NHL2025-26シーズン新監督9名の就任一覧と注目点

アイスホッケー名選手

はじめに

 NHLではこの数年、選手の契約は安定しつつある一方で、監督の交代は加速中。2025-26シーズンの開幕前だけで全32チーム中9チームが新監督を迎えました。実績十分のベテランから初挑戦の新顔まで、その顔ぶれは実に多彩です。

 開幕前、「監督にして大丈夫かな?」と思ってた人が、シーズン終わってみたら、名監督への階段を一歩上がってたってこともあるので、何が起きるか分からないのがNHLなのです。

参照記事:Forbes.com1Joel Quenneville, Mike Sullivan Headline 9 Off-Season NHL Coach Changes

NHLのコーチ交代が活発化!新シーズンに向けた動きとは?

 NHLの世界では、サラリーキャップの上昇によって選手のロースター安定化が進む一方で、監督交代は例年以上に早いペースで進んでいます🧢。2024-25シーズンが4月17日に終了した後、32チームのうち9チームが新たなヘッドコーチを迎えました🔧。

 これはリーグ全体の4分の1以上にあたる数で、2022年夏に10人の新監督が誕生2して以来の多さです📋。

 しかし、その中で現在も同じポジションに留まっているのはわずか2人だけ。どちらもここ3年間のスタンレーカップ優勝監督です。すなわち、ベガス・ゴールデンナイツのブルース・キャシディと、フロリダ・パンサーズのポール・モーリスです。

 新監督の顔ぶれは、実績のあるベテランから初めて指揮をとる新人まで、実に多彩な顔ぶれとなっています。今回はそんな注目のコーチたちを、カテゴリーごとに紹介していきます!🔥

🏆実績ある勝者たち:サリヴァン&クェンヴィル

 まずは、実績バッチリの2人、マイク・サリヴァンとジョエル・クェンヴィルです🏆。

 サリヴァン監督はピッツバーグ・ペンギンズで2度のスタンレーカップ優勝を経験し、さらに「4 Nations Face-Off」や次回冬季オリンピックのアメリカ代表監督にも任命されるなど、今やリーグ屈指の名将です。

 そんな彼が今シーズン新たに挑むのは、ニューヨーク・レンジャーズの指揮を執り、GMクリス・ドゥルーリー3との古くからの長い信頼関係を土台にチーム再建を目指します。

 サリヴァンはドゥルーリーより9歳年上ですが、2人は共にボストン大学の卒業生であり、1997年の世界選手権ではアメリカ代表として一緒にプレーしました(当時ドゥルーリーはまだ在学中でした)。

 その後サリヴァンは、ジョン・トルトレラの下で4シーズンにわたりレンジャーズのアシスタントコーチを務めました。その時期は、ドゥルーリーがレンジャーズのキャプテンを務めていた現役最後の2年間と重なっています。

 今回レンジャーズでの就任は、サリヴァンにとってNHLでの3度目のヘッドコーチ職です。2003年から2006年にはボストン・ブルーインズを指揮し、その後タンパベイ・ライトニングやバンクーバー・カナックスではアシスタントとして働いていました。

 一方、西海岸の南カリフォルニアでは、ジョエル・クェンヴィルが新たにチームの指揮をとります。彼は、2018年にランディ・カーライル監督の下で最後にプレーオフ進出して以来、4人目のヘッドコーチとしてアナハイム・ダックスを率いることになります。

 66歳のクェンヴィルは、これでNHLに復帰し、現在リーグで最年長の現役ヘッドコーチとなります🥅。

 クェンヴィル監督はシカゴ・ブラックホークスで3度のスタンレーカップ制覇(2010、2013、2015)を成し遂げた名将。2010年、2013年、2015年に優勝し、1996年にはマーク・クロフォード監督のアシスタントとして、コロラド・アバランチも優勝に導きました。

シカゴ監督時代のクェンヴィル。この頃はギラギラしてたし、采配もズバズバ当たり、名将の名をほしいままにしていた。あれから十数年、果たして往年の輝きを取り戻せるか。

 ただし、2021年10月にフロリダ・パンサーズ監督を辞任し、その後約3年はNHLから離れていました。その辞任は、彼がシカゴの監督を務めていた当時に発生した性的暴行の申し立て4に関する不適切な対応が明らかになったことを受けてのものでした。彼は2024年7月1日付で再びNHLで指導する資格を得ました。

