はじめに
2024年11月12日、カルガリー・フレイムスは過密日程を終え、バンクーバー・カナックスとの試合に1-3で敗れました。バック・トゥ・バックの試合で疲労が見える中、フレイムスは実行力に欠けるプレーと重要なミスが敗因となりました。
同じ日、トロント・メイプルリーフスはオタワ・セネターズに0-3で完封負けを喫し、ホームスタンドを失望の形で終えました。試合開始早々の失点が響き、リズムを作ることができなかったリーフスは、攻守ともにセネターズに圧倒されました。
そのトロント・メイプルリーフスは数多くの才能ある若手選手をドラフトしてきましたが、すべての選手が期待通りに成長したわけではありません。中には、チームを去った後に他のチームでスタンレーカップを制覇する選手もいます。この記事では、チームが「早すぎる決断」で手放してしまった4人の選手に焦点を当てます。
今回はメイプルリーフス特集かにゃ。戦力は整い過ぎるくらい整っているのに、イマイチ強いのか弱いのか分からないチームって印象。そのチーム・マネージングの悪さは今に始まった訳でなく、昔からパッとしなかったんだなぁ、ってのが分かる記事になってます!
引用元:calgaryherald.com(Calgary Herald1)「Three takeaways as Flames cap gruelling stretch with loss to Canucks」
フレイムス、疲労感漂う5試合連戦を終えて
2024年11月12日(火)、カナダ・バンクーバーで行われた試合で、カルガリー・フレイムスはバンクーバー・カナックスに1-3で敗北しました。
この試合は、フレイムスにとって過酷な日程の終わりを迎えるものとなり、特にバック・トゥ・バック(同じチームが2日連続で試合を行うこと。フレイムスの場合、11日(月)、ホームでロスアンゼルス・キングス戦、12日、アウェイでカナックス戦)の2日目にあたるため、「予定通りの敗北」とも言える内容でした。
過密日程の中で、フレイムスはエネルギー切れを起こし、結局は決定的なミスが響いてしまうのです。
1,疲れを感じさせるミスと不十分な実行力
フレイムスは試合に対する努力そのものに問題なかったものの、実行力に欠け、重要なミスを繰り返したことが敗因となりました。特に、試合の決定的な瞬間は第2ピリオドの開始からわずか135秒間(開始23秒と開始2分38秒)で、カナックスが2得点を挙げたことです。
まず、エリアス・ペターソン(センター、26歳)がパワープレイで決め、その後、ピウス・スター(センター、28歳)が疲れ切ったディフェンスの間を抜けてゴールを決めました。
このシーンでは、マーティン・ポスピシル(センター、24歳)とジョナサン・フーベルドー(センター、31歳)がクリアリングミスを犯し、ブレイデン・パチャル(ディフェンス、25歳)とタイソン・バリー(ディフェンス、33歳)が長時間シフトに残ってしまった2ため、守備が遅れてしまったのです。
さらに、ラスムス・アンダーソン(ディフェンス、28歳)のターンオーバー(パックを奪われた)がきっかけで、カナックスは第3ピリオドにさらに1点を追加しました。
2,ゴーリー、ダン・ヴラダールの好プレー
ダン・ヴラダール(ゴールキーパー、27歳)は、フレイムスにとっての最も安定したプレーヤーでした。特にバック・トゥ・バックの2試合目では、好調を維持し、29セーブを記録しています。フレイムスのディフェンス陣もヴラダールを称賛し、タイソン・バリーは「素晴らしいプレーだった」と述べています。
特に印象的だったのは、ダニイル・ミロマノフ(ディフェンス、27歳)がブルーライン付近で転倒し、その隙にテディ・ブルーガー(センター、30歳)にブレイクアウェイ(攻撃側の選手が相手チームのディフェンスを突破して、ゴールキーパーと1対1の状況で直接対決すること)を許した場面(第2ピリオド・開始57秒)で、ヴラダールが冷静に止めたセーブです。
