はじめに
アイスホッケーファンの皆さん、お待たせしました!今年で15年目を迎える恒例企画として、オンライン投票も交えて決定した「最も価値ある契約TOP5」をお届けします。
最近はサラリーキャップの上昇が進み、ケイル・マカーがAAV2000万ドルを突破するなど、市場の相場が急激に跳ね上がっています。相場が高騰する中で、選手の能力に対して破格のコスパを誇ることとなった注目のバーゲン契約を詳しく見ていきましょう!🏒
参照記事:The Hockeynomist「NHL Best Value Contracts 2026」
2026年版 NHLお買い得契約ランキングTOP5
【付記】今回の参照記事の筆者は、長年にわたるオンライン・ファン投票の主催者であり、デトロイト・レッドウィングスのファン。その上、シビアな毒舌家のようです。そのことを活かしつつ(かなりキツイ皮肉はカット)ブログ記事化しました。それを念頭に置いて、お読みください。
NHLで最もお買い得な契約をランキングする、年間恒例企画へようこそ!今回で15年目を迎え、ここ7年ほどはオンライン投票を活用して最終順位を決めています。ただ、特に誰もホッケーをしていない夏に、ファン投票の結果を眺めるのは楽しいものです。🏒
レッドウィングスファンでなくても、モリッツ・ザイダーやルーカス・レイモンドの契約はお買い得すぎると思います。独断で決めるよりも外部の評価を得ることで、順位に説得力が生まれるのです。
Twitter(←何故か原文はずっとXと書いていない)はかつてのような存在ではなくなったので、今回はSubstackの記事にも協力を求めました。7月に投票を行いましたが、悪い契約より閲覧数が落ちがちな良い契約の投票を、無事に終えられて安心しました。📝
サラリーキャップの上昇によりGMの大きな失敗は減りましたが、今回のランキングは非常に激戦となりました。それはトップ15に漏れた「次点」の25人を見ても明らかです。
これまでの選考基準はAAV(平均年俸)1000万ドル以下で、エリートクラスの選手が1200万~1400万ドルで契約していた当時は、それで理にかなっていましたが、今年の夏はキャップ上限が一気に押し上げられ、市場の前提そのものが大きく変わりつつあります。📊
かつてはキリル・カプリゾフ(ミネソタ・ワイルド)だけが到達していた高額年俸の領域に、今や多くの選手が足を踏み入れています。その結果、今回ご紹介するお買い得契約と実際の適正価格との差はさらに広がりました。
ランキングを作成している最中にも市場価値のリアルタイムな再評価が進んでおり、各契約の「値打ち」は以前にも増して高まっています。📈
さらに今週末にはケイル・マカー(コロラド・アバランチ)がAAV2000万ドルを突破する破格の契約を結び、市場の上限を極限まで押し上げました。
マカーの2000万ドルやボウエン・バイラム(シカゴ・ブラックホークス)の1200万ドルといった現在の基準から考えると、今回ランクインした選手たちの中には、実質1500万ドル以上の価値を持つディフェンスマンが何人も含まれていると言えます。✨
1位:レーン・ハトソン(モントリオール・カナディアンズ)
2025年順位:圏外
年齢:22歳
残り契約年数:8年
キャップヒット:885万ドル
契約を結んだGM:ケント・ヒューズ(2025年10月13日)
レーン・ハトソンが本ランキングに初登場し、3年連続王者だったジャック・ヒューズを首位から引きずり下ろしました。新契約での出場がまだない段階ですが、私のキャリアモデル分析でも著しく安いと判定され、投票前から第1シードにふさわしい異常な価値が認識されていました。🏒
ボウエン・バイラムがリーグ最高額のディフェンスマンとなり、上限額が上昇し始めたことにより、ハトソンの年俸は相対的に破格となりました。そこへケイル・マカーが2倍以上の金額で契約したことで、他の契約が小さく見えるほど市場が一変しています。
ただし市場の変容自体は、バイラムの時点で始まっていたとも言えます。📊
