ミチコフが2年目で大ブレイクへ!NHLファン注目の3要因

現役スター選手紹介

はじめに

 2024–25シーズン、20歳でNHLデビューを果たしたフィラデルフィア・フライヤーズのマトヴェイ・ミチコフは、80試合で63ポイントを記録し、鮮烈な印象を残しました。数字以上に輝いたその才能には、すでに次なるブレイクを期待する声が多数。

 もちろん、“2年目のジンクス”という言葉もありますが、新監督の指導の元、“2年目の飛躍”を期待しています!今季、彼が真のスター選手へと進化するための3つの鍵とは──?

参照記事:The Hockey Writers.com「3 Reasons Flyers’ Matvei Michkov Will Be NHL’s Top Breakout Star in 2025-26

フィラデルフィアの新星!マトヴェイ・ミチコフが“次なるスター”になる理由 🌟

 2024–25シーズン、フィラデルフィア・フライヤーズでデビューを果たした20歳のマトヴェイ・ミチコフは、80試合で63ポイントという立派な成績を残しました🌟。まだ英語を学びながらの挑戦という中で、これほどの結果を出したのは驚きです✨

 けれど、彼のポテンシャルは数字以上に大きいものがあります。本当のミチコフは、もっとすごい。2025–26シーズンには、NHLでもトップレベルの“ブレイクアウトスター”になるかもしれないと、すでに注目されています。

 今回は、その理由を3つのポイントに分けてご紹介します!

理由①:スランプはただの偶然だったかも?😳

 ミチコフには、ちょっとした壁もありました❄️。2024–25シーズンの12月11日から翌年2月5日までの間、彼は26試合でたった7ポイントという大きな得点力不足に陥りました。ファンとしてはちょっと心配になりますよね…。

 しかし、これは一時的なもので、深刻にとらえる必要はなさそうです。このスランプの原因は、かなりの「運の悪さ」によるものでした。いわゆる「スネークビット(不運続き)」という状態で、良い状態を続けられない状況に陥っていたのです。もし2025–26シーズンでこのような期間を回避できれば、彼は信じられないような得点記録を達成する可能性が出てきます。

 この26試合の期間中、彼のオンアイスシュート成功率1(リンク上にいる間のチーム全体のシュート成功率)は5.08%、PDO2(オンアイスセーブ率とシュート成功率の合計。運に左右される指標)は.897でした。これは、シーズン中250分以上出場した320人のフォワードの中で、ほぼ最下位レベルの数値なんです(それぞれ312位と320位)💦

 しかも、この間に彼が組まされていたラインメイトは、主に第4ラインの選手たち。要するに、スキルの高いスコアラーたちとはあまり一緒にプレーできていませんでした。

理由①(続き):本当はもっとすごいはずだった!✨

 しかし、希望もあります。数字をよく見ると、ミチコフはこのスランプ期間でもすごいチャンスを作り出していたことが分かります。

 実は、同じ条件で見たとき(5対5の状況)、250分以上出場したフォワードの中で、ミチコフは60分あたりの期待ゴール数3(期待される得点)で15位、期待ゴールシェア4(チームに占める期待得点の割合)でも26位でした。これは、十分に高い数字です。

 つまり、彼のプレー内容は問題なく、ただ“パックがゴールに入らなかった”だけなんです。これが続くなんて、考えにくいですよね。

 ミチコフが精神的に自分を追い込んでしまっていた、という見方にはある程度の真実があるかもしれません。しかし、それでも彼は得点チャンスを作り出し続けていました。これはルーキーならではの「つまずき」であり、長期的に繰り返すような問題ではないでしょう。

 では、もしこのスランプがなかったとしたら?ここで仮定の話をしますが、ミチコフがその26試合を除いた場合、オンアイスシュート成功率は13.48%、PDOは.999でした。こういった分析では、たいてい運が良すぎる数字になりがちですが、今回の場合はそうではありません。

 ミチコフのPDOは平均的な数字で問題ありませんし、13.48%というオンアイスシュート成功率は確かに高めではあるものの、500分以上出場したフォワード388人の中で38位にあたります。オンアイスシュート成功率は運に左右される指標ですが、スター選手ほど高い数字を出す傾向があります。

 つまり、ミチコフは特別な存在として正当な位置にいるのです。2024–25シーズン、このスランプの時期がなく、好調だった54試合と同じペースで持続していたなら、フルシーズン82試合で計算すると85ポイントものハイレベルな数字が期待できたはず✨。