この試合前、ヴラダールはカナックス相手に無敗(3戦全勝)だったこともあり、彼の安定したプレーは一定の成果を上げました。
3,チーム全体のパフォーマンスと次戦への教訓
試合後、フレイムスのライアン・ハスカ監督は、選手たちの努力は認める一方で、判断力の欠如が問題だったと指摘しています。「我々はしっかりと働いていたが、時々判断が悪く、それが試合の中で問題を引き起こした」とハスカ監督はコメントしました。
特に、過密日程を終えた後、シンプルなプレーを心掛け、ミスを最小限に抑える重要性を強調しています。
また、試合の終盤には反撃を見せたものの(第3ピリオドのシュート数はフレイムス13:カナックス6)、やはり自分たちを不利な状況に追い込むようなミス(後半残り6分12秒でのペナルティ退場やシュート・ミス)が目立ったため、今後はシンプルなプレーを心掛けるべきだと指摘しています。
4,ジャスティン・カークランドの奮闘
フレイムスの攻撃面では、ジャスティン・カークランド(センター、28歳)が注目の選手となりました。カークランドは第1ピリオド(19分)でゴールを決め、今季のポイント数は7(2ゴール・5アシスト)に達し、チーム内でも高い数値を記録しています。
この結果は、28歳のジャーニーマン3選手としては予想外の成果であり、チームの第4ラインにおける貢献としては非常に価値のあるものです。しかし、これだけではフレイムスの攻撃力の問題は解決しません。
カークランドのような予期しない選手が活躍する一方で、ミカエル・バックルンド(センター、35歳。4ゴール・5アシスト)やブレイク・コールマン(センター、32歳。3ゴール・5アシスト)、フーベルドー(6ゴール・4アシスト)といった主力選手が思うような活躍を見せておらず(ランキング外)、得点面での問題が浮き彫りになっています。
5,次戦への期待
フレイムスは次の試合に向けて休養期間(11月13日・14日は試合なし)を取ります。金曜日(15日)には、現在低調なナッシュビル・プレデターズとの対戦が控えており、そこでのパフォーマンスが注目されます。
今回のカナックス戦での敗北はフレイムスにとって痛手でありますが、チームはこの過密日程の中で得た教訓を活かし、よりシンプルで効率的なゲーム運びを目指す必要があります。
ゴールテンダーのヴラダールの好プレーやカークランドの奮闘といったポジティブな要素もありますから、次に繋げるためにもチーム全体での再調整が必要です。再度、コンディションを整えた後で、チーム全体のパフォーマンスを上げることが求められるでしょう。
フレイムスvs.カナックス戦のハイライトです!
引用元:yardbarker.com(YARDBARKER)「John Tavares: ‘We should be disappointed’ following Leafs’ shutout loss to Senators」
メイプルリーフス、セネターズに0-3で完封負け
2024年11月12日(火)、トロント・メイプルリーフスはオタワ・セネターズに0-3で完封負けを喫し、嫌な形でホームスタンド(ホームチームが一定の期間、同じアリーナで行う連戦)を締めくくりました。
この試合はリーフスにとって今季最悪のパフォーマンスとなり、チーム全体の努力不足が問題視されました。試合後、ジョン・タバレス(センター、34歳)は自らのパフォーマンスに対する失望を率直に語りました。
試合の出だしから失敗
試合開始早々、リーフスは予期せぬ形で失点を許しました。ウィリアム・ニランダー(右ウィング、28歳)がブルーライン付近でパックをターンオーバーされ、セネターズのジョシュ・ノリス(センター、25歳)がアントニー・ストラーツ(ゴールテンダー、30歳)を突破してゴールを決めたのはわずか41秒後のことでした。
この早い失点がリーフスにとって試合に入っていくリズムを大きく乱す結果となり、その後の反撃も空回りしてしまいました。
