はじめに
2025-26シーズンのNHLシーズン開幕を目前に控え、複数のスター選手たちがケガによる欠場が濃厚となっています。各チームの戦力バランスに影響を与えるのは必至で、特に、エドモントン・オイラーズの欠場は、多方面に影響を及ぼしそうです。
開幕ダッシュを狙うチームにとって、選手不在は深刻な問題。この記事では、注目の5選手のケガの詳細とチームへの影響をわかりやすくまとめました。
参照記事:The Hockey News「Five Injured Players Who Will Miss Time To Start The 2025-26 NHL Season」
🌟新シーズン開幕直前!気になる主力選手たちのケガ情報まとめ【2025-26シーズン】
NHLのシーズンは、過酷なレギュラーシーズン82試合に加えて、場合によっては長引くプレーオフもあるなど、超ハードスケジュール💥
選手たちの体を深刻な怪我や慢性的な痛みから回復させる、オフシーズンは“休養と回復”の貴重な時間です。
とはいえ、すべての選手がそううまくいくとは限らず、十分な回復時間を得られるわけではありません。中にはオフシーズン中のトレーニングでケガをする選手もいれば、シーズン中のダメージが残っていて、オフシーズンの期間、完全な回復には不十分なケースもあるかもしれません。
怪我を抱えたまま新シーズンに突入することは、選手にとって不利に働きます。多くの選手は、トレーニングキャンプやプレシーズンを利用してコンディションを整え、シーズン開幕時にはリズムを掴んだ状態で臨むのです。
今回は、2025-26シーズンの開幕に間に合わない、あるいは出遅れる可能性のある注目選手5人をピックアップしてご紹介します!📋
🐾マシュー・カチャック(左ウィング、フロリダ・パンサーズ)
まず注目なのは、フロリダ・パンサーズのスターウィンガー、マシュー・カチャック。2025年の「4ネーションズ・フェイスオフ」で下半身を負傷し、カナダとの決勝戦では無理を押して出場を試みましたが、残念ながらプレーを続けるには厳しかった1ようです。
レギュラー・シーズンに入り、痛みに耐えきれず途中離脱…(52試合出場、22ゴール・35アシスト)。この怪我により、プレーオフまで欠場という長期離脱を余儀なくされ、27歳の彼はプレーオフでようやく復帰しました(23試合出場、8ゴール・15アシスト)。
マシューの負傷については、こちらでも語っています。
復帰後も明らかに怪我の影響が残っていて、パフォーマンスに本調子とは言えない様子が見られ、パンサーズの優勝シーズン終了後に本人が明かしたのは、「スポーツヘルニア」と「股関節内転筋の断裂」。なんと、筋肉が骨から完全に剥がれていたそうです😱
手術を受けるかどうか慎重に検討した結果✍️、最終的には手術に踏み切り、現在は懸命にリハビリ中。
回復過程は非常にハードで、2度の100ポイントシーズン(2021-22シーズン、104ポイント〈カルガリー・フレームス在籍時〉。2022-23シーズン、109ポイント)を記録したこのスター選手の復帰予定時期は2026年1月の予定で、ちょうど冬季オリンピック直前の1月のタイミングになりそうです😊。
パンサーズはNHLで最も選手層の厚いチームなので、しばらくは彼の不在をうまく補えるかもしれませんが、プレーオフ進出争いが本格化する4月には、カチャックの存在が重要になるかも…👀
🛡ラスムス・リストライネン(ディフェンス、フィラデルフィア・フライヤーズ)
フライヤーズのベテランディフェンスマン、ラスムス・リストライネンも開幕に間に合わない可能性がある選手のひとり。2024-25シーズン終了前に右腕の上腕三頭筋を断裂し、30歳の彼は3月26日に修復するための手術。最終的な段階の手術は4月24日に完了したと発表されました。
復帰までの予定は約6か月とのこと。
フライヤーズが発表した回復予定は6か月で、トレーニングキャンプには不参加が確定しており、シーズン開幕時の出場可否もまだ不透明2です。
