ブラックホークスがトロントに逆転勝利!フォリーニョ負傷も

アイスホッケー名勝負

はじめに

 シカゴ・ブラックホークスがユナイテッド・センターでトロント・メープルリーフスを3−2で逆転!🔥第3ピリオドにテラバイネンとダックのゴールで流れを掴み、見事勝ち点2を獲得しました。試合は終盤まで白熱した攻防となり、スター選手ベダードも決定機を演出。

 喜びの一方、キャプテン・フォリーニョが手の負傷で長期離脱の見込みとなり、チームにとっては新たな試練も…。

参照記事:Chicago Hockey Now1Blackhawks Beat Maple Leafs 3-2, But Lose Captain Nick Foligno For Four Weeks

🏒ブラックホークス、逆転勝利で勢いアップ!【第1ピリオド】

 土曜の夜、シカゴ・ブラックホークスが、ホームのユナイテッド・センターでトロント・メープルリーフスに3−2で逆転勝ちを収めました!✨

 ここ最近の試合でも好調をキープしていたブラックホークスですが(直近5試合で4勝、そして過去15試合で9勝3敗3OT負け。トータルでは18試合を終えて9勝5敗4OT負け)、トロントが第2ピリオド終了時点で2–1とリードしていたものの、ブラックホークスは最終ピリオドに入ってテーヴォ・テラバイネンとコルトン・ダックのビッグゴールで逆転に成功、見事に勝ち点2を手にしました。

 これでブラックホークスは今季の第3ピリオド得点数でリーグトップ(30得点)となり、チーム総得点の50.8%を占める形となりました。

 「うちは第3ピリオドに強いチーム2だよ」、試合後、ジェフ・ブラシルHCはそう語っています。「選手たちは最後までプレッシャーをかけ続け、正しいプレーをし続けた…第2ピリオドで良くない流れになっても、パニックにならず、冷静さを保って実行してくれた」。

 今季ここまで試合終盤の強さが際立っていたものの、土曜の試合は「第3ピリオド突入時点で劣勢から勝つ」初めてのケースでした(それまでは0–3–1)。ブラシル率いる若いチームは、接戦を勝ち切る新たな方法を次々と見つけています。

 この日は計9選手がポイントを記録しましたが、スターFWコナー・ベダードはその中に含まれていません。ベダードはチーム最多の5本のSOG(枠内シュート)と枠内・枠外合わせて10本のシュートを放ったもののポイントには届かず、9試合連続ポイントに終止符が打たれました。チーム2番目の得点源であるアンドレ・ブラコフスキーも無得点に終わっています。

 一方、トップラインが静かな夜だった中、下位ラインの選手たちがしっかり穴を埋め、重要な貢献を果たしました。ライアン・グリーンとダックはそれぞれ今季2点目を挙げ、アルチョム・レフシュノフとルイ・クレヴィエは直近5試合で5アシスト目を記録。スペンサー・ナイトは今回も安定した守護神ぶりを発揮し、33本中31本をセーブして今季7勝目を挙げています。

 では、土曜のユナイテッド・センターでの逆転勝利のハイライトを振り返っていきましょう。

⭐第1ピリオド:勢いあるスタート!

 試合の立ち上がり、ブラックホークスはいつものようにアグレッシブに攻め込みます。今季18試合中13回目となる“先制点”を奪うなど、序盤から良いリズムをつかみました。

 最初のゴールは、アルチョーム・レフシュノフの素晴らしい個人技がきっかけ🎉彼が巧みにパックを運び、途中交代で入ったライアン・グリーンへパス。そのグリーンがワンタイマーで叩き込み、1−0とホームチームのブラックホークスが先制します!

 映像にはありませんが、この得点の裏には、第4ラインの働きも光っていました。ランドン・スラガート、ニック・フォリーニョ、サム・ラファーティのラインが長いオフェンシブゾーンでの攻防で、しっかりと流れをキープ。

 パック保持を維持する中でグリーンが交代でリンクに入り、レフシュノフからのパスをワンタイマーで叩き込み、ジョセフ・ウォルを破ったことになります。地味ながらも非常に効いたプレーでした💪

 序盤はブラックホークスが完全に主導権を握っていましたが、残り10分を切る頃からメープルリーフスも反撃ムードに。

 ブラックホークスのゴーリー、スペンサー・ナイトが何度も好セーブを見せるものの、残り47.8秒でついに1点を許してしまいます。ジョン・タバレスの押し込みに反応したニコラス・ロバートソンが、空中のパックを叩き落とす形でゴール。これで1−1の同点に。

 結果的にトロントは、SOGで14–10、得点機会で11–5、ハイデンジャー(高危険度)チャンス3で6–2と優勢に立ち、インターミッションに入った頃には完全に勢いがトロント側へと傾いていたのです。ブラックホークスにとっては、悔しい終わり方となったピリオドでした。