タバレスは試合後、「序盤で失点することはシーズン中に何度もあるが、その後の対応が重要だ」と語り、今季のリーフスはこれまでそのような状況でも勢いを取り戻してきたことに自信を持っていたと強調しました。
しかし、この日の試合では「全くリズムを作れなかった」とし、攻撃の連携が取れなかったことに大きな不満を示しました。
努力不足と注意力の欠如
タバレスは試合中のパフォーマンスに対して、「今日は全体的に努力が足りなかった。セネターズは我々よりも速く、もっと勝利を欲していた。それが全てだ」と言い切り、試合に対する失望感を表明しました。
リーフスは試合を通して一貫してペースを作ることができず、セネターズに対して圧倒的にスケートで後れを取ったと認めました。
さらにタバレスは、「この敗北について、簡単に〈洗い流す〉ことなんてできるわけがない。昨日は良い練習ができたし、同じディビジョンの対戦相手との重要な試合だった。今日は本当にがっかりしている」とコメントし、試合後の反省内容がいかに重要であるかを強調しました。
ライン変更と攻撃の低調
試合の途中で、リーフスの監督であるクレイグ・ベルーヴィは、攻撃に活気を与えるためにラインの変更を試みました。
タバレスはミッチ・マーナー(右ウィング、27歳)とマシュー・ナイズ(左ウィング、22歳)と一緒にプレーし、マックス・ドミ(センター、29歳)を一時的にラインから外しました4。しかし、これらの変更も功を奏することはなく、リーフスは依然として攻撃面でのつながりを欠きました。
タバレスは「我々はスケートで負けていた。相手の方がもっと欲していた」と再度述べ、セネターズが攻撃とディフェンスの両面で上回っていたことを認めました。
メイプルリーフスvs.セネターズ戦のハイライト映像です!
短い休養の後に再挑戦
試合後、リーフスはすぐに次の試合を迎えることとなり、翌日の11月13日にはワシントン・キャピタルズとのアウェイ戦が控えています。キャピタルズは現在10勝4敗という好調な成績を収めており、リーフスにとっては厳しい戦いが予想されます。
【追記】
キャピタルズ戦は既に終了しており、オーバータイムの末、4-3でリーフスの勝利!マーナー-タバレスのラインから、最後はタバレスのスナップショットが決まった!
タバレスは、「すぐに次の試合があるからこそ、今日の敗北から学び、すぐに立ち直る必要がある」と語り、チーム全体での切り替えが求められると強調しました。
キャピタルズ戦のハイライト映像です!
引用元:editorinleaf.com(Editor in Leaf5)「4 players that the Toronto Maple Leafs gave up on too soon this century」
早すぎたと後悔した4人の選手
トロント・メイプルリーフスは、これまで数多くの有望な若手選手をドラフトし、チームの未来を担う存在として期待をかけてきました。
モーガン・ライリー、オースティン・マシューズ、ミッチ・マーナー、ウィリアム・ニランダーといった選手たちは、その期待に応え、現在でもチームの重要な役割を担っています。
しかし、すべての若手選手が成功を収めたわけではなく、期待外れとなり、最終的にチームを去ることとなった選手も少なくありません。
中には、メイプルリーフスを去った後に他チームで成功を収め、スタンレーカップを制覇する選手もおり、もし彼らをもう少し長くチームにとどめておけば、メイプルリーフスのスタンレーカップ獲得の可能性も変わっていたかもしれません。
この記事では、メイプルリーフスが「早すぎる決断」で手放してしまった4人の選手について見ていきます。
1,カーター・ヴァーヘイゲ
トロント・メイプルリーフスからフロリダ・パンサーズへ、成長と成功の物語
ヴァーヘイゲは2013年のNHLドラフトでトロント・メイプルリーフスに3巡目で指名されましたが、同チームでの出場機会は限られていました。
OHL(オンタリオ・ホッケーリーグ)のナイアガラ・アイスドッグスでの成長を経て、ヴァーヘイゲはトロント・マーレイズ(AHL)のメンバーとしてほぼ全試合に出場しましたが、2015年にニューヨーク・アイランダースとの大型トレードで移籍しています。