ハトソンのキャリアについては、まだサンプルサイズが小さいです。実績が1年のみの選手にモントリオールが7000万ドルを保証したのはリスクでしたが、大きなリターンにはリスクが不可欠です。
ハトソンは78ポイントを記録してチームをカンファレンス決勝へ導いており、その価値を証明しています。✨
もし彼が明日UFAになれば、現在の年俸の2倍を獲得する可能性も十分に現実的です。リスクを取った決断が見事に結実し、市場の底上げも相まってトップクラスのお買い得契約となりました。💡
【讃岐猫😼の深堀りコラム】先手を打ったモントリオールの豪胆――レーン・ハトソンが変革したDF市場の格差論理
モントリオール・カナディアンズが、2025年10月にレーン・ハトソンと結んだ8年総額7080万ドル(AAV 885万ドル)のエクステンションは、締結当初こそ「わずか1年の実証サンプルしかない若手に巨額の長期保障を与えるギャンブル」と一部の懐疑論を呼んだ。
しかし、2026年オフシーズンの移籍市場が沈静化した現在、この契約は、北米ホッケー界の評論家やマスコミの間で「近年のNHLで最も先見の明があった補強策」と絶賛を浴びている。
評価を一変させた最大の要因は、今夏におけるサラリーキャップ枠の大幅引き上げと、それに伴うハイエンドDF市場の異次元なハイパーインフレである。
シカゴ・ブラックホークスがボーウェン・バイラムと結んだ平均1250万ドルの契約を皮切りに基準値が跳ね上がり、さらにコロラド・アバランチのケイル・マカーが年俸2000万ドルの大台を突破する8年総額1億6320万ドルで歴史的更新を果たした。
市場の最前線で価格破壊が起きている状況下において、レギュラーシーズン78ポイントを記録して、チームをカンファレンス決勝まで牽引した最上級のプレイメーカーを、年俸900万ドル未満で長期縛りしたGMケント・ヒューズの決断は、結果として「チーム史に残るバーゲン」を成立させることになった。
北米ホッケーアナリストの分析によれば、もしハトソンが今夏の市場で、制限付きフリーエージェント(RFA)あるいは完全フリーエージェント(UFA)として試算されていたならば、現在の年俸の倍近くに及ぶ1500万~1600万ドルクラスの価値に達していたことは想像に難くない。
リスクを恐れずに、実績初期段階で長期契約を固定したカナディアンズのフロント陣は、将来的なキャップスペースの柔軟性を劇的に確保することに成功したのである。単なるギャンブルの成功例にとどまらず、市場の底上げを先読みして価格が高騰する前にロックインするという、現代NHLのロースター構築における決定的なロールモデルとして、この契約は高く評価されている。
NHL.com, “Eight-year contract extension for Lane Hutson“, 2025年10月13日
NHL.com, “Makar signs record 8-year, $163.2 million contract with Avalanche“, 2026年8月31日
The Hockey Writers, “Cale Makar’s Extension Puts Bowen Byram Contract Into Perspective“, 2026年8月31日
2位:モリッツ・ザイダー(デトロイト・レッドウィングス)
2025年順位:8位
年齢:25歳
残り契約年数:5年
キャップヒット:860万ドル
契約を結んだGM:スティーブ・アイザーマン(2024年9月19日)
ボーウェン・バイラムが最高額DFだったのはわずか2カ月半ですが、仮に同額でもザイダーとの1対1トレードに応じるGMはいないでしょう。
ポッドキャスト「Spittin’ Chiclets」では彼をクリス・プロンガーになぞらえており、大柄でタフ、怖さがあり、攻守に優れる彼はプレーオフを勝ち進むために不可欠な存在です。🏒
※Spittin’ Chiclets(スピティン・チクレッツ)
スポーツメディア会社「Barstool Sports」が配信している、NHLをテーマにした、英語圏で最も人気のあるポッドキャスト番組の一つである。
番組名の由来
