はじめに
「気合い入れて、NHLを見よう!」と思わせてくれた現役選手は何人もいるのですが、その中の一人、エドモントン・オイラーズのコナー・マクデイビッド(センター、26歳)が、遂にレギュラー・シーズンで60ゴールを達成しました。
26歳にして、既に大スターの貫禄さえ出てきたマクデイビッド。記事に出てくる、チームOBである「偉大な」ウェイン・グレツキーに追いつくためには、チーム・タイトルも手中に収めたいところ。
混戦状態のウェスタン・カンファレンスの中で、オイラーズはまだまだプレーオフ圏内確定とは行かないのですが、彼の活躍が弾みとなって、一気に連勝街道を驀進するかもしれません。残り試合わずかとなったNHL、まだまだ目が離せません!
チーム創設2年目にして、プレーオフ出場確定を決めたい
シアトル・クラーケンをはじめ、
ウェスタンは見どころ満載だにゃ!
引用元:ESPN.com「Oilers’ Connor McDavid joins elite group with 60-goal season」。
60ゴールは、なかなか達成しづらいのです
3月21日(水曜日)の夜、エドモントン・オイラーズのスター、コナー・マクデイビッドがシーズン60ゴール目を決めました。エドモントンがアリゾナ・コヨーテズに4-3で勝利した延長戦で達成されました。
この得点によって、マクデイビッドはエリート達と肩を並べることになりました。シーズン60ゴールは現役選手で4人目、トロント・メイプルリーフスのセンター、オーストン・マシューズ(25歳)が昨年達成したのに続き2人目です。
他に誰がリストに載っているかは次の通りです。
現役選手中、60ゴールを達成しているのは…
アレックス・オベチキン(左ウィング、37歳)、ワシントン・キャピタルズ
達成したシーズン:2007-08
オベチキンは、そのシーズンのNHLで最多となる65ゴール・112ポイントでシーズンを終えました、この記録はまた、ゴール数のフランチャイズ記録樹立となったのです。
オベチキンは、1995-96シーズンにピッツバーグ・ペンギンズでマリオ・レミューとヤロミール・ヤーガーが達成して以来、60ゴールを達成した最初の選手でした。
※マリオ・レミュー=モントリオール出身の現在57歳、現役時代のポジションはセンター。1984年のNHLドラフトで、ピッツバーグから全体1位指名を受け、期待に違わず、ルーキー年から大活躍。
NHL史上3人目となる新人でのシーズン100ポイント(43ゴール・57アシスト)を上げ、リーグ新人王を獲得。
※ヤロミール・ヤーガー=このブログでも再三名前の出てきた「鉄人」。50歳になっても、母国・チェコのチームで現役選手(右ウィング)としてプレー、引退を決断したという報道もあるが、確定しているわけではない。オベチキンと同じく、キャピタルズでプレー経験あり。
スティーブン・スタムコス(センター、33歳)、タンパベイ・ライトニング
達成したシーズン:2011-12
スタムコスはシーズン最終日に60ゴールを記録しました。60ゴールは、また、そのシーズンのゴール数でリーグのトップにも立っています。ゴールの中には、リーグ史上シーズン最多タイの5つの延長戦ゴールも含まれています。
※シーズン最終日に60ゴール=対ウィニペグ・ジェッツ戦、4-3の延長戦で60ゴールを記録。このシーズン、37アシストを記録しており、60ゴールを加えて、スタムコスは通算97ポイントでNHL2位にランクインしている。
また、シーズン中、23歳の誕生日までに、50ゴール以上を記録したNHL史上6番目のプレーヤーとなり、さらに、それまでのチーム記録だった52ゴールも同シーズンに更新している。
オーストン・マシューズ(センター、25歳)、トロント・メープルリーフス
達成したシーズン:2021-22
そのシーズンは、手首の怪我のために73試合しか出場できなかったにもかかわらず、マシューズは猛烈なペースで得点を重ね、60ゴールを達成したのです。マシューズの偉業は、米国生まれの選手として、シーズン・トップの得点王に輝いたのです。
