🛡️元英雄T.J.オシーが先駆者に!パパとしての想いと安全への願い
偶然にも、かつてアメリカ代表としてオリンピックのシュートアウトで英雄となったT.J.オシーは、プロレベルにおけるネックガード普及のまさに先頭に立っている人物の一人でもあります。
かつてアメリカ代表としてオリンピックのシュートアウトで英雄
T.J.オシーが「オリンピックのシュートアウト英雄」として広く知られるようになったのは、ソチ2014冬季五輪(ロシア大会)のアメリカ対ロシア戦における劇的な活躍がきっかけ。この試合は予選ラウンドで行われ、両チームが2-2の同点で通常の試合時間と延長戦を終え、勝敗を決めるためにシュートアウトへと突入した。
アイスホッケーの国際ルールでは、シュートアウトで3人目の後は同じ選手を何度でも起用できるため、アメリカ代表のコーチはオシーを複数回送り出した。オシーは計6回のシュートチャンスで4回ものゴールを決め、そのうち最終ラウンドでのゴールが決勝点となり、アメリカを3-2で勝利に導いたのである。
この連続得点によって、強豪ロシアを相手にした歴史的な勝利だけでなく、オシー自身が国民的な存在として一気に注目を集めた。試合後、オシーのシュートアウトのパフォーマンスは「T.J. Sochi(ソチのT.J.)」という愛称で語り継がれ、彼自身もこの瞬間が自分のキャリアにおける特別な経験であると語っている。
この伝説的な活躍は、アメリカ国内で大きな反響を呼び、ホッケーファンだけでなく一般スポーツファンの間でも語り草となりました(2014年2月15日)。(SI)
オシーは自ら「Warroad」というパフォーマンスブランドを展開しているのですが、アダム・ジョンソンのあの悲劇的な事故以来、大きな変化が起きているそうです。プロの大人たちの間で安全に対する意識が劇的に高まったことで、ブランドのベースレイヤーや耐切創ネックガードの売り上げが急激に伸びているのです。
「Warroad」というパフォーマンスブランド
NHLのオールスター選手であるT.J.オシーが共同設立したアイスホッケー専門のアパレルブランドで、2018年に本格的にスタート。ブランド名は、ミネソタ州のホッケー文化が色濃い町「Warroad」に由来し、その地域の熱いホッケー愛が製品作りの礎となっている。
Warroadは、単なるスポーツブランドではなく、パフォーマンス、プレーヤーの安全性、回復(リカバリー)に重点を置いた技術的ホッケーウェアの開発を使命としている。その根底には、オシー自身が選手として現場で経験してきた「理想の装備」へのこだわりがあり、チームや技術者と連携して科学的な素材や構造を追求。(WARROAD)
代表的な製品ラインである「TILO(タイルロ)」は、ネックや手首といった氷上で危険にさらされがちな部位を、従来の単体プロテクターよりもずっと快適かつ高い保護性能で守るためのベースレイヤー。
TILOには、Cutlonという、鋼鉄の約15倍の強度を持つカット耐性素材や、銀イオンを織り込んだIonic+抗菌素材などが採用されており、スケート刃やスティックによる深刻な裂傷のリスクを軽減。また、軽量で高いストレッチ性を持つメッシュ素材により、通気性や快適性も重視されており、プロ選手でもゲーム中に着用できる設計となっている。
製品はトッププロだけでなくアマチュアやジュニアプレーヤー向けにも展開され、幅広い層が安全性を高めるために利用。
ブランドはこのような高度な保護用ギアに対する世界的な需要の高まりを受け、高機能素材や抗菌技術の生産を拡大するために、専門企業と提携する動きも進めている。
このような背景により、Warroadは単なる「選手プロデュースのアパレルブランド」ではなく、ホッケー界全体の安全装備の標準を引き上げようとするイノベーター的役割を担っているブランドとして注目されている。(textileworld.com)
オシーは、Sporticoの取材に対して、一人の父親としての切実な想いを語ってくれました。「あのような悲しい出来事を目にすると、どうしても自分の子どものことを考えてしまうんだ」。
「自分にも守るべき子どもたちがいる。だからこそ、今手に入るものの中で何があるのかを必死に探したくなるし、どうせ選ぶなら、愛する家族や仲間のために一番質の良い、最高の安全性を備えたものを選びたいと思うのは当然のことだよ」。
