はじめに
今月7日にドラフト順位決め抽選やってたの忘れてた〜。まあ、サンノゼ・シャークスとシカゴ・ブラックホークスが順当に(?)1番くじ・2番くじを引き当て、今か今かとドラフトの日を待ち侘びている状況です。今年は「ディフェンダーの年」みたいですよ。
今回は数ある「ドラフト、誰が指名されるかな」予想の中で、ESPN.comのものを紹介します。といっても、全体1位指名(候補の)選手と、ここに来てぐっと順位を上げて上位に顔を出してきた選手3名を紹介します。それとドラフト予想を立てるのもひと苦労…って話も。
昨年ほどの盛り上がりがないんだよにゃ。
昨年は上位10位指名くらいまで大物候補がズラリと並んでたんだけど、
今年は未知数の若手が多い。
でも、NHLに入るやいなや、人が変わったように覚醒する場合もあるから、
これまた難しく楽しい。
引用元:ESPN.com「Ranking the top 32 prospects for the 2024 NHL draft」
ドラフト予想も、いろいろ大変
スタンレーカップのプレーオフが本格化し、「宝くじのボール」が引かれ、ドラフトの順番がほぼ決まりました1。NHLチームの半数以上が、NHLドラフトとフリーエージェントの準備に注意を向けています。
多くのファンにとって、今後のドラフトで多くの有望選手への関心が高まっています。例年にも増して、今年のドラフト指名組は1位以降、どのチームのリストも大きく異なっているように思われます。
ある選手が1つのチームで6位にランクされたり、その同じ選手は別のチームで19位にランクされていたりしています。これらの選手の見方の違いは、通常よりも大きいのではないでしょうか。
3月のランキングで述べたように、ドラフト上位には多くの質の高いディフェンスマンがいます。トップ10に6人入る可能性があり、全員がNHLレベルでトップ4に入るディフェンダーになると予想されています。
あくまでも「外野の予想」ですから…
今回(4月)のランキングと3月のランキングの違いは、今回のモデル・タイプ(模擬ドラフト・ランキング)にとって、スカウティング・レポートや観戦記の比重が低くなっていることです。
このモデルはランキングの原動力であり、プレーヤー間にある階層に「ガードレール(境界線)」を提示しますが、「(スカウトの)視力テスト」のための調整が若干行われます。
業界のささやき(根も葉もない噂話)は考慮されておらず、今回のランキングは75%のモデル・ベースと25%のスカウト・ベースの比率から成り立っています。
ドラフト開催当週に発表される最終ランキングは、業界の情報、コンバイン・テスト(ドラフト候補生が参加する身体能力やメンタル・テストのこと)、ポジションの価値などを調整し、五分五分に近いものになるでしょう。
公開(公式)ランキング2に関することなので、チーム文化、組織への適合性、全体的なドラフト戦略に基づいて、誰がリストに載るべきで、誰が載るべきでないかを判断するのは、一般の人々の仕事ではありません。
それは個々のチームにかかっているため、模擬ドラフトは公開(公式)ランキングと大きく異なります。
いくつかのチームは、さまざまな理由で一般の人々よりも高く評価する選手が何人かおり、何らかの理由で組織に合わないと認識されているため、チームによって「ドラフトしない」と見なされるプレーヤーが常に数人います。
公開(公式)ランキングに「正解」はありませんし、一般の人々はチームを持っているわけではありません。ただし、これまで述べてきた注意事項が当てはまる場合、説明がなされます。
これは、6月28日(金)午後7時(東部標準時、ESPN/ESPN+。日本時間:翌29日午前9時)と6月29日(土)午前11時30分(東部時間、ESPN+。日本時間:翌30日午後1時半)、ラスベガスのスフィアで開催されるドラフトまであと6週間となった、最新のリストです。
NHL公式ランキングがあるとはいえ、
YouTubeも入れれば、予想屋さんでいっぱいだにゃ。
それだけドラフトがチームの命運を握っている証であり、
北米のスポーツ・ファン、注目の的である訳だ。
どの予想が当たるか、ドキドキしながら見るのも楽しい。
やはり、この選手の1位は動かない
1.マックリン・セレブリーニ
F、ボストン大学(NCAA)
前回ランキング:1
即戦力であり、フランチャイズの要となるセンター。セレブリーニはNHLの今年のドラフト組の「(みんなが狙う)賞金首」ですが、それには理由があります。彼はアイスリンクの両端で違いを生むことのできる、200フィートの選手(非常にスタミナのある選手の喩え)です。