フライヤーズへの期待は今季もまた低いです。チームは現在、リック・トケット新監督のもとで再建期に突入、チームは新時代の幕開けを目指しています。その中心には期待の若手、マトヴェイ・ミチコフをはじめ、まだチームに合流していない若手有望選手たちがいます。
リストライネンはキャリアの中で波が多く、苦戦する場面もありましたが、信頼できる右利きのベテランDF。復帰すればトケットの下で多くの出場時間を担うと見られていますが、彼の不在はフライヤーズのディフェンス陣をさらに脆弱なものにし、チームにとって悩みの種になりそうです😔
リストライネンの不在で守備力が落ちる・落ちないの議論はさておき(フライヤーズは元々ザル守備なんだし)、それより「貴重な右利きディフェンスマン」が1枚いないのは痛い。
🛠ザック・ハイマン(左ウィング、エドモントン・オイラーズ)
オイラーズのコナー・マクデイビッドは現在契約交渉の真っ最中で、去就に関するさまざまな決断を検討3しています。彼の最大の関心事は現在、チームが本当に優勝を狙えるかどうかを見極めている真っ最中。
もしハイマンが2025-26シーズンの開幕に間に合わなければ、オイラーズは苦戦を強いられる可能性が高く、マクデイビッドの決断も一層難しいものになるでしょう…💬。
オイラーズの主力フォワード、ザック・ハイマンは、ダラス・スターズとのウェスタン・カンファレンス決勝で手首を脱臼し、靭帯も損傷。これにより、スタンレーカップ決勝の残り時間を欠場し、手術を受けました。
現在もリハビリ中ではありますが、シーズン開幕に間に合うかどうかは微妙なライン。ハイマンがいない状態でのスタートは、オイラーズにとってかなりの痛手となります。

オイラーズはいつもスタート・ダッシュの悪い上に、ハイマンがいないとなると、攻撃偏重型チームとしては厳しいかもにゃ。マクデイビッド&ドライザイトルの両巨頭への負担が大きくなるのは必至だし、そのマクデイビッドが契約交渉の席でなかなか首を縦に振らないとなると、チームの雰囲気にも疑問符を打たざるを得ない。
❄️アダム・ロウリー(センター、ウィニペグ・ジェッツ)
ウィニペグ・ジェッツのキャプテン、アダム・ロウリーも開幕には間に合わない見込みです。チームがプレーオフ第2ラウンドでダラス・スターズに敗れた後、股関節の手術を受け、復帰までには5〜6か月と発表されました。
早くても10月末までは欠場となるため、開幕からしばらくはチームを離れることに。
昨シーズンのロウリーは自己最多ゴールを記録し、優れた2ウェイセンターとして守備でも攻撃でも大活躍。彼はジェッツの「心臓部」とも言える存在であり、その不在がもたらす影響は、一般に思われている以上に大きいのです。
相手の主力フォワードを抑える役割を担い、マーク・シャイフェルやカイル・コナー、ガブリエル・ヴィラルディらが攻撃に集中できる環境を作る、まさに“縁の下の力持ち”💪
ロウリーがいない状態では、指揮官のアーニエルにとってもこの3人に攻撃的な役割を与えるのが難しくなるかもしれず、戦術面での調整4が求められそうです。
🌲ヨナス・ブロディン(ディフェンス、ミネソタ・ワイルド)
最後に紹介するのは、ディフェンスに定評のあるミネソタ・ワイルドのベテラン、ヨナス・ブロディン。32歳の彼は世界選手権終了後に上半身を負傷し、それを修復するための手術を受けたことで2025-26シーズンの開幕には間に合わないことが確定5しています。
ブロディンはNHLでも屈指の守備的ディフェンスマンで、ワイルドにとっては欠かせない存在。ですが、チームは守備陣の選手層が厚く、ブロディンがいなくとも競争力を維持できる可能性があり、若手の育成にも前向き✨
特に注目は、期待の若手ゼーヴ・ブイウム。彼をゆっくりとNHLに適応させたいと考えていましたが、ブロディンの不在により、いきなりトップ4のDFとして大きなチャンスが回ってくるかもしれません。彼の成長にも注目です🔍
スウェーデンの背番号25。ブロディンがいなくても大丈夫、みたいに記事には書かれているけど、ブイウムにいきなり代役は無理。ワイルド、絶対ピンチだと思う。
🏒まとめ〜シーズン開幕は波乱の予感?
