はじめに
プロ女子ホッケーリーグ(PWHL)がいよいよ3年目のシーズン開幕🎉!拡張チームのシアトル・トレントとバンクーバー・ゴールデンアイズがデビューし、ミネソタ・フロストの3連覇挑戦やモントリオール・ヴィクトワールの雪辱戦もスタート🔥。
全国を巡る「テイクオーバーツアー」や若手選手の台頭など、今季も見どころ満載です✨
参照記事:NHL公式サイト「PWHL Notebook: Expansion teams Seattle, Vancouver battle on opening night」
PWHLいよいよ開幕!🎉
プロ女子ホッケーリーグ(PWHL1=プロフェッショナル・ウィメンズ・ホッケーリーグ)がついに3年目のシーズン、2025-26シーズンへ突入します。今年も注目ポイントが盛りだくさんで、開幕前からとてもワクワクする状況です!
リーグでは新シーズンに合わせて、NHL.comのスタッフライター、アンナ・クレサさんが隔週でリーグ内の出来事をまとめてくれるそうで、プレー以外の部分もさらに楽しめる一年になりそうです✨今回は、シーズン開幕に向けた注目ストーリーを紹介します。
シアトル&バンクーバーの2つの拡張チームがデビュー🔥
今季の大きな話題といえば、やっぱり「拡張チーム」の登場です。4月に発表されたリーグ史上初となる拡張チーム、シアトル・トレントとバンクーバー・ゴールデンアイズ2の2チームが、ついにリーグに仲間入りしました。両チームは大物選手を次々と獲得し、初年度から競争力を持つチーム編成となっています。
これでPWHLは全8チーム体制に。ファンにとっても、新しい物語が増えるのはうれしいですね😊
開幕戦はなんと、この2チームの直接対決!金曜日、バンクーバーのパシフィック・コロシアムで行われるダブルヘッダーの中で、ついにPWHLお披露目を果たします。
シアトルはオフシーズンに、ヒラリー・ナイト3、アレックス・カーペンター4という超強力な攻撃コンビを獲得して、一気に存在感を出してきました。
一方のバンクーバーも負けていません。フォワードのサラ・ナース5に加えて、ウォルターカップ2度の優勝経験を持つディフェンダー、ソフィー・ジャック6、さらに1度優勝しているクレア・トンプソン7を迎え入れ、こちらも実績十分のラインナップになっています。
両チームとも“初年度から本気”という感じで、シーズン序盤から注目が集まりそうです👀🔥
3年目を迎えるリーグのプロモーション映像です!
ミネソタ・フロスト、3連覇への道は険しい?🥇🥇🥇
昨シーズンまで2年連続でウォルターカップを制したミネソタ・フロスト。今年はついに“3連覇”という大きな目標に挑みます。
金曜日の開幕戦はセントポールのグランド・カジノ・アリーナで行われる、トロント・セプターズとの一戦。ここから再び長い旅が始まります。
しかし、連覇中のウォルターカップ王者フロストには一つ大きな問題が…。
なんと、守備の柱だったクレア・トンプソンとソフィー・ジャックの2人が、オフシーズンにバンクーバーへ移籍してしまったのです。ディフェンスの要を同時に失うのは、王者にとってかなりの痛手😣
それでもチームは希望を失っていません。
キャプテンのケンダル・コイン・スコフィールド、そして昨季得点上位5人に入った、チームのトップスコアラーの一人だったテイラー・ハイズの2人は、2025年のPWHL独占契約期間と拡張ドラフト8でしっかり保護され、引き続きチームを支えます。
そしてもう一つの強みが、ゴールテンダー陣の安定感。
ニコール・ヘンズリーとマディ・ルーニーのコンビが今年も揃ってチームへ戻り、後ろがしっかりしているのは大きな安心材料です😊
フロストは確かに“守りの再構築”が課題になりますが、それでも3連覇を狙える力が残っているのは間違いありません。今季も注目のチームになりそうですね!

ついにPWHL2025-26シーズン開幕だにゃ🎉!ここまで興行収入面でも順風満帆な出足らしく、もっと発展する下地ができつつある。新チームのシアトル・トレントとバンクーバー・ゴールデンアイズがどれだけやれるか、という楽しみに加え、フロストの3連覇挑戦など、今回も見どころ満載💪✨できれば、女子ホッケーもDAZNで放送してほしい!
