はじめに
ミネソタ・ワイルドのホーム開幕戦は、久々の大波乱となりました🏒💥2点差を追いつく粘りを見せたものの、コロンバスのキリル・マルチェンコに翻弄され7対4で敗戦。若手のブイウムやカプリゾフ、ボールディの活躍も光りましたが、守備面の課題が浮き彫りに。
復帰したブロディンや成長途中のジリチェクなど、今後のチーム強化にも注目です✨
参照記事:The Athletic「Zeev Buium scores first NHL goal, but Wild fall short: Takeaways vs. Blue Jackets」
ホーム開幕戦で見えた課題と興奮の瞬間🏒✨
ミネソタ・ワイルドのグランドカジノ・アリーナ1で行われた25回目のホーム開幕戦は、これまでの24試合とは全く違った雰囲気でした。
これまでほとんど負け知らずだったワイルドのホーム開幕戦でしたが、この日は2点差を追いついたものの、最終的にはコロンバスの“もう一人のキリル”、キリル・マルチェンコが大活躍。ブルージャケッツが7対4で勝利を収めました😊。
試合前には、チーム創設時のコーチ陣と初代ゼネラルマネージャー2を称えるセレモニーも行われ、ファンにとって特別な時間になったものの、試合自体ではワイルドの本拠地開幕戦の強さは発揮できず。
マルチェンコは第2ピリオドで2ゴール、最終ピリオド序盤にはハットトリックとなる3点目を決め、ワイルドは本拠地開幕戦の通算成績を18勝3敗4分としました。
さらに、この試合まで、ブルージャケッツとの直近11試合では延長を含め一度も負けなし(9勝0敗2分)という記録も途切れ、ファンにとっては衝撃の結果に。
攻撃の勢いと守備の緩さ⚡🛡️
カプリゾフ、ロッシ、ボールディのラインは、時おり攻撃で勢いを見せましたが、守備では甘さが目立ちました。第2ピリオド残り1分12秒にはマルチェンコの2点目を許し、コロンバスに3対2と勝ち越されます。
さらに第3ピリオド開始わずか1分11秒でザック・ワレンスキーに追加点を決められ、4対2とリードを広げられてしまいました。その後のパワープレーでもマルチェンコがハットトリックを達成し、試合の流れは完全にブルージャケッツに傾きました。
ゴールキーパーの状況も厳しかったです。前戦セントルイス戦では完封勝利を飾ったフィリップ・グスタフソンは、今回は31本のシュートを受け6失点と崩れました。
一方、コロンバスのエルヴィス・メルズリキンスはワイルドのチーム記録となる52本のシュート3中48本を止め、特に第2ピリオドでは圧巻のプレーを見せています。その時間帯、ワイルドが一時シュート数で15対1と圧倒していた場面にもかかわらず、その勢いをねじ伏せる活躍を見せました。
ルーキーのジーブ・ブイウム4は、ジョエル・エリクソン・エクからのパスを受けて自身初となるNHL初ゴールを決め、その後のチーム4点目となるパワープレーゴールにもアシストを記録。しかし、どちらもチームが3点差を追う展開での得点でした。
ボールディとカプリゾフは2試合連続で3ポイントをマーク。ボールディは1ゴール・2アシスト、カプリゾフは今季初ゴールを含む2ゴール・1アシストを記録し、攻撃面では確かな存在感を示しました。
ワイルドvs.ブルージャケッツ、ハイライト映像です。第3ピリオドは激しい点の取り合いになって、見応えのある試合でした。
フェイスオフの苦戦とパワープレーでの反撃🥅💥
試合でワイルドはフェイスオフの場面で徹底的に苦しめられています5。
全71回中44回を失い成功率は38%にとどまりました。ロッシは21回中15回に敗れ(成功率28.6パーセント)、エリクソン・エクも21回中14回を落とし(成功率33パーセント)、センター陣が軒並み抑え込まれる場面が続きました。
次戦は(ワイルドのゴーリーとして)イェスパー・ウォルステッドが今季初先発の可能性が高いとみられ、月曜夜にはロサンゼルス・キングスを本拠地で迎えます。翌火曜にはダラス遠征が控えており、ここから5試合連続のロードトリップが始まります。チームは日曜を休養日にあてる予定です。
第2ピリオド、ワイルドのパワープレーがついに機能し、反撃のきっかけをつかみました。第1ピリオドでも1対0の劣勢から2度のチャンスはあったのですが、そのときはフェイスオフで10回中3回しか勝てず、流れを作れていません。