🔥第2ピリオド:押し返される展開に…

 第2ピリオドは、両チームにとって大きな意味を持つ時間帯でした。というのも、今季ここまでブラックホークスもメープルリーフスも、この「第2ピリオド」で失点が多く、なかなか流れをつかめていなかったからです。

 土曜の試合前時点では、ブラックホークスが19–12(失点–得点)で第2ピリオドだけで見ると得失点で劣勢、メープルリーフスはさらに悪く27–17で負け越していました。両チームにとって重要な20分になる雰囲気だったのです。

 そうした中で始まったこの20分。ブラックホークスは第1ピリオドと同じように、序盤はしっかり主導権を握り、再びリードを奪う決定機をいくつか作っています💡

◆攻め続けるも、決めきれず…
 特にレフシュノフが目立つ時間帯が続きました。彼は2度のシフトで複数回のチャンスを作り、攻撃の中心になっていきます。スピードを保ちながらプレーを展開し、ゴール前へのパスやシュートの意図がとてもはっきりしていました。

 しかし、シカゴはどうしても「あと一押し」が足りず、追加点が奪えません。

◆トロントが流れをつかむ
 そして中盤に差し掛かったところで、状況が変わります。前のピリオドと同じく中盤以降に再びトロントへ傾き始め、ブラックホークスを自陣に押し込む時間帯が続くように…。まるで永遠に続くかのように、シカゴは自陣から抜け出せない展開となってしまいました😣

 この重たい時間帯を切り裂いたのが、メープルリーフスのモーガン・ライリー。ゴール前でテラバイネンがライリーの内側のポジションを失ってしまい、こぼれたパックを押し込まれて2−1。トロントがついにリードを奪います。

◆物議を醸した“ハイスティック”判定
 重要なのは、この得点の直前。ウィリアム・ニランダーが空中のパックを処理し、オリヴァー・エクマン=ラーションへつなげた場面でした。

 ジェフ・ブラシルHCは、「ニランダーのプレーがハイスティック(高い位置でのスティック使用)ではないか?」とチャレンジ4します。もしハイスティックならプレーが止まり、得点は無効。ところが判定は覆らず、「映像からは判断できない」という結論に。

 今季すでにいくつか“判定に泣かされた”場面の多いブラックホークスにとって、「どう見てもハイスティックだろ…?」と思わずにいられないくらい、これもまたフラストレーションの残る場面でした😓

これが問題のハイスティックのシーン。うーん、たまたまのような、故意のような、何とも言えない感じ。

 こうして第2ピリオドは2−1で終了。ブラックホークスは再び追いかける展開で、第3ピリオドへ向かうことになります。

⚡第3ピリオド:逆転劇で会場が熱狂!

 いよいよ第3ピリオド。第1・第2ピリオドと同様、序盤からブラックホークスは勢いよく飛び出し、追いつくだけでなく逆転を狙います🔥そして同点に追いつくのに時間はかかりませんでした。

◆テラバイネンの華麗なゴール!
 フランク・ネイザーが驚異的な粘りでパック争いで勝利し、背面パスでスロットにいたテーヴォ・テラバイネンへつなぎます。テラバイネンはライリーを巧みにかわし、ウォルを破って今季4ゴール目をマーク!

 これでテラバイネンは3試合連続でポイントを記録し、好調さをアピールしました✨

◆ベダードもビッグチャンス
 その後も攻め続けるブラックホークス。コナー・ベダードは、イリヤ・ミキエフのフォアチェックによるターンオーバーから、この日最大の決定機を迎えます。しかし、ウォルが尻もちをつきながら奇跡のセーブで防ぎました😮

 さらにもう1回、ゴール&ポイント連続記録を伸ばすチャンスもありましたが、シュートはわずかにウォールの右肩に当たるだけ。惜しい場面が続きます。ウォルはしっかり反応したわけではなく“当たっただけ”のような形で助かった格好でした。

◆ダックが決めて逆転!
 数々の惜しいシーンの後、ついにブラックホークスが逆転に成功。ルイ・クレヴィエがブルーラインから放ったシュートをコルトン・ダックが見事にディフレクトし、今季2点目を記録。残り4分25秒で3−2とリードを奪いました🏒

 クレヴィエの、オフェンシブ・ゾーンでのシンプルなプレーの積み重ねが実を結んだ瞬間です。「ゴールにパックを放り込むと、良いことが起きる!」、まさにその通りのゴールでした。