「Chiclets」は北米の有名なガムの商品名であるが、アイスホッケーの俗語では「歯」を意味する。激しい接触プレイによってプレイヤーの歯が折れたり吹き飛んだりするホッケー文化にちなみ、「歯(チクレッツ)を飛ばしながら熱弁する(Spittin’)」というニュアンスが込められている。
パーソナリティと特徴
元NHL選手であるライアン・ホイットニー(Ryan Whitney)とポール・ビソネット(Paul Bissonnette)、そしてスポーツライターのリア・ミューア(Rear Admiral / RA)らがホストを務める。
元プロ選手ならではの視点と、フィルタリングのない本音トーク、ロッカールームの雑談のような打ち解けた雰囲気が最大の特徴である。
業界への影響力
現役・OB問わず多くのNHL選手、監督、関係者がゲスト出演する。通常のメディア取材では見られない選手たちの素顔や裏話、過激でユーモアあふれる本音を引き出すことで知られ、ファンのみならずアイスホッケー界全体に対して強い影響力を持っている。
※クリス・プロンガー(Chris Pronger)
NHLで活躍したカナダ出身の元伝説的ディフェンスマン。2015年にホッケー殿堂入りを果たした、アイスホッケー界史上に残る巨漢名選手である。
体格とプレースタイル
身長198cm、体重100kgを超える圧倒的な大型体格を持ち、相手選手を脅かして物理的に圧倒するハードヒットやフィジカルプレイを得意とした。その威圧感から相手チームに恐れられる存在であったと同時に、高いホッケーIQ、正確なパス供給、パスインターセプト能力を兼ね備え、攻守両面でチームを支配する完璧なディフェンスマンであった。
主な実績・獲得タイトル
1999-2000シーズンには、ディフェンスマンでありながらNHL最優秀選手賞(ハート・トロフィー)と最優秀ディフェンスマン賞(ノリス・トロフィー)をダブル受賞した。特にDFによるハート・トロフィー受賞は、1971-72シーズンのボビー・オア以来となる歴史的快挙であった。
また、2007年にはアナハイム・ダックスの一員としてスタンレー・カップを獲得している。
「勝たせる」存在としての名声
所属した異なるチーム(セントルイス・ブルース、エドモントン・オイラーズ、アナハイム・ダックス、フィラデルフィア・フライヤーズなど)をスタンレー・カップ決勝へと導いた実績を持つ。
国際大会でもカナダ代表としてオリンピック金メダル2度(2002年ソルトレークシティ、2010年バンクーバー)、世界選手権優勝を経験し、世界で一握りの名誉である「トリプル・ゴールド・クラブ」の一員に名を連ねている。
このような経歴から、NHLにおいて「大柄でタフ、相手に恐れられ、攻守で支配的であり、チームをプレーオフ勝ち進みに導く、頼れる超大型DF」の代名詞として評価される人物である。
そのためハトソンよりザイダーを求めるGMも相当数いるはずですが、私たちはまだ「プレーオフのモー」を見ていません。正直なところ、この契約期間中にそれを見られない可能性もあります。
今夏の出来事や、さらに強くなったアトランティック・ディビジョンの状況を考えれば、デトロイトのプレーオフ進出の見通しは徐々に厳しくなっており、ファンとしての偏りを除いても悲観的にならざるを得ません。📊
中途半端な17位に終わるくらいなら順位表で32位になるほうが良い、と私は思っています。しかし、これほど高品質なディフェンスマンが1試合平均25分も出場しているチームでは、最下位まで落ちることすら難しくなっているのが現実です。🛡️
2位にランクインしているモリッツ・ザイダーの、フィジカルプレー(ビッグヒット)を集めた動画です。“激しいプレー”や“タフネス”を象徴する映像でいっぱいです。
3位:ジャック・ヒューズ(ニュージャージー・デビルズ)
2025年順位:1位
年齢:25歳
残り契約年数:4年
キャップヒット:800万ドル
契約を結んだGM:トム・フィッツジェラルド(2021年11月30日)
ジャック・ヒューズは、最も年俸に見合わない高価値選手としての4連覇を逃しました。原因はレストランで負った不運なケガだったのかもしれません。そこが難しいところです。
