ドライザイトルが延長弾!オイラーズがパンサーズに逆転勝ち

アイスホッケー名勝負

はじめに

 逆転劇の連続で話題を集めているエドモントン・オイラーズが、スタンレーカップ・ファイナル第1戦でもその強さを証明!昨年の雪辱を果たすべく、延長戦でフロリダ・パンサーズを撃破しました。

 注目は、レオン・ドライザイトルの執念の一撃と鉄壁の守護神スキナー。カナダ勢悲願の優勝に一歩前進した熱戦の詳細を、ぜひチェックしてください。スタンレーカップ・ファイナル、ダイジェストでもいいから見てくださいね!🏒🔥

参照記事:Sportsnaut.com1By the numbers:Oilers stage another playoff comeback, win Game 1 of Stanley Cup Final in OT

🏒オイラーズ、劇的な逆転でファイナル第1戦を制す!

 エドモントン・オイラーズが、水曜夜のスタンレーカップ・ファイナル第1戦でフロリダ・パンサーズに4-3の逆転勝利を収めました!延長戦19分29秒でレオン・ドライザイトルが決めた劇的なパワープレーゴールで、7戦4勝制のシリーズで1勝0敗とリードを奪ったオイラーズ。まさに春の「逆転の王者」っぷりを見せつけました✨

 この試合は昨年のファイナル再戦。前回はパンサーズが第7戦で勝利してカップを手にしましたが、今回はオイラーズが先手を取った形です。

ドライザイトルの決勝点の瞬間です!

💥“逆転”に次ぐ“逆転”、頼れるドライザイトル

 この試合、第2ピリオド序盤、オイラーズが1-3とリードを許す苦しい展開。しかし、第2ピリオド・3分17秒、ヴィクター・アルビドソンのゴールで1点差に詰め寄り、第3ピリオド・6分17秒にはディフェンスのマティアス・エクホルムが同点ゴールを叩き込んで勝負は振り出しに!

 そして迎えた延長戦。パンサーズのセンター、トーマス・ノセクが遅延行為2(パックを観客席に打ち上げたこと)でペナルティボックスに入っていたところ、NHLレギュラーシーズンの得点王であるドライザイトルが見逃さず、マクデイビッドのパスを受けて勝負を決めました!

 このゴールで、オイラーズはスタンレーカップ・ファイナル史上41回目となる「複数点差からの逆転勝利3」を記録したことになります🎯

 それ以前の複数点差からの逆転勝利もロジャーズ・プレイスで起こりましたが、そのときはオイラーズではありません。2020年のバブル4開催中、タンパベイ・ライトニングが第4戦でダラス・スターズを延長戦の末、5対4で破りました。

 ファイナル第1戦だけで見ると、史上10度目の複数点差からの逆転勝利であり、直近では2019年、ボストン・ブルーインズがセントルイス・ブルースに2点差を与えながらも4対2で勝利した例があります。

 「我々は去年よりも経験を積んでいると思う」と、ゲーム1での逆転勝利と昨年との違いについてエクホルムは語りました。

 「こういった小さなディテールが、落ち着きを保ち、まだ多くの仕事が残っていると自覚させてくれる。今夜の我々のプレーぶりと集中力には満足している。ゲームプランから一度も外れることなく、そして当然ながら大きな延長戦勝利を得た。でも明日にはこの試合を忘れて、また仕事に戻ることが重要だ」。

📊データが証明する、オイラーズの“勝利への道”

 オイラーズは今季プレーオフで、すでに7回もの逆転勝利5を記録しています。これは今ポストシーズン最多。特に第3ピリオドからの逆転勝利が4回もあり、この点ではダラス・スターズと並んでトップとなっています。

 さらに、この第1戦での勝利は、エドモントンにとって今季プレーオフで3度目6となる複数点差からの逆転勝利となり、1988年と1990年に並ぶ“フランチャイズ記録”でもあります。奇しくもその年はいずれもスタンレーカップを手にした年…。これはオイラーズにとって良い兆候で、ファンにとっては見逃せないデジャヴかも!?👀

 「僕たちはこの1年ずっと、特にプレーオフではずっとこれをやってきた」と、レギュラーシーズンでも5回の逆転勝利を経験したドライザイトルは語りました。「僕たちは諦めず、ずっとやり抜く」。

 この逆転勝利がとりわけ価値あるものだったのは、相手が誰だったかという点にもあります。パンサーズは現王者であり、ヘッドコーチのポール・モーリスが就任してから3年連続でファイナル進出を果たしているからです。

 この敗北は、モーリス監督の下でのポストシーズン中、パンサーズが第1ピリオドまたは第2ピリオドでリードしていた試合で初めての敗戦7となりました。水曜日まで、彼らはそうした状況で31勝0敗だったのです。

🇨🇦カナダ勢に久々の希望の光?