トロントは再建を進める中で、ヴァーヘイゲを含む5人の選手をアイランダースに送る一方、ショート・ハンド(自チームの選手がペナルティで少ない場合)の際のゴール・ハンター、マイケル・グラブナー6を獲得。
このトレードがヴァーヘイゲにとって重要な転機となりますが、アイランダースでのキャリアもすぐには花開きませんでした。さらに数年間はマイナーリーグで過ごし、ようやくタンパベイ・ライトニングでのチャンスを得たのです。
ライトニングでは主にボトム6(下位フォワード)でプレーし、52試合に出場、また2020年には8試合のプレーオフを経験し、チームのスタンレー・カップ制覇に貢献しました。
このカップ優勝はヴァーヘイゲの成長にとって重要な経験となり、その後フロリダ・パンサーズに移籍後、彼のプレースタイルは大きく進化します。
フロリダではトップ6の重要なフォワードとして活躍し、過去2シーズンで30ゴール以上を記録。2023年にはパンサーズの初のスタンレー・カップ制覇に貢献し、完全にスター選手としての地位を確立しました。
もしトロントがもう少し忍耐強くヴァーヘイゲを育成していれば、現在のトップ6の一員として活躍していた可能性は十分にあったはずです。その代わりに獲得したグラブナーは、2015-16シーズンに80試合でわずか9ゴール、18ポイントという成績にとどまりました。
ヴァーヘイゲのキャリアは、いかにして適切なチャンスと環境が選手の成長に重要かを物語るものです。彼の成功は、NHLチームにおける育成や選手の取り扱い方がいかに選手個々のキャリアに影響を与えるかを示す好例と言えるでしょう。
すっかりスター選手です。
2,ブラッド・ボイエス
トロント・メイプルリーフスの期待を背負って、輝かしいキャリアと遅すぎた帰還
ブラッド・ボイエスは2000年のNHLドラフトでトロント・メイプルリーフスに1巡目(24位)で指名され、地元ミシサガ7出身として大きな期待を受けました。
ボイエスはジュニア時代、30ゴール以上を記録することが多く、特に2000-01、2001-02シーズンにはOHL(オンタリオ・ホッケーリーグ)の最優秀選手に選ばれ、プロスペクトとしての地位を確立しています。
さらに、2001-02年のOHLプレーオフでは圧倒的な活躍を見せ、エリー・オタースをOHLチャンピオンに導く一因となりました。ボイエスはそのプレーオフで21試合に出場し、22ゴール、19アシスト、41ポイントを記録。彼の勝負強さと得点力は、今後のキャリアへの期待を一層高めることになります。
AHLのセントジョンズ(トロントのアフィリエイト)で過ごした2002-03シーズンも順調で、ボイエスは65試合で23ゴール、28アシスト、51ポイントを記録し、早々にNHL入りを果たす可能性を見せました。
しかし、トロントがプレーオフ進出を目指してオフェンスの強化を図った結果、ボイエスは2003年にサンノゼ・シャークスにトレードされ、オーエン・ノーラン8と交換となりました。
ノーランは当時キャリアの後半に差し掛かっており、トロントでの2年間でわずか26ゴール、60ポイントと期待外れの成績に終わっています。その結果、トロントはノーラン加入初年度にプレーオフ初戦で敗退し、翌シーズンは完全にプレーオフ進出を逃すこととなりました。
一方、ボイエスはサンノゼからボストン・ブルーインズに移籍後、2005-06のルーキーシーズンに注目の成績を残します。82試合で26ゴール、43アシスト、69ポイントを記録し、カルダー・トロフィー(最優秀新人賞)の投票で5位にランクインしました。
その後、2006-07シーズンにはセントルイス・ブルースに移籍し、キャリアのピークを迎えます。ブルースでは2007-08、2008-09シーズンに連続して33ゴール以上を記録し、トップスコアラーとして名を馳せました。
ブルース時代の映像です!