 20歳のルーキーにとっては驚異的な成績です。しかも、彼はセカンドライン扱いだったことを考えると、その価値はさらに高まります。

 それだけでなく、彼の1試合あたり60分換算でのポイント数5(Points/60)は3.54で、500分以上プレーしたフォワードの中で11位。ちなみにこの数字は、ジャック・アイケルやミッチ・マーナー(共にベガス・ゴールデンナイツ)にほんのわずかに及ばない順位です。

 もちろん、実際にフルシーズンでこの成績を出せるかどうかは今後の課題です。たとえ理論的には妥当でも、やや都合の良い数字の抜き出し方という面は否めません。しかし、彼がこの領域に到達できる可能性は、表面的に見えるよりも高いのです。ルーキー特有の緊張感から解放された今、彼がスーパースターになる日は近いでしょう。

24-25シーズン前半、「こりゃ新人賞確定だわ」って活躍だったのですが…。監督の采配を巡って、チーム内がゴタゴタし出してから、パタっと動きが止んじゃったんだよなぁ。

理由②:フライヤーズのパワープレーがついに改善の兆し?⚡️

 この主張をするのはこれで3オフシーズン連続になりますが、今回は裏付けがあります。ベンチスタッフに大きな変化があり、今回は本当に期待できそうです。フライヤーズのパワープレーは、実はここ数年ずっと低迷しています。

 昨シーズンの成功率はわずか15.02%で、リーグ最下位(30位)でした。これがミチコフの得点数にも大きな影響を与えていて、パワープレーでのポイントはたったの17。これをチーム内の才能ある選手と比べると、その差は歴然です。

 例えば、2023年ドラフトの同期であるコナー・ベダードは、戦力的には劣るはずのシカゴ・ブラックホークスに所属しながら、パワープレーだけで29ポイントを獲得しました。ブラックホークスのパワープレー成功率は24.87%でリーグ7位。この数字を見れば、フライヤーズのパワープレーも十分に改善できる可能性があることがわかります。

 さらに、チームはトレバー・ゼグラス6という頼もしい選手を加え、パワープレーの強化に本気で取り組んでいます⚡。今回の「理由2」は、先ほどのスランプ分析と比べるとやや推測に基づく部分が多いですが、それでも期待するに値します。

トレバー・ゼグラスって、トッキュウグリ…じゃなかった横浜流星に似てませんか?無骨なミチコフと優男のゼグラス、良いコンビになりそう。

 コーチングスタッフも大幅に刷新され、チームのスキルも十分。これまでのような低調な成績が続くとは考えにくく、来シーズンはパワープレーの成功率アップに期待がかかりますね!

讃岐猫
讃岐猫

理由③:トケット監督がミチコフの才能を最大限に引き出す🔥

 何よりも大きな期待は、フライヤーズの新ヘッドコーチ、リック・トケットの存在です🧠。彼はチームの“顔”となる選手をしっかり理解していて、ラジオ局「97.5 The Fanatic7」のインタビューで、ミチコフにもっとパックを回したいと公言しています。

 これは一見すると当たり前のようですが、前監督のジョン・トルトレラはそうではありませんでした。2024–25シーズン、ミチコフは疑問視されることの多いラインメイトと共にプレーし、出場時間も不当に限られていました。シーズン序盤から中盤にかけてのパックタッチ数は明らかに少なかった印象です。

 「疑問のあるラインメイト」という証拠は数多く存在します。例えば、70試合目までで、ミチコフがトラヴィス・コネクニーと一緒に5対5でプレーしたのは、彼の出場時間のわずか15.05%にすぎません。実はこのコンビは揃うと非常に強力で、60分換算で3.58ゴールも決めていました。

 しかしトルトレラ監督は、AHLから昇格したばかりの選手たち、アンソニー・リチャードやオーレ・リックスェル、ロドリゴ・アボルスと一緒にプレーさせることが多かったのです。これらの選手とミチコフの同時出場時間は、なんと全体の26.21%にも及びました。

 さらに、どのセンターとミチコフの相性が良いかについても、トルトレラは見誤っていたようです。モーガン・フロストがトレードされ(カルガリー・フレームズへ)、ショーン・クチュリエが必要に迫られてミチコフの専属センターになってからは、彼の5対5でのパフォーマンスは圧倒的なものになりました。

 2月6日以降では、5対5でミチコフより多くのポイントを記録したのはデイビッド・パストルニャーク(ボストン・ブルーインズ)ただ一人でした。

理由③(続き):監督交代で大ブレイクの予感🚀

 さらにトルトレラ監督時代、ミチコフは平均して16分18秒の出場時間でした。言語の壁があるルーキーという点で、出場時間をやや制限する考え方には一理ありますが、インターリム(暫定)監督のブラッド・ショウ8の下では、状況が一変しました。

