はじめに
モントリオール・カナディアンズが宿敵ライトニングを下した一戦は、単なる勝利以上の価値を持つものでした🏒エースのコーフィールドが通算50ゴールを達成し、スズキやスラフコフスキーも驚異的な記録を打ち立てるなど、若きコアメンバーが躍動🔥
しかし、真に注目すべきは個人の栄誉ではなく、強豪相手に泥臭く戦い抜いた「チームとしての成長」にあります。再建のトンネルを抜け、黄金時代へと突き進む彼らの「戦う意志」を、興奮冷めやらぬ会見の様子と共に徹底解説します!🥅✨
参照記事:The Athletic「On a night of individual milestones, the Canadiens hit more important team marker」
記録以上に重い「勝ち点2」の真価🏒
木曜の夜、ベル・センターの氷上には、単なるレギュラーシーズンの1勝を遥かに超える熱量が渦巻いていました。モントリオール・カナディアンズがタンパベイ・ライトニングを2-1で下したこの一戦。スコアシートに刻まれた数字だけを見れば、接戦の末の僅差の勝利に過ぎないかもしれません。
しかし、その内実を紐解けば、再建の真っ只中にある名門フランチャイズが、ついに「次なるステージ」への扉をこじ開けた重要な転換点であったことが浮き彫りになります。
この夜、モントリオールの若きコアメンバーたちは、次々と輝かしい個人記録を打ち立てました。だが、試合後のロッカー室に漂っていたのは、個人の栄誉に浸る空気ではなく、強豪相手に一歩も引かずに戦い抜いたという集団としての自負だったのです。
歴史を塗り替える若き才能たち:50・30・100の衝撃🔥
まずは、この試合で達成された驚異的なマイルストーンを整理しておきましょう。これらは、カナディアンズのスカウティングと育成が、リーグ屈指のレベルに達していることを証明する何よりの証左です。
エースのスナイパー、コール・コーフィールドは、この試合で待望のキャリア通算50ゴールを達成。フランチャイズの長い歴史にその名を刻みました。さらに、次代を担うユーライ・スラフコフスキーが値千金の決勝ゴールをマーク。これはスロバキア人選手として、2014年のマリアン・ホッサ(当時ブラックホークス)以来となるシーズン30ゴールという快挙です。
そして、これらの得点を演出したのが、キャプテンのニック・スズキです。彼はこの夜、2アシストを記録してシーズン70アシストに到達。カナディアンズの歴史において、この数字を達成したのは彼を含めてわずか3人しかいません。
さらに、スズキはシーズン100ポイント到達まであと2ポイントと迫っています。もし達成されれば、モントリオールの選手としては過去40年間で初の偉業となります。
だが、こうした華々しいスタッツを前にしても、当人たちの視線はもっと先を見据えています。コーフィールドは試合後、記録へのプレッシャーをこう振り返っています。
「正直、直近の3試合はストレスが溜まっていたんだ。相手のことよりも、自分の50ゴール達成のことばかりが頭をよぎってしまって……。特にプレーオフ圏外のチームとの対戦だったから、余計にね」。
しかし、相手が「基準」として仰ぎ見てきたライトニングとなった瞬間、彼の迷いは消えました。
「彼らは長い間、僕たちが目標にしてきた存在だ。だからこそ、今夜は記録ではなく、ただ試合に集中して正しいプレーをすることだけを考えた。その意識が逆に助けになったし、チームにとって大きな勝ち点2になったと思う」。
キャプテンのスズキもまた、個人の100ポイント達成や、チームとして36年ぶりとなる50ゴールスコアラーの誕生といった話題に対し、極めてストイックな姿勢を貫いています。
「それがどれほど意味のあることかは分からない。自分にとっては、個人ポイントよりもディビジョン優勝のほうがずっと価値があるんだ。氷上で結果を出して勝利に貢献したい。それよりも、コールの50ゴールをアシストするほうがずっと楽しいよ」。
4月9日に行われたタンパベイ・ライトニングvs.モントリオールカナディアンズ戦のハイライト映像。プレーオフさながらの緊張感たっぷりの一戦。
「憧れの背中」から「超えるべき壁」へ:ライトニングとの距離感🥅
この夜の勝利が持つ真の意義は、ライトニングがもはや「手の届かない理想」ではなく、「倒すべきライバル」へと変貌したことにあります。
スズキとコーフィールドにとって、タンパベイは苦い記憶の象徴です。2021年、スタンレー・カップ決勝。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったライトニングの前に、カナディアンズは屈しました。その敗北こそが、モントリオールに抜本的な再建を決断させ、いつかあのレベルに到達するという長期目標を設定させた原点なのです。