 実は、カナダのチームがスタンレーカップ・ファイナルでリードを奪ったのは、2011年のバンクーバー・カナックス以来のこと。そのときは最初の2試合を取ったものの(1-0、3-2)、惜しくも第7戦で敗退…。それ以来、カナダ勢はファイナルで勝てていません。

 でも、今回のオイラーズは違うかも?というのも、7戦4勝制のファイナル第1戦を制したチームは、シリーズ通算で65勝20敗(勝率.765)という圧倒的なデータがあるんです。しかもホームで勝った場合は、さらに高い勝率83.9%🔥

 これは、36年ぶり&1993年以来となる“カナダの優勝”が現実味を帯びてきたのでは…?歴史的には、この逆転勝利によって、オイラーズはスタンレーカップ制覇へ向けて有利な立場を得たことになります。

 過去4年のスタンレーカップはいずれも、第1戦を制したチームが優勝しています。2020年のスターズが第1戦を勝ちながらもカップを逃した例であり、その年は6戦でタンパベイ・ライトニングに敗れました(スターズの2勝4敗)。

🧤スキナーの守護神ぶりと昨年からの進化

 ゴールテンダーのスチュアート・スキナーも大活躍でした!この試合で29セーブを記録し、チームを救ったスキナーは、試合後のインタビューで「去年のシリーズとは全く違う状況にチームはあるんじゃないかな」と語っています。

 昨年は第1戦から3連敗を喫し、巻き返して3勝3敗に戻したものの、最後の第7戦で惜しくも1対2で敗退…。だからこそ、「最初の1勝」がいかに大きな意味を持つか、スキナー自身が一番わかっているのです💡

 「これは大きいよね」と彼は語りました。「去年を振り返ってみれば、もし最初に1勝していれば、全く違うストーリーになっていたはずだ。最初からしっかりと試合に入って、2点ビハインドの状況でもやり続けた姿勢には、俺たちのキャラクターが表れていると思う」。

 2点差からも諦めず、常に前向きな姿勢を見せたオイラーズのメンタル面は、まさに“勝つチームのそれ”でした。

ファイナル第1戦のダイジェストはこちら!

🎯ドライザイトル、復活の一撃!

 この試合で2ゴールを挙げ、延長で決勝点を決めたドライザイトルにとっても、ある意味での「逆転劇」でした。昨年のファイナルでは、パンサーズ相手に1ゴールも奪えなかったレオン・ドライザイトル。3アシストを記録したものの、肋骨と手にケガを抱えていた状態での出場でした。

 しかし今年は違います。第1戦で2ゴールを決め、しかも勝負を決めたのは彼自身の延長ゴール!このゴールは、彼にとってキャリア通算50ゴール目のプレーオフ得点✨プレーオフ91試合目での達成であり、現役選手ではネイサン・マッキノン(コロラド・アバランチ)が89試合で50ゴールに到達して以来、2人目となります。

 さらに注目すべきは、彼がNHLプレーオフで延長ゴールを3本決めたことで、歴代記録に並んだという点。

 これまでに達成したのは、1939年のメル・“サドンデス”・ヒル8(ボストン・ブルーインズ)、1951年のモーリス・リシャール9(モントリオール・カナディアンズ)、そして現役選手ではコーリー・ペリー(現在、エドモントン・オイラーズ所属。2017年にアナハイム・ダックス時代に達成)と、昨年パンサーズで記録したマシュー・カチャックがいます。

 かつてのレジェンドたちと肩を並べる快挙で、まさに“カムバック・キング”の名にふさわしい活躍でした🏆

讃岐猫
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🔥ファイナルの行方はここからが本番!

 ファイナル第1戦は史上19回目の延長戦までもつれ込んだ試合となりましたが、過去の記録を見ると、延長で勝利したチームがそのままスタンレーカップを手にするケースが非常に多いんです。実に18回中14回もあるとか…!

 今後もオイラーズは強い精神力とチームワークで、この勢いを保ち続けられるかが鍵。レオン・ドライザイトルも「特別な気分だ。今は嬉しいけど、もうすぐ第2戦。しっかり前を見て、第2戦に備えないといけない」と話しています。ファンとしては、目が離せない熱い展開がこれからも続くこと間違いなしです🔥

まとめ

 エドモントン・オイラーズの劇的な逆転勝利は、チームの成長と勝負強さを証明する内容でした。データが後押しするように、この1勝は今後のシリーズ展開に大きな意味を持ちます。特にドライザイトルの復活劇は見逃せないポイント。第2戦以降も、目が離せません🔥