しかし、ボイエスのキャリアはその後下り坂に入り、最終的には2015-16シーズンにトロントに復帰しますが、この頃にはすでにNHLキャリアの晩年を迎えていました。
もしボイエスがトロントでキャリアのピークを迎えていたなら、同チームのプレーオフ不出場は2005年から2012年の8年間ではなく、もっと早くに終わっていたかもしれません。
さらに、マッツ・サンダイン9がボイエスのようなエリートの右ウィンガーとプレーできていれば、サンディンの最晩年の数シーズンが無駄にならず、チームにとって大きなプラスになったでしょう。
3,アレクサンダー・スティーン
トロントからセントルイスへ、成長と栄光のキャリア
アレクサンダー・スティーンは、2002年のNHLドラフトでトロント・メイプルリーフスに1巡目(24位)で指名されました。
彼は同じくトロントでドラフトされたブラッド・ボイエスと似た経歴を持ちながらも、実際にメイプルリーフスでプレーするチャンスを得たのは2005-06シーズンからでした。最初の3年間でスティーンは平均的に2桁ゴール、40ポイント近い成績を収めましたが、チームに対するオフェンシブなインパクトをさらに高めるには至りませんでした。
その結果、2008-09シーズン中にスティーンはカーロ・コライアコーヴォと共にセントルイス・ブルースにトレードされ、リース・ステンプニャクがリーフス入りしました。
ステンプニャクは2006-07シーズンに27ゴールを記録したことがあり、トロントは彼のスコアリング能力に期待していたものの、その後のキャリアでは27ゴールが最も多いシーズンとなり、トロントでは2年間でそれぞれ11ゴールと14ゴールという成績に終わりました。
一方、スティーンはセントルイスに移籍後、ブルースのトップ6フォワードの重要な一員となり、その後12年間にわたり活躍を続けました。スティーンは765試合に出場し、195ゴール、301アシスト、496ポイントを記録。
その中には20ゴール以上を記録したシーズンが4回、30アシスト以上を記録したシーズンが5回あり、安定した成績を残しました。
勝負強さはピカイチ、この頃のブルースは本当に強かった…。
さらに、スティーンはブルースが2018-19シーズンに初めてスタンレー・カップを制覇する際にも重要な役割を果たしました。彼はキャリアの最後のシーズンにNHL通算1000試合出場を達成し、長年にわたる忠誠心と堅実なプレーでセントルイスに大きな貢献をしました。
スティーンといい、ボイエスといい、ブルースからすれば「良いんすか?こんな上物の選手ばかり譲って貰っちゃって。へへへ、ごっつぁんです」って気分だろうにゃ。でも、最近のブルースは、そんな選手の巡り合わせ運も無いみたいだけど…。
4,トゥウカ・ラスク
トロント・メイプルリーフスが犯した最大のミス
トロント・メイプルリーフスが歴史的な失敗を犯した瞬間の一つが、トゥウカ・ラスクのトレードです。2005-06シーズン後にエド・ベルフォー10が退団したトロントは、2006-07シーズンに向けて実力のある先発ゴールキーパーを探していました。
その結果、ボストン・ブルーインズのアンドリュー・レイクロフト11に目を付けました。レイクロフトは2003-04シーズンにカルダー・トロフィー(最優秀新人賞)を受賞した実力者でしたが、ボストンでポジションを失っていたため、トロントは彼を獲得するチャンスと見てトレードに乗り出しました。
トレードの際、トロントはゴーリーとしてジャスティン・ポッジ12か、もしくは1巡目指名選手のトゥウカ・ラスクを含める選択肢がありました。
ポッジはその前年、WHL(ウエスタン・ホッケーリーグ)のカルガリー・ヒットメンで38勝を挙げ、世界ジュニア選手権では金メダルを獲得するなど注目されていましたが、トロントはラスクを選びました。
しかし、この選択がトロントにとって長年の痛手となることになりました。レイクロフトはトロントで2シーズンを過ごし、39勝を挙げるも期待外れの成績に終わり、その後はキャリアが停滞しました。
ポッジはトロントでのNHLキャリアがわずか7試合で終わり、その後はほとんど影響力を持つことなく引退しました。
一方、ラスクはボストン・ブルーインズに移籍後、1流のゴールテンディングを長年にわたり提供しました。ラスクはブルーインズのゴールを守り続け、308勝165敗66延長負けという成績を収め、52回のシャットアウトを達成しました。
また、2.28のGAA(平均失点率)と.921のセーブ率を記録し、数々の栄誉を手にしました。
ラスクは2011年のスタンレー・カップ制覇に貢献し、2014年にはヴェジーナ・トロフィー(最優秀ゴールキーパー賞)を受賞、2020年にはウィリアム・ジェニングス賞(最少失点のゴールキーパーに贈られる賞)とNHLセカンド・オールスターにも選出されるなど、その実力を証明しました。
ラスクのメット、結構好き!