※手首の怪我=2021年8月、マシューズはトレーニング中に不快感を覚えた後、手首の手術を受け、6週間の欠場となった。9月最終週に練習に戻ったものの、試合ではなかなか得点できず、最初の6試合で1ゴールのみとなった。
彼のキャリアで最悪のシーズン開幕と言われたが、この後、マシューズは驚異的なペースで得点を開始し、最終的にレオン・ドライサイトル(オイラーズ所属、27歳。左ウィング)を追い抜き、シーズンの中間点までゴール数でNHLをリードするまでとなった。
今のペースで行くと…
マクデイビッドの話に戻りましょう。彼は現在、68ゴール・157ポイントを記録しそうなペースを維持しており、これは、1995-96シーズン、レミューによって記録された69ゴール以来の最多ゴールであり、
同シーズン、レミューの161ポイント以来の最多ポイントとなります。
2015年のNHLドラフトでオイラーズから全体1位で指名され、8年目のシーズンを迎えているマクデイビットの得点ペースは驚異的に進んでいます。過去30シーズンでより早く60ゴールに到達したのは、62試合で達成した1995-96年のレミューだけです。
「グレート・ワン」の後継者となるか
オベチキン、スタムコス、マシューズは60ゴールを目指して、シーズンのゴール数のフランチャイズ記録を樹立しましたが、マクデイビッドは彼らと同じようにしないでしょう。
偶然にも、かつてウェイン・グレツキーが在籍していた同じフランチャイズで、彼はプレーしています。グレート・ワン(グレツキーの愛称)は、エドモントン時代に5シーズンも60ゴール以上を記録しています。
※ウェイン・グレツキー=泣く子も黙る、NHL史上最高のゴール王。そのゴール量産ぶりに、大谷ルールならぬ「グレツキー・ルール」を設定させるほどの凄まじさだった。ゴール王でありながら、チームプレーに徹し、NHLのホッケー・スタイルを変えた男でもある。
グレツキーは4シーズンで70ゴール以上を記録し、1981-82シーズンには92ゴールで、NHLのシーズン最多ゴール記録を樹立しました。
仮にマクデイビッドが70ゴールに到達した場合、ティーム・セレンネとアレクサンダー・モギルニーが1992-93シーズンに達成して以来の記録となります。
※ティーム・セレンネ=フィンランド出身の52歳、現役時代のポジションは右ウィング。「フィンランドのフラッシュ」の愛称で呼ばれ、フィンランド出身選手ではNHL史上最高得点者。通算684ゴールは11位、1,457ポイントは15位。
ウィニペグ・ジェッツとアナハイム・ダックスの両方で、数多くのチーム得点記録をマークし、背番号8は2015年にダックスの永久欠番に。2017年、フィンランド人として2人目のホッケーの殿堂入りを果たす。
※アレクサンダー・モギルニー=ロシア出身の54歳、現役時代のポジションは右ウィング。コンチネンタル・ホッケー・リーグ(KHL)のアムール・ハバロフスクの現会長。モギルニーは、北アメリカでプレーするために、ソ連から亡命した最初のNHLドラフト参加者でもある。
幸か不幸か、マクデイビッドは、
かつて「グレート・ワン」の在籍したオイラーズの選手。
その後姿を追いかけなければいけない宿命なんだにゃ。
まとめ
今のマクデイビットなら、1試合に3、4点は当たり前のように取ってしまうかもしれません。チームも勢いに乗っていますし。だが、その「プレーオフ目指して、ドンドン行こう〜」って勢いが逆にプレッシャーになった場合、事は簡単に行かないでしょう。
マクデイビットに得点させて、記録を伸ばしていくか、はたまたチームの勝利を優先するか。その狭間で監督や他の選手達が揺れ動くことになると、両者共倒れも考えられます。
これからシーズン終了まで相手チームとの闘いと同時に、チーム・マネジメントとの折り合いも必要になると思います。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!