女子のプレイオフ・ウォルターカップ決勝戦のハイライト映像です!全く男子に負けないパワフル・プレー!
全国を巡る2025-26「PWHLテイクオーバーツアー」🚐✨
今シーズンも、PWHLがさまざまな都市で試合を行う「テイクオーバーツアー9」が帰ってきます!全部で11都市、16試合という大規模なツアーで、これまで試合が行われたことのない地域にも女子ホッケーの魅力を届けていきます✨。
今回、初めてPWHLの公式戦が開催されるのは、カルガリー、シカゴ、ダラス、ハリファックス、ハミルトン、ワシントンD.C.、そしてウィニペグの7都市。さらに、昨年までに試合が行われたデンバー、デトロイト、エドモントン、ケベックシティにも再び訪れます。
その中でも、シカゴ、デンバー、デトロイト、エドモントン、ハリファックスの5都市は2試合ずつ行われるという力の入れよう。女子ホッケーの人気が広がっていることが伝わってきますね😊
ツアーの開幕は12月17日(水)。ハリファックス(ノバスコシア州)にあるスコシアバンク・センターで、モントリオール・ヴィクトワールとトロント・セプターズが激突します。シーズン序盤から熱い試合が見られそうで楽しみです🔥
ニューヨーク・サイレンズ、若手でチームを刷新🌟
2年連続で最下位10に終わったニューヨーク・サイレンズですが、今季は大きくロースターを見直しました。2025年のPWHLドラフトで2人の有望な若手フォワードを獲得し、新たなスタートを切ります。
全体1位で指名されたのは、クリスティーナ・カルトウンコヴァ。彼女はコルゲート大学出身で、在学中に同校史上最多となる111ゴールを記録し、168試合で233ポイント(歴代2位)を挙げるという圧巻の成績を残しました🏒✨
さらに全体3位で指名されたケイシー・オブライエンも見逃せません。ウィスコンシン大学でプレーし、昨季は41試合で88ポイント(26ゴール、62アシスト)を記録してNCAAをリード。2025年のNCAA女子ホッケー・ディビジョンI選手権を制覇し、パティ・カズマイヤー賞も受賞しています🏆
さらに昨季PWHL新人王に輝いたサラ・フィリエは、30試合で29ポイント(13ゴール、16アシスト)を記録。ヒラリー・ナイトと並ぶリーグ1位タイの成績を残し、今季もさらなる活躍が期待されます💪
モントリオール・ヴィクトワール、雪辱を狙う⛸️🔥
モントリオール・ヴィクトワールは、2025年PWHLプレーオフ1回戦で悔しい敗退を喫しましたが、今季は巻き返しを狙っています。前シーズンは53ポイントでレギュラーシーズンを終え、プレーオフ第1シードを獲得。初戦の相手はオタワ・チャージでしたが、4試合で敗れ去る結果となりました😢
それでもチームの主力たちは健在です。キャプテンのマリー=フィリップ・プーラン、フォワードのローラ・ステイシー、ゴールテンダーのアン=ルネ・デビエンは、いずれも2027-28シーズンまでの契約延長を締結。プーランは昨季リーグ最多となる19ゴールを記録し、2025年PWHLビリー・ジーン・キングMVPに輝きました🏅
さらにチームはフォワード陣を強化。シアン・ダルカンジェロ(PWHLのボストン・フリート→オタワ・チャージ。PHF(女子プロホッケーリーグ)時代、トロント・シックスでキャプテン)、ジェイド・ダウニー=ランドリー(ニューヨーク・サイレンズに2シーズン在籍。それ以前は、PHFはモントリオール・フォース。大学はマギル大学)、
ヘイリー・スカマーラ(オタワ・チャージおよびトロント・セプターズでプレー。大学はノートルイースタン大学。PHFはバッファロー・ビューツ)、アビー・ローク(サイレンズに在籍。大学はウィスコンシン大学)を加え、攻撃力をより厚くしました。
守備面では、ドラフト全体4位のニコール・ゴスリング11を獲得し、ジェシカ・ディジャロラモ(ボストン・フリートに所属。大学はシラキュース大学)とマギー・フラハーティー(ミネソタ・フロストに所属。PWHLで連続してチャンピオンシップを制した経験がある。大学はミネソタ大学ドゥルース校)を加えることで、ディフェンスの層も強化。雪辱に向けて準備は万全です💪✨
ヒラリー・ナイト、トレント初代キャプテンに就任⭐
シアトル・トレントは今季、チーム史上初のキャプテンとしてヒラリー・ナイトを指名しました。
ナイトにキャプテン就任が告げられたのは、シアトル・クラーケンのアシスタントコーチ、ジェシカ・キャンベル12がトレントのロッカールームでサプライズ形式で行ったそうです🎉
