はじめに
贔屓チームの一つであるフィラデルフィア・フライヤーズ、今シーズンも多難のようです。開幕のコロンバス・ブルージャケッツ戦は勝利を収めたものの、相手はシーズン開幕直前に監督交代のあったばかりで、準備不足のチームに勝っても、あまり高評価はできません。
迎えた2戦目、オタワ・セネタース戦で守備の不安を露呈。アウェイで判定とか不利な面があるとはいえ、ペナルティを取られまくり、それがことごとく失点に結びつくのはいただけません。元々プレーの荒いチームなんで、そこを突かれたのかもしれません。
では、熱戦の様子をお届けしましょう。
チーム立て直し期間中のフライヤーズとしては、
仕方ない試合運びだったかもしれないにゃ。
開幕してまだ2試合、されど2試合。
再建のためには、逆に無駄な試合を作らない方がいいと思うのだが…。
引用元:NHL.com「Chychrun has 3 points in Senators win against Flyers」。
オタワ・セネターズ、快勝!
10月14日(土曜日)、カナディアン・タイヤー・センターで行われたフィラデルフィア・フライヤーズ戦で、ヤコブ・チクロン(ディフェンス、25歳)が2ゴール1アシストを記録し、ブレイディ・トカチュク(左ウィング、24歳)も2ゴールを決め、オタワ・セネターズのホーム開幕戦で5-2で勝利しました。
ウラジミール・タラセンコ(右ウィング、31歳)は2アシストを記録し、7月27日に1年契約を結んで以来、セネターズでの初ポイントとなりました。
オタワの主将を務めるトカチュクは、「みんなが貢献してくれたね」と語っています。「今夜は素晴らしいプレーをした選手がたくさんいて、それはチームとして必要だったことだと思うね。
そしてもちろん、ファンが提供してくれた雰囲気も力になったよ。僕らは1年中ファンの力を必要とするからね」。
ジェイク・サンダーソン(ディフェンス、21歳)が1ゴール1アシスト、クロード・ジルー(右ウィング、35歳)はセネターズで2アシストを記録しました(セネターズの勝敗:1-1-0)。アントン・フォルシュベリ(ゴールテンダー、30歳)はシーズン最初の先発で19セーブを挙げています。
オタワの監督D.J.スミスはフォルシュベリについて「トレーニングキャンプ以来、彼は本当に良かったんだ」と語りました。「最初の(プレシーズンの)試合からずっと、彼はしっかりしていたね。彼にとって、ここで最初の1本(1勝)を取れたことは良かった。
いいゴールキーパーが2人いると思うし、2人ともプレーさせるつもりだ」。
フライヤーズ、パワープレーに粉砕される!
トラビス・コネクニー(右ウィング、26歳)が1ゴールと1アシストを記録し、キャム・ヨーク(ディフェンス、22歳)も得点し、カーター・ハート(ゴールテンダー、25歳)が26セーブをあげたフライヤーズは、パワープレーで3点を許しています(フライヤーズの勝敗:1-1-0)。
フィラデルフィアのジョン・トルトレラ監督は「あれだけ多くのペナルティーを受けているようでは、自分たちにチャンスを与えることすらできないさ」と語りました。
「(オタワは)非常に熟練したチームだ。(フライヤーズによる)8つのブロックショット1か、あまり良いレシピじゃないね。そして、彼ら(オタワ)は一晩のほとんどでパックを持っていた」。
第1ピリオド・2分36秒、ザック・マキューエン(フォワードならどこでも、27歳)による、スロット(2つのフェイスオフ・サークルの間にあるスペース)からのセンタリング・フィードを受けたチクロンは、ハートのブロックしている側をリストショットで破り、オタワに1-0のリードをもたらしました。
「守備はかなり良くなったね」とチクロンは言います。
「守備がよければ、攻撃につながるよ。それが僕らの望んでいたことなんだ。今日ここで(セネタースが)調子を取り戻したから、彼ら(フライヤーズ)のチャンスを制限することができたんだね。そして、(攻撃の)ラッシュからチャンスを作れることもわかっているよ」。
10分47秒、チクロンは、パワープレーで右フェイスオフ・サークル上部のタラセンコからのパスをワンタイムで決め、そのピリオドでの2点目を決めて2-0としました。
ブロックショットはテクニックの一つだから、
そんなに悪いわけじゃないんだけど、
どうしようもないからヤケクソでやった…感は拭えないにゃ(汗)。
ペナルティキルでのバタバタ感といい、
フライヤーズの守備が落ち着かない試合だった。
フライヤーズ、ペナルティキルの勉強やり直し
フライヤーズのフォワード、ガーネット・ハサウェイ(右ウィング、31歳)は、ペナルティキルについて2、「おそらく多くのビデオを見て、それについてたくさん話すことになるだろう」と語っています。「(プレーに)ためらいがあったのではないかと思う。それは僕にも責任ある」。
16分51秒、タイソン・フェルスター(右ウィング/センター、21歳)のシュートのリバウンドを、コネクニーが5対3のパワープレーで決めて2-1にしました。セネターズは、(この試合の)ペナルティキルで6回中5回は無得点に抑えています。
「規律、スティック・ペナルティ、第1ピリオドで、チームは明らかに少し興奮していたと思う。でも、それらに飲まれてはいけないよ」とオタワの監督・スミスは述べています。「(それを放っておくと)時間が進むにつれて、本当に仲間を消耗させ、相手チームにチャンスを与えることになる」。
第2ピリオド・16分12秒、サンダーソンはパワープレーでスクリーンショットを放ち、ポイントシュート3でハートを破り、3-1としました。
「去年は、最初のゴールを決めるのに20試合かそこらかかったと思う」とサンダーソンは述べています。「だから、早くに最初のゴールを決められるのはいいことだよ」。
その18秒後の16分30秒、ヨークはスナップショットを決め、3-2と追い上げていきます。
元フライヤーズ戦士、ジルー大活躍!