健康であれば破壊的な選手ですが、ステーキハウスで負傷するほどケガが多く、チーム全体の低迷もお買い得度の評価を下げた要因と言えます。ただし、「低迷」という言葉は相対的なものです。なぜなら、ジャックは下位の大物選手たちを抑えています。🏒
この契約を見ると、ネイサン・マッキノンが以前結んでいた契約と多くの共通点があります。ただ、あの途方もなくお買い得な契約で、少なくともスタンレーカップを獲得できました。
※ネイサン・マッキノンが以前結んでいた契約
コロラド・アバランチの超級エースFWネイサン・マッキノンが、2016年7月から2022-23シーズン終了まで結んでいた「7年・総額4,410万ドル(年平均額:AAV 630万ドル)」の長期契約を指す。NHLの歴史において「屈指の格安(お買い得)契約」として広く知られている。
契約締結の背景
2013年ドラフト全体1位指名でアバランチに入団したマッキノンは、ルーキー契約(新人契約)の満了に伴い2016年に本契約を締結した。当時は若手実力派の一人という立ち位置であり、年平均630万ドルという金額は、当時の彼の実績に見合った適正水準の評価であった。
リーグ最高峰選手への覚醒と「超破格化」
契約締結後の2017-18シーズン以降、マッキノンは激しいトレーニングとメンタルの変革を経て急成長を遂げ、リーグトップクラスの得点力と圧倒的なスピードを誇るスター選手へと覚醒した。
世界トップクラスの活躍を維持したにもかかわらず、給与は「年平均630万ドル」で据え置かれたため、同格の他選手(年俸1,000万~1,200万ドル規模)と比較して、極めて低いコストで稼働する「チームに莫大な利益をもたらすお買い得契約」へと変貌した。
チーム補強への貢献とスタンレーカップ獲得
NHLには各チームの年俸総額に上限を設ける「サラリーキャップ制度」が存在する。絶対的エースであるマッキノンの給与が年間630万ドルに抑えられたことで、アバランチはチーム予算に大きな余裕を生み出すことに成功した。
この浮いた資金を活用して層の厚い主力選手層(ミッコ・ランタネン、ケイル・マカー、ナゼム・カドリなど)を維持・補強することが可能となり、結果として2022年のスタンレーカップ優勝を成し遂げる最大の原動力となった。
本人の姿勢と現在の新契約
マッキノン自身も「この安すぎる契約のおかげでチームが強力な補強を行え、優勝できた」と公認しており、不満を漏らすどころかチームの補強戦略を全面的に歓迎していた。この契約が最終年を迎える直前の2022年9月に、彼は当時のNHL史上最高年俸となる「8年・総額1億80万ドル(年平均1,260万ドル)」の大規模な延長契約を結び、正当な巨額評価を受けることとなった。
ジャックにもそれを実現するための4年間がまだ残されていますが、ニュージャージー・デビルズがその方向へ進んでいるかについて、私は悲観的に見ています。📊
「ケガのリスク」は評価を下げる一方で、チームがこの金額で8年契約を結べた大きな理由でもあります。若いキャリアの初期からケガと戦っていたため、彼自身の「自分に賭ける」意欲を削いだのは確実でしょう。
【讃岐猫😼の深堀りコラム】リスク回避と長期安泰の対価:ジャック・ヒューズの契約に潜む光と影
年間平均年俸(AAV)800万ドルという数字は、現在のキャップ上限が急速に跳ね上がるNHL市場において、一見するとチーム史に残る破格のお買い得契約(バーゲンコントラクト)である。
ニュージャージー・デビルズが、2021年11月にジャック・ヒューズと交わした8年総額6400万ドルの長期延長契約は、本来であればフランチャイズの未来を決定づける歴史的勝利と評されるべきものであった。しかし、2025-26シーズンを終えた現在、この契約が持つ意味合いは北米ホッケーメディアやアナリストの間で極めて複雑な評価を受けている。
北米の専門家やフロントオフィスが指摘する最大の焦点は、ヒューズがなぜキャリアの非常に早い段階でこの大型長期契約を受け入れたのかという点だ。当時の彼は潜在能力こそ折り紙付きであったものの、肩の負傷などに起因する離脱を既に経験しており、フルシーズンを戦い抜く身体的耐久性に課題を残していた。
