はじめに
NHLのニューヨーク・アイランダーズにとって、今シーズンはまさにジェットコースターのような一年でした🎢。2022年以降はプレーオフに進出していた彼らですが、今季は残念ながらその切符を手にすることはできませんでした。
その理由はさまざま。試合ごとのパフォーマンスのムラ、パワープレーやペナルティキルといった特別チームの不調、そして何よりも主力選手たちの怪我が大きく影響しました💥。
参照記事:Newsday1「5 questions facing the Islanders this offseason」
波乱のシーズンを終えて
最終成績は35勝35敗12引き分け。メトロポリタン・ディビジョンで6位、東カンファレンスの第2ワイルドカード枠を獲得したカナディアンズに対して、9ポイント差をつけられるという厳しい結果となりました。
彼らの今季の勝ち点82は、2017-18シーズン(勝ち点80)以来の低さで、ルー・ラモリエロGMが就任する前の苦しかった時代2を思い出させるような数字です(82試合制のシーズンで最も少ない)。
そんなシーズンの終わり、4月19日・土曜日には「ブレイクアップ・デイ(解散日)」というイベントが行われ、選手たちはチームとしての活動を一区切り。ここからは来季に向けた本格的な準備が始まり、同時に本格的なオフシーズンの課題が浮上することになります。
ここに5つの主要な疑問があるのです。
フロントとコーチの未来は?
今後のチームづくりにおいて、大きな焦点となるのがフロント陣とコーチ陣の去就です🤔。
現在の社長兼GMであるルー・ラモリエロ3は、就任して7年。アイランダーズのオーナー陣、特に筆頭オーナーのスコット・マルキン4は彼に揺るぎない支持を示してきました。
マルキンは公の場であまり話さない人なので、その支持が今も続いているのか、それともチーム成績の低迷や観客動員数の減少を受けて新たなリーダーを求めているのかどうかは不明です。ですが、何らかの変化があってもおかしくありません。
また、現在のヘッドコーチ、パトリック・ロワの今後もラモリエロの去就に左右される可能性が高いです。もし新しいGMが就任すれば、コーチ陣を一新する可能性も。ラモリエロが続投するにしても、3年連続でヘッドコーチ(監督)を解任5するのは難しい決断になるでしょう。
選手の入れ替えは避けられない?
今オフ、アイランダーズは選手の大幅な入れ替えが行われそうです🔁。3月8日、ラモリエロGM自身も「この夏には変化がある」と明言しています。
実際、トレード期限前に行われた唯一の大きな動きは、エースセンターのブロック・ネルソンとの契約延長に失敗し、アバランチへ放出したことでした。
これを皮切りに、アンダース・リー(左ウィング、34歳。キャプテン)、ジャン=ガブリエル・パジョー(センター、32歳)、ケイシー・シジカス(センター、34歳)、スコット・メイフィールド(ディフェンス、32歳)、アダム・ペレチ(同、30歳)といったベテランたちも、トレードの対象になる可能性があります。
27番の選手がアンダース・リー。彼を出すとは思えないなぁ。空中に浮いたパックをスティックの先に当てて、ゴール!
また、来季のメンバー構成を考えると、フォワードのハドソン・ファッシング(右ウィング、29歳)やカイル・マクリーン(センター、25歳)、マーク・ガットコム(センター、25歳)、ディフェンスのトニー・ディアンジェロ(29歳)、スコット・ペルノビッチ(26歳)、アダム・ボクヴィスト(24歳)らの去就も不透明です😐。

ここで名前の上がっている選手達は、レギュラー・クラスのベテラン以外だと、シーズン中、30~40試合出場で、プラス/マイナス評価がマイナス、しかもマイナス10以上と貢献度の低さが目立つにゃ。20代半ばの選手をどう査定するか、経営陣も頭の痛いところだろう。
さらに注目なのが、ディフェンスの要であるノア・ドブソンとアレクサンダー・ロマノフ(両者とも25歳)。彼らはまだ若く、給与調停の権利を持つ制限付きフリーエージェント6。両者とも大幅な昇給は確実で、チームは何としても引き止めたいと考えています💪。
ドラフトに期待できる?