これがオシーのブランド「Warroad」から出ているネックガード、「TILO(タイルロ)」。今後、オシーに触発されて、いろんな製品が出てくるんじゃないかな。
かつてのリンクの英雄が、今は「安全」という新しい形でホッケー界を支えようとしている姿には、胸が熱くなりますね。
📝2026-27シーズンからNHLでも義務化!でも「特例」があるんです
国際大会だけでなく、いよいよ世界最高峰のリーグであるNHLでも大きな動きがあります。新しい労使協定の規定によって、2026-27シーズンから初めてNHLの舞台に足を踏み入れる選手たちには、ネックガードの着用が義務化されることになりました。
ただ、ここで一つ面白いルールがあるんです。この新しい規則には「グランドファーザー条項(既存選手への適用除外)」という形が採用されます。これは、かつてフェイスシールドやヘルメットが導入された時と同じやり方なのですが、簡単に言うと「今までずっと着けずにやってきたベテラン選手には、強制しないよ」という決まりです。
グランドファーザー条項(既存選手への適用除外)
スポーツ界や法律・規則の世界でよく使われる「グランドファーザー条項(既得権条項)」とは、新しいルールや規制を導入する際に、そのルールが施行される前から既に特定の条件を満たしていた人や状況には、旧ルールの適用をそのまま認める特例措置のことを指す。
これは、新制度の導入によって既存の当事者が突然不利益や混乱に見舞われるのを避け、実務上の公平性や移行の円滑さを確保するために設けられる。例えば、法律や条例が改正されて安全基準が厳しくなった場合でも、改正前から存在していた施設や装置は新基準の適用を受けず、旧基準のままで運用できる、といったケースが典型的。(リーガルインフォメーションインスティテュート)
この条項は、「グランドファーザー(祖父)」という言葉がメタファーとして用いられている点にも由来がある。19世紀末から20世紀初頭のアメリカでは、選挙権に関する法律が変更される際に、以前に投票権を持っていた人にその権利を認めるための条項が設けられ、それが「祖父(grandfather)」として言及された歴史が背景にある。
こうした歴史的な経緯から、現代では特定の規制変更における「既に認められている状態をそのまま維持する措置」を表す専門用語として定着。(HiSoUR)
スポーツのルール設定でも同様の考え方が見られる。例えば、NHLが1980年代にヘルメット装着義務を導入した際、その規則が施行される前から既にプロの試合に出場していた選手にはヘルメット装着を強制しないまま、キャリアを続けられるようにした例がある。
この措置により、ベテラン選手が突然新義務に対応しなければならないという負担を避けつつ、徐々に新たな安全基準を浸透させていくことができた。
NHLにおける今回のネックガード義務化も同じコンセプトが適用されており、「2026-27シーズンからNHL初出場の選手には着用を義務付けるが、それ以前に出場経験のある既存の選手には適用しない」という形で導入される。
このようなグランドファーザー条項は、選手やチーム、リーグ全体の混乱を抑えながら安全基準を段階的に引き上げる手法であり、変更の全体的な受け入れをスムーズにする役割も果たしている。
具体的には、2026-27シーズンが始まる前に、すでに1試合でもNHLの試合に出場した経験がある選手であれば、この義務化ルールの対象にはなりません。つまり、現在活躍しているスター選手たちの多くは、これからも自分の意思で着けるかどうかを選べるというわけですね。
一律に全員強制とするのではなく、長年のプレイスタイルを尊重しつつ、新しい世代からは安全を最優先にしていくという、ホッケー界らしい段階的な導入方法と言えるかもしれません🤝。
🏒「正直、慣れないんだよね」カチャックが語るこだわりと習慣
「ユースホッケーを卒業して以来、ネックガードなんてずっと着けてこなかったんだ」と語るのは、ブレイディ・カチャックです。今回のオリンピックや、最近のジュニアリーグなどで導入が進んでいることはもちろん知っていますが、彼にとってはかなり久しぶりの感覚のようです。
カチャックは、それぞれのリーグが選手の安全を考えてルールを決めることについては、「それは各リーグが判断すること」と理解を示しています。その一方で、自身の習慣についてはこう明かしています。