讃岐猫
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【註釈】

  1. NFL、MLB、NBA、NHLなどアメリカの主要スポーツに関するニュース、分析、意見、噂を提供するスポーツメディア。
    特徴
    幅広いコンテンツ:最新ニュース、パワーランキング、試合分析、オピニオン記事など。
    「The Unfiltered Sports Juggernaut」:率直な視点で情報を提供。
    ポッドキャスト配信も行っている。
    ↩︎
  2. Delay of Gameは、試合の流れを不必要に妨げる行為に科されるペナルティ。主に2分間のマイナーペナルティが科せられる。

    主な遅延行為の例
    ○パックを意図的に競技エリア外に出す:自陣から直接パックをフェンスの外に出したり、プレーが止まった後に故意に競技エリア外にシュートしたりする行為。
    ○ゴールポストを故意に動かす:相手の得点機会を妨げるために、意図的にゴールを位置からずらす行為。特にブレイクアウェイ中や試合終盤にこれを行うと、ペナルティショットが与えられることも。
    ○パックを不必要にフリーズ(ホールド)する:ゴールテンダーがプレッシャーがないのにパックをホールドしたり、スケーターがボード際でパックを隠したりして、プレー再開を遅らせる行為。
    ○その他:不必要な装備調整や、負傷した選手が速やかに氷上から退かないなども含まれる。
    ↩︎
  3. 例えば、2006年のスタンレーカップ・ファイナル第1戦、カロライナ・ハリケーンズが3点差を追い上げて5-4で勝利しているが、その対戦相手はオイラーズだった。最終的には、4勝3敗でハリケーンズの優勝。

     なお、シリーズで3勝0敗とリードされてから4連勝して優勝したチームは、現在まで1942年のトロント・メープルリーフスのみ(相手はデトロイト・レッドウィングス)。
    ↩︎
  4. この年のNHLプレーオフは、COVID-19パンデミックによる中断を受け、選手や関係者を外部と隔離する「バブル」方式で開催された。
    概要
    開催地:カナダのトロントとエドモントン。
    参加チーム:通常の16チームではなく、24チームに拡大して実施。
    期間:2020年8月1日から約2ヶ月間。
    特徴
    厳格なプロトコル:選手は指定ホテルに隔離され、毎日COVID-19検査を実施。衛生管理も徹底された。
    成功:約33,000回の検査で陽性者ゼロを達成し、安全なシーズン完遂のモデルケースに。
    ↩︎
  5. ファーストラウンドのロサンゼルス・キングスの場合、Game3(3-4→7-4)を皮切りに、オイラーズが勝利した4勝はすべて逆転勝ち。ベガス・ゴールデンナイツからは2勝、フロリダ・パンサーズからは1勝を挙げている。なぜかスターズとの対戦で逆転勝利も敗戦もない。
    ↩︎
  6. 最新のフロリダ戦以外では、ロサンゼルスとのGame4(1-3→4-3)、ベガスとのGame1(0-2→4-2)がこれに該当する。
    ↩︎
  7. 厳しかったのはトロント・メープルリーフスとの5月25日(日)・Game3。第2ピリオド終了時点で1-1。しかし、第3ピリオドにフロリダの攻撃力が全開となり、一挙に5点を取って突き放した。それ以外の試合ではフロリダ先制となると、ほとんどの試合で流れを相手に渡しておらず、逆転されて窮地に陥る展開がない。
    ↩︎
  8. Mel Hillは、1937年から1947年にかけてNHLで活躍したカナダのアイスホッケー選手(ライトウィング)。「サドンデス」の異名は、本文中にもあるように、1939年のプレーオフシリーズで、史上最多となる3度の延長戦決勝ゴールを決めたことで知られたことから。

     ボストン・ブルーインズ、ブルックリン・アメリカンズ、トロント・メープルリーフスでプレーし、3度のスタンレーカップ優勝を経験した。
    ↩︎
  9. モーリス・「ロケット」・リシャールは、モントリオール・カナディアンズで18シーズンをプレーしたカナダの伝説的なアイスホッケー選手(1921-2000)。

    主な功績と記録
    NHL史上初のシーズン50ゴール:1944-45シーズンに50試合で50ゴールを達成した初の選手。
    NHL史上初のキャリア500ゴール:通算544ゴールで引退時NHL歴代最多ゴール記録を樹立。
    スタンレーカップ優勝8回:1956年から1960年までのリーグ記録である5連覇を含む。
    個人タイトル:1947年ハートトロフィー(MVP)受賞、オールスターゲーム選出13回。
    「パンチライン」:エルマー・ラック、トー・ブレイクと共に強力な得点ラインを形成。
    その他の逸話:引退翌年の1961年には殿堂入り(通常5年の待機期間を免除)。
    背番号9はカナディアンズの永久欠番。
    NHLの年間最多得点者に贈られる「モーリス・「ロケット」・リシャール・トロフィー」にその名を冠している。1955年には試合中の暴力行為による出場停止処分が「リシャール暴動」として社会現象になった。 ↩︎
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