さらに19歳のブイウムは第1ユニットの司令塔6を任されたものの、若さが出る場面も多く、まだ経験を積む必要があることを示しました。最初のパワープレーではシュートを外し、味方のサポートがないまま1対1を仕掛けて転倒。
続くプレーではドロップパス7を受け損ね、さらに2本のパスミスでターンオーバーを招くなど、苦しい立ち上がりだったのです。

フェイスオフでなかなか勝てないのは厳しいにゃ。サッカーで言えば、フリースローやフリーキック(コーナーキックも)のようなもので、それをことごとく相手にカットされている訳だから、いろいろ考えられるけど、連携面がまだまだなのかな。昨シーズンからブイウムにはいい経験積ませてるねぇ、ミネソタの育成はかなり本気です。
しかし、第2ピリオドで、やっとチームのパワープレーが機能します。
ザック・ボゴシアンがスラッシング8の反則を誘ってチャンスを得ると、カプリゾフがシュートを放ってメルズリキンスを手こずらせ、リバウンドに詰めたエリクソン・エクとボールディが連携し、ボールディは今季2点目を叩き込みました。
元ワイルド監督・現ブルージャケッツ監督ディーン・エヴァソン9はゴーリーインターフェアのチャレンジ10を要求しましたが、リプレーではエリクソン・エクのスケートがクリース11外でメルズリキンスに触れただけで、干渉には当たらないことが確認されています。
この誤ったチャレンジによりワイルドは再びパワープレーを獲得します。さらにエリク・グドブランソンがパックをスタンドに飛ばす反則を犯すと、ボールディのパスを受けたカプリゾフが角度のない位置から無人のゴールへ得点。
このプレーで、ワイルドは攻撃のリズムを取り戻しました。メルズリキンスはパックを見失い、前でエリクソン・エクが視界を遮っていたため、まったく反応できなかったのです。
第3ピリオドの反撃とハートマンの存在感🔥🏒
第3ピリオド中盤、ブイウムは再びパワープレーで得点を決め、ワイルドは2点差まで詰め寄ります。しかし、そのわずか1分後、フェイスオフで失敗した直後にブーン・ジェナーのシュートがアダム・ファンティリに当たり、ゴールに吸い込まれ、再び3点差をつけられてしまいました。
ハートマンはシーズン中盤さながらのコンディションでプレーし、攻撃のキレだけでなく、相手をいら立たせる“厄介な存在”としての役割も果たしました。
その象徴的な場面があった第2ピリオドでは、コロンバスのゴーリーインターフェア・チャレンジ失敗により得たパワープレーの際、フェイスオフ直後にグドブランソンのスケートにスティックを引っかけ、相手がバランスを崩してパックをスタンドに飛ばす「遅延行為」12を誘発したのです。
倒れたグドブランソンを見下ろすように手をひらひらさせて挑発し、さらにその状態でスティックを相手の腹部に当てて追い打ちをかけました。
これに怒ったグドブランソンはハートマンの背中をクロスチェック13。審判は報復行為に対しては軽い判断を下していますが、直後のパワープレーでカプリゾフが同点ゴールを決め、結果的にハートマンの“挑発”がチームに勢いを与える形となりました。
これが問題のシーン。グドブランソンはたまったもんじゃない。審判に「何で?あいつの方が酷いだろ?」って言ってそう。
開幕戦のセントルイス戦でも2得点を挙げたハートマンは、この試合でもチーム随一の安定したラインを率い、7本のシュートを放つなど攻撃面で存在感を示しました。それでも試合全体ではディフェンスの緩さは解消されず、追い上げの勢いを守り切ることはできませんでした。
一方、この試合でヨナス・ブロディンが復帰。昨季から悩まされていた上半身のケガを6月に手術した後、世界選手権で再び悪化させていましたが、この第2戦で今季初出場を果たしました。
ブロディンは即座にトップペアとしてブロック・フェイバーと組み、ジェイク・ミドルトンは第3ペアに。ブイウムはキャプテンのジャレッド・スパージョンとペアを組む形となりました。
ブロディン復帰と若手ジリチェクの成長🌟🧩
ブロディンは復帰について「10月中旬を復帰の目安にしていたけど、リハビリが順調で、ここ2週間くらいはとてもいい感覚だったんだ。100パーセントの状態に戻してから復帰したかったんだが、今はすごく調子がいい。準備はできています」とコメント。
