はじめに
前回記事で、連敗中のピッツバーグ・ペンギンズを記事にしましたが、今回は連勝街道まっしぐらのニュージャージー・デビルズを取り上げます。シーズン開幕前、まあまあの評判だったニュージャージーですが、まさに「ロケット・スタート」を成功させ、早くも勝ち星を二ケタに乗せました。
パンデミック禍でいろいろ制限の有った数シーズンを乗り越え、久々の通常営業に戻った2022 NHLレギュラー・シーズンで、ここまでの好調ぶりを示すということは、チームの地力が格段に上がっているからだと思います。
一方のカルガリー・フレームスは6連敗中。この試合、ニュージャージーのゴールが2回もノー・カウントになったにもかかわらず、その運を活かすことなく敗戦。疑惑の判定でペースを乱されても、試合中、すぐに平常心に戻れるニュージャージーとは対照的に、カルガリーはどうもメンタル面で試合をコントロールできていないようです。
この試合で若い選手を起用し起死回生を狙ってはいたのですが、まだまだチームの勢いを復活させるには程遠いでしょう。
ニュージャージーは、キャプテンのヒーシェルを中心に、
よくまとまったチームだにゃ。
引用元:NHL.com「Vanecek helps Devils defeat Flames, extend winning streak to seven」。
ニュージャージー、若きキャプテンの勝利談話
ヴィーテック・ヴァニェチェク(ゴールテンダー、26歳)が33セーブを挙げ、火曜日にプルデンシャル・センター(ニュージャージーのホーム・アリーナ)で、ニュージャージー・デビルズはカルガリー・フレームスに3-2で勝利し、連勝を7に伸ばしました。
デビルズのリンディ・ラフ監督(62歳)は「ヴァニェチェクを必要とした時、彼はあのビッグ・セーブをしてくれたんだ」と語りました。
ニコ・ヒーシェル(キャプテン、センター、23歳)とドギー・ハミルトン(ディフェンス、29歳)がそれぞれゴールとアシストを、そしてトマーシュ・タタール(左ウィング、31歳)も2アシストを記録し、ニュージャージー(10勝3敗)は2011年2月6日~19日以来の7連勝となりました。
「僕たちはただそれを続けたいだけなんだ」とデビルズのキャプテンであるヒーシェルは言いました。「今は明らかに自信を持っているが、年初に言ったように、2、3回負けてもあまり落ち込まないようにしてるし、2、3回勝ってもあまり高望みしないつもりだ。
いつも同じ精神状態をキープして試合に臨み、ミスを修正して、より良いチームになるよう努力しなければならない」と述べました。
第3ピリオド・11分50秒、ヒーシェルは左フェイスオフ・サークルからのスナップショット(ゴルフのようにホッケースティックを振り、全力でパックをネットに打ち込むショット)で、2-2の同点に追いつきました。
カルガリーも頑張ってます
ラスムス・アンデション(ディフェンス、26歳)が2アシスト、ヤコブ・マークストロム(ゴールテンダー、32歳)が17セーブを挙げたものの、カルガリーは6連敗中(0勝4敗2分け)です。月曜日のニューヨーク・アイランダーズ戦、4-3の延長戦負けでしたが、マークストロムは28セーブをあげました。
フレームスのセンター、ナゼム・カドリ(32歳)は、「結局のところ、フラストレーションからは何も得られない」と述べました。「それは、もっと深い墓穴を掘るだけさ。僕はここにいる人たちを信じているよ、そしてただ進んでいくだけさ」。
ニュージャージー、2つの「幻のゴール」
ニュージャージーは2つのゴールをビデオ判定によって覆されましたが、それを克服して勝利したのです。
最初の「幻のゴール」
第1ピリオド・11分58秒、カドリは、右フェイスオフ・サークルからのリストショット(ホウキで床を掃くように打つシュート)でパワープレーのゴールを決め、カルガリーに先制点をもたらしました。
17分57秒、(ニュージャージー)フォワードのイェスパー・ボクヴィスト(センター、24歳)がパックより先にオフェンス・ゾーンに入ったと判断され、デビルズの最初のゴールは覆されました。
その29秒前、ディフェンスのヨナス・ジーゲンターラー(25歳)のリストショットはゴールと判定されていました。※相手チームからのコーチズ・チャレンジにより、オフサイドと判定され、ノー・ゴール。
ラフは「逆境に対応しなければならないし、いくつか不利な状況もあったね」と述べました。「それが手に入ることもあれば、手に入らないこともあり、僕達はそれを手に入れることができなかった。それが得られる時と得られない時があるわけで、僕達は得られなかったんだね」。
うーん、配信やダイジェストを見る限り、
これはオフサイドかにゃ…。
2回目の「幻のゴール」
第2ピリオド・3分53秒、エゴール・シャランゴヴィチ(センター、24歳)が、スロット(フェイスオフ・サークルとゴールラインの間のスペース)からゴールラインへ向けてパックを直接蹴る動作があったと判断され、判定を覆されたゴールの2点目となりました。
「ベスト・ゲームとは言えないよ」 とヒーシェルは語りました。「正直言って、最初のピリオドは足が出なかったし、恥ずかしいデキだった。しかし、僕達は普段の状態に戻る方法を見つけたんだ。
最終的に今日のようなゲームに勝つことができるなら、それは今後に向けて非常に大きいと思うよ。僕達は方法を見つけ、勝ち点2を獲得できて良かった」と述べました。
5分14秒、左フェイスオフ・サークルからのスナップショットで、ライアン・グレイヴス(ディフェンス、27歳)が1-1の同点にしました。
NHL公式のハイライト映像でなく、Sportsnetの映像です。公式にはなかった乱闘シーンも入ってますし、シャランゴヴィチのキック・モーションも何となく「意図的に蹴った」ように見えます。
蹴ったかどうかは、かなり微妙だにゃあ…。
ニュージャージーのゴールテンダー、ヴァニェチェクが大当たり!
