はじめに
NHLプレーオフも順調に日程を消化しており、各地で熱戦が展開されています。ワイルドカードで、どうにかこうにかプレーオフ出場権を手に入れたチームの、意外な健闘が光るシリーズになっているのではないでしょうか。
上位チームがすんなりとトーナメントのコマを進めた、NFLと違う展開を期待しています。
さて、今回は、ワイルドカード出場組である、ニューヨーク・アイランダーズについての記事です。
昨シーズン、屈辱の大差でプレーオフ進出を逃したアイランダーズ。見事復権したことになりますが、それだけでなく、「新しい家」で初めてプレーオフを開催することになりました。その試合に向けて、監督も選手達も意気込んでいるようです。
UBSアリーナが完成したのが2021年、
それ以降で初めてと言っていいビッグ・ゲームなんだにゃ。
アイランダーズとしては、しっかり勝っておきたいところ。
引用元:NHL.com「Islanders set to soak in playoff atmosphere at UBS Arena for 1st time」。
UBSアリーナで、プレーオフ初開催!
ニューヨーク・アイランダーズは、金曜日(4月21日、東部標準時午後7時。日本時間4月22日、午前8時;TBS、SN1、TVAS2、MSGSN、BSSO=放送局)に行われるイースタン・カンファレンス第1ラウンド第3戦で、カロライナ・ハリケーンズを迎え、UBSアリーナでスタンレーカップ・プレーオフの試合を初めて行います。
※UBSアリーナ=2021年11月、ニューヨーク州エルモントのベルモントパーク内にオープンした、ニューヨーク・アイランダースの本拠地。
NHL2021-22シーズン後、ロード13連戦を行いホーム開幕戦を迎えたアイランダーズは、2021年11月20日のホーム開幕戦でカルガリー・フレームズに5-2で敗れ、その後、0-5-2と最悪のスタートとなってしまう。収容人数17,255人。
なお、近所には、競馬の三冠レースが行われるベルモントパーク競馬場がある。
最大で7試合戦うシリーズで2勝0敗とリードされているニューヨークは、2020-21シーズン終了後にナッソー・コロシアムに別れを告げ、ニューヨーク州エルモントで2シーズン目を戦っています。
ファンの歓声が力に
アイランダーズのディフェンスマン、スコット・メイフィールド(30歳)は、木曜日、練習場で「大きな声援を浴びることを期待しているよ」と語っています。
「(ナッソー・コロシアムは)とても大きな声援だったね。(UBSアリーナで)そこまでできるかどうかはわからないけど、そうなったら素晴らしいことさ。確かに楽しい場所だから、明日の夜に様子を見るつもりだよ」とコメントしています。
※ナッソー・コロシアム=正式名称はナッソー・ベテランズ・メモリアル・コロシアム。収容人数16,234人(ホッケー開催時)。アイランダーズは1972〜2015年まで使用、かつては、NBAニューヨーク・ネッツもホームとしていた。個人的には、76年のデヴィッド・ボウイのライヴが印象深い。
昨シーズン、ニューヨークは、UBSアリーナで初めてプレーオフを逃しました。しかし、4月12日、アイランダーズはモントリオール・カナディアンズ戦に4-2で勝利し、レギュラー・シーズン最後の試合で出場権を獲得し、今シーズンはプレーオフに戻ってきています。
※昨シーズン、ニューヨークは…=イースタン・カンファレンスのワイルドカード争いで、アイランダーズはキャピタルズに勝ち点差16をつけられ、プレーオフ進出ならず。
今シーズン、アイランダーズ(勝ち点93)はパンサーズ(同92)、ペンギンズ(同91)、セイバース(同91)と争い、ワイルドカード1位の座を獲得。
「それ(プレーオフ)は巨大な存在さ」とメイフィールドは語りました。「みんな興奮している。僕たちはUBSで(プレーオフ・ゲームを)プレーできるんだからね。そこではまだプレーオフの試合をやったことないしね。
きっと物凄い歓声になるんじゃないかって思っているし、ホーム・アリーナに戻るのは楽しみさ」。
周囲の風景の変化が(プレーオフ・)シリーズへの復帰に役立つと、アイランダーズはそれも期待しています。
月曜日の第1戦で2-1で敗れたニューヨークは、水曜日の第2戦、第3ピリオドで1点リードされた分を挽回しましたが、延長戦の末、4-3で敗れ、さらに深い穴を開けてしまいました。
アイランダーズは、レギュラー・シーズン中、ホームで25-13-3でしたが、アウェイでは17-18-6でした。
アイランダーズとプレーオフ進出で競ったパンサーズも、
ブルーインズと良い闘いをしているにゃ。
各チームのレベルが接近してる証拠だな。
アイランダーズ監督の談話
