されていないバーニー・ニコルズとヴィンス・ダンプフースの存在は、まさにその「時代の歪み」を象徴する格好の指標である。

 彼らがキャリアの全盛期を過ごした1980年代のNHLは、現代とは根本的に異なる「超・攻撃型(ハイ・スコアリング)環境」であった。

 1980年代は10シーズンにわたりリーグ全体の1試合平均得点が7.66ゴールを記録しており、時には1試合で8点以上が飛び交う、いわば「currency(通貨)としてのゴールの価値」が歴史上最も暴落していた時代である。

 ニコルズが1988-89シーズンにロサンゼルス・キングスで叩き出した150ポイント(70ゴール、80アシスト)という驚異的な数字も、当時のルーズな守備体系と、現代に比べて未成熟だったゴーリーの技術・防具に支えられた側面が強い。

 ダンプフースにしても、1980年代後半のトロント・メープルリーフスでデビューし、リーグ全体がまだオフェンスに傾倒していた1990年代前半にかけてキャリアのピークを迎えている。

 当時のゴーリーは「バタフライ・スタイル」が定着しておらず、立ったままか、あるいは氷上に飛び込んでシュートを防ぐ前時代的なセービングが主流だったため、ネットの四隅に広大なオープンスペースが残されていたのである。

 対して、2025-26シーズン、現代のマーク・シャイフリーが戦うのは、高度にシステム化された「戦術の要塞」としてのリンクである。

 現代のNHLは、全選手が組織的なディフェンスを徹底し、ビデオ分析による徹底的なデータ対策、さらには大柄で技術が極限まで洗練された現代ゴーリーたちの壁に阻まれる。

 1試合平均得点は6点台前半、あるいはシーズンによっては6点未満にまで抑え込まれており、1ゴールを奪う難易度は1980年代とは比較にならないほど跳ね上がっている。

 マスコミや評論家が、こうした環境差を公平に測るために導入しているのが「Adjusted Hockey」や「Hockey-Reference」が提唱する「時代補正(Era Adjustment)」という専門的指標である。

 これはすべての時代のスタッツを「1試合平均6ゴール、1チームの登録スケーター18人、年間82試合」という現代基準のニュートラルな環境に換算する計算モデルである。

 この時代補正を用いて3人の通算スタッツを再評価すると、その評価は一変する。

 生データ(実数値)ではニコルズ(通算1,208ポイント)やダンプフース(通算1,210ポイント)がシャイフリーを大きくリードしているように見えるが、時代補正をかけた「Adjusted Points」を算出すると、ニコルズは1,068ポイントにまで大きく目減りし、ダンプフースも1,193ポイントへと下方修正される。

 一方、得点の奪いにくい現代で100ポイントシーズンを達成したシャイフリーの数値は、時代補正によってその価値が大きく引き上げられ、キャリア終盤に向けて彼ら2人を効率面(P/GP)で圧倒するペースにあることが浮き彫りになる。

 北米のホッケー論壇において「シャイフリーは過小評価されている」と一部の評論家が断定するのは、この時代補正の裏付けがあるからに他ならない。1980年代のインフレに満ちた1,200ポイントと、現代の洗練された戦術眼の中で削り出される1,200ポイント。

 その「1点の重み」の違いを理解することこそが、現代のスターがホッケー殿堂の厚い壁を破るための、最も論理的かつ強力な支持理由となるのである。

出典:

Daily Faceoff, “Has scoring peaked in the NHL? You won’t like the answer…“, February 2, 2025

Adjusted Hockey, “#1. Goal Environment – Adjusted Hockey

Hockey-Reference.com, “NHL & WHA Career Leaders and Records for Adjusted Points

 しかし、彼への反対意見もまた痛烈です。キャリア15年目に入っているにもかかわらず、ハート・トロフィー投票ではこれまでにわずか1票(2019年の5位票だけ)しか得ていません。オールスター投票でも一度も選出されたことがなく、票を得たのもわずか2シーズンだけです。