チームにとっても心強いニュースとなりました。
ブロディン復帰に伴い、21歳のディフェンスマン、デイヴィッド・ジリチェク14はこの試合でラインナップを外れることになりました。
古巣コロンバスを相手に出場できないのは悔しかったはずですが、開幕戦のセントルイス戦でプラス3を記録していたにも関わらず、プレシーズンと同様に一試合に一度は大きなミスをしてしまう課題が残っています。
ただ、この日ジリチェクは貴重な時間を過ごしました。ジリチェクはプレスボックスでワイルドの選手育成アドバイザーを務める、元NHLディフェンスマンのアレックス・ゴリゴスキー15とともに試合を観戦。
ゴリゴスキーは試合中ずっと隣で氷上の状況を指さしながら、あらゆるプレーの意味を解説し、これはジリチェクにとって貴重な学びの時間となりました。彼には高いポテンシャルがありますが、同じタイプのミスを繰り返してしまう癖を直し、成長することが求められます。
ジョン・ハインズ監督も「もちろんミスはあるが、それが必ずしも失点につながっていないのは救いかな。私たちが話してきたポイントのいくつかでは確実に進歩が見られるよ。
チーム内の競争も激しく、今は8人のディフェンスがいて、デイヴィッドやジーブ、それに(デーモン)ハントのような若手もいるし、誰が出場するかは簡単に決まらない。全員が試合でプレーできる力を持っている」とコメント。
若手とベテランが競い合いながらチームの完成度を高めていく姿がうかがえます。
まとめ
ワイルドは攻撃陣の個々の活躍で見せ場を作りつつも、守備やフェイスオフでの課題が勝敗を分けました🛡️💔ハートマンの巧みなプレーや若手選手の学びの場面も印象的で、チーム内の競争と成長がこれからの鍵となりそうです。
ブロディン復帰により守備の安定も期待でき、今後の試合でどのようにチーム力を発揮するか注目です✨

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 旧Xcel Energy Center。アメリカ・ミネソタ州セントポールに位置する多目的アリーナで、2000年に開場。収容人数は17,954人で、アイスホッケーのミネソタ・ワイルドの本拠地として知られている。
2025年9月3日より、ミネソタ・ワイルドとグランド・カジノ・ミル・ラックスおよびヒンクリーを所有するオジブウェ族のミル・ラックス族との14年間の命名権契約により、アリーナの名称が「グランド・カジノ・アリーナ」に変更された。
このアリーナは、NHLの試合をはじめ、NCAAのフローズン・フォーやWNBAのミネソタ・リンクスの試合など、多くのスポーツイベントやコンサートが開催されてきた。また、2023年にはプロフェッショナル・ウィメンズ・ホッケー・リーグ(PWHL)のミネソタ・フロストの本拠地としても使用されている。
環境への配慮も進んでおり、2017年にはグリーングローブ認証を、2019年にはLEEDプラチナ認証を取得。さらに、2020年にはイベント業界の持続可能性基準であるEIC SESゴールド認証も受けている。これらの取り組みにより、アリーナとセントポール・リバーセンターは、世界で初めてこれら三つの認証を同時に取得した複合施設となる。
↩︎ - 2000年の創設時にジャック・レメールを初代ヘッドコーチに任命した。レメールは、モントリオール・カナディアンズでの豊富な経験を活かし、チームの初期の成功に大きく貢献。また、初代ゼネラルマネージャーにはダグ・ライスブロー(Doug Risebrough)が就任し、チームの構築と発展に尽力した。
ダグ・ライスブローは選手引退後、コーチングとフロントオフィス業務に転身。1991年から1995年までカルガリー・フレイムスのGMを務め、その後エドモントン・オイラーズの副社長を経て、1999年にミネソタ・ワイルドの初代ゼネラルマネージャーに就任した。2003年にはチームの親会社であるミネソタ・スポーツ・アンド・エンターテイメントの社長に昇進したが、2009年に退任。
↩︎ - これまでの記録は、2015年2月3日のシカゴ・ブラックホークス戦で記録された49本。この試合では、ワイルドが3-0で勝利している。今回のブルージャケッツ戦で記録された52本中、カプリゾフは11本のシュートを放ち、個人最多記録を更新。