讃岐猫
讃岐猫

🏁試合終盤&フォリーニョ長期離脱のニュース

 試合終盤、トロントは追加アタッカーを投入しましたが、ゴーリーのウォールがベンチに下がったのは残りわずか1分25秒と判断遅め5⏱終盤、ナイトが大きく崩される場面もなく、落ち着いた守りで、ブラックホークスはこのまま3−2で勝利。

 これで4連戦ホームスタンドの初戦を白星で飾ることができました✨一方、メープルリーフスは2021年4月以来となる5連敗となっています。

ブラックホークスvs.メープルリーフス戦のハイライト映像。どうも勝ちきれませんね、リーフス。

⚠️フォリーニョが長期離脱へ

 しかし、この日のユナイテッド・センターには明るいニュースだけではありません。第2ピリオド終了間際、ブラックホークスのキャプテン、ニック・フォリーニョが手でシュートをブロックした直後にロッカールームへ下がりました。

 第3ピリオド開始前に、フォリーニョはこの試合へ戻らないと発表されています。

 試合後、ブラシルHCはフォリーニョが手の負傷6で「しばらく戦列を離れる」とコメント。若いブラックホークスにとって重要なベテランリーダーであるフォリーニョは、約4週間の欠場見込みです。「ニックはしばらく離脱する。ざっくり言えば4週間くらい。少し短くなるかもしれないし、もっと長くなるかもしれない」とブラシルHC。

 フォリーニョはこの試合でも好調でした。FW陣トップの3本のSOGを記録し、チーム最高の“予想得点率(xGF%)91.07%”をマークしていた状態で離脱することになりました。直前のニュージャージー戦(延長戦負け)では2アシストを記録しています。

 フォリーニョ不在で、ブラックホークスは今後さらに若く経験の少ないメンバー構成を余儀なくされます。彼の欠場はチームのさまざまな面に影響を与えることになりそうです。

 ブラシルHCも「ニックが抜けるのは、リーダーシップ面でも大きな痛手だ。彼はロッカー内で素晴らしいリーダーであり、選手たちからの信頼が厚い。彼はコーチングスタッフの延長線上にいるような存在でもある。

 そしてもちろん、プレー面でも痛い。PP(パワープレー)でもPK(ペナルティキル)でも常に重要な役割を担ってきた…非常に大きな損失だが、これがこのリーグというものだ」と語りました。

まとめ

 ブラックホークスは第3ピリオドの逆転で勝利を収め、今季の追い上げ力を改めて示しました🏒✨第2ピリオドで一時リードを奪われたものの、選手たちの連携と冷静なプレーで流れを取り戻し、重要な勝ち点を確保。クレヴィエやネイザーの献身的な動きも光りました。

 一方でフォリーニョの負傷はチームに影響を及ぼすため、今後の戦いで若手の活躍がさらに求められそうです。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. シカゴ・ブラックホークスに特化した報道を提供するオンラインメディアで、NHLやチームとは公式には無関係の独立メディア。「National Hockey Now(NHN)」ネットワークの一部で、NHNは月間数百万のユニークユーザーを持つスポーツ・メディアグループ。

     編集長はグレッグ・ボイセンで、彼はブラックホークス専門の記者・ポッドキャスターとして長年活動しており、公平な視点とファン視点のバランスを重視している。また、サイトは事実確認を重視しており、すべての記事は信頼できる情報源、現地取材、または公認メディアを基にしており、専門スタッフと編集長による厳密な編集プロセスを経ている。

     Muck Rackなどのメディア・ディレクトリでも「24時間365日、ブラックホークスの最新ニュースを提供する信頼ある地元メディア」として認知されており、ローカルファンだけでなく広範な読者にとっての情報源となっている。
    ↩︎
  2. 北米メディアは、ブラックホークスの「第3ピリオド勝負力」について非常にポジティブな分析をしている。Bleacher Reportは、今季18試合連続で最終ピリオドに得点を挙げており、ビハインドで終盤に追いつく試合では実際に高確率で勝利を収めていると指摘。彼らは「逆転の申し子」としての一面を持つと評価されている。

     また、別の記事では、リーグ屈指のPK成功率やゴールテンダーの安定した守りが、最終ピリオドでの反発力を支えていると分析。一方で、Chicago Sun‑Timesは過去には最終ピリオドのショット比率で苦戦してきたとも報じており、今の強さは「過去の課題を乗り越えた証」との見方が目立つ。
    ↩︎
  3. 「high‑danger chances at even strength(イーブン・ストレングス時の高リスク得点機会)」とは、簡単に言えばゴールに非常に近く、得点につながる可能性が高い位置からのシュートやチャンスのことを指す高度な指標。

     具体的には、アナリティクス系サイト(例:Natural Stat Trick)などでは、パックをシュートする位置や状況に応じて「危険度(danger value)」が数値化されており、最も危険とみなされるエリア(スロット付近やゴール前など)からの攻撃チャンスが「high‑danger(高危険度)」と評価される。