 アナハイムでは、クェンヴィルは成長途中の若いチームを引き継ぐことになります。中でも、再契約を果たしたゴールテンダーのルーカス・ドスタルなど、有望な若手選手が揃っているチームの底上げを狙います。

 ダックスは2024-25シーズンで前年度より21ポイント多く獲得しましたが、それでもプレーオフ進出には16ポイント及びませんでした。そのため、クェンヴィルの経験が頼りにされています。

🔄 戻ってきたコーチたち:グレン・ガルツァン、リック・トケット、ジェフ・ブラシル、レーン・ランバート

 今度は、過去にヘッドコーチ経験があるベテランたちが、新たなチームで再スタートを切るケースです🔁。

 グレン・ガルツァンは、かつて指揮を執ったチームに戻る形となりました。この7年間、エドモントン・オイラーズでアシスタントコーチを務めていましたが、それ以前には、カルガリー・フレームスで2年、さらにその前にはダラス・スターズで2年、ヘッドコーチとして指揮を執っています。

 そしてこの秋、彼は再びダラス・スターズのベンチに立つことになります。スターズは近年常に上位を争う強豪ですが、ガルツァンはチーム史上2度目のスタンレーカップ制覇を目指して舵を取ります。

 今回の就任は、スターズが2年連続でカンファレンス決勝でエドモントン・オイラーズに敗れた後、ピーター・デボア監督を電撃解任5したことに伴うものです。

 一方、リック・トケットはフィラデルフィア・フライヤーズの新監督就任は、「帰郷」と言えるものです。選手時代のトケットはタフなパワーフォワードとして活躍し、キャリアの始まりと終わりを兄弟の街であるフィラデルフィアで過ごし、2021年にはフライヤーズの殿堂入りを果たしています。

 監督としてはバンクーバー・カナックスやアリゾナ・コヨーテズ、タンパベイ・ライトニングを指揮し、2023-24シーズンにはカナックスでジャック・アダムズ賞(最優秀監督賞)を受賞しました。フライヤーズは、ここ5シーズン連続でプレーオフ進出を逃しており、昨シーズンは順位も9ポイント下げるなど後退しました📉。

 なお、選手としては1992年にピッツバーグ・ペンギンズでスタンレーカップを獲得し、さらにアシスタントコーチとしても2016年と2017年にマイク・サリヴァンの下で同チームの連覇に貢献しています。

🔄 ベテラン監督の続き:ジェフ・ブラシルとレーン・ランバート

 シカゴ・ブラックホークスにはジェフ・ブラシルがヘッドコーチとして復帰します。彼はここ3シーズン、タンパベイ・ライトニングのジョン・クーパー監督のもとでアシスタントを務めていました。

 ブラシルは51歳で、デトロイト・レッドウィングスのヘッドコーチを7年間務めた経験もあります。さらに、アメリカ代表の監督として世界選手権に3回出場し、2018年には銅メダルを獲得しています。ただし、ブラックホークスも近年は苦戦が続いており、ここ5シーズン連続でプレーオフ進出を逃しています。

シカゴの新監督ブラシルについては、こちらをどうぞ。あくまで個人的な感想ですが、「他に適任おるやろ?」です💦。

 一方、シアトル・クラーケンではレーン・ランバートが2度目のヘッドコーチに就任しました。長年バリー・トロッツの右腕として活躍してきたランバートは、2018年にワシントン・キャピタルズのスタッフとしてスタンレーカップを獲得。

クラーケンの新監督ランバートについては、こちらをどうぞ。シカゴの監督と同様の感想しかないです…。

 その後、2022年にはニューヨーク・アイランダーズで初めてのヘッドコーチを経験しましたが、2年半でパトリック・ロワに交代となり、2024-25シーズンはトロント・メイプルリーフスでクレイグ・ベルービーの下、アソシエイトコーチ6を務めました。

 クラーケンはチーム創設から4年が経ち、2022-23シーズンに一度だけプレーオフ進出(2回戦進出)を果たしています。

讃岐猫
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🌟 新顔の登場:アダム・フート、マルコ・シュトゥルム、ダン・ミューズ

