ペンギンズ敗戦とオベチキンの歴史的ゴールを振り返る

アイスホッケー名勝負

はじめに

 シーズン終盤、ピッツバーグ・ペンギンズにとって運命を分ける一戦となったシカゴ・ブラックホークス戦。しかし、そこで待っていたのは悔しい敗北と、3年連続のプレーオフ逃しという厳しい現実でした😢。

 試合の内容だけでなく、長年チームを支えてきたベテラン選手たちの疲労や限界も垣間見える中、ひときわ印象的だったのは、アレックス・オベチキンの歴史的ゴールと、それを讃えるマルキン&クロスビーの姿✨。

 今、ペンギンズは岐路に立っています。ベテランの問題点、若手の台頭、そしてドラフトという希望──変わりゆくチームの今を、試合のハイライトや選手たちの心の動きを交えて振り返ります🏒🔥。

参照記事:N.Y.Times-The Athletic「Evgeni Malkin pays tribute to Alex Ovechkin following Penguins loss: Yohe’s 10 observations

ペンギンズのシカゴ戦での敗北😔

 ダラスでNHLのトップチームの一つに対して非常に印象的な勝利(ダラス・スターズに5-3で勝利)を収めてからわずか24時間後、ピッツバーグ・ペンギンズはシカゴで大きく崩れました。ペンギンズは低迷しているシカゴ・ブラックホークスとの試合(4月6日・日曜)で1-3という結果に終わり、プレーオフ進出を逃してしまったのです😢。

 今回の試合は、NHLシーズンが長すぎることを思い出させるものでした。この敗北は、チームのパフォーマンスそのものに問題があったわけではなく、むしろエネルギー不足が大きく影響していました⚡。試合中のプレーには不満がなかったものの、連戦の疲れがピークに達し、特にシドニー・クロスビーはその影響を強く感じているようなのです。

 シドニー・クロスビーのシーズン最長の12試合連続ポイント記録は、ペンギンズがスタンレーカップ・プレイオフ進出を正式に逃した試合でついに途切れました。これでペンギンズは3年連続でポストシーズン進出を逃したことになります。これは2002年から2006年の間に4年間連続でプレイオフ進出を逃して以来、最長の期間です。

 両チームは4月8日・火曜日にピッツバーグのPPGペイントアリーナで再戦します(日本時間で9日・水曜、午前9時)。その試合ではペンギンズがもう少し活気を見せることを期待していますが、日曜日のブラックホークス戦ではほとんど力を出し切れませんでした。

 試合は比較的退屈なものとなりました。試合後、ペンギンズのサリバン監督はあまり不満を口にしませんでしたが、チームのエネルギー不足には苦しんでいた様子がうかがえました。彼はどこか無力感を感じていたかもしれません。この試合では、ペンギンズの攻撃がほとんど展開できなかったのが大きな問題でした。

 また、4 Nations Face-Off以降、今回の試合でクロスビーに疲れの兆候が見られたことは、今シーズン初めてのことでした。過去46日間で、クロスビーは22試合をこなし、4つの異なるタイムゾーンを跨いで移動するという過酷なスケジュールをこなしてきました。

 彼はその間、膨大な時間プレーしており、おそらく100%の状態ではないでしょう。彼も人間です、年齢も考慮すると、37歳でこれだけの試合を続けるのはかなりの負担です⚠️。

 ちなみに、リカード・ラケルはペンギンズの唯一のゴールを決め、今シーズン34点目でキャリアハイに並びました。アレックス・ネデリコヴィッチは敗戦にもかかわらず、30本中28本のシュートを止める好セーブを見せています。いい選手は多いのですが…。

マルキン、クロスビーとオベチキンの友情🏒🤝

 この試合の後、もう一つ注目すべきは、アレックス・オベチキンの偉業とそれに対するマルキンやクロスビーの反応です。オベチキンは、ニューヨークでウェイン・グレツキーのNHLゴール記録を破り、895ゴールに達しました⚡。

 これを受けて、ペンギンズとブラックホークスの選手たちは、TVタイムアウト中にオベチキンを称えるためにスティックを氷上で叩き合い、オベチキンの功績を祝いました🎉。

 エフゲニー・マルキンは、その瞬間を深く噛みしめていました。マルキンは一人でエンドボードに座り、オベチキンの歴史的ゴールのリプレイが表示されているスコアボードをじっと見つめていたのです。

 彼は、オベチキンとの友情に感慨深い思いを抱いており、長年の友人としてその偉業を讃えています。マルキンとオベチキンはティーンエイジャーの頃からの友人で、同じ年にドラフトされた後、2004年のドラフト前にはロシア代表として共にプレーしたこともありました🇷🇺。