14分22秒、ヴァニェチェクは、(カルガリーの)タイラー・トフォリ(右ウィング、30歳)によるスロットから放たれたリストショットの連続シュートを止め、その後、左脚のパッドを伸ばして、エリアス・リンドホルム(センター、27歳)の右ポスト近くからのシュートを阻止しました。
ラフは「第2ピリオドの(リンドホルムのシュートに対する)セーブは、おそらく、今日のホッケーゲームに勝つために必要なセーブだったね」と述べました。
16分37秒、ハミルトンが5人対3人のパワープレイゴールで2-1と追い上げました。
リンドホルムの身体ごと飛び込んでくるようなシュート?が
スゴイにゃ!
カルガリーの監督、怒る
フレイムズの監督、ダリル・サッター(64歳)は「負ける時はいつでもイライラしますが、正直言って、そんなレベルの話じゃない」と語りました。「努力の問題ではないし、選手達の努力を疑問に思ってはいない。ただ、試合で実行できているか、それが問題なんだ」。
第3ピリオド・5分13秒、トフォリは左サークルからのパワープレイゴールを決め、2-2の同点としました。
ラフは「試合に勝つためには様々な方法を見つけなければならず、僕達はそれを見つけることができたんだよ」と述べました。「多くの選手達にとって、第1ピリオドは快適ではなかった。
相手はウチのチームを追い詰め続けたけど、第2ピリオドのスタート時に、チームはいつものゲームのペースに戻り、スピードを生かし、良いホッケーをすることができたと思います」。
その他の事項
サッターによると、試合前に腫れた足をスケートに合わせることができなかったため、フレームスのフォワード、ジョナサン・ユベルドー(センター、29歳)は出場しなかった、と述べました。彼は日常生活に戻っています。
ユベルドーの代わりにアダム・ルジチカ(センター、23歳)が出場し、15分43秒の氷上プレイタイムでアシストと2ショットを記録しました。
…ディフェンスマンのデニス・ギルバート(コロラドから新加入、26歳)は、11月6日(日曜日)にアメリカン・ホッケー・リーグのカルガリー(ラングラーズ)から呼び戻された後、フレイムズのデビュー戦で11分28秒の氷上プレイタイムで2ショットを放ちました。7月13日、2年契約を結んでいます。
…過去5試合で12-0だったフレームスは、この試合のパワープレーで4-2。
…ヒーシェルは連続ポイントを5試合(7ポイント、3ゴール・4アシスト)に、タタールもアシスト/連続ポイントを5試合 (6アシスト) にそれぞれ伸ばしました。
…ニュージャージーは、フランチャイズ史上最も少ない試合数で10勝(13試合、1993-94)に達しました。
まとめ
カルガリーもパワープレー2本を決めるなど、決して悪いデキではなかったのですが、ニュージャージーの勢いに敗れた感じです。
ニュージャージーの監督談話にあるように、チーム内の意思統一が図れている上に、選手個々がすぐにトラブル打開策を見つける積極性を持ち合わせており、それがリンク上で表現できているというのは強みです。
ニュージャージーに勝つには、第1ピリオドの早い時間帯に、どんな形でもいいから先取点を奪うしかなさそうです。
ニュージャージーの次の対戦相手は、こちらもまたあまり調子よくないオタワ・セネターズ。11月10日(木)午後7時(日本時間で11日〈金〉午前9時)試合開始、ニュージャージーのホーム・アリーナであるプルデンシャル・センターで対戦します。
コロンバス同様、シーズン前の積極的な補強にもかかわらず、オタワの攻撃はイマイチ噛み合ってません。侮れないチームではあるのですが、若きキャプテンであり、超スター選手の仲間入りをしそうなヒーシェル率いるニュージャージーに苦戦必至と予想します。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!