彼はプレー・ドライバー(リンク全体をコントロールできる選手)であり、大学ホッケー界のトップ・プレーヤーとしてホビー・ベイカー賞3を受賞した、数少ない真の1年生の一人です。
オフェンス面では、アイスリンクの真ん中を突き進み、ディフェンスの守備計画を切り裂き、他の選手には見えないパス・レーンを見つけます。
彼のパックを守る能力と、(相手選手からの)接触をスルーしてプレーする意欲、相手ディフェンダーに対し、身体を反転させてかわしていくプレーにこだわる姿勢は、NHLでも通用します。
パックを持っていない時、空いたスペースを見つけ、自分のスティックをディフェンダーから遠ざけ、(持つや否や)素早くパックをリリースする能力があるため、得点の脅威であり続けています。
彼のホッケーのセンスと視野の広さは高レベルであり、攻守交代も素早くできるため、堅実な(攻守両面での)二刀流プレーヤーになると信じています。
彼は世代を代表する程の選手ではありませんが、フランチャイズの変革者であり、再建の促進者となるでしょう。
大学チャンピオンのディフェンス・ラインを引っ張る!
7.ジーヴ・ブイウム
D、デンバー大学(NCAA)
前回ランキング:10
平均以上のパック・スキルと燃えるような競争力を備えた優れたスケーターであるブイウムは、NHLのトップ4のディフェンスマンとして記録されています。
彼はラッシュ(オッドマンラッシュのこと。相手チームよりも人数の多い状態でアタッキング・ゾーンに入ること)で起点となり、攻守交代した時にはよく守り、自陣で質の高いマンツーマン・ディフェンダーであるため、常に目立ちます。
彼のプレーは、ディフェンダーを揺さぶり、相手選手を氷上で倒しながらも、簡単にルール範囲内のプレーをし、相手選手とのトラブルにならないようなスケーティングを行えます。
ディフェンス面では、相手選手とタイトな距離をキープし、ペースの変化に適応し、スケートのエッジを駆使してタイトな状況で倒されるのを防いでいます。
素晴らしいパックスキルを持ち、さまざまなヘッドやショルダー・フェイク(顔や肩を使って、相手選手が混乱するよう、パックの出す方向等を変えること)を組み合わせてスペースとパス・レーンを作り出します。
試合が厳しくなるにつれてプレー・レベルを上げ、未成年の選手としてIIHF世界ジュニア選手権でアメリカ最高の選手の一人となり、NCAAチャンピオンのデンバー大・ブルーライン(ディフェンス・ライン)の重要な一員としても活躍しました。
ブイウムはNHLでプレーを牽引し、勢いを変えるディフェンスマンになる素質をすべて備えており、2024-25シーズン、大学でのシーズン終了時には(NHLへ)ジャンプする準備ができているかもしれません。
ドラフト指名された選手がすぐ入団しなくてもいいのが、
ユニークなところだにゃ。
ブイウムはおそらく大学で1年過ごしてから、というのが既定路線らしい。
そこで、より肉体面・精神面両方ともパワーアップして、
NHLで大活躍してくれ!
2世選手がジャンプ・アップ!
8.ティジ・イギンラ
F、ケロウナ・ロケッツ(WHL)
前回ランキング:14
苗字に見覚えがあれば、そのはずです。イギンラ家の2代目がNHLにやってきて4、ティジはシーズンを通して着実に株を上げていくことでしょう。
敏捷性に優れ、直線で相手を打ち負かしたり、ペースを変えてディフェンスのバランスを崩したりできるハイエンドなスケーターであるイギンラは、オフェンシブ・ゾーンでは脅威です。
パックを持つときも持たないときも危険であり、天性の攻撃本能と危険なリスト・ショットの打ち手が組み合わされば、ゴールを決める脅威となります。
パックを持つと、イギンラは質の高いハンドリング、強力なパック・プロテクション(相手に渡さない)、そしてゴールテンダーを驚かせるリリース(シュートやフェイント・パス)を披露します。
パックを持っていないと、彼はオープンスペースを見つけ、粘り強く前線から相手選手をチェックし、彼の父親が何年も見せてきた競争力の強さを持っています。
ディフェンス面でのプレーに磨きをかける必要があるが、スケーティング、パック・スキル、粘り強さ、そしてシュートというテクニックのパッケージは、トップ6(ファースト&セカンド・ライン)でコンスタントに貢献できるはずです。
OHLでの悔しさを、NHLで晴らす!