 NHLでは監督の“リサイクル”がよくあることですが、2025-26シーズンにはさらに3人の新顔がヘッドコーチとしてデビューします🌟。

 昨シーズン、初めてヘッドコーチを務めたライアン・ウォーソフスキーが、サンノゼ・シャークスで素晴らしいルーキーイヤー7を送ったのも記憶に新しいところです。ただし、新顔3人のうち2人はホッケーファンにはお馴染みの名前です。

 まずは、アダム・フート。19年間のNHL選手生活でコロラド・アバランチのディフェンスとして2度のスタンレーカップ制覇を経験し、カナダ代表の常連選手でした。直近ではバンクーバー・カナックスでリック・トケットのアシスタントを2年半務め、今秋からヘッドコーチに就任します。

 ボストンで新たに指揮を執るのはマルコ・シュトゥルム、彼の古巣ボストンへの“帰還”とも言えます。信頼されるセンターとして14シーズンにわたり6チームで938試合をプレーし、ブルーインズでは302試合プレー🏒。2005年の悪名高いジョー・ソーントンとの大型トレード8にも関わり、ブルーインズ復帰の一翼を担った重要な選手でした。

 2012年に現役を引退後、シュトゥルムは母国ドイツでコーチの道を歩み始め、2018年冬季五輪でドイツ代表の銀メダル獲得に貢献。その秋にはロサンゼルス・キングスに移り、NHLアシスタントコーチを4シーズン、AHLのオンタリオ・レインで3シーズンヘッドコーチを務めました。

 そして、あまり知られていない新監督がダン・ミューズ🔰。43歳と若く、2025年秋の時点でリーグ2番目の若さ。彼より若いのは37歳のライアン・ウォーソフスキーだけです。

 ミューズの経歴はライバルのウォーソフスキーと似ていて、ストーンヒル大学でプレー後、NCAAのコーチングからスタートし、USHL9では2017年にシカゴ・スティールでクラークカップ10を獲得。

 これがNHLへの扉を開き、ナッシュビル・プレデターズで3年、ニューヨーク・レンジャースで2年アシスタントコーチを務めた後、サリヴァンの後任としてピッツバーグ・ペンギンズのヘッドコーチに抜擢されました。

今回の監督人事で最も驚かされたのが、この人。レンジャーズのベンチでたまに見かけたけど、まさか全く関わったことのないチームでヘッドコーチになるとは思わなかった。

🔄 コーチ交代の今後に注目!

 コーチの人事異動はいったん落ち着きを見せていますが⏸️、2025-26シーズンも要注意です。昨シーズン、5チームがシーズン中に監督を交代しました。

 セントルイスのジム・モンゴメリーとデトロイトのトッド・マクレランは複数年契約を結び、今秋もチームを率いますが、3人の暫定監督は交代となりました。

 今後もチームの成績や状況次第で、思わぬタイミングでの監督交代が起きるかもしれません。2025-26シーズンも目まぐるしく動きそうな監督交代劇から目が離せませんね!🔥

まとめ

 今オフのNHLは、監督交代の嵐が吹き荒れました。新たに就任した9人のヘッドコーチたちは、それぞれのチームでどんな変化をもたらすのでしょうか?経験豊富なベテラン勢から初の指揮官まで、その顔ぶれに注目です🔥

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. アメリカの経済雑誌「フォーブス」のオンライン版。金融、産業、投資、テクノロジー、起業、ライフスタイルなど、ビジネス全般に関するニュースや分析記事を提供している。世界の富豪ランキングなどが有名で、ビジネスパーソンや投資家向けの情報を発信しているグローバルメディア。
    ↩︎
  2. 新任ヘッドコーチ一覧(チーム名/新監督/前監督)

    ボストン・ブルーインズ:ジム・モンゴメリー就任(6月30日)
    前任:ブルース・キャシディ。2017〜2022年まで指揮していた。
    シカゴ・ブラックホークス:ルーク・リチャードソン就任(6月27日)
    前任:デレク・キング(暫定)。モントリオール・カナディアンズでアシスタント経験あり。

    フロリダ・パンサーズ:ポール・モーリス就任(6月22日)
    前任:アンドリュー・ブルネット(暫定)。ウィニペグ・ジェッツからの異動。
    ダラス・スターズ:ピーター・デボア就任(5月16日)
    前任:リック・ボウネスが退任。デボアは経験豊富なベテラン。

