はじめに
先週末辺りから始まった各チームのトレーニング・キャンプの様子を見て、ファンは若手選手の動向や新しいロースターのライン編成の行方に注目しています。また、NHLでは新しいルールが導入され、特にプレシーズン・ゲームではそのテスト的な実施が行われていく予定です。
そこで、プレマッチを前にして、ボストン・ブルーインズを中心に追いかける情報サイトが新ルール解説記事をアップしていたので、それを紹介していこうと思います。変更点を概観すると、より円滑に試合進行していくためのもののようです。
ブルーインズは新ルールも大事だけど、未だ契約更新をしていない正GKのことでアタマいっぱいなんじゃないかにゃ。監督さん、プレマッチのロースターもなかなか組み立てづらいのではなかろうか。
引用元:nesn.com1(NESN公式サイト)「How New NHL Rule Changes For Upcoming Season Could Impact Bruins」
新ルールの導入?その影響は?
今週からトレーニングキャンプが始まり、ブルーインズのファンはどの若手選手がボストンに残るのか、またゼネラルマネージャーのドン・スウィーニーと制限付きフリーエージェントのジェレミー・スウェイマンが12月1日の締切前に新契約を結ぶかどうかに注目しています。
一方で、NHLは新しいルールの制定や既存ルールの変更をいくつか導入しました。
ブルーインズの最初プレシーズンゲームが日曜日に予定されており、2024-25シーズンにおけるNHLルール変更の一部が実際に行われるのを初めて見る機会となります。
ゼネラルマネージャーたちは3月にいくつかの変更2を提案し、投票を行いましたが、最終的な承認のためにはNHLの競技委員会とリーグの理事会を通過して最終承認を得る必要があります。
NHLシーズンは10月8日に開幕し、昨シーズンのスタンレーカップのディフェンディング・チャンピオンであるフロリダ・パンサーズがブルーインズを迎え撃ちます。シーズン開幕が迫る中、NHLの広報チームはどのような変更が実施されるのかを知らせるビデオを公開しました。
※こちらの映像で、今回のルール変更が簡単に解説されています。このブログの解釈が間違ってたら、ごめんなさい…。
監督さん、チャレンジできる機会が増えるよ!
最大の変更点の一つは、ルール383—コーチのチャレンジ機会の拡張です。
この更新により、コーチはパックが選手、(観客を防御する)ガラス、または(リンク周辺を取り囲む)ボードに当たって逸れたかどうかをチャレンジし、ゲームの遅延ペナルティ(選手が意図的にパックをスタンドや氷の外に出すこと)を取り消すことができるようになりました。
チャレンジが失敗した場合、ビデオで示しているように、チームには追加のマイナーペナルティ(選手1名が2分間のペナルティボックスへ退場)が課せられます。
ゴールネットとライン変更に関する新ルール
次に変更されたルールは、プレー中にネットが外れた(あるいはゴールを移動させた)場合のルール63.84です。新しいルール実施により、ゴールキーパーが誤ってネットを外した場合、ディフェンス側のチームがライン変更できるという「ルールの抜け穴」を塞ぎました。
「ゴールテンダーを含むディフェンス側のプレーヤーが誤ってネットを移動させた場合、ディフェンス側のチームはライン変更を行うことができません」とNHLのビデオは説明しています。
「以前は、ライン変更禁止ルール5はディフェンス側のスケーターにのみ適用され、ゴールキーパーが誤ってネットを外した場合には適用されていませんでした。」
日本プロ野球で見られる「代打の代打」とか、打者ごとに中継ぎピッチャーを代えていくようなモタモタ感を失くしていくってことなのかにゃ。あくまでライン変更は試合の中でスピーディーの行うべし!
フェイスオフ手順の変更
フェイスオフは、チームのセンターの選手がサークルから出されるとき(フェイスオフが上手くいかず、警告を1度受けると、別な選手と交代)、ファンの間でよく争点になります。
NHLのフェイスオフ手順に対する新たな変更は、アイシング6のコールがされた後に競技の公平性を保つものです。攻撃側のセンターは、フェイスオフ違反について1回の警告を受けることができ(守備側プレーヤーと同じ)、ドット(サークルの中心点)から排除されることはありません。
2回目の違反が発生した場合、ベンチにマイナーペナルティが科されます。
スケートのブレードには気をつけよう!
