はじめに
うーん、強いですね、ベガス・ゴールデンナイツ。フロリダ・パンサーズも粘りを見せてきているのですが、レギュラー・シーズン中の悪いクセ、守備に回った際、集中を切らす時間帯を作ってしまいがちなのです。
ベガスのセンターはどのラインにも曲者を配置してるんで、そこを見逃しません。
そのパンサーズと大激戦を演じたカロライナ・ハリケーンズの話題から、今回は始めます。続いて、第2ピリオドでリードしていたチームの勝率の話、そして、ジェイク・オッティンガーを例に挙げ、ゴールテンダーの休息に関する話(これは前半戦)をお届けします。
今回で完結とならなかったにゃ!
中途半端に記事が切れてしまうこと、
誠に申し訳ない_| ̄|○。
引用元:ESPN.com「Seven hard lessons from the 2023 Stanley Cup playoffs」。
ハリケーンズ、決定力不足を補ったはずなのに…
教訓:ハリケーンズは、私たちの思っていた通りの存在となった。
昨夏、ロッド・ブリンダムール監督率いるカロライナ・ハリケーンズは、いつもプレーオフ上位進出候補と見なされていましたが、1つの基本的な要素が欠けていました:それは、シリーズを有利に進めるために、重要な場面で1点を決める能力です。
2021年のタンパベイ戦、ハリケーンズが抵抗していく上で、0勝2敗と追い詰められることを防げたかもしれない、あのゴール(2回戦、1勝4敗で敗退);2022年のレンジャーズ戦、3勝0敗とリードを築けたかもしれない、あのゴール(2回戦、3勝4敗で敗退)。
昨年の夏にはブレント・バーンズ(ディフェンス、38歳)、ポール・スタストニー(センター、37歳)、マックス・パショレッティ(左ウィング、34歳)を獲得し、その得点力不足に対処しようとしました。
スタストニーは、第1ラウンドのアイランダーズ戦で得点力不足を解消するゴール、すなわち第6試合の延長戦でゴールを決め、第1ラウンドを締めくくっています。バーンズはポスト・シーズンで9得点を挙げています。
しかし、パショレッティはレギュラー・シーズンに5試合しか出場せず、負傷でポストシーズンを全休しました。そして、3月にはウインガーのアンドレイ・スベチニコフ(右ウィング、23歳)を膝の負傷で失っています。
デビルズ以外に通用しなかった…
プレーオフのほとんどの期間、ハリケーンズは彼ら無しでも攻撃的面でなんとかなるように見えました。60分平均3.54ゴールは、決勝トーナメントに進出したプレーオフ・チーム中、3位でした。
しかし、その多くはデビルズ戦でスコアを伸ばしたものであり(5試合・24得点)、Z世代の不安が、だんだんとチームの敗戦を意識するようになっていったのです。
それ以外の場合、デビルズと名付けられていないチームに対して、カロライナは10試合中7試合で2ゴール以下を記録しています(アイランダーズ戦は6試合・16得点)。
パンサーズ戦でのハリケーンズの終焉は、チャンスを逃し続けたと言っていいものです(4試合・6得点)。
そう、危険度の高い相手方のチャンスを守り抜いたパンサーズのディフェンスと、コンスマイス・レースをリードするセルゲイ・ボブロフスキー(34歳)のゴールキーパーとしてのプレーには満点を付けます。
しかし、もしあの延長4回のパワープレーでカロライナが得点していたら、どうなったでしょうか。もし、フロリダを17-1で圧倒していた第2戦で、2点目を追加していたら?もし彼らが第3戦で最初のゴールを決めていたとしたら、あるいは何かゴールを決めていた場合はどうなりますか?
※フロリダを17-1で圧倒=第2戦・第1ピリオド、ジャレン・チャットフィールド(ディフェンス、27歳)のゴールで先制して以降、カロライナはシュートを撃ちまくり、フロリダにつけ入るスキを与えなかった。それだけ、相手キーパー、ボブロフスキーのスキルが高かったのである。
レギュラー・シーズン中のハリケーンズは、
手堅く勝ちを拾ってた印象だにゃ。
ただ、短期決戦を勝ち上がるには、
ここ一番で切り札的に仕事のできる選手が欲しかったところ。
実はトカチュクを…
公平を期すために言えば、ハリケーンズは「そのスコアラー」を獲得しようとしました。彼らはマシュー・トカチュク(左/右ウィング、25歳)を追いかけていましたし、誰と交渉をするかによって、トカチュクがハリケーンズで長期契約を結ぶ可能性があったのです。
しかし、ブリンダムールのチームで、(パンサーズと)同じストーリーが展開されるのは悔しいですね:タフで、守備面は健全で容赦しませんが、攻撃面での欠陥のために優勝には届きません。その風は、ハリケーンのために転換していかなければなりません。
第2ピリオド終了時点で、試合の流れが読める?