    ラスベガス・ゴールデンナイツ:ブルース・キャシディ就任(6月14日)
    前任:ピーター・デボアが解任された後の起用。元ブルーインズの監督。
    エドモントン・オイラーズ:ジェイ・ウッドクロフト(正式昇格)(6月21日)
    前:暫定監督を務めていた。

    ニューヨーク・アイランダーズ:レーン・ランバート就任(5月16日)
    前任:バリー・トロッツが解任され、アシスタントから昇格。
    ウィニペグ・ジェッツ:リック・ボウネス就任(7月3日)
    前任:ポール・モーリスが辞任した後、暫定指揮のデイブ・ローリーからの交代。

    デトロイト・レッドウィングス:デレク・ラロンド就任(6月30日)
    前任:ジェフ・ブラシルが成績不振で退任し、代行経験無しの昇格。
    サンノゼ・シャークス:デヴィッド・クイン就任(7月26日)
    前任:ボブ・バウナーが7月1日に解任され、後任。

    背景と特徴
     再登板型の監督起用が多く、過去に指揮経験がある人物が多く選ばれている。
     ルーキー監督は少なめで、初指導の人は少数(例:ランバート、ラロンド)。
    ↩︎
  3. ニューヨーク・レンジャーズの社長兼GM。選手としては、ボストン大学でホビー・ベイカー賞を受賞し、コロラド・アバランチではカルダー記念トロフィーとスタンレーカップを獲得した輝かしい経歴を持つ。

     また、アメリカ代表として2度のオリンピック銀メダルを獲得し、バッファロー・セイバーズとニューヨーク・レンジャーズでキャプテンを務めた。2015年にはアメリカホッケー殿堂入りを果たしている。

     引退後はレンジャーズのフロントオフィスに入り、選手育成ディレクター、アシスタントゼネラルマネージャーを経て、2021年5月5日に社長兼GMに就任した。彼のGMとしての最初のシーズンでは、トレード期限での補強が奏功し、レンジャーズをイースタンカンファレンス決勝に導き、ジム・グレゴリー・ゼネラルマネージャー・オブ・ザ・イヤー賞の最終候補にも選出された。
    ↩︎
  4. シカゴ・ブラックホークスは、2010年のプレーオフ中に元ビデオコーチのブラッド・アルドリッチが選手に性的暴行を加えたとされる問題で、その対応のまずさが批判された。

     被害者(ジョン・ドウとして知られ、後にカイル・ビーチであると公表)からの訴えを受け、チームは独立調査を実施。その結果、経営陣が問題を認識しつつも、スタンレーカップ優勝を優先し、直ちに対応しなかったことが明らかになった。

     この問題により、スタン・ボウマンGMやアル・マクイサック上級副社長が辞任。NHLはブラックホークスに200万ドルの罰金を科した。また、当時のヘッドコーチであったクェンヴィルもフロリダ・パンサーズのコーチ職を辞任。アルドリッチは他の教育機関でも同様の性的暴行で告発され、有罪判決を受けている。

     この事件は、プロスポーツ界における性的暴行問題への意識を高めるきっかけとなり、被害者への補償も行われた。
    ↩︎
  5. シーズン背景と解任の経緯
     ダラス・スターズはデボア監督の3シーズン(2022–25)で、西部カンファレンス決勝に3年連続で進出したが、いずれもスタンレーカップには到達できず。2024–25シーズンもエドモントン・オイラーズに敗退し、5月末に終了。

     この結果を受け、ダラスGMのジム・ニルは2025年6月6日に「新しい声がロッカールームに必要」と声明を発表し、デボア監督を解任した。

    問題視されたゲーム5の采配
     決勝シリーズ第5戦で、スターズが0‑2でリードされた試合開始7分足らずの時点で、スターズのエースゴールテンダー、ジェイク・オッティンガーをベンチに下げたことが大きな議論となった。交換されたケイシー・デスミスも失点し、最終的に6‑3で敗退。

     試合後、デボア監督は「昨季オイラーズ戦では7試合中6敗している」「目覚めさせるためだった」と説明したが、オッティンガー自身が「恥ずかしかった」と語り、ロッカールーム内外で大きな衝撃と批判を生む。