再建の過程において、ライトニングは常にアトランティック・ディビジョンの「ゴールド・スタンダード」であり続けました。だが、この夜、指揮官のマーティン・セントルイス(皮肉にもライトニングのレジェンドの一人だ)は、確かな手応えを感じていました。
「いくつかのチームが基準になっていて、そこに少しずつ近づいてきたと感じている。順位表上では差があるかもしれないが、現実としての実力差は縮まっているんだ。上がどこか、下がどこかは問題じゃない。大切なのは、接戦の中で集中しきれるかどうか。今夜、我々はそれをやってのけた」。

伸びしろのある選手の多さで言えば、ライトニングよりカナディアンズの方が上だと思うんだけどにゃ。ライトニングは若手への切り換え速度を上げていかないと、レンジャーズやパンサーズみたいになってしまうかも…。カナディアンズはウィング、センター、ディフェンスの各ポジションにコアとなる若手選手がしっかり育っていて、何年か先が楽しみで仕方ない。その中心に我らが「スズーキ!」のいることをお忘れなく。
不屈の志を体現する若き守護神:レーン・ハットソンが耐え抜いた試練🛡️
カナディアンズが「戦えるチーム」へと変貌を遂げた象徴として、若きDFレーン・ハットソンの奮闘を挙げないわけにはいきません。
昨シーズンのプレーオフ、ワシントン・キャピタルズはハットソンの小柄な体格を「弱点」と見なし、徹底的なフィジカル・アタックを仕掛けました。最初の2試合で苦渋を味わった彼は、その経験を血肉に変えて今シーズンのリンクに立っています。
木曜の朝、ハットソンは再びプレーオフで標的とされる可能性について、「今シーズンを通して、フィジカルに激しく来るチームとの対戦で耐性を築いてきた」と自信をのぞかせていました。そしてその数時間後、言葉通り、ライトニングの執拗なチェックにさらされることになります。
特にライトニングのベテラン、コーリー・ペリーは容赦がありませんでした。試合中、ハットソンは幾度となく壁際に追い込まれ、激しい衝撃を受け続けました。しかし、彼は決してひるまず、パックを素早く動かし、攻守両面でゲームに影響を与え続けました。
試合後のハットソンの姿は、この一戦の激しさを物語っていました。鼻筋には痛々しい切り傷が走り、顎には擦り傷。戦場から帰還した兵士のような風貌でしたが、その表情には充実した笑みが浮かんでいました。
「予想はしていたよ。でも、こういう激しい試合に関われるのは本当に楽しい。時には何発か食らうことも、成長には必要なんだろうね」
この若きDFの不屈の精神は、チーム全体に「どれほど叩かれても立ち上がる」という強烈なメッセージを伝播させています。
フィジカル・メッセージの応酬:ジョシュ・アンダーソンが示した覚悟🔥
この試合、ライトニングには並々ならぬモチベーションがありました。直前のバッファロー・セイバーズ戦、オタワ・セネターズ戦と下位チーム相手に痛い連敗を喫していた彼らにとって、ベル・センターは反撃の狼煙を上げるべき場所でした。
彼らはカナディアンズをプレーオフ1回戦の仮想敵と定め、フィジカルで圧倒することで精神的な優位に立とうと画策していました。
しかし、その目論見を打ち砕いたのが、ジョシュ・アンダーソンを中心とするカナディアンズの反撃です。アンダーソンは、ライトニングがハットソンを狙ったのと同様に、相手のエースであるニキータ・クチェロフに対して徹底したマークを敢行しました。
「クチェロフのような選手は、少しでもスペースを与えれば多彩なスキルで致命的なダメージを与えてくる。だからこそ、今夜は楽にはさせないと分からせる必要があった」
アンダーソンのこの姿勢は、単なる守備戦術以上の意味を持っていました。それは、スター選手を擁する強豪に対しても、自分たちのスタイルを貫き、泥臭く戦い抜くという「宣戦布告」でもありました。
1年前のカナディアンズであれば、こうしたプレーオフさながらの激しさに飲み込まれていたかもしれません。しかし、今の彼らは違います。ライトニングほどの完成度にはまだ至っていないかもしれませんが、少なくとも「対等に殴り合える」だけの強靭さを備えつつあるのです。
一つの「群れ」となったカナディアンズが描く未来🐺
試合終了のブザーが鳴り響いた瞬間、氷上で喜びを爆発させたのは、50ゴールを達成したコーフィールドだけではありませんでした。チーム全員が、まるで自分のことのように彼の快挙を祝い、決勝点を挙げたスラフコフスキーを抱きしめました。
この光景こそが、セントルイス監督が理想とするチームの姿です。
「今のチームは、まるで一つの『群れ』のようだ。互いを愛し、支え合い、誰かの成功を全員で祝う。自分のスタッツよりもチームの勝利を優先する、非常に無私の集団だ。それを見ているのは、コーチとして本当に楽しいよ」。
ライトニング戦終了後、コーフィールドの記者会見映像です。以下、記者会見の日本語訳をアップします。
記者:今夜、ついにあの歴史的なゴールを決めた瞬間、どんな思いが頭を駆け巡りましたか?