ナイトには肩に刺繍で「C」が入った新しいユニフォームが手渡され、正式にキャプテン就任が告げられました。
ナイトは2023年からアメリカ女子代表のキャプテンを務めており、ボストン・フリートでも過去2シーズンキャプテンを務めていた実績の持ち主です。
チームのリーダーとして、そしてチームの象徴として、今季のトレントを引っ張っていく存在になるでしょう🔥
まとめ
シアトル・トレントのヒラリー・ナイトが初代キャプテンに就任し、チームを牽引。ニューヨーク・サイレンズは若手フォワードを加え、戦力を強化。モントリオール・ヴィクトワールは主力選手を残しつつ攻守の補強を実施。
各チームが新戦力と経験を組み合わせ、2025-26シーズンの熱戦に向け準備万端です🔥

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- Professional Women’s Hockey Leagueは、北米を中心に活動する女子プロアイスホッケーリーグであり、女子ホッケー界における最高峰のプロ組織である。2024年に統一リーグとして発足し、従来分散していた複数の女子リーグや枠組みを再編する形で誕生した。
これにより、選手契約、ドラフト制度、サラリーキャップ、プレーオフ方式など、NHLに準じた明確な運営基盤が確立された。
加盟クラブはアメリカとカナダの主要都市に置かれ、国際大会で実績を持つ選手や、NCAAで活躍したトップレベルの人材が所属している。プレーの特徴はスピードと技術を重視したスタイルであり、戦術面でも高度化が進んでいる。
また、PWHLは選手の待遇改善や市場価値の明確化に取り組むことで、女子ホッケーの競技環境を大きく前進させたリーグでもある。メディア露出の拡大、入場者数の増加、新規市場への進出など、商業的発展も続いており、国際的にも女子ホッケーの中心的存在として位置づけられている。
↩︎ - シアトル・トレント(Seattle Torrent)とは
シアトル・トレントは、PWHLで初めて創設された拡張チームの一つであり、2025-26シーズンからリーグに参入した新興クラブである。
最大の特徴は、オフシーズンにリーグ屈指の攻撃力を持つヒラリー・ナイトとアレックス・カーペンターという実績豊富なフォワードを獲得した点にある。両選手は国際舞台でも高い評価を受けており、トレントは参入初年度から得点力の高いチームとして注目されている。
また、チーム初代キャプテンにはヒラリー・ナイトが指名された。これは、技術面だけでなくリーダーシップや経験を重視したチーム方針を示す象徴的な決定であり、新チームとしての方向性を明確にする動きといえる。
マーケットとしてもシアトルはNHLの拡張成功例(クラーケン)の流れを受け、女子プロホッケーの浸透にも大きな期待が寄せられている。
バンクーバー・ゴールデンアイズ(Vancouver Goldeneyes)とは
バンクーバー・ゴールデンアイズは、PWHLで初めて導入された2つの拡張チームのうちの一つであり、シアトルと同じく2025-26シーズンからリーグに加わった。チーム戦力の中心は、フォワードのサラ・ナース、そしてリーグで複数回ウォルターカップを制したディフェンダーのソフィー・ジャックや、同じくタイトル経験を持つクレア・トンプソンらの獲得により構築されている。
守備の要となるジャックとトンプソンの加入は特に大きく、経験値と安定感を即座にチームにもたらす存在として評価されている。さらにサラ・ナースの得点能力が加わることで、拡張チームでありながら、初年度から競争力を有する構成が整っている。
↩︎ - Hilary Knightは米国の女子アイスホッケー界を代表するレジェンドで、4度のオリンピック出場経験がある。国際大会ではIIHF女子世界選手権で10回の金メダル、5回の銀メダルを獲得しており、歴代最多得点、アシスト、ポイント記録を持つ。
大学時代はウィスコンシン大学でプレーし、2度の全米制覇を経験。PWHLではボストン・フリートのキャプテンを務め、2024-25年シーズンには29ポイントを記録して得点王タイとなった。2025年には拡張チームのシアトル・トレントと1年契約を結び、新チームの中心選手としてリーグ発展に貢献する意向を示している。
また、2026年ミラノオリンピックを最後のオリンピックにすると発表しており、長年築いてきた国際キャリアの集大成を目指している。