北米メディアの分析では、彼がbridged contract(短期の橋渡し契約)を選択して、数年後に更なる大型契約を狙うという「自分自身に賭ける(betting on himself)」リスクを避け、確実に人生を変える巨額の資金保証を優先させた主要因こそが、この「初期の怪我体質」であったと見なされている。
結果として、デビルズは将来の市場高騰を見越した見事なロックアップに成功した一方で、ヒューズ自身は現在の市場価値(現在の最高給プレイヤーがAAV2000万ドルに達する新時代)から換算すれば、少なくとも総額で3000万ドル以上の潜在的価値をテーブルの上に残したとされる。
しかし、この契約の「お買い得度」に対する評価は一筋縄ではいかない。北米ホッケーメディアの評論家たちが懸念を深めているのは、彼の離脱癖がアクシデントの域を超え、定常化しつつある点である。
2025年11月、遠征中のシカゴのステーキハウスでのチームディナー中に手指を負傷し、手術を余儀なくされたアクシデントや、度重なる肩のトラブルなど、不運とも言える怪我の連鎖は彼の1試合あたりの圧倒的な破壊力と背中合わせに存在している。
どれほど氷上でゲームチェンジャーとして君臨しようとも、年間20試合以上の離脱を繰り返すようでは、チームをプレーオフで深くまで押し上げる牽引力としては不完全と言わざるを得ない。
契約当時の「怪我リスクゆえの早期安泰化(低価格での固定)」というフロントの戦略は、皮肉にも今や「その怪我リスクによって真の対価(スタンレーカップ獲得)を得られないかもしれない」というジレンマに直面している。
若くして安定を取ったヒューズの判断と、リスクを取って破格の契約を勝ち取ったデビルズ。この8年契約の後半戦において、ヒューズが健康を維持してチームを頂点へ導けるか否かが、この契約を「伝説的なバーゲン」とするか、「不完全燃焼の象徴」とするかの分かれ目となるであろう。
【出典】
The Hockey News, 「Devils Fans Leave Negative Yelp Reviews on Chicago Restaurant」, 2025年11月18日
Puck Prose, 「Jack Hughes’ injury history is starting to raise real concern」, 2025年12月15日
CBS Sports, 「Jack Hughes, New Jersey Devils agree to massive eight-year contract extension」, 2021年11月30日
とはいえ、人生を変えるほどの大金を提示されたときに、それを断るかどうかを決めるのは難しいものです。6400万ドルの収入を「悪い賭け」と呼べるかどうかは議論の余地がありますが、彼が少なくとも3000万ドル以上を交渉のテーブルに残した(安く契約した)ことに疑いはありません。💰
4位:ローガン・スタンコーベン(カロライナ・ハリケーンズ)
2025年順位:圏外
年齢:23歳
残り契約年数:8年
キャップヒット:600万ドル
契約を結んだGM:エリック・タルスキー(2025年7月1日)
もしこのランキングがレギュラーシーズン終了直後に発表されていたなら、ローガン・スタンコーベンがトップ15に入る可能性は低いものでした。
レギュラーシーズンの攻撃面の数字は平凡で、1ドルあたりのポイントで比較しても、ここに登場する同世代の多くを下回っていたからです。しかし、プレーオフの開幕とともに状況は一変しました。🏒
長期間離れていたファンが目覚めて、彼の4位ランクインを見たら困惑するでしょう。
小柄なセンターはレギュラーシーズンは82試合換算で44ポイントペースでしたが、プレーオフでは69ポイント相当を記録し、決勝のジョーダン・スタールの活躍がなければ、プレーオフMVPを獲得すべきだったとしても不思議ではありません。📊