 セルケ賞投票ではトップ25に入ったこともなく、昨季が初めての100ポイントシーズンで、40ゴール達成も一度だけです。🍁

 さらに、ベスト・オン・ベスト形式の国際大会でカナダ代表としてプレーしたこともなく、今年もキャリア最高クラスの成績を残しながら代表から外れました。ウィニペグ以外の場所で彼を殿堂入り候補だと考えている人に会うのは難しいのが現状です。

 「殿堂入りできなかった史上最高得点者」という奇妙な役割を彼が担うことになるのかもしれません。「Adjusted Hockey」のスコアは「198」となっています。📊

 このスコアは「非常に優れた選手(Hall of Very Good)」の領域に位置し、現役終了までに殿堂入りレベルへ到達する十分な範囲内です。

 昨季のようなシーズンをさらに数年続けない限り投票は難しいですが、ピエール・タージョン型、つまり歴代ポイントランキングの順位を唯一の根拠にする攻撃型センターとして、時間をかけて最終的に殿堂入りを果たす可能性は十分に考えられます。🏒

※ピエール・タージョン型(Pierre Turgeon type)

 カナダ出身のセンターであるピエール・タージョンの足跡になぞらえた、ホッケーの殿堂(HHOF)入り候補者の典型的なパターンの一つを指す。

 タージョンは1987年のNHLドラフト全体1位指名で入団し、現役生活19シーズンで通算1,327試合に出場、515ゴール、812アシスト、計1,327ポイントという極めて優れた攻撃成績を残した。引退した時点で、彼は殿堂入りしていない選手の中で歴代最高の通算ポイント記録保持者であった。

 しかし、これほどの数字を積み上げながらも、2007年に殿堂入りの資格を得てから実際に選出される2023年まで、16年もの長い歳月(初対象からは13回連続の見送り)を要した。これほど時間を要した背景、および「ピエール・タージョン型」と呼ばれる選考上の特徴には、以下の要因が挙げられる。

 個人タイトルや表彰の不足:レギュラーシーズンMVP(ハート・トロフィー)や、プレイオフ最優秀選手(コン・スマイス・トロフィー)などの主要な個人賞の受賞歴がない。最も著名な受賞は、紳士的でクリーンなプレーを称えるレディ・ビング・トロフィーが1度あるのみである。

 また、オールスターのファーストチームやセカンドチームに選出された経験も一度もない。

チームを優勝に導いた実績の欠如:所属した複数の球団で中心選手として活躍したものの、所属チームをスタンレー・カップ優勝へ導いた経験(カップ・リング)がない。

守備面での貢献度の低さ:卓越した技術を持つ攻撃型センターであった反面、自陣での守備貢献や攻守両面におけるタフさ(2ウェイ・プレー)の評価が低く、最優秀守備型フォワードに贈られるセルケ・トロフィーの選考等で上位に入ることはなかった。

 このように、「リーグを代表する圧倒的な顔」として君臨した時期や主要な受賞歴、優勝経験はないものの、現役生活を通じて純粋な攻撃スタッツ(得点・アシスト数)を長年積み重ね、歴代の通算ポイントランキングで上位に位置している実績を「唯一最大の根拠」として殿堂入りを目指す候補者のプレースタイルや選考の傾向を、北米のホッケーメディア等では「ピエール・タージョン型」と表現する。

讃岐猫
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まとめ

 本日分析した3人の現役スター選手たちは、それぞれ異なる理由で「ホッケー殿堂」の厚い壁の前に立たされています。伝統的なスタッツや受賞歴を重視するこれまでの基準では、彼らの選出にはまだ少し時間がかかるか、あるいは一歩届かないかもしれません。

 しかし、時代の変化とともに評価の多様性が認められれば、彼らが聖域へと迎え入れられる日は決して不可能な夢ではないのです。今後の彼らのさらなる活躍と、実績の積み上げに期待しましょう。🏁

讃岐猫
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