     「even strength(イーブン・ストレングス)」とは、両チームが同人数でリンクに立っている通常の5対5の状況を意味する。つまりこの指標は、ペナルティなどの数的有利不利なしの状態で、最も得点効果が高いチャンスがどれだけ生み出されているか(または許容されているか)を分析するのに使われる。

     この指標は、単なるシュート数(量)ではなく「質」に着目しており、強力な攻撃力や守備力を分析するうえで重要です。たとえば、ブラックホークスについてThe Hockey Writersは「彼らはhigh-dangerチャンスを効率よく得点につなげる力があるが、生成頻度(量)が不足している」と指摘。
    ↩︎
  4. ブラックホークスが「ハイスティック(high stick)」によるファウルを主張して反撃したが、NHLの公式レビュー(Situation Room)はスティックが肩の「通常の高さ」を超えていなかったと判断し、判定を覆さなかった。

     この判断は、NHLのルール「Rule 80.1(high-sticking the puck)」に基づいており、映像解析の結果、Nylanderのスティック位置が「肩の高さ以上」と認められなかったため、ゴールが認められた。

     この件をめぐって、ファンや一部メディアの間にはフラストレーションがある。たとえば、ブラックホークス情報サイトBlackhawkup.comでは、「リプレイ映像では明らかにNylanderのスティックが高く見えるのに、なぜゴールが認められるのか」と疑問を呈する声が強く、「判定が機能していないのでは」「リプレイがあるのに審判の目が曇っている」といった辛辣なコメントも散見される。

     また、この失敗チャレンジのせいでブラックホークス側は「ビデオレビュー制度への信頼を疑う」という論点も浮上しており、ファンフォーラムや掲示板でも「この種のチャレンジ制度は意味があるのか?」という議論が活発になっている。

     詳細な技術分析まで掘り下げた大手解説記事は少ないものの、今回の判断を巡る論争は、「チャレンジを申請したチームが映像で有利に見えても、ルールの解釈と映像判断が一致しなければ覆らない」という制度の限界を浮き彫りにしている、という見方が多くある。
    ↩︎
  5. 北米メディアの論調を総合すると――この「残り1分25秒でゴーリー交代(追加アタッカー投入)」は決して珍しい采配ではなく、伝統的には多くの監督が採る通常の判断だと報じられている。

     しかし、幅広い分析では「早めにゴーリーを下げたほうが勝率を上げられる」との統計的裏付けが強調されており、今回のタイミングは“従来の慣習的な判断”に近いとも解釈されている(つまり保守的)。たとえば複数の解析・研究は、最適な投入タイミングは試合終了3分〜6分前という結果を示しており、早めに6人攻撃を仕掛けることで得点確率が上がるという結論が出ている。

     主要メディア(NHL公式記事やHockey-Graphsなど)は、この“早めに引く”トレンドを取り上げつつ、実戦ではコーチがリスク管理(空いたゴールを突かれるリスクや選手の疲労、相手の守備力)を考慮して判断するため、理論どおりに動けない事情もあると指摘。つまり「統計上はもっと早く引くべきだが、現場では状況判断が優先される」──というバランス論である。

     今回のメープルリーフスのケースを直接厳しく批判する大型メディア記事はあまりない。代わりに、分析寄りのメディアや研究者は「1分25秒は伝統的な範囲内だが、分析的には遅い」と述べる一方で、チームや監督が当該試合の状況(相手の攻撃頻度、パック支配率、時間帯の疲労/ペナルティの可能性など)を勘案して最終判断を下した可能性を示唆。

     まとめると、「統計的には『もっと早く追加アタッカーを入れるべき』という示唆があるが、現場の判断(守備リスクやゲーム状況)で1分25秒というタイミングになった。従って批判一辺倒ではなく、戦術的なトレードオフがあったと見るのが妥当」ということになる。
    ↩︎
  6. ブラックホークスのキャプテン、ニック・フォリーニョはメープルリーフス戦で左手を負傷し、チーム発表&報道によれば約4週間の離脱見込みとされている。ESPNやField Level Mediaなどによると、彼は第2ピリオド終盤に相手のシュートを手でブロックした際に痛みを訴え、そのままベンチへ。

     ブラックホークスのジェフ・ブラシルHCは「タフな男だが、あの時すぐベンチに下がったのを見て、相当まずいケガだと感じた」とコメント。また、穴埋めが必要となるフォリオーニョの不在について、Pro Hockey Rumorsは「チームはミッド層フォワードの重要な存在を失う」と指摘。

     要するに、リーダーである彼の離脱は精神面・実戦面ともに痛手となり得るが、チームは他のメンバーで戦力を補おうとしている、という状況。 ↩︎
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