↩︎ - Alex Carpenterはアメリカ出身のフォワード。ボストン・カレッジ時代にはNCAA史上トップクラスの成績(得点・アシスト数ともに)を残し、2015年には大学女子アイスホッケー最高峰の「パティ・カズマイヤー記念賞」を受賞している。
国際舞台でも強く、アメリカ代表としてオリンピック銀メダルを複数獲得。PWHLでは以前ニューヨーク・サイレンズに所属し、50試合で43ポイントを記録。パワープレイでの得点力も高く、チームを牽引する二刀流の選手として評価されている。
キャリアにはNWHL、CWHL、海外(ロシアなど)でのプレー経験もあり、豊富な実戦経験を持っている。
↩︎ - Sarah Nurseはカナダ出身の攻撃的フォワード。ジュニア時代にはPWHLで得点記録を樹立し、高校・大学と着実に実力を伸ばしてきた。ウィスコンシン大学(NCAA)では非常に安定した得点力を発揮し、その後はカナダ代表として国際大会でも活躍。
PWHLではトロント(前所属)やバンクーバー(新チーム)でプレーし、リーグ内でも重要な得点源としての役割を担っている。また、彼女は試合での決定力だけでなく、パワープレイやアシスト能力にも優れており、チームの攻撃構築に不可欠な選手である。
↩︎ - Sophie Jaquesはカナダ出身のディフェンダー。大学はオハイオ州立大学でプレーし、2023年にパティ・カズマイヤー賞を受賞。PWHLではもともとミネソタ・フロストに所属し、リーグ屈指の得点力を持つディフェンダーとして活躍。
彼女は2度ウォルターカップ(PWHLのチャンピオン決定戦)を制した実績があり、プレーオフでも得点を重ねる強さを持っている。また、2025年にはPWHLバンクーバーと3年契約を結び、長期的なチーム構築における要となる存在として迎えられている。
若くして実績を残しており、スピードと高い技術を兼ね備えたディフェンスリーダー。
↩︎ - Claire Thompsonは、PWHL・バンクーバー・ゴールデンアイズ所属のカナダ人ディフェンダーで、もともとはミネソタ・フロストでウォルターカップ優勝を経験。トンプソンは2025年にPWHL最優秀ディフェンダー賞の候補に選出され、30試合で4ゴール・14アシストの18ポイントを記録することでリーグ屈指の攻撃力を持つ守備選手として評価された。
彼女はプリンストン大学でプレーし、卒業時には同校ディフェンス歴代5位の得点を誇った。国際舞台でも輝きを放っており、2022年北京オリンピックでは7試合で13ポイント(2ゴール、11アシスト)を記録し、オリンピック記録となるディフェンダー得点数を樹立。
2023-24シーズンは医学生として学業に専念するためアイスホッケーを離れていたが、復帰後はメンタルの強さと知性を併せ持った選手としてチームに不可欠な存在に戻った。さらに、PWHLにおいては“トリプル・ゴールド・クラブ”(オリンピック金、世界選手権金、PWHLウォルターカップ優勝をすべて経験)に加盟した数少ない選手の一人であり、インターナショナルおよびリーグ両方で成功を収めてきた。
リーダーシップも高く評価されており、バンクーバー加入時にはGMから「世界最高クラスの守備者であり、チーム文化を築く上で重要な存在」と強く期待されている。
↩︎ - ミネソタ・フロストがキャプテンのケンダル・コイン・スコフィールドとフォワードのテイラー・ハイズを2025年の「Exclusive Signing Window(独占契約ウィンドウ)」および「Expansion Draft(拡張ドラフト)」で保護したのは、チーム戦略として非常に計算された動きである。
PWHLは拡張チーム(シアトル、バンクーバー)への戦力移動を避けつつ競争バランスを保つ仕組みを持っており、既存6チームにはまず3人の選手を「保護リスト」に載せる権利が与えられていた。
この保護リスト提出の時点で、コイン・スコフィールドとハイズは既に2025-26シーズンに有効な契約を結んでいたか、チームがその権利を保持していたため、選択肢から外された。さらに、PWHLのルールでは、各チームが2人の選手を失った後(拡張ドラフトまたはウィンドウを通じて)、4人目の保護選手を指名する追加枠が与えられる。