ラスクがトロントにいれば、メイプルリーフスのゴールキーパー問題は長年心配することもなく、数々の失敗したゴールキーパーたちで苦労することなく、チームは安定した守護神を手に入れることができたはずです。
また、後に明らかになったことですが、実はブルーインズはレイクロフトをトレードする前にフリーで手放すつもりだったとのこと。つまり、トロントは何も手放すことなくレイクロフトを獲得できた可能性もあったのです。
結果として、トロントはラスクという過去20年間で最も優れたゴールキーパーの一人を失い、痛みを伴う決断を下したことになります。もしラスクがトロントに在籍していたら、メイプルリーフスのスタンレー・カップ制覇の可能性は大きく変わっていたかもしれません。
まとめ
フレイムスは次戦に向けて、過密日程の疲れを癒し、よりシンプルで効率的なプレーを目指すべきです。ダン・ヴラダールやジャスティン・カークランドなどの好プレーを活かし、チーム全体で再調整し、次の対戦では安定したパフォーマンスを見せることが期待されます。
またリーフスは試合中の連携不足と努力不足が浮き彫りになったものの、次戦では素早い切り替えが求められます。タバレスは次の試合に向けて、敗北を教訓にして再挑戦する意気込みを語っており、こちらもチームとしての立て直しが期待されます。
もしトロント・メイプルリーフスが、選手たちに対してもう少し時間をかけて育成を行っていれば、チームの成績やスタンレー・カップ獲得の可能性は大きく変わったかもしれません。これらの選手が示した成功は、適切なタイミングでのチャンスやサポートの重要性を物語っています。チームの未来を見据えた選択がいかに重要であるかを改めて考えさせられる内容です。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- カナダの大手メディアグループである「Postmedia Network」が発行している日刊新聞。Postmediaはカナダ国内で多数の新聞を運営しているメディア企業。主にカルガリーおよびアルバータ州南部を対象にした地域新聞だが、カナダ国内外のニュースもカバー。1883年に創刊。
↩︎ - 選手が自分の交代時間をオーバーしてプレーし続けてしまったことを指しており、疲労や集中力の低下が懸念される状況。アイスホッケーでは、選手たちはシフト(プレーの時間)ごとに交代を繰り返し、通常は1回のシフトが約30秒から1分程度。
長時間プレーを続けると、選手は疲れてしまい、パフォーマンスが落ちたり、試合中にミスを犯しやすくなったりする。
↩︎ - 2014年のドラフト全体62位で指名(ナッシュビル・プレデターズ)を受けたものの、なかなか芽が出ず。22-23シーズンはアナハイム・ダックス、23-24シーズンはアリゾナ・コヨーテズとチームを変えたが、下部組織リーグ止まりだった。
今シーズン、突然ブレイクした形となり、特にプラス/マイナス評価+6が光る。
↩︎ - この試合までのドミは17試合に出場して、ノー・ゴール。アシストも10月21日(月)のタンパベイ・ライトニング戦以来、記録していなかった。この試合もほとんど消えており、ライン変更は仕方ない。
交代したナイズもシュート1本はあるが、2分間のペナルティボックス行きを含め、プラス/マイナス評価も-1とあまり機能していたとは言えない。
↩︎ - 主にトロント・メイプルリーフスに関するニュース、分析、評論を提供するスポーツメディアサイト。コーチングスタッフの戦術的アプローチに関する議論やチームの伝統や過去の偉大な選手たちに焦点を当てた記事もある。