毎年のことながら、ケガによる主力選手の欠場はチームにとって大きな試練。2025-26シーズンも、すでに複数のスター選手たちが開幕に間に合わない見通しです。
ただ、NHLは予想を裏切るドラマの連続。新たなヒーローの誕生や、若手の台頭があるのもまた魅力。復帰を待ち望むファンの声に応えるような熱いプレーを、今シーズンも楽しみにしましょう🔥

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- マシュー・カチャックは2025年2月の「4ネーションズ・フェイスオフ」開催中、アメリカ代表としてのカナダ戦で下半身を負傷し、試合終盤(第3ピリオド残り約12分)にベンチを離れた。この負傷により、その後の大会の出場も見送られるなど状態は不透明だった。
フロリダに戻った後も影響は大きく、シーズン終盤は長期離脱に至り、レギュラーシーズン最後の約25試合を欠場することに。しかしプレーオフでは第1ラウンドの開幕戦に間に合って出場を果たし、復帰後も明らかに万全ではなく、負傷の「残り火」を抱えたままのプレーが続いた。
シーズン終盤〜プレーオフ後に本人が明かしたところでは、実際の診断で「恥骨付近のアダクター(内転筋)を骨から剥がすような断裂(torn adductor off the bone)」と同側のスポーツヘルニアが確認されており、非常に重度の下半身障害だったとされている。
↩︎ - このたびの故障は、2024-25シーズンの終盤に発覚したリストライネンの右上腕三頭筋(トライセプス)腱の断裂に端を発している。この怪我により彼はシーズン終盤のレギュラーシーズン最後の16試合を欠場する形となり、プレーを継続することはできなかった。
その後、2025年3月26日、ロサンゼルスにてネイル・エラトラッケ医師により手術が成功裏に執り行われた。手術を受けた選手側・チーム側による発表および報道では、術後のリハビリを含めた回復期間が約6ヶ月と見込まれており、この見通しにより2025年トレーニングキャンプは欠席、そして新シーズンの開幕にも間に合わない見込みであることが明言された。
過去にリストライネンは同じトライセプスの怪我で前シーズンにも手術を受け、約3ヶ月の復帰期間を経てトレーニングキャンプに間に合った経緯がある。そうした前例と比べて、今回の再断裂に伴う6ヶ月という長期復帰見通しは非常に重い事態であり、怪我が再発し、前回の回復が十分ではなかった可能性を示唆する内容として注目されている。
フライヤーズのGMダニエル・ブリエールは、リストライネンが完全な回復を遂げることを期待していると声明しつつも、チーム編成の観点からは開幕スタートに欠けることは大きな痛手であると認識している。この欠場はディフェンス陣に空席を生むため、チームは若手や他選手による代替を模索せざるを得ない状況。
↩︎ - コナー・マクデイビッドは現在、契約最終年を迎える中で「すべての選択肢がある」と公に述べ、短期契約も長期契約も視野に入れつつ、家族や優勝の可能性を踏まえて慎重に判断していると伝えられている。
本人は「勝ちたい」という意志を繰り返しており、契約の期間と年平均額のどちらを重視するかのバランスを模索しているため、クラブ側と時間をかけて協議している状況。
オイラーズ経営陣は現時点で過度に動揺していないと表明しており(クラブ幹部はマクデイビッドが最終的に残留するだろうと楽観視)、チームは選手に圧力をかけずスペースを与えて交渉を進める姿勢を示している。
一方で交渉の先延ばしはファンやリーグ内の注目を集めており、無理に急がせるべきではないという見方と、開幕までに決着をつけてほしいという不安の両方が出ている。
↩︎ - ジェッツの頼れる両面型センター、アダム・ロウリーは、2024-25シーズンに16ゴール、プラス18評価とキャリアハイの数字を残している。プレーオフ初戦では第7戦の延長第2オーバータイムで勝ち越しゴールを決めるなど、試合のカギを握る活躍を見せただけに、その不在は戦略上も少なからず痛手となる。
ロウリーは第3ラインで相手のトップ選手を抑え込む“マッチアップセンター”の役割を担い、そのおかげでシェイフェレやコナー、ヴィラルディら攻撃陣が自由に仕事をできていた構図。彼が抜けることでアーニエル監督はその構造を再構築せざるを得ず、攻守ラインの編成や若手の起用、戦術プラン全体を見直す必要に迫られる。
幸いなことに、ロウリーは術後3か月時点で軽いスケートに復帰しており、復帰が前倒しになる期待もあるが、すぐに開幕戦に間に合わせるには慎重な調整が求められる状況。
↩︎ - ブロディンは2025年のIIHF男子世界選手権でスウェーデン代表として出場し、大会では3ゴール・7ポイントを記録するなど出場していしたが、大会後とオフシーズンのトレーニングを経て上半身の症状が再燃し、チーム側の判断で上半身の手術を受けたとGMのビル・ゲーリンが明かしている。
関係者の説明によれば、問題は大会中に「出場可能」とされた箇所がその後に“ぶり返した(flared up)”形で、レギュラーシーズン中に継続していた軽微な違和感や負担が積み重なった可能性が示唆されている。
そのため、表面上は世界選手権出場を果たしていても術後の回復を優先する判断が取られ、チームは開幕序盤での欠場を見込んで準備を進めている。 ↩︎