↩︎ - 2005年12月7日生まれ、米国とイスラエルの二重国籍を持つ若手ディフェンスマン。2024年のNHLドラフトでミネソタ・ワイルドに12位指名された。
アメリカ国立育成プログラム(USNTDP)で若手として成績を残し、大学ではデンバー大学(Denver Pioneers)でプレー。2023-24シーズンにNCHCルーキー・オブ・ザ・イヤーやオフェンシブ・ディフェンスマン賞を受賞し、攻撃型ディフェンスとして注目を集めた。
2025年にはワイルドと入団契約を結び、NHLデビューを果たした。国際舞台でも活躍しており、U18・U20代表としてアメリカ代表に選ばれ、世界ジュニア選手権で2大会連続の金メダル獲得に貢献。
↩︎ - アイスホッケーにおけるフェイスオフ(ドロップ)は、試合の流れを左右する重要な局面である。成功率は選手の技術や経験を示す指標となり、特にセンター選手にとっては重要なスキルとされている。
例えば、2024-2025シーズンの統計によると、最も高い成功率を記録したのはオタワ・セネターズのクロード・ジルーで、成功率は61.5%。他にも、ニューヨーク・アイランダーズのジャン=ガブリエル・パジョー(59.6%)、ニューヨーク・レンジャーズのヴィンセント・トロチェック(59.3%)などが上位にランクインしている。
一方、ワイルドの10月11日・ブルージャケッツ戦のフェイスオフで44回中27回を失い、成功率38%というのは、上記のリーグ平均と比較して低い水準であり、ワイルドのセンター陣がこの試合でフェイスオフで苦しんだことを示している。
↩︎ - 第1ユニットとは、チームの中で最も優れた選手たちで構成されるラインやペアのこと。これらのユニットは、試合の重要な場面で活躍することが期待され、特にパワープレーや試合終盤など、得点が必要な局面で投入されることが多い。
第1ユニットの選手たちは、スキルや経験が豊富で、試合の流れを変える力を持っている。そのため、コーチは試合の状況に応じて、第1ユニットを効果的に活用し、チームの勝利に導くことを目指す。
↩︎ - パックを保持している選手が意図的にそのパックを後方に落とし、後ろから追い越してきた味方選手に受け渡すプレーのことを指す。この戦術は、攻撃のスピードを維持しつつ、相手ディフェンスを引き寄せてスペースを作り出すことを目的としている。
特に、パワープレーや速攻の際に有効とされ、相手の守備を崩すための重要な手段となる。ただし、ドロップパスを成功させるためには、パスのタイミングや味方選手との連携が重要であり、練習と経験が求められる。
↩︎ - スティックで相手の体や手、足を叩いてしまう反則のこと。強く叩かなくても、相手の体に当たれば反則とみなされ、危険な行為として扱われる。そのため、多くの場合は2分間のマイナーペナルティとなる。
一方のトリッピングは、スティックや足を使って相手をつまずかせ、転倒させてしまう反則。よくあるケースとして、スティックを相手のスケートに引っかけて倒してしまうプレーが挙げられる。こちらも基本的にはマイナーペナルティで、2分間の退場。
↩︎ - 1964年8月22日、カナダ・マニトバ州フリン・フロン生まれ。1982年のNHLドラフトでワシントン・キャピタルズから5巡目全体89位で指名され、1983年から1996年までNHLで活躍した。
主にセンターとしてプレーし、ワシントン・キャピタルズ、ハートフォード・ホエーラーズ、サンノゼ・シャークス、ダラス・スターズ、カルガリー・フレイムスでプレー。特にハートフォード・ホエーラーズでは、87ゴール、165アシスト、261ポイントを記録し、20ゴール以上を2度達成するなど、攻撃面でも貢献した。また、スイスのEVツークやドイツのEVランツフートでもプレーし、1999年に現役を引退。
引退後はコーチ業に転身し、1999年からカナダのウェスタン・リーグであるWHLのカルガリー・ヒットメンでアシスタントコーチとしてキャリアをスタートさせた。その後、カムループス・ブレイザーズ、バンクーバー・ジャイアンツでヘッドコーチを歴任し、2005年にはワシントン・キャピタルズのアシスタントコーチに就任。
2012年からはAHLのミルウォーキー・アドミラルズのヘッドコーチを務め、6シーズンでチームの2番目に多くの勝利を挙げた。2018年にはミネソタ・ワイルドのアシスタントコーチに就任し、2020年2月14日にインターム・ヘッドコーチに任命された。