 彼らの友情にはいくつかの波乱もありました。特に2007年から2010年の間、オベチキンが試合中にマルキンに対して激しいチェックを仕掛けることがあり、しばらくの間友情にひびが入った1こともあったのです。シドニー・クロスビーとオベチキンの関係2が近年改善されてきたように、マルキンとオベチキンの友情も確実に強くなってきています✨。

 「今日はホッケーにとって非常に大きな日だ」とマルキンは言い、「彼と一緒にプレーしてきたこと、彼と対戦してきたことを嬉しく思っているよ。彼は素晴らしい選手だ。彼が健康でい続けることを願っているし、彼は900ゴールを達成するかもしれない。

 彼の家族もこの素晴らしい瞬間を祝っているだろう。おそらくロシア中、そしてアメリカも、今日の試合を見ていただろう。これはすごいことだ。僕は彼と20年間対戦してきた。彼は機械のようで、決して止まらないんだ。悪い時も良い時も、彼は得点する方法を見つけるんだよ」とオベチキンの偉業を賞賛しました👏。

 クロスビーとマルキンは、オベチキンが記録を追いついた金曜日にお祝いのメッセージを送ったそうです。マルキンは、事が落ち着いたら電話をかける予定だと言いました。


 「おそらく、少し時間が経ってから電話すると思う」とマルキンは言います。「彼にはおそらく1,000件のメッセージが届いているはずさ。今日は試合前に彼にお祝いのメッセージを送ったんだ。今日はロシアホッケーにとって素晴らしい日だ。ウェイン・グレツキーがそこにいたことも嬉しかった。僕たちにとっても、ホッケーにとって素晴らしい日さ」。


 マルキンは、オベチキンと自分が20年以上前にドラフトされたことに言及された時、頭を振りました。そしてオベチキンの伝説的な食生活に軽い皮肉を言う時もありました。

 「彼は信じていないと思うよ(20年以上経ったことを)。僕も信じてない、彼が記録を破ったことを」とマルキンは言いました。「彼は止まらない。彼は典型的な選手じゃないからね。毎日トレーニングをしているわけではないし、健康的な食事をしているわけでもない。ただホッケーが大好きなだけさ」。

上記のインタビューの元は、この映像です。

 クロスビーとオベチキンは、かつてはあまり仲が良くなかった時期もありました🔥。お互いに日々比較されることは、友達になるのは難しいことに違いありません。
 ある時点で、彼らはお互いが比較され続け、議論されることが長い間続くことを理解したのでしょう。そして、年月が経つ中で、互いに対する好意が芽生えたのです。


 クロスビーは金曜日にオベチキンがタイ記録をマークした際、その後も再度連絡を取りました。「少しだけ連絡はした」とクロスビーは言いました。「だから、タイ記録になったときにもメッセージを送ったし、(新記録達成の)今日もまた。これは特別な瞬間だよ。ホッケーの歴史がどれだけ長いか、そしてその中でオベチキンが記録を達成したことは特別なことなんだ」。

クロスビーのお祝いメッセージです。

 「オビー、長年にわたって君と競い合うことができて光栄だったよ。この間、君は多くの大きな成果を達成してきたけれど、今回のはおそらく不可能だと思われていたことだろう。それを君は実現する方法を見つけたんだ。NHL史上最も多くのゴールを決めたこと、本当におめでとう。今夜は友達や家族と素晴らしい時間を過ごしてほしい、そしておめでとう」。

カールソンとルタンの問題点❌

 ペンギンズにとって、エリック・カールソンとクリス・ルタンが一緒に氷上にいると、試合の展開が非常に難しくなります。特に、シカゴの最初のゴールでは、カールソンが不適切な読みをしてピンチを招き、その後のルタンのプレーも全体的に良くありませんでした🥶。

 具体的には、2対1の場面でディフェンスマンとしてパスを防ぐ代わりに、パックキャリア(パックを持ってる選手)からパックを取ろうとした結果、ブラックホークスにブレイクアウェイ(相手をかわしてゴールキーパーと1対1になる状態)のチャンスを与えてしまいました💨。

 最近では、このようなプレーが頻繁に見られるようになっており、ペンギンズにとっては深刻な問題です。両選手とも素晴らしい才能を持っており、キャリアも非常に素晴らしいものですが、現在のペンギンズには逆効果を与えてしまっているのが現実です⚠️。

 もし来シーズンもこの2人が戻ってきたとしても、状況が改善するとは思えません。

讃岐猫
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若手選手の活躍🌟

 試合の中で特に注目すべきは、ヴィレ・コイヴネンのプレーです。コイヴネンは非常に頭が良く、パワープレーでの巧みなプレーや、プレーの読みが非常に優れています💡。彼のホッケーIQの高さは、ペンギンズの未来に大きな期待を抱かせます。コイヴネンは今後ますます成長し、チームにとって重要な役割を果たしていくことでしょう🏒。

期待の若手ヴィレ・コイヴネンの映像です!