↩︎ - オーストリア出身。グラブナーは、そのスピードとゴールスコアリング能力で知られ、特に「スピードスター」として注目された。2006年のNHLドラフトで、グラブナーは1巡目(14位)でバンクーバー・カナックスから指名。
トップ6で起用されることはあまりなく、ジャーニーマンとなり、アイランダーズ時代、2011-12シーズンの34ゴール以外はあまり目立った成績を残せなかった。
↩︎ - カナダ、オンタリオ州の都市で、トロントの西隣に位置する。約70万人が住むこの都市は、商業・工業が盛んな多文化社会で、多くの企業の本社が集まっている。特に、ピアソン国際空港が所在し、交通の要所としても重要。
↩︎ - カナダ出身。彼はプレーでなく、契約問題で注目を浴びている。2004-05シーズンがストや怪我でキャンセルされた場合、翌シーズンのオプション契約が発動するという条項を契約に盛り込んでいた。
しかし、NHLの集団協定(CBA)が施行された後、このオプション契約は議論の的となった。特に、NHLの新しいサラリーキャップ制度が導入され、トロントはノーランの高額な年俸を問題視し、契約が有効であると認めなかった。
ノーランは、このオプションが有効であり、2004-05シーズン中のロックアウト期間中も給与を支払われるべきだと主張したが、トロントはノーランが健康であり、怪我は氷上ではなくオフアイスで発生したとし、要求する1200万ドルの支払いを拒否。この問題は仲裁者にかけられ、2006年に解決したが、和解内容は公開されていない。
↩︎ - 1994年6月28日、ノルディクスからトロントにトレードで加入。1994-95シーズンのロックアウトにより、サンダインのデビューは遅れ、母国スウェーデンで再びプレーしたが、シーズン再開後のシーズンで47ポイントを記録。
1996-97シーズンには、キャプテンに任命され、トロントの16代目キャプテンとして活躍。1999年にはスタンレーカップ・プレーオフに進出し、キャリアハイの16ポイントを記録。その後、2002年には6年契約を結び、再びカンファレンス・ファイナルに進出。
2003-04シーズン、サンダインはスティック投げ事件で1試合の出場停止処分を受けたが、その後謝罪としてファンにサイン入りスティックをプレゼント。2006-07シーズンには500ゴールを達成し、次いで900ポイントも記録している。
↩︎ - 2002年7月2日にFAでトロントに加入(ダラス・スターズから)。ベルフォーはリーグ最多37勝を挙げ、2.26のGAA(平均失点)で11位にランクイン。翌年4月1日にはキャリア通算400勝を達成し、プレーオフでは2.71のGAAと.915のセーブ率で活躍。
2003年にはベジーナ・トロフィーの候補となり、最終的に2位。2005年12月19日、通算448勝を達成。
↩︎ - 2006-07シーズン、レイクロフトは、10月5日のオタワ・セネターズ戦で初の完封勝利を記録。2007年4月3日には、レギュラーシーズンのゴールキーパー最多勝利数(37)でリーフスのフランチャイズ記録に並ぶ。しかし、彼はGAAで49位、セーブ率で56位に終わっている。
↩︎ - 2004年にNHLドラフトでトロントから第3巡目・90位で指名され、2005年12月にリーフスと3年間の契約を結んでいる。2009年にアナハイム・ダックス、カロライナ・ハリケーンズと移籍を重ね、2011年にはフェニックス・コヨーテスと契約。
2012年に北米を離れ、イタリアのリッテン・スポーツ・オブ・ザ・エリートAと契約し、その後スウェーデン、SHLのフェリエスタッドBK、2016年にはKHLのHCスロヴァン・ブラティスラヴァに移籍。2022年にドイツリーグ(DEL)のグリズリーズ・ヴォルフスブルクと契約。 ↩︎