同年7月13日には正式にヘッドコーチに昇格したが、2023年11月27日にチームの成績不振により解任。その後、2024年7月22日にコロンバス・ブルージャケッツのヘッドコーチに就任。
↩︎ - 監督が審判の判定に対して異議を唱え、ビデオ判定を要求する制度。この制度は、2015年にNHLで導入され、主にゴールの有効性に関する判定に使用される。具体的には、オフサイドやゴールテンダーの妨害、ゴールが認められなかった場合などが対象。
チャレンジを行うには、監督が審判に対してその意向を示し、ビデオ判定が開始される。判定が覆された場合、チャレンジを行ったチームはタイムアウトを保持し、次回のゴールテンダーの妨害に関する判定でもチャレンジを行うことができる。ただし、チャレンジが失敗した場合、チームには2分間のマイナーペナルティが課せられる。
また、チャレンジは試合の最終1分間や延長戦では使用できない。
↩︎ - ゴールエリア周辺の特定のゾーンを指す。このエリアは、ゴールキーパーの安全を確保するために設けられており、攻撃側の選手が無断で侵入することを防ぐ役割がある。
クリースは、ゴールポストを中心に半円形をしており、ゴールキーパーがシュートを防ぐ際に必要なスペースを提供。攻撃側の選手がこのエリアに不正に入ると、ゴールが無効となる場合や、ペナルティが科せられることがある。
↩︎ - パックをスタンド(観客席)に飛ばす行為は、「遅延行為(delay of game ペナルティ)」の典型例のひとつとされる。このルールでは、守備側の選手が意図的にパックを防御ゾーンからガラスを越えてスタンドに飛ばすと、2分間のマイナー・ペナルティが科されることがある。
この規定の目的は、プレーを不公平に止める行為を抑制すること。たとえば、守備圧を避けるためにパックを外野に投げ出すような「逃げのプレー」を防ごうというもの。なお、パックがガラスに当たって跳ね返った場合や、ベンチ方向に送られた場合などは、遅延行為とみなされずペナルティ対象外になるケースもある。
↩︎ - 選手がスティックのシャフト(柄の部分)を両手で握って、氷に接していない状態で相手に強く当たるよう押し込む反則行為。通常は軽度なものなら2分間のマイナーペナルティが課されるが、審判が故意や危険性を感じた場合、5分のメジャーやマッチ・ペナルティになることもある。
また、クロスチェックには判断の難しさがある。スティックが氷に触れていないか、両手でしっかり握っているか、どの程度の力で当てたかなど、審判の裁量で反則とみなすかどうかが決められるから。負傷が発生すれば、さらなる処分(罰金や出場停止)につながる可能性も高い。
↩︎ - 2003年11月28日生まれのチェコ出身ディフェンスマン。2022年のNHLドラフトでコロンバス・ブルージャケッツから全体6位で指名された。
若手時代はチェコの強豪クラブHCプルゼニ(HC Škoda Plzeň)でプロデビュー。エクストラリーガ(チェコリーグ)で好成績を残し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーも受賞。北米では、AHLのクリーヴランド・モンスターズを経て、NHL初出場も果たしている。
国際大会では、2022年のIIHFワールド選手権でチェコ代表として銅メダルを獲得し、ジュニア(U20)大会では2023年世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得。その大会で最高ディフェンス賞にも選ばれている。
2024年11月、彼はコロンバスからミネソタ・ワイルドへトレードされ、チーム構成の一翼を担う若手ディフェンスとして期待されている。
↩︎ - アメリカ出身の元NHLディフェンス選手で、17シーズンにわたりペンギンズ、スターズ、コヨーテズ、ワイルドなどで活躍した。2004年にピッツバーグ・ペンギンズから2巡目(61位)で指名され、大学ホッケーを経てプロ入り。
2009年にはペンギンズでスタンレーカップ優勝を経験。ワイルドには2021年に加入し、引退後は選手育成アドバイザーとして若手を指導していた。
↩︎