14.ベケット・セネッケ
F、オシャワ・ジェネラルズ(OHL)
前回ランキング:24
今回のドラフト組の最大のランク上昇者であるセネケは、今シーズンのオシャワの成功の原動力となっています(63試合、27ゴール、68ポイント)。
ジェネラルズはプレーオフで彼が試合を欠場した際(負傷により、OHLチャンピオンシップ決勝全休)に苦労したため、彼の価値をより顕著なものにしました。
氷上にいるとき、パックは彼を追いかけ回し、彼がパックを持てば彼にくっつく。エリート選手としての個人技があるからこそ、彼はそれを手に入れたのです。
パックを保持する時間が長すぎるのが玉にキズだが、ディフェンスの範囲を読み、それをバラバラにする能力は示しています。
彼がNHLプレーヤーに成長するにつれて、彼はNHLレベルで質の高いプレーメーカーになる才能を持っているので、その能力をもっと頻繁に使う必要があるでしょう。
OHLのトッププレーヤーとして活躍してきたシーズン後半戦に比重が置かれたことで、彼に対する予想は急上昇しました。
この模擬ドラフトは、彼をトップライン入りできるウィンガーであると同時に、自信を持ってミドル6(セカンド&サード・ライン)の選手になると見ています。
体の強さを増し、個人プレーに頼らずチームメイトをもっと効果的に使えるようになれば、NHLレベルでインパクトのある得点源になれる才能があります。
まとめ
ジェネラルズは決勝で4戦ストレート負け、得点力もガタ落ちで、完膚なきまで叩きのめされた感じ。逆にセネッケがいたら、どうなっていたか。パック離れの悪さがあるとはいえ、彼がチームをドライブしていたら、勝ち負けはともかく、もっと得点できていたかもしれません。
「やや不作」と言われている今年のドラフト、全体1位指名候補のセレブリーニでさえ、やや実力的に疑問符を付けられているのですから、昨年の全体1位コナー・ベダードがいかに凄かったかという事になります(「線が細い」と批評されていましたが)。
サンノゼがさっくりと持っていくのか、それともどんでん返しでまたもシカゴがさらって行くのか。どちらも得点力不足に泣いたチーム、セレブリーニは喉から手の出るほど欲しい選手のはず。サンノゼの地に縁があるらしく、本人はそっちへ思いを馳せているみたいですが…。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 5月27日現在、ドラフト全体指名1位から28位までの各チーム指名順が決定しています。詳細はこちら→☆。「宝くじのボール」というのは、5月7日に行われたNHLドラフト抽選のことで、ここで1〜16位までが決定。
レギュラー・シーズン下位チームが1位指名権を取りやすい抽選方法となっており、最下位のサンノゼ・シャークスが第1位指名権を獲得し、シカゴ・ブラックホークスは第2位指名権を獲得。
プレーオフの第2ラウンドまでで敗退した12チームは、17位から28位にランクイン。29番目の指名権は、カンファレンス決勝で敗退したチームのうち、レギュラー・シーズンのポイントが最も少ないチームに与えられる。
30番目の指名権はカンファレンス決勝で敗退したもう一方のチームに与えられる。スタンレーカップ決勝で敗退したチームは31番目の指名権を獲得し、カップ優勝者は32番目の指名権を獲得する。
↩︎ - NHLの公式ランキングは、「2024 Draft Prospects Rankings」で見られる。
↩︎ - 全米大学体育協会(NCAA)の男子アイスホッケー選手のトップに贈られる賞。現在まで受賞者は44名。プリンストン大学でカレッジホッケー選手として活躍し、第一次世界大戦直後に亡くなった殿堂入り選手、ホビー・ベイカーにちなんで名付けられた。
↩︎ - 父親はカルガリー・フレームズで活躍したジャロメ・イギンラのこと。以前、このブログでも触れている。詳細はこちら→☆。 ↩︎