「俺はただ、ずっと着けていなかったから慣れていないだけなんだ。NHLに来てからは一度も身に着けたことがないからね。でも、ルールはルール。今はそれに従うしかないと思っているよ」。
彼の話を聞いていると、どうやらオリンピックが終わって所属チームのオタワ・セネターズに戻ったら、すぐにでもネックガードを外してしまいそうな雰囲気です。今のところ、NHLの試合でも継続して着用し続けるという考えは全くないようですね。
NHLの試合でも継続して着用し続けるという考えは全くない
ネックガード着用に関しては、ブレイディ・カチャックのように「長年着けてこなかったので慣れていない」と語る選手がいるのと同様に、他にも躊躇している選手の言葉や態度が報じられている。
たとえば、バッファロー・セイバーズのディフェンスマン、ラスムス・ダーリンは試用したものの「とても暖かくて動きづらく、着けたままゲームを続けられなかった」と話しており、実際のプレー中には途中で外してしまったという報道があるなど、着用そのものを積極的には支持していない動きも見られる。
これは「技術が進んでより快適なものができるまで装着しないでおきたい」という理由だと本人は説明している。(ESPN.com)
同様に、セントルイス・ブルースのロバート・トーマスも、AP通信の取材で「多くの選手にとってネックガードはまだ“見慣れないもの”であり、従来の装備に比べて違和感があると感じる選手も多い」と述べている。彼は着用義務化には理解を示しつつも、個人的にはまだ普段のゲームで着けていないとされている。(ニュースウィーク)
これらの発言は、ネックガード装着が必須でないNHLレベルでは依然として選手の判断に委ねられており、安全性を重視する声と同時に、慣れや快適性の面で消極的な姿勢も存在することを物語っている。
こうした反応は、従来のプロ選手文化として「新しい装備を追加することへの抵抗」が根強いこととも関連しているが、安全意識そのものはジョンソンの事故以降高まってきている。
「正直なところ、試合中に首を切られるなんてことは、あまり考えないようにしているんだ」とカチャック。もちろん、安全を軽視しているわけではありません。
「他の耐切創装備、例えばリストガードやソックスなんかは全部使っているよ。ただ、ネックガードだけはユース以来ずっと試してこなかっただけなんだ。使っている他の選手たちが気に入っているっていう話も聞くから、これから先、自分がどうするかはまだ分からないけどね」。
彼の言葉からは、トッププレイヤーゆえの「いつものルーティン」や「慣れ」を大切にする繊細な感覚が伝わってきます。
✨意識が変わるかも?これからのネックガードとの付き合い方
一方で、最初にお話ししたウェレンスキーは、カチャックよりも少し前向きに、将来の可能性を考えているようです。
「(NHLでも着けることを)考えたことはあるよ。自分がすごく迷信深いとまでは言わないけれど、そういう気質が少しはあるかもしれないからね」と彼は笑いながら話してくれました。実は彼も、これまでNHLでは一度もネックガードを着用したことがありませんでした。
プロの世界では、自分の使い慣れた用具をいじったり、プレイスタイルを変えたりすることを極端に嫌う選手も多いのですが、彼もその一人だったのです。
しかし、今回の体験が彼の考えを少しずつ変えようとしています。「でも、この大会が終わったあとで、もし自分がネックガードを気に入っていたり、着けていて良い感触が残っていたりしたら……その先はどうなるか分からないよね」と、将来的にNHLでも着用し続ける可能性を否定しませんでした。
まとめ
今回の冬季五輪での義務化は、ただのルール変更以上の意味を持っているのかもしれません。多くのスター選手たちが実際に新しい装備を試し、その快適さや安全性を肌で感じることで、これまでの「当たり前」が少しずつ塗り替えられていく予感がします。
アイスホッケーという激しくも素晴らしいスポーツを、より安全に、そして全力で楽しむために。選手たちの首元に新しく加わったこの小さな装備が、これからのホッケー界にどのような安心をもたらしてくれるのか、注目していきたいですね⛸️。

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