    チーム内の反発と不信感
     一部報道によると、選手たちがインタビューでデボアの采配やポストゲームコメントに不満を訴えていたとの声もあった。GMのニルは、オッティンガー降格と選手からの声が解任判断に大きく影響したと明かしつつも、それだけでなく「様々な要素を総合的に判断した」と補足している。

    成績と実績
     デボア監督は3年間の在任で、レギュラーシーズン149勝68敗29分、プレーオフ29勝27敗という優れた記録を残した。2023‑24シーズンにはセントラルディビジョン制覇を果たし、チーム史上でもトップクラスの成績だった。

     ただし、いずれもスタンレー・カップ決勝には届かず、ここ一番の勝負で結果を出せなかったことが、評価を下げる要因となる。
    ↩︎
  6. スポーツチームのコーチ陣においてヘッドコーチの次席にあたる重要な役職。アシスタントコーチよりも上位に位置し、ヘッドコーチの右腕としてチームの戦略立案や練習計画に深く関わる。

     ヘッドコーチが不在の際にはその職務を代行し、チーム全体に対してより大きな権限と責任を持つ。将来的にヘッドコーチへの昇格が期待されることも多く、チーム運営における意思決定に重要な役割を果たす、実質的な「副ヘッドコーチ」と言える存在である。
    ↩︎
  7. ウォーソフスキーの監督としての評価は以下の通り。

    経歴と実績まとめ
     2024年6月13日に36歳でシャークスのヘッドコーチに就任、NHLで最年少指揮官の一人となった。それ以前はAHLおよびECHLで数々の成功を収めており、シャーロット・チェッカーズでカルダー・カップ優勝(補佐として)やシカゴ・ウルブズでの指揮、AHL制覇など実績豊富。

    ナショナルチーム任命&若手起用への信頼
     2025年にアメリカ代表のヘッドコーチに選ばれ、初監督として金メダルを獲得。若手育成が得意な人物として評価されており、シャークスではマックリン・セレブリーニら若手選手の活躍に尽力している。

    就任1年目:評価と課題
     2024–25シーズン成績:20勝50敗12分。プレーオフには届かず、記録面では苦戦したが、システム導入や競争意識の変化が注目された。

     監督本人は「個人としてもチームとしても成長できたが、まだまだ改善が必要」と振り返り、精神的な感情コントロールやディフェンスの統率にも課題を認めている。選手・関係者の間では、「最もタレントに乏しいチームの一つを率い、ルーキー監督として経験を積んでいる」という声もあり、将来性を高く評価されている。
    ↩︎
  8. ジョー・ソーントンは、1997年のNHLドラフトで全体1位指名を受けてボストン・ブルーインズに入団したセンター。卓越したパスセンスと視野の広さで知られ、“ジャンボ・ジョー”の愛称で親しまれた。

     2005年11月、ブルーインズはソーントンをサンノゼ・シャークスにトレードします。見返りに獲得したのは、マルコ・シュトゥルム、ウェイン・プリモー、ブラッド・スチュアートの3選手。

     このトレードは、ボストンにとって不利な判断だったと長年批判されており、「notorious(悪名高い)」という形容が使われています。ソーントンはその後サンノゼでキャリアの全盛期を迎え、2005-06シーズンにリーグMVP(ハート記念トロフィー)と得点王(アート・ロス賞)をダブル受賞した。
    ↩︎
  9. United States Hockey Leagueのこと。アメリカのトップレベルのジュニアアイスホッケーリーグで、16歳から21歳の有望な若手選手が集まる。NHLやNCAAディビジョン1の大学へ進む選手を育成する主要なリーグであり、多くのプロ選手を輩出している。

     リーグは米国中西部を中心に複数のチームで構成され、プレーオフの優勝チームにはクラークカップが贈られる。また、アメリカホッケー連盟の育成プログラムであるUSNTDPチームも所属しており、若手エリート選手にとってハイレベルな経験を積む重要な場となっている。
    ↩︎
  10. USHLの優勝トロフィーのこと。毎年、同リーグのティア1ジュニアホッケープレーオフチャンピオンに授与されるトロフィーである。このカップは、長年、ミネソタアマチュアホッケー協会に功績のあったドン・クラークに敬意を表して名付けられた。 ↩︎
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