クラーケン、ウェスタンのワイルドカード獲得に向けて視界良好!

アイスホッケー名勝負

はじめに 

 このブログで再三申し上げているように、NHLウェスタン・カンファレンスは、ベガス・ゴールデンナイツ以外、プレーオフ進出を決めたチームはなく、ワイルドカード獲得チーム以外は決定したイースタンと対照的な順位争いを繰り広げています。 

 その中で大健闘しているのが、昨シーズンからNHL入りした「32番目のチーム」シアトル・クラーケンであり、ワイルドカード獲得の一番手となっています。ストレートでプレーオフ進出するには(ディビジョン3位以内)、ややキツくなっていますが、まだまだ分かりません。 

 クラーケンの若き至宝・背番号10のエース、マティ・ベニアーズを中心とした攻撃陣は安定した力を誇っており、弱点だった守備も整備されてきています。今回はやや古い試合の記事ですが、クラーケンの連携の良さが分かる試合内容をお伝えしましょう。 

讃岐猫
讃岐猫

現地4月1日の最新試合結果では、

クラーケンは、残念ながら

L.A.キングスに3-1と負けてしまったにゃ。

引用元:NHL.com「Kraken pad West wild card lead with win against Ducks」。

クラーケン、ワイルドカード獲得に向けて、貴重な1勝! 

 マティ・ベニアーズ(センター、20歳)とジェイデン・シュワルツ(センター、30歳)がそれぞれゴールとアシストを決め、3月30日(木曜日)、シアトルのクライメート・プレッジ・アリーナで、シアトル・クラーケンはアナハイム・ダックスに4-1で勝利し、 

ウェスタン・カンファレンスのワイルドカード争いでリードを広げました。 

 クラーケン(41-25-8)のダニエル・スプロング(右ウィング、26歳)とアレックス・ウェンバーグ(センター、28歳)が得点し、出場した最近の9試合中6敗していたマーティン・ジョーンズ(ゴールキーパー、33歳)が18セーブを挙げ、2月28日以来の勝利を挙げました。 

 シアトルは、ウェスタン・カンファレンスからスタンレーカップ・プレーオフ進出へのワイルドカード1枚目を獲得するため、ウィニペグ・ジェッツに5ポイント差をつけました。 

両チーム監督の談話 

 シアトルのデイブ・ハクストール監督は「このロッカールーム中のグループは、自分達が推し進めたいと思っていたいくつかのことを、さらにプッシュする方法を探し続けてきたんだ」と語っています。 

 「我われは引き続きその立場にあり、リストに掲げた最初の目標に到達するためには、まだやるべきことがある」。 

 ブロック・マッギン(左ウィング、29歳)が得点し、ルーカス・ドスタル(ゴールキーパー、22歳)が35セーブを挙げ、ダックスは6連敗中(23-42-10)です。 

 アナハイムのダラス・イーキンス監督は「苦しい1年だったが、このグループをとても誇りに思っている」と語っています。「何度かグループは曲がり角になったこともあるが、壊れたことはないさ。選手達は素晴らしい態度を取り続けている。 

ここには素晴らしい若者達がいるんだ」。 

讃岐猫
讃岐猫

アナハイム・ダックスの得失点差は、

なんと全チーム中最悪のマイナス115!

かなりの失点なんだにゃ!

立て直しに向けての計画が、監督にあるのだろうか。

この試合の得点経過 

 第1ピリオド・7分56秒、シュワルツはクラーケンに1-0のリードをもたらしました。パックを左サイドに持ち込み、ウィル・ボーゲン(ディフェンス、26歳)のブレイクアウト・パス(相手の攻撃をうまく防ぎ、攻撃に転じるパス)に続いて、 

左フェイスオフ・サークルの上部からスラップショット(ステイックの小さくて力強いスイングによる速いシュート)を決めたのです。 

 シュワルツは「(ボーゲンは)プレーをよく読んで、(ディフェンダーの)スティックの間を通すハードなパスを、テープの右側に出してくれたんだ」と語りました。 

テープの右側=テープとは、スティックのブレード部分、つまりパックを操る部分に貼るテープのこと。ここでは、パックを操りやすい場所にパスを出してくれたことの意味。 

 「僕はかなりスピードを出していたので、彼が僕を見つけてくれることを期待していたんだけど、彼は相手ディフェンダーと駆け引きしながら、僕を見つけるという本当に良い仕事をしてくれたね」。 

 10分37秒、ジャレッド・マッキャン(左ウィング、26歳)のバックハンドのセンタリングパスを受けたベニアーズが、スコアを2-0としました。ベニアーズの最初のシュートはネットの横を直撃しましたが、その後パックを拾い、リバウンドで得点したのです。 