教訓:第2ピリオド後にゲームオーバー?
第2戦は、ウェスタン・カンファレンス決勝の流れを、ベガス寄りにしてしまいました。第2戦、スターズが3-1とリードを拡げるための追加点を取ることができなかったことが敗因となったのです。
つまり、ワン・ミスで流れの変わるゲームだったということであり、結局その1つのミスを犯してしまったのです。
レギュラー・シーズンでの攻撃の際のカオスな状態を覚えているでしょうか。あの乱打戦とも言うべき逆転勝利の数々を覚えていますか?2023年のポストシーズンで、それが起きていないように感じますか?まあ、そうじゃない(乱打戦が起きていない)からなんですけどね。
数字が物語っているのです
レギュラー・シーズンでは、第3ピリオドを迎えた時点でリードしていたチームが、11.2%の確率で勝利しています。それほど頻繁ではありませんが、予測不可能な事態を引き起こすほどの頻度です。
プレーオフで同じようなカオスな逆転劇が起きていないように見えるのは、そうではないからです。火曜日の夜までで、プレーオフの試合のうち、第2ピリオドでリードされたチームが勝利した試合は、わずか6.3%(79試合中5試合)です。
2点リードの場合はどうでしょうか。レギュラー・シーズンにおいて、第3ピリオドで2点リードしていた場合、もう一方のチームは、7.85%の確率で同点に追いついています。プレーオフでは、2点差から同点に追いついたチームは、わずか5.1%でした。
プレーオフは、多くの点でレギュラー・シーズンを模倣しています。しかし、もしかすると、「ディフェンス力のあるチームがチャンピオンになる」ということは、プレーオフにおいて、高レベルの攻撃的試合を見られない、と同じなのかもしれません。
短期決戦だし、試合間隔が短いこともあり、
どのチームも手堅くいくのは仕方ないかもにゃ。
でも、第2ピリオドが終わった時点で、
試合の流れが読めてしまうのも、ちょっとなぁ。
ゴールキーパーも人の子
教訓:ゴールキーパーを休ませるのもあり?
ベガスとの第3戦、ジェイク・オッティンガー(24歳。ダラス・スターズ所属)が5本のショットに立ち向かいましたが、3失点を喫し、今シーズンで最も重要な夜の試合を、わずか7分10秒で終えることになりました。
自身が認めているように、このポスト・シーズンで、オッティンガーは彼の目指す基準に見合ったプレーをしていません。
Evolving Hockey(ホッケーの記録サイト。かなり細かい!)の分析によると、過去10試合のプレーオフのうち9試合で、オッティンガーの決定的シュートを止める確率は悪く、それはシアトル・クラーケンとのプレーオフ・シリーズまで遡ります。
客観的に見て、ウェスタン・カンファレンス決勝、ラスベガスでの第1戦・第1ピリオドで打たれた17本のシュートをすべて止めて、彼は素晴らしい時間を過ごしていました。
アディン・ヒル(27歳。ベガス所属)を凌駕し、自力でシリーズの流れを掴むだろうと多くの人から期待されていたゴールキーパーとすれば、それ以外の試合ではほど遠いデキだったのです(賛成の人は手を挙げてください)。
まとめ
若手ゴールテンダーの中でも、オッティンガーはスター中のスター選手。最低でも10年間、ダラスはこのポジションに関して安泰な訳です(FAをさせず、ずっと引き止められればの話ですが)。とはいえ、彼はスーパーマンではありませんから、コンディション作りも重要です。
次回は、他チームのゴールテンダーの例を出しながら、控え選手の少ない、このポジションの難しさを述べていくことになります。また、プレーオフ史上6番目に長い試合もあった訳ですが、延長戦の是非もお届けしていきましょう。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!