ニューヨークのレーン・ランバート監督は「我々は、ホーム・アリーナと我々を待つファンの前に戻ることを楽しみにしている」とコメントしています。「ファンは確かに我々にアドバンテージと優位性を与えてくれるので、我々はそれを喜んでいるんだ」。
※レーン・ランバート=カナダ、サスカチュワン州メルフォート出身、58歳。現役時のポジションは、前線ならどこでもこなせる万能プレーヤー。プレデターズとキャピタルズのアシスタント・コーチを務めた後、昨年5月、アイランダーズ監督に就任。今シーズン、見事チームをプレーオフに導いた。
ランバートは「(UBSアリーナで行われる最初のプレーオフは)かなりクールなことが起こるだろう」と語っています。「他のアリーナで、素晴らしいプレーオフ・ゲームがいくつかあったが、(しかし、)今回の試合は多くのゲームの中で初めてのことだからね」。
アイランダーズはホームで行われたプレーオフ149試合で通算96勝53敗を記録しており、1980年から83年にかけてのスタンレーカップ4連覇がそのハイライトです。96勝のうち87勝は、ナッソー・コロシアムで挙げられたものです。
※スタンレーカップ4連覇=昨年、65歳の若さで亡くなったマイク・ボッシー(右ウィング)を中心としたチームで達成。
スタンレーカップ決勝史上、ホーム・ゲームで延長戦により決着をつけた最初のチームであり(相手はフライヤーズ…)、ヨーロッパ国籍の選手をロースターに登録して優勝したのも最初である。
バブル期の2020年ポストシーズン、トロントとエドモントンで行われた試合で6勝を挙げ、残り3勝は2016年にニューヨークのバークレイズ・センターで行われた試合によるものです。
※トロントとエドモントンで…=トロント・メープルリーフスの本拠地スコシアバンク・アリーナ、エドモントン・オイラーズの本拠地ロジャース・プレイスで集中開催(無観客)された。1925年以来、カナダで全ての試合が行われた最初のスタンレーカップ・プレーオフである。
※バークレイズ・センター=ニューヨーク市ブルックリン区にある屋内競技場、多目的ホール。2012年からNBAブルックリン・ネッツのホームとなり、アイランダーズも2015〜20年まで使用していた。
バークレイズは、イギリス・ロンドンに本社を置く国際金融グループ。今年1月31日に、ネッツの渡邊雄太とロサンゼルス・レイガースの八村塁による、初の直接対決が行われた(ネッツの勝利)。
これからは、UBSで新しい思い出を!
「バークレイズは我々のお気に入りのリンクじゃなかったんだ。そう言っても過言じゃないね」とメイフィールドは語っています。「しかし、(ナッソー・)コロシアムには特別な瞬間ってのがあるんだ。
私にとって、最初のプレーオフはワシントンとの第6戦(2015年)だった。当時、このコロシアムを閉鎖するものだと思っていたけど、そこで、もう少しプレーする必要が出てきたんだ。だから、コロシアムには確かに特別な時間があった」。
※最初のプレーオフは…=ファースト・ラウンドで、キャピタルズと対戦、第7戦までもつれ込んだが、アイランダース3勝4敗で敗退となっている。
アイランダースは2021年にUBSアリーナが完成するまでの間、バークレイズ・センターとナッソーの両方を本拠地として使用することになった。「そこで、もう少しプレーする必要が出てきた」はそのことを指す。
2021年、ナッソーコロシアムで行われた第6戦で、元アイランダースのフォワード・アンソニー・ボーヴィリエ(現在、バンクーバー・カナックス所属。左ウィング、25歳)が延長戦で得点し、最終的に優勝したタンパベイ・ライトニングを第7戦まで追い込むなど、ニューヨークは2シーズン連続で準決勝に進出しました。
しかし、それらの季節とその建物は過去のものとなりました。金曜日、新しい本拠地で、アイランダーズはプレーオフの思い出作りを始めるチャンスを得たのです。
フォワードのカイル・パルミエリ(センター、32歳)は「振り返ってみると、自分の出場した試合のいくつかの瞬間を覚えている。僕たちが興奮し、楽しみにしていることの一つだと思う」と語りました。
「多くの良い思い出がコロシアムにあるけど、UBSで新しい思い出を始める時が来たんだ」。
まとめ
カロライナ・ハリケーンズとの第3戦、試合は終了しています。結果をご覧になりたい方は、こちら→https://www.nhl.com/news/c-343602614。
ざっと試合を観た感想を一言、「うーん、ここまで行くかぁ…」でした。アリーナの雰囲気も良くて、日本でまだアイスホッケーに触れたことのない方に、その様子だけでも見ていただけたら、とも思いました。
さあ、アイランダーズもハリケーンズも、次の試合がいろんな意味で重要になってきましたよ!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!