新シーズンに実施される新しいルールの中には、昨シーズン、ライン変更を待っている選手がベンチボードに座っているとき(素早くライン交代をする場合、ベンチに座らず、ボードに腰掛けている場合がある)、スケートブレードでラインズマンが負傷したことが直接の原因となったものがあります。
選手は従来通りボードに座ることができますが、スケートは氷の上には出せず、ベンチ側に留める必要があります。
「審判は、プレー中にスケート靴を露出させた状態でボードに座っている選手について、違反したチーム、コーチ、選手に1回の警告を与えることになります」とビデオは説明しています。
「警告が1回出された後、さらに警告を引き起こしたチームにはベンチにマイナーペナルティが科されます。」
ゴールキーパー交代に関する新ルール
最後のルール変更は、ゴールキーパーが必須の医療評価を受けるため、試合から外された場合に関するものです。このルール変更により、交代要員のゴールキーパーには「短いウォームアップ」期間が与えられるようになります。
具体的な時間は示されていませんが、審判の裁量に委ねられるようです。
ブルーインズは、日曜日の夜(9月22日)にTDガーデンでニューヨーク・レンジャーズを迎えるプレシーズンゲームで、これらのルール変更の一部またはすべてが実施される可能性があります。
オリジナルシックスの対戦のフェイスオフは午後5時(東部標準時。日本時間では23日〈月〉午前7時)に予定されており、NESNで試合を見ることができます。
【追記】
記事中のブルーインズvs.レンジャーズ戦は、2-3でレンジャーズの勝利で終わりました。
ダイジェスト映像です。
メンバーは若手主体でしたが、どちらも仕上がりの良さを感じさせる内容でした。特に目立ったのは、レンジャーズの背番号72、センターのフィリプ・ヒチル(25歳)です。1ゴール・1アシストを挙げ、決勝点となる3点目のアシストで、シーズン中も司令塔として活躍しそうです。
肝心の新ルールに関しては、ダイジェスト映像しか見ておらず、試合記録での判断しかできないので、何とも言えませんが、前半オフサイドが多かったように思います。この辺は審判もやや戸惑ったのかもしれません。
まとめ
ブルーインズに限らず、新ルールの実施を通じて、各チームは戦略の幅を広げるチャンスを迎えていルのかもしれません。そういう意味で、プレシーズン・ゲームでのパフォーマンスが今シーズンの展望にどのように影響を与えるか、ますます注目です。
ファンにとっても、ルール変更がもたらす新たなゲーム展開、具体的に言えば、スピーディーでスリリングな展開になっていくのかどうかに期待が高まります。メジャーリーグも試合のテンポアップを進めていますから、これからいろんなスポーツに波及していくかもしれませんね。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 米国のスポーツネットワークであるNESN(New England Sports Network)の公式ウェブサイト。このサイトでは、主にボストン・レッドソックスやボストン・ブルーインズといったニューヨーク地域のプロスポーツチームに関するニュースや情報を提供している。
↩︎ - NHLのゼネラルマネージャーたちの関心を集め、投票されたものの中には、オフサイドルール簡素化に向けた微調整もある。この変更により、選手のスケートがブルーライン上に着地していなくてもオフサイドと見なされないようになる。
これにより、リンクに接触していないスケートのために、良質なゴールが取り消されるケースが減ることが期待されている。
昨シーズン、着地していないスケート、つまり、オフサイドライン近辺で空間にあるスケートに関連するチャレンジで多くのゴールが取り消されており、ルールの適用方法が見直されることが、GM達から求められていたことによる。
↩︎ - 主に「スポーツマンシップ」に関するルールを定めている。このルールは、選手が試合中に適切な行動を取ることを促し、試合の流れや雰囲気を保つことを目的とする。
具体的に言えば、選手やチームスタッフが審判に対して不満を表明したり、攻撃的な行動をとったりすることの禁止、相手チームや審判に対するリスペクトを持つことが求められ、これに反する行為へのペナルティ、公正にプレーすることの促進などがある。
↩︎ - 基本的には「ゴールキーパーのインターフェア」に関する規定。このルールは、攻撃側の選手がゴールキーパーの動きを妨げることを禁止しており、ゴールキーパーが適切にプレーできる環境を保障することを目的とする。
攻撃側選手がゴールキーパーに対して不適切な身体的接触を行った場合、その行為がゴールキーパーのプレーに影響を及ぼすと判断されると、ペナルティが科せられる。相手チームにペナルティショットが与えられることもある。
このルールは選手の安全を確保し、ゴールキーパーがその役割を果たす際に不当な妨害を受けないようにするために重要である。
今回のルール変更は、ゴールキーパーが故意にゴールネットを移動させ、その間、チームにライン変更させるプレーの禁止となる。
↩︎ - no line change ruleのことで、特定の状況下でチームがラインを変更できないようにするルール。このルールにより、試合の公平性とスムーズな進行を維持できる。
例えば、特定のプレーが起こった後にペナルティが科されたり、監督がタイムアウトを取ったりした場合、相手チームがラインを変更しようとすると適用される。このルールがないと、ライン変更し合うことになってしまい、試合が円滑に進まなくなるからである。
ゴールキーパーが故意にパックを外に出した場合や、ゴールが外れた場合などの状況で、以前のルールであれば、逆側・相手チームはラインを変更することができなかった。しかし、今回の改正により、自陣ゴールが外れたチームもライン変更不可となったのである。
↩︎ - 特定の状況でパックを無意味にクリアすることを禁止するルール。
選手が自分のディフェンス・ゾーンからパックをアイスリンクの端まで、相手チームのゴールラインを越えて出してしまう場合と、パックが相手チームのゴールラインを越え、相手選手がパックに触れる前に、自分のチームの選手がパックをクリアした場合に適用される。
審判からアイシング宣告があると、アイシングが発生した地点において、フェイスオフが行われ、相手チームが攻撃の機会を得ることとなる。なお、タッチ・アイシング導入の場合もあり、相手チームがアイシング宣告前にパックに触れることで、プレー再開となる。
なお、アイシングが発生すると、アイシングを行ったチームは選手交代ができない。 ↩︎