コール・コーフィールド:どうでしょう……。とにかく、あっという間の出来事でした。アシストをあのアシストを記録した二人が決めてくれたことも含めて、これ以上ない最高の形だったと思います。
それに、会場に父が来ていて、彼の反応を見られたのは本当に特別で、大きな意味がありました。でも何より、チームにとって大きな勝利になりましたし、僕にとっても一生忘れない試合になると思います。
記者:お父様のことについて伺おうと思っていました。モニターにも映っていましたね。それから、あなたはカナディアンズ史上初のアメリカ生まれの50ゴールスコアラーとなりました。その点について少し聞かせてください。
コーフィールド:正直なところ、その話題を耳にしないようにするのは難しかったです。どこに行っても目にしますからね。嘘を言うつもりはありませんが、ここ数日はかなりストレスを感じていました。でも、だからこそこの場所(モントリオール)は特別なんです。チームメイトやコーチ、家族と一緒にこの瞬間を分かち合えるのは本当に素晴らしいことです。
ここ数日はゴールが永遠に来ないんじゃないかとさえ感じて、たった3試合のことなんですけれど、すごく長く感じました。ようやく達成できてホッとしています。これでまた仕事に戻れますね。まだ重要な試合がいくつか残っていますから。
記者:まずはおめでとうございます。今のお答えで質問の答えになってしまったかもしれませんが、これでようやく肩の荷を下ろして、残りのキャリアに集中できそうですね。
コーフィールド:そうですね。(笑いながら)皆さんも同じでしょう?皆さんもようやく解放されますね。
記者:つまり、ようやく終わってホッとしているということですか?
コーフィールド:いえ、終わったわけではなく、次の段階へ進めるということです。
記者:マーティ・セントルイス監督とは4年ほど一緒に仕事をされていますが、この道のりにおいて、彼はあなたをどれほど助けてくれましたか?
コーフィールド:正直、彼以上に感謝すべき、あるいは尊敬すべき人はいないかもしれません。彼が就任した時、僕にチャンスをくれただけでなく、自信も与えてくれました。正しいプレーの仕方を教えてくれましたし、より多くのチャンスを作り出し、より良い位置でパックをもらう方法を叩き込んでくれました。
彼はいつも「点の取り方は教えない」と言っていますが、心の奥底では、彼が教えてくれたんだと分かっています。僕だけでなく、チーム全員が彼から多くの恩恵を受けています。彼だけでなくスタッフ全員が素晴らしい仕事をしてくれました。彼には感謝してもしきれませんが、チームのみんながこの成功の一部を担っていると感じています。
記者:おめでとうコール。約7年前のドラフトで、あなたは順位を下げて15位でモントリオールに指名されました。今日の出来事を知っている今のあなたが、当時の自分に声をかけるとしたら何と言いますか?
コーフィールド:「他の場所なんて考えられない」と言いますね。僕は幸運にも、正しい場所、正しいチームに来ることができました。もし別のチームにいたらどうなっていたかなんて分かりません。この街が与えてくれたすべて、そしてここに来てからのすべての道のりに感謝しています。
本当に特別なことですし、今この瞬間にこれを成し遂げられた自分は、とても幸運で恵まれていると感じています。
記者:スズキとスラフコフスキーがそのゴールに関わったのが相応しいと仰っていましたが、50ゴール達成に向けて、チームメイトたちはどのような貢献をしてくれましたか?
コーフィールド:すべてです。彼ら、特にあの二人がいなければ何もできませんでした。彼らは本当に一生懸命プレーしてくれます。僕はただ、彼らが見つけやすいようにオープンな場所を探すだけです。ここ数年、僕たちが積み上げてきた努力を考えれば、こうして形になったのは本当に嬉しいことです。
表には出ない細かな努力やディテールがたくさん詰まっていますから。あの二人と一緒に達成できたのは、最高のシナリオでした。それに「スラフ」についてもすごく興奮しています。最後に30ゴール目を決めるなんて、大きなゴールでした。
記者:コール、ゴールを決めるタイミングはコントロールできないものですが、マディソン・スクエア・ガーデンで4点決めることもできたはずですよね。でも、モントリオールのファンの前で達成したこと、あなたとファンの特別な関係を考えると、いかがですか?ここで決めることを望んでいたのでしょうか。
コーフィールド:まあ、できるだけ早く決めたかったのは確かですけれど(笑)。でも、この瞬間を噛み締めると、ここで起こるべくして起きたのだと感じます。ファンの皆さんを長く待たせてしまったなら申し訳ないですが、これまでの試合に高いお金を払って見に来てくれた方々からのメッセージも見ていましたよ。
ここはプレーするのに特別な場所です。ファンの情熱は毎晩伝わってきますし、これほど熱心なファンは他にいません。ここで毎晩、素晴らしい人々の前でプレーできる僕たちは本当に幸せです。
記者:最後に一つだけ。1年以上前、あなたはジョニー(・ゴードロー)のために背番号を変える決断をしました。今夜も彼のことを考えていたと思いますが、あの番号を背負って今シーズン成し遂げたことを、自分自身どう感じていますか?