 ブラッド・ショウが暫定監督を務めた9試合では、ミチコフはファーストラインのメンバーとして平均19分36秒もの出場時間をもらい、12ポイントを叩き出しました。しかも、オンアイスシュート成功率は13.46%で、先ほどお伝えした「スター選手に相応しい持続可能な成功率」の範囲内です。

 トケット新監督は、これまでとはまったく異なる視点をチームにもたらしてくれそうです。彼の発言から察するに、ミチコフには正しいラインメイトが与えられ、適切な出場時間も確保される見込みです。もちろん、彼らの関係が常に順風満帆とはいかないでしょうが、それでもこの変化は非常に希望に満ちています🌠。

 もしミチコフが再び制限されることなく起用されれば――彼は“核”となる存在になれるでしょう🔥。

まとめ:ミチコフの“ブレイクアウト”はもうすぐそこ!🚀

 フィラデルフィア・フライヤーズのマトヴェイ・ミチコフは、まだ20歳のルーキーながら素晴らしい才能を見せています。スランプだった時期もありましたが、それは偶然の産物に過ぎませんでした。

 パワープレーの改善や新監督トケットの起用方針も後押しし、彼の持つ可能性はこれまで以上に輝きを増しています✨

 NHL全体を見渡しても、ミチコフほど「ブレイクアウトの可能性」を秘めた選手はいません。今回挙げた3つの要素がうまくかみ合い、そして彼が健康を維持できれば――2025–26シーズンは、彼のスーパースタードーム(真のスターへの道)への第一歩となることでしょう。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. On-Ice Shooting Percentageのこと。ある選手が氷上にいる間に、そのチームが放ったシュートオンゴール(SOG)のうち、どれくらいの割合がゴールになったかを示す統計。

    計算式:オンアイス・シューティング・パーセンテージ (On−IceSH%) = (その選手が氷上にいる間のチームのゴール数) / (その選手が氷上にいる間のチームのショットオンゴール数) × 100

    なぜ重要?
    チームの得点力評価:その選手がリンクにいる時に、チームがいかに効率的に得点しているかを示す。
    「運」の要素:この数字は、選手個人の技術だけでなく、相手GKの出来や偶然のバウンドなど「運」に左右される側面が大きいため、短期間のデータでは変動しやすい傾向がある。

    PDOの一部:ホッケーの分析で使われる「PDO」という指標の一部であり、チームの「運の良さ」を測る際にも参照される(PDOはオンアイスSH%とオンアイス・セーブ%の合計)。

     このスタッツは、他の詳細なデータと組み合わせて分析することで、より正確な選手の評価やチームの状況把握に役立つ。
    ↩︎
  2. SPSV%:Shooting Plus Save Percentageのこと。ホッケーの高度な統計指標の一つで、「オンアイス・シューティング・パーセンテージ(味方のシュート決定率)」と「オンアイス・セーブ・パーセンテージ(味方GKのセーブ率)」を合計したもの。

    計算式:PDO = オンアイスSH% + オンアイスSV%
    (通常、この合計に100を掛けて、整数で表現されます。例:1000)

    なぜ「運」の指標とされる?
     NHL全体のPDOの平均はほぼ1000に収束。これは、長期的に見ればチームの「シュート運」と「セーブ運」が平均に落ち着くという考え方に基づいている。

    PDOが1000より高い場合:チームが一時的に「運が良い」状態にある可能性が高く、将来的に成績が平均に回帰する(下がる)かもしれない。
    PDOが1000より低い場合:チームが一時的に「運が悪い」状態にある可能性が高く、将来的に成績が平均に回帰する(上がる)かもしれない。

     PDOは、チームや選手の「実力」と「運」の要素を切り分ける手がかりとなり、将来のパフォーマンスを予測する際にも活用されるが、あくまで他の詳細なスタッツと合わせて分析することが重要。
    ↩︎
  3. xG/60 (Expected Goals per 60 minutes) のこと。ホッケーの高度な統計指標で、ある選手がリンクにいる間に、チームが60分あたりにどれくらいの「期待ゴール(xG)」を生み出したかを示すもの。

    「期待ゴール(xG)」
     これは、各シュートがゴールになる確率を数値化したもの。シュートの質(位置、種類、スクリーン状況、パスの有無など)を多角的に分析し、もしリーグ平均のシューターがそのシュートを打ったらどれくらいゴールになるかを計算する。