「Exclusive Signing Window」とは、拡張チームが既存チームの保護されていない選手、または契約が切れる選手と交渉できる5日間の特別期間であり、拡張チームは最大5名をこの期間に契約できる。これにより、新チームは拡張ドラフト前にコアメンバーを確保できる機会を持つが、既存チームから重要な選手を奪われすぎるのを防ぐため、保護枠を設けている。
よって、スコフィールドとハイズを保護したことで、ミネソタ・フロストは新チームへの戦力流出を最小限に抑えながら、クラブの中心軸を維持することに成功している。これは、新興拡張チームが立ち上がる中でも既存チームが安定した基盤を保つための合理的な構成戦略である。
↩︎ - PWHLの「Takeover Tour(テイクオーバー・ツアー)」は、リーグがホーム都市以外の会場でも定期戦を開催する中立地(ニュートラルサイト)ゲームを展開する取り組みである。2025-26シーズンには、このツアーを大幅に拡大し、16試合を11都市で実施する予定。
過去には2024-25シーズンに9試合が行われ、全体で123,601人の観客を動員。特にデトロイトでは1試合あたり14,288人という米国女子プロホッケーの観客記録を更新し、バンクーバーでは19,038人の満員を記録した。
この拡大には、カルガリー、シカゴ、ダラス、ハリファックス、ハミルトン、ワシントンD.C.、ウィニペグなど初開催の都市が多く含まれており、PWHLの存在感を北米中に広げる戦略として機能している。
また、このツアーは単なる宣伝だけでなく、将来的なチーム拡張の“テストマーケット”としての役割も果たしており、各都市のファン反応を測る重要な機会となっている。
↩︎ - サイレンズは2年連続で最下位に終わった反省から、2025年ドラフトで「得点力の補強」を最優先に据えた再構築路線を明確にした。全体1位のクリスティナ・カルトゥーンコヴァと全体3位のケイシー・オブライエンを指名した判断は、メディアの多くが「即戦力の若手を中心にチームを立て直す現実的な一手」と評価している。
報道は、サイレンズのドラフト戦略を「スピードとスキル重視」と分析しており、新加入ルーキーたちには早期に主力としての役割を期待する論調が多い。チーム公式や現地プレビューでも、これらの新人が短期間でロースターを改善する可能性があると指摘されている一方、ドラフトだけで即座に順位を大きく変えられるかは慎重に見られている。
一方で、サイレンズはドラフト以外にもトレードなどで現有戦力を入れ替えており(例:選手放出とピック獲得)、メディアは「若手を中心に据えつつ、バランスの取れたロースター構築が急務」と評している。
要するに評価は概ね前向きだが、チームが中位以上に復帰するかは新戦力の順応度と守備・ゴーリーの安定性による、という慎重な見方が支配的である。
↩︎ - カナダ出身のディフェンスで、NCAAの強豪クラークソン大学で活躍し、在学中はチームの歴代最多得点を記録するなど攻撃力のあるブルーライナーとして評価された。大学最終年にはECACの守備最優秀賞やFirst Team All-Americanなど多数の個人賞を受け、ディフェンダーとしてトップクラスの実績を残している。
2025年のPWHLドラフトでモントリオール・ヴィクトワールに全体4位で指名され、リーグ層の厚さをさらに高める即戦力の選手として期待されている。国際舞台でもカナダ代表のプログラムに関わっており、攻守両面で長時間出場できるスタミナとパワープレイでの強さが特徴である。
今後はヴィクトワールのディフェンス核として、攻撃参加とセットプレーでの貢献が注目される。
↩︎ - トレントとクラーケンの両チームはリーグが異なるものの、地理的・運営面で強い連携を持っており、トレントはクラーケンの施設・スタッフ・マーケティング資源の一部を活用して活動している。
キャンベルは、現役時代にNCAAでボストン大学やアメリカ代表として活躍した経歴を持ち、現在はクラーケンのコーチングスタッフとして若手育成と戦術構築に関わっている。
この関係性は、女子プロリーグにおけるプロモーション効果や運営ノウハウの共有、選手育成のシナジーを生む重要な戦略である。キャンベル自身も、女子ホッケーの選手経験を活かしてトレントの選手にメンタル面やリーダーシップ面の指導を行う役割を担い、ナイトのキャプテン就任は単なる名誉任命ではなく、戦術・文化形成の一環として意義がある。
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