未来を占ううえでカギとなるのが、今年のドラフト📋。
今シーズン最終戦、4月17日・木曜日のコロンバス戦での6対1の敗北により、アイランダーズは次回ドラフトロッタリー7において、全体10位指名権の確率が高まりました。その結果、3.5%の確率でトップ3(全体1位指名のチャンス)に食い込めるチャンスがあります。
もしそれが実現すれば、地元ニューヨーク州ハウパッジ出身の注目選手ジェームズ・ハーゲンズ8を獲得できる可能性も✨
ただし、73.3%の確率で10位のまま、そして18.4%の確率で11位に下がる可能性も。
ちなみに、アイランダーズが最後にトップ10で指名したのは2014年のマイケル・ダル・コール(全体5位。現在、無所属)で、ラモリエロ体制下での最高順位は2018年のオリバー・ウォールストロム(11位。現在、ボストン・ブルーインズ傘下プロビデンス・ブルーインズ所属)であり、それ続けて12位でノア・ドブソンも指名しています。
気になる負傷者の復帰と関係修復
来季の戦力を占ううえで、ベテラン勢の動向も大きなポイントになります。
まずはゴールキーパーのセミョン・バルラモフ。彼は今月で37歳になりますが、昨年11月29日を最後に試合に出ておらず、その後58試合を欠場。詳しい怪我の内容は公表されていませんが、股関節や鼠径部の故障がささやかれています😣。
しかも、NHL関係者の間では、完全な回復が難しいかもしれないという話も…。彼は4年・1100万ドル契約のうち、まだ2年契約が残っていますが、今後も出場できないようであれば、新たなゴーリー獲得が必要になるでしょう。マーカス・ホーグバーグ(30歳。15試合出場、平均失点3.38、セーブ率.878)を正ゴールテンダーであるイリヤ・ソロキンの控えに据えるのは、現実的ではないかもしれないからです。
そしてフォワードのアンソニー・デュクレール。新契約(4年・1400万ドル)を結んだ直後に鼠径部を負傷し、12月21日に復帰したものの、スケーティングの動きには明らかに支障が見られ、本調子とは言えませんでした。
彼は今季44試合の出場で、わずか7ゴールと4アシストという成績に終わっています。そして重要なのは、4月1日ホームでのライトニング戦(1対4で敗北)後、監督のロワから「ひどすぎる(god-awful)」とパフォーマンスを酷評、努力不足を指摘されたことを受けて、本人の希望で残り8試合を欠場することに…。この問題、監督との信頼関係の修復が必要不可欠です⚠️。
さらに忘れてはいけないのが、来月で28歳になるチームのスピードスター、マシュー・バルザル。2月1日にシュートをブロックした際に左膝蓋骨(膝のお皿)を負傷し、その後手術を受け、シーズン最後の31試合を欠場しました。
彼の武器は何といっても卓越したスケーティングのキレとスピード⛸️。特に鋭いターンや急停止といった動きが持ち味です。それが失われてしまえば、彼本来のプレーができなくなるリスクもあります。復帰後の動きに注目が集まるのは間違いありません。
バルザルは万人の認めるチームのスーパースター。彼が本来の調子を取り戻してくれないと、来季も大変なことに…。
おわりに🏒
アイランダーズは今、大きな分岐点に立たされています。チームの改革、選手たちの復帰、そしてフロントの決断。どれもが来季の行方を左右する重要な要素です。
プレーオフ進出を逃した悔しさをバネに、どこまで立て直せるのか――。ファンとしては、これからの動きに注目せざるを得ません👀🔥。

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- ニューヨーク州ロングアイランドを中心に発行されている日刊新聞。1940年創刊で、地域ニュースやスポーツ情報に強く、ピューリッツァー賞も複数回受賞。現在はオンライン版やアプリ、ストリーミングニュースも展開しており、地元メディアとして高い信頼を得ている。
↩︎ - 観客動員率の低さから、何度もオーナー陣から厳しい要求を受けており、それに伴い、何度も本拠地を移転している。チームとしてキャパシティの大きいアリーナ移転を計画しても、リーグ側から実現不可能と却下された経験を持つ。
これらが相まった結果の経営の不安定さから、チーム成績が振るわなくなり、プレーオフ出場圏内に入るのがやっとという状況が続いている。
↩︎ - NHLでのプレーはおろか、コーチ経験もないにかかわらず、GMに就任すると、ニュージャージー・デビルズを強豪にし、リーフスをプレーオフに進出させた。2004-05シーズンのロックアウト和解交渉でも尽力。
↩︎ - ニューヨーク・アイランダーズの共同オーナーであり、ヨーロッパでアウトレットモールを展開する「Value Retail」の創業者。ハーバード大学で法学と経営を学んだ実業家で、2014年にジョン・レデッキーとともにチームの所有権を取得。現在はチームの代表として運営に関わっており、近年は保有株の一部売却も報じられている。
↩︎ - 2022年5月9日、監督のバリー・トロッツを解任。後任のレーン・ランバートによって、次のシーズン、アイランダーズはワイルドカード1位としてフィニッシュしたが、2023年のプレーオフの最初のラウンドでカロライナハリケーンズに敗戦。
2023-24シーズン、一貫性のない戦術によるスタートダッシュ失敗の後、ランバートは2024年1月20日に解雇され、パトリック・ロイが彼の後任として採用された。
↩︎ - 契約満了後も元チームに引き留められる選手のこと。給与調停権を持つ場合、年俸に合意できなければ、第三者の判断で適正な金額を決めてもらう「給与調停」が可能。記事中のドブソンやロマノフのような若手実力者によく見られる契約ステータスである。
↩︎ - プレーオフに進出できなかったチームのうち、どのチームが1位や2位で若手選手を指名できるかを決める抽選制度。成績が悪いチームほど高い確率が与えられるが、必ずしも1位を取れるとは限らない。公平性を保ち、意図的な敗退(タンク行為)を防ぐために導入されている。
↩︎ - 各年代の代表として国際大会で活躍してきた注目株。U-17やU-18の世界大会でポイント記録を更新し、何度もMVPやベストフォワードに選ばれている。2024-25シーズンには名門・ボストン大学でプレー予定で、2025年のNHLドラフト候補としても高く評価されている。 ↩︎