 イーキンス監督は「本当に良いスタートが切れたと思ったし、失点のミスもいくつかあった」と振り返っています。

 

ベニアーズ、味方を褒める 

 ブランドン・タネフ(左ウィング、31歳)、ライアン・ドナート(センター、26歳)、スプロングの4列目が、ダックスを自陣の守備ゾーンに固定してくれた後、ベニアーズが氷上に出て得点できたと評価しています。 

  「それが全体のゴールを生み出してくれたね」とベニアーズは述べました。「そこから始まっているよね。(ダックスは)ガス欠状態になっていて、僕達はそこに出ていき、プレーできたのさ。4列目の連中の功績だよ」。 

4列目=アイスホッケーは交代制で、フォワード陣は1列3人が4列ベンチ入りしており、それが交代しながらリンクに出る。「4列目」には、フォワード選手としてやや力量の落ちる選手をチョイスすることが多い。ベニアーズの発言はそれを受けてのもの。 

讃岐猫
讃岐猫

ここまでの2得点の取り方を見ても、

2年目のチームとは思えない連携の良さが出ているにゃ。

監督の談話にもあるように、

ロッカールームでの雰囲気もいいのだろう。

クラーケン、第2ピリオドで動き止まる 

 第2ピリオド・18分44秒、マッギンはデレク・グラント(センター、32歳)のパスを受けて、左サークルから相手ゴールキーパーの5ホール(両脚の間のスペース)にワンタイム・シュート(パスを受けてすぐシュート)を決め、2-1としました。 

 3月3日にディミトリー・クリコフ(現在、ピッツバーグ・ペンギンズ所属、ディフェンス、32歳)とのトレードでアナハイムに移籍して以来、マッギンの2点目となります。 

 「突然、それは2-1の試合になってしまったね」とハクストールは語っています。「私達は、第3ピリオドに臨むにあたりリセットし、落ち着いてプレーする必要が出てきたんだ」。 

ジョーンズのおかげで、第3ピリオドに復活! 

 第3ピリオド・7分17秒、シアトルのゾーンでターンオーバーしたフランク・ヴァトラーノ(右ウィング、29歳)とライアン・ストローム(センター、29歳)との2対0の場面、ジョーンズは最も厳しく難しいセーブを迫られましたが、 

彼は左パッド(ホッケー・グローブ)でバトラーノの試みを蹴散らしたのです。 

 さらに15分41秒、パワープレーでスプロングが今季20点目を決め、3-1と点差を広げました。ベニアーズは二次アシスト(直接的アシストを生むプレー)もあり、NHLの新人では最多となる52ポイント目を獲得しています。 

 17分45秒、ウェンバーグがゴールネットを揺らし、4-1でクラーケンが勝利を手にしたのです。 

 「第3ピリオドで落ち着いたかな」とハクストールは述べています。「そのためには、マーティン・ジョーンズの素晴らしいセーブが必要だった。 

 ペナルティ・キルではチーム全体で仕事をし、パワープレーは第3ピリオドにリードを広げるという仕事をしてくれた、ただそれだけさ。私達にとって、とても良い勝ち点2で締めくくることができたし、本当にポジティブな夜だ」。

この試合に関するあれこれ 

注:ベニアーズは、ダックスとのキャリア4試合で9ポイント(3ゴール6アシスト)を獲得しており、4試合すべてでマルチ・ポイント(2ポイント以上)を獲得しています。 

 …アナハイムには、トレバー・ゼグラス(センター、22歳)とトロイ・テリー(右ウィング、25歳)という2人の得点王がいませんでした。ゼグラスは、月曜日、コロラド・アバランチに5-1で敗れた際、第3ピリオドを欠場しており、そのままこの試合当日を迎えています。 

 ;テリーは、妻が第一子を妊娠中のため、3連戦の遠征に同行しませんでした。 

讃岐猫
讃岐猫

ダックスのゼグラスは、

多くのNHLサイトでも抜群の評価を得ている選手なんだにゃ。

彼のいないダックスでは、なかなか得点は困難だったろう。

まとめ 

 現地4月1日に行われた L.A.キングス戦に勝っていれば、クラーケンはデイビジョン3位以内も現実味を帯びていただけに、痛い敗戦となりました。それでもワイルドカード争いのライバル、カルガリー・フレイムスとは勝ち点5差。まだ優位ではあります。 

 キングス戦、第2ピリオド途中までは上位対決らしいつばぜり合いで、0-0の無得点が続いていました。緊張感あふれる試合展開でも守備力を発揮できた訳で、敗戦の中にも収穫はあったと思います。それだけに試合終了間際、キングスのダメ押し点は悔やまれるところです。 

 さあ、クラーケンは、このまま逃げ切れるのでしょうか。 

讃岐猫
讃岐猫

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

タイトルとURLをコピーしました