スタンコーベン、ブレイク、ホールの3選手はプレーオフで計55ポイントを記録し、アホ、ヤービス、スヴェチニコフの34ポイントを圧倒しました。誰がチームの優勝に真に貢献したのかについて、もはや疑う余地はありません。🏆
【讃岐猫😼の深堀りコラム】小柄な闘志が生んだ「得点効率の爆発」――スタンコーベンの覚醒を支えた戦術と指標
2026年夏の移籍市場において最大のトピックの一つが、カロライナ・ハリケーンズをスタンレーカップ初戴冠へと導いたローガン・スタンコーベンの市場価値の急上昇である。
レギュラーシーズンで82試合換算44ポイントにとどまっていた、5フィート8インチ(約173cm)の小柄なフォワードが、プレッシャーの極限状態となるプレーオフで69ポイント相当という劇的な跳躍を遂げた背景には、精神論に留まらない戦術的必然と高度なデータが存在する。
劇的な変貌の第一の要因はロッド・ブリンドアムール監督による「セカンドラインの再編」と配置転換にある。レギュラーシーズン終盤、チームは相手トップラインのマークがファーストライン(アホ、ヤービス、スヴェチニコフ)に集中することを見越し、スタンコーベン、ジャクソン・ブレイク、テイラー・ホールを組ませる決断を下した。
相手守備陣のファーストペアとの対峙を回避できたこのミスマッチを逃さず、スタンコーベンはこのラインのメインスコアラーとして攻撃を牽引。結果として相手のセカンド・サードペアをスピードとアジリティで完全に圧倒することに成功した。
さらにトラッキングデータ(NHL EDGE)が明かした数字も、彼の覚醒を証明している。スタンコーベンはポストシーズン中、スロット(ゴール正面の危険地帯)でのハイスピードシュートの試行回数およびルーズパック獲得率でリーグ上位を記録した。
小柄ながらも泥臭く相手バックラインの裏を突き、ハイペースなフォアチェックから幾度となくチャンスを創出。ボックススコアの表面的数字には現れない「泥臭い運動量」が相手ディフェンスの疲弊を誘い、プレーオフ特有のインテンシティの高さが彼の強みである「アグレシッブさ」を真価へと変えたと専門家は指摘している。
主力陣が沈黙を余儀なくされる厳格なチェックの中、セカンドラインが打ち立てた「計55ポイント」という驚異的なスタッツは偶然の産物ではない。徹底された対戦相手とのマッチアップの精査、そしてトラッキングデータが示す危険ゾーンへの果敢な飛び込みこそが、この若きセンターをプレッシャーの渦中で覚醒させ、チームを頂点へと押し上げた真の舞台裏である。
出典リスト:
NHL.com – 「Stankoven’s ‘feistiness’ vital toward Hurricanes winning Stanley Cup」(2026年6月15日)
NHL.com – 「Hurricanes ride Hall-Stankoven-Blake line to Stanley Cup Final」(2026年5月31日)
NHL.com – 「NHL EDGE stats that can decide Hurricanes-Golden Knights Stanley Cup Final」(2026年6月2日)
Cardiac Cane – 「The Hurricanes made it look easy as the Stankoven line anchored sweep of Ottawa」(2026年8月16日)
フロリダ・パンサーズの負傷者続出が、カロライナが頂点まで登り詰めた唯一の理由と主張する人もいますが、ロースター構成や平均年齢を考慮すれば、チームが今後8年間でアリーナの天井にさらなる優勝バナーを掲げるチャンスは十分にあります。✨
ローガン・スタンコーベンのプレーオフでの爆発力が、シンデレラストーリーを導き出したと言えます。新シーズン、どういう進化を見せてくれるか。
5位:マット・ボールディ(ミネソタ・ワイルド)
2025年順位:圏外
年齢:25歳
残り契約年数:4年
キャップヒット:700万ドル
契約を結んだGM:ビル・ゲラン(2023年1月1日)