    なぜ重要?
    シュートの「質」を評価:単なるシュート数だけでなく、どれだけ「良い」チャンスを作っているかを客観的に評価。
    「運」に左右されない評価:実際のゴール数と異なり、キーパーの好不調や偶然の要素が排除されるため、選手の純粋な攻撃貢献度を測りやすい。
    将来の予測:高いxG/60を持つ選手は、たとえ現時点でのゴール数が少なくても、将来的に得点が増える可能性が高いと予測できる。

     xG/60は、選手の攻撃力をより深く理解し、将来のパフォーマンスを予測するために現代のホッケー分析で不可欠な指標である。
    ↩︎
  4. xGF% (Expected Goals For Percentage)のこと。ある選手が氷上にいる間に、味方と相手が生み出したすべての「期待ゴール(xG)」のうち、味方がどれだけの割合を占めたかを示す。簡単に言えば、「質の高いチャンスをどれだけ多く作り、相手に与えなかったか」を測る指標。

    なぜ重要?
    「質」を考慮した攻守評価:単なるシュート数ではなく、シュートの「質」(ゴールになりやすい度合い)を考慮に入れるため、より正確に攻守両面での貢献度を評価。
    「運」の要素を排除:実際のゴール数に影響する一時的な「運」の要素(PDOなど)から切り離し、チームや選手の「プレーの質」を客観的に見ることができる。
    将来の予測:高いxGF%を継続する選手やラインは、長期的に見て実際のゴールシェアも高くなる傾向があり、優れた攻守のバランスを示唆。

     xGF%は、選手の総合的な攻守の貢献度や、チームの安定した強さを評価するために、現代のホッケーアナリティクスで非常に重視されている指標である。
    ↩︎
  5. P/60 (Points per 60 minutes)のこと。NHLの選手評価指標の一つで、選手が氷上にいた60分間あたりにどれくらいのポイント(ゴール+アシスト)を獲得したかを示すもの。

    計算式:
    P/60=選手の総ポイント数/選手の総出場時間 (分) ×60

    なぜ重要?
    出場時間の公平な比較:総ポイント数だけでは測れない、選手の真の得点効率を評価。出場時間が短い選手でも、P/60が高ければ、効率的に得点に貢献している証拠となる。
    特定の状況での評価:5対5(イーブンストレングス)やパワープレーなど、特定の状況に絞ってP/60を計算することで、選手がどの場面で最も効果的に得点に絡んでいるかを知ることが可能。
    将来の予測:高いP/60を維持している選手は、たとえ現時点での総ポイントが少なくても、将来的にさらなる活躍が期待できる傾向がある。

     P/60は、選手の得点貢献度をより深く、そして公平に理解するために、現代のホッケー分析で広く使われている指標である。
    ↩︎
  6. アメリカ合衆国出身、2001年3月20日生まれ。2019年のNHLエントリードラフトでアナハイム・ダックスに9位で指名された。ボストン大学でのカレッジホッケーを経て、2020年にダックスと契約し、2021年NHLデビュー。

     2021-22シーズンにはルーキーとして活躍し、カルダー記念トロフィーの最終候補に選ばれた。EAスポーツの『NHL 23』のカバーアスリートにも選出されたが、2025年6月23日にフィラデルフィア・フライヤーズにトレードされた。

     国際大会では、2021年世界ジュニア選手権でアメリカジュニアチームを金メダルに導き、大会MVPに選ばれている。
    ↩︎
  7. ペンシルベニア州フィラデルフィア地域で人気のスポーツラジオ局。

    特徴:地元のスポーツトーク番組を終日放送しており、フィラデルフィアのスポーツに関する最新情報や議論を提供。
    公式パートナー:NBAのフィラデルフィア・セブンティシクサーズ、NHLのフィラデルフィア・フライヤーズ、MLSのフィラデルフィア・ユニオンの公式ラジオ局。
    聴取方法:ラジオ(97.5 FM)だけでなく、公式アプリやウェブサイトでのストリーミング、Amazon Alexaなど、様々な方法で聴取可能。
    ↩︎
  8. カナダ出身。2022年からフライヤーズにアソシエイトヘッドコーチとして在籍し、2025年3月にジョン・トルトレラ監督が解任された後、暫定監督に就任。暫定監督として、フライヤーズで5勝3敗1分という成績を収めた。

     その後、フライヤーズはリック・トケットを新ヘッドコーチとして採用することを決定し、ショウはフライヤーズを去ることを選択。彼は現在、ニュージャージー・デビルズのアシスタントコーチを務めている。

     フライヤーズでの在籍中、彼は主にディフェンスとペナルティキルユニットの指導を担当し、特に若手ディフェンスマンの育成に貢献したと評価されている。 ↩︎
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