 また、ラトガー・マクグローリーのプレーも引き続き素晴らしいものでした👍。ありきたりな表現かもしれませんが、彼は細かい部分を非常に上手にこなす選手で、(相手選手から)ヒットを受けてプレーを作る方法や、意思決定、守備ゾーンでの注意力など、どれも高いレベルでこなしています。

 クリス・クニツ3が試合後にロッカールームに立ち寄り、古いチームメイトと挨拶を交わしていました。クニツの影響を受けていると感じられるプレーでもあり、マクグローリーの成長には大いに期待できます⚡。

ドラフトの展望とチームの再建🏒🔮

 現在のドラフト指名順位4において、ペンギンズは(ロッタリーで確定する前に一巡目)全体7位の指名権を保持しています📈。シーズンの終了までには、順位が大きく変動する可能性もあり、これが今後のチーム構築にとって非常に重要な意味を持ちます。

 もし、ペンギンズがチームを根本から作り直すことを決断すれば、ドラフトで得られる選手の能力が大きな鍵となるでしょう。しかし、ブラックホークスの現在の状況を見れば、その道がどれだけ遠いかも見えてきます⛔。

 ペンギンズはあっという間にリーグで4番目に悪い成績へ落ち込んでしまうか、または11位や12位に終わる可能性もあります。そのため、ドラフトでの選択指名権がシーズン終了後の大きな分岐点となりそうです。

 これからのペンギンズがどのようにチームを構築していくのか、そしてどのような選手が新たに加わるのか、その未来に期待がかかります🔥。

まとめ

 プレーオフを逃したペンギンズにとって、今回の敗戦は苦い結果となりましたが、オベチキンの記録更新や若手選手の成長など、希望の光も見えた試合でした✨シーズン終盤はつらい展開が続くかもしれませんが、それでもホッケーの魅力は尽きません!

 大谷のMLBももちろん最高ですが、NHLのスピード感とドラマも負けていませんよ🏒🔥これを機に、ぜひNHLの世界ものぞいてみてくださいね👀❄️

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. マルキンとオベチキンの確執は、2006年の冬季オリンピックでの友情から始まり、2007年にはオベチキンがマルキンのエージェントを殴る事件がきっかけで緊張が生じたとされる。その後も両者は衝突を繰り返し、2009年には和解の兆しが見えた。

     最終的に、2020年にはオベチキンの誕生日パーティーで再び親しい友人関係に戻ったと報じられている。
    ↩︎
  2. クロスビーは、2005年、NHL史上最年少で1シーズンで100ポイントを獲得した選手となり、新人としては史上7人目の記録となった。

     シーズンを通して、クロスビーはキャピタルズのウィンガーで2004年の全体1位指名選手であるオベチキンと争っていて、クロスビーはルーキー得点王の座を狙ったものの、彼はオベチキンの106ポイントに次ぐ2位で、NHL新人王のカルダー・トロフィーでもオベチキンに敗れている。これが、10年以上にわたって、リーグを代表するライバル関係の始まりとなった。
    ↩︎
  3. 2008-09シーズン、アナハイム・ダックスからピッツバーグ・ペンギンズに移籍後、重要な役割を果たし、2009年にはスタンレー・カップ優勝に貢献。2016年には通算800試合出場を達成し、再度スタンレー・カップを獲得。

     特に2017年、イースタンカンファレンス決勝でダブルオーバータイムの決勝点を決め、最年長選手としてシリーズ優勝を決めるゴールをアシストし、4度目のスタンレー・カップ獲得を果たした。
    ↩︎
  4. 指名順は、主に前シーズンの成績に基づき決まる。最下位チームが最初に指名権を得、成績が悪いチームから順番に選手を指名。ただし、最下位から15位のチームはロッタリー抽選に参加し、成績が悪いチームほど指名権を得る確率が高くなる。

     プレーオフに進んだチームはロッタリーに参加せず、成績順で指名権が決定。また、トレードにより指名権が交換されることもある。このシステムは、弱いチームに有望な選手を獲得させるための競争を公平に保つ目的で導入されている。 ↩︎
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