昨年はトップ15外だったマット・ボールディですが、プレーオフでの勝利とオリンピック金メダル獲得により、今年は5位まで順位を上げました。私個人の意見ではスタンコーベンより上でしたが、カップ獲得の偉業を考慮して順位はそのままにしています。🏒
プレーオフの成績を別にすれば、同程度の年俸で比較した場合、ボールディの攻撃面での生産性は別次元ですが、残り契約年数はスタンコーベンの半分です。通算得点ペースは82試合換算で75ポイント、昨季は92ポイントに達しました。📈
今後4年間の得点力のピークがどこに到達するかは、クイン・ヒューズからのパス供給にかかっていますが、少なくとも来季は大きな数字を残す準備ができています。✨
この夏、ラーキンとのトレードでデトロイトの要求した選手が、ボールディだったという噂が飛び交いましたが、ピックやプロスペクトをさらに加えて条件を上乗せするのでなければ、無茶な要求です。
注釈:「デトロイトがラーキンのトレード対価としてボールディを要求したという噂」の経緯と詳細
噂の背景と発端
2026年6月4日、デトロイト・レッドウィングスの主将であり、看板センターであるディラン・ラーキンが、10シーズン連続でチームがプレーオフ進出を逃したことを背景に、スティーブ・アイザーマンGMに対してトレード要求を提出した。
ラーキンは契約に含まれる「トレード拒否条項(NMC)」を行使し、移籍先候補としてミネソタ・ワイルド(MIN)を含む3チームに候補を絞り込んだ。
これに対し、上位センター(1C)の補強を長年模索していたミネソタ・ワイルドは、ラーキンの獲得に向けて最も積極的な姿勢を見せた。
噂の具体的な内容と報道
2026年7月頭、カナダのスポーツ専門局『Sportsnet』の著名インサイダーである、ニック・キプレオス(Nick Kypreos)氏のレポート(Trade Board)によって本件が大きく報じられた。
同氏の報道内容によれば以下の通りである。
デトロイト側の要求(Asking Price):レッドウィングス側は、ミネソタとの交渉において「ミネソタ・ワイルドがマット・ボールディをトレードパッケージに組み込むのであれば、ラーキンをミネソタへ移籍させることに全く問題はない」とし、ボールディの譲渡を強く要求した。
ミネソタ側の反応:ミネソタ・ワイルドのゼネラルマネージャー(ビル・ゲリン等)は、25歳でチームのコアであり、最重要主力ウイングであるボールディの放出を即座に拒否(ノン・スターター)した。
交渉の暗礁化:ボールディ以外のパッケージでの交渉において、デトロイト側が要求を満たす代替案を見出せなかったため、両チーム間のラーキン獲得交渉は完全に停止・暗礁に乗り上げることとなった。
マカーが史上最高額となる契約を手にしたことにより、今後、ミネソタはクイン・ヒューズとの契約延長で必要になる金額は跳ね上がります。それを考えたとしても、ワイルドのビル・ゲリンGMが、リーグ屈指の大型選手の一人であるボールディをトレードに出すはずありません。(ヒューズに年間2,000万ドル近いサラリーを支払う場合、周囲を固める選手にはボールディのような、「契約額以上の活躍をする若いコア選手」が絶対に不可欠となる)💡

今回取り上げた参照記事、視点がユニークで面白く読ませてもらったにゃ。「サラリー低いのに、文句も言わずにスター選手としてプレーしてる!」ってのは美談になりそうなんだけど、それぞれのチーム、それぞれの選手で微妙に内容が異なっているのが面白い。結構長い記事で続きがあるんですけど、機会があればまた取り上げたいと思ってます!
まとめ
2026年版のランキングでは、レーン・ハトソンが新契約での出場前ながら首位へ上り詰め、ザイダーやヒューズといった、リーグ屈指の看板選手たちを抑える結果となりました。
また、プレーオフでの覚醒で躍進したスタンコーベンや、金メダル獲得で評価を高めたボールディなど、市場の高騰と相まって彼らの価値は高まる一方です。急速にリセットされる市場の中で、今後彼らがどれほどの高コスパな活躍を見せてくれるでしょうか!✨

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