19分54秒、ジルーがフィラデルフィアのディフェンスマン、トラビス・サンハイム(ディフェンス、27歳)からパックを奪った後、トカチュクは左スロットからのワンタイマーで4-2と点差を拡げました。
サンハイムは「あの2対1の局面でプレーしていたら、向こうはインターセプトすることができたはずだ。だから、リンク上で、僕は自分の体を反転させようと思ったんだ」と語っています。
「トカチュクも反転しながら離れていったし、僕にはもっと自由にプレーする時間があると思っていたら、(ジルーが)僕の後ろに忍び込んでいいプレーをした。
ピリオドの最後の10秒間、相手にパックを取られないよう我慢しなければならなかったし、パックを相手選手のいない方向にクリアすべき局面だった」と述べました。
第3ピリオド・1分32秒、4-3のパワープレーで、トカチュクは自らのリバウンドを得点に結びつけ、5-2で勝利をものにしました。
トルトレラは「慌てるつもりはないが、ペナルティキル、パワープレー、オフェンス、ディフェンス、今夜はすべてのカテゴリーで劣っていた」と語っています。「ビデオテープを見て気を引き締め、火曜の試合に向けて準備をするよ」。
ジルーは元フライヤーズのスター選手で、まさに「恩返し」された訳だにゃ。
昨シーズンオフ、ベテランを切りまくったフライヤーズ。
そのベテランから「恩返し」されまくらなければいいのだが…。
この試合で生まれた記録あれこれ
注:チクロンは、ホーム開幕戦で3点以上を記録したセネタース史上3人目のディフェンスマンです(エリック・カールソン〈33歳。現在、ピッツバーグ・ペンギンズ所属〉 2回;ウェイド・レデン4 2回)。
…ジルーは、フライヤーズと7試合対戦した場合、少なくとも1ポイント以上を獲得した計算になります(フライヤーズから他チームへ移籍後、4試合で2ゴール・5アシスト)。彼はフィラデルフィア在籍時(21-22シーズンまで)1000試合に出場し、900ポイントを挙げています。
ジルーは、この試合でのフェイスオフで、17本中11本に勝利しています(64.7パーセント)。
…オタワのディフェンスマン、トーマス・シャボットは(26歳)プラス2で、アイスタイム25分19秒でこの試合に出場した全選手中トップでした。
…フィラデルフィアのセンター、ショーン・クチュリエ(30歳)は氷上で20分間プレーし、22回のフェイスオフのうち11回(50%)で勝利しました。
まとめ
フライヤーズの監督や選手の談話を見ると、「もう1回、戦術を練り直さなきゃ」「みんなで話し合わないと」というものばかり。早急に立て直しを図れるのでしょうか。
一方、セネターズはスター選手のデブリンカットをデトロイトに放出して、「大丈夫か?」と言われていたのに、むしろ攻撃面での約束事がスッキリした感じもします。フライヤーズも同じようにチームのスリム化をしたのですから、その効果を早く見たいものです。
あまり前評判の高くないフライヤーズ。「今シーズンの中盤以降に、成長したチームの姿を見せられれば…」なんてノンキに構えていたら、負けが込みすぎて、にっちもさっちも行かなくなります。冷静・冷徹なトルトレラがどう断を下すのでしょうか。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 相手攻撃を受けているディフェンスマン(フォワードも含む)が、自チームのゴール前でシュートを打たせないよう、リンクの上へ身体を投げ出してブロックすること。
↩︎ - セネタースの5得点のうち、3得点はパワープレーによるもの。逆に、フィラデルフィアはペナルティキル(ペナルティで、チームの人数が少ない状態)になると、ほとんど得点されている訳で、早急に不利な状況での守備の再構築が必要。
↩︎ - この場合の「ポイント」とは、オフェンスゾーンのブルーラインのすぐ内側で、通常オフェンスチームのディフェンスマンが位置するエリアのことである。よって、その位置から、ディフェンスマンの打ったシュートのことを言う。
↩︎ - カナダ、サスカチュワン州ロイドミンスター出身、46歳。11シーズンにわたりセネターズでプレー、現在、同チームの育成コーチ。
2005-06シーズン、レデンは膝の怪我と癌と闘う母親の付き添いのため欠場したが、65試合でキャリアハイの50ポイントとNHLトップのプラス・マイナス・レーティング+35を記録している。 ↩︎