コーフィールド:はい。ジャージを着るたび、ヘルメットを被るたびに思い出します。考えるのは不思議な感覚ですが、プレーするたびに彼を代表し、彼を記憶に留める機会だと思っています。ですから、こうして成し遂げられたのは特別なことです。彼が僕たちの後ろにいて、見守ってくれている気がします。
彼は関わったすべての人を、より良い人間にしてくれるような人でした。今すぐ彼を抱きしめることはできませんが……できたらいいのに、とは思います。
記者:もっと早く決めたかったでしょうし、それは当然のことだと思います。ですが、今夜のような試合の重要性が、逆に試合そのものやチームとしての目標に集中させてくれたのではないでしょうか。長年追いかけてきたチームを相手に、この時期に決めたこと。その価値はあなたにとって大きいですか?
コーフィールド:はい、良い質問ですね。正直なところ、彼ら(ライトニング)は明らかに僕たちより先にいて、長い間、僕たちが目指してきたチームです。だからこそ、今夜はただ試合をすること、正しいプレーをすることに集中できました。
重要な局面では、正しい判断をすることだけを考えますから。それが間違いなく助けになりましたし、チームにとって大きな勝ち点2になりました。
記者:コール、おめでとう。ここに来た当初、すべてが順風満帆だったわけではありません。ゴールが決まらず苦しみ、ラバル(下部組織)へ行ったこともありました。情熱を取り戻すために屋外リンクへ行ったという話も聞きました。
自分がこれほどのゴールスコアラーになれるか、疑ったことはありましたか?もしあったなら、マーティ・サンルイ監督はどう助けてくれたのでしょうか。
コーフィールド:自分を疑ったことはないと思いますが、あのような経験は初めてでした。あの時期を経て、自分に何ができるかを学び、ただ仕事に戻って、頭を下げて、より良くなるためにできることをやるだけだと学びました。もちろんマーティは大きな役割を果たしてくれました。当時のチームの状況もあって、多くの選手がその経験から成長できたと思います。
再建という状況の中で、誰もが自分なりの方法で成長し、自信を深めることができました。そのプロセスをみんなで一緒に乗り越えてきたからこそ、この道のり自体がとても報われるものに感じます。トレーナー、コーチ、メディカルスタッフ……みんなが日々僕を助けてくれました。
ここは特別な場所です。あの大変な時期、毎日リンクに来て彼らに会うことが、僕を突き動かしてくれました。
記者:コール、おめでとう。試合前に2019年のスカウティングレポートを読み返したのですが、そこには「30ゴールくらい決める選手だろう」と書かれていました。今夜、大型スクリーンに映ったあなたの笑顔には、少しばかりの「見返してやった」という思いがあったのでしょうか?
コーフィールド:いえ、それほどでもありません。それらはただの数字ですから。それよりも、一人のプレーヤーとして今の自分があること、そしてこのチームがここまで来られたことを誇りに思っています。ここ数年は決して簡単ではありませんでしたが、コアメンバーたちと正しい方法で、自分たちの力でここまで辿り着けたことは本当に特別です。
……まあ、あちこちで言われていた予想の数字はともかく、30ゴールを超えられたのは確かに気分が良いですね(笑)。
一同:ありがとうございました。
コーフィールド:ありがとう。
【讃岐猫🐈からひと言】「最後に一つだけ」と言いながら、さらに質問を重ねるのは、どこの国も同じですね😅。
まとめ
コーフィールドの50ゴール、スラフコフスキーの30ゴール、そしてスズキの100ポイントへの挑戦。これらは個人の輝きであると同時に、カナディアンズという集団が、長い再建のトンネルを抜け、光り輝く未来へと突き進んでいることを示す道標です。
来週から始まるプレーオフ。相手がライトニングであろうと、ボストン・ブルーインズであろうと、この夜のベル・センターで見せた「戦う意志」がある限り、カナディアンズが一方的に圧倒されることはないでしょう。
彼らは今、歴史あるユニフォームに相応しい、新たな黄金時代の幕開けを告げようとしています。🏒🥅🔥

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!


