ウィニペグ・ジェッツのプレーオフへの望みは、一貫性次第か!?

NHLチーム紹介

はじめに

 大詰めを迎えようとしているNHLのレギュラー・シーズン、独走ブッチギリのチームもあれば、毎日が一戦必勝のトーナメントの如く、緊張感たっぷりの試合をしているチームもあります(フィラデルフィア?)。

 プレーオフ進出の望みを絶たれたチームは…、きっと若手育成を考えているでしょう。この時期、下位チームはわざと負けて、ドラフト指名順上位を狙ってる、なんて陰口を叩かれますが、チームに負けグセ付いても、何の得もないですからね。絶対それは無いです。

 NHLプレーオフのトーナメント表予想も日々変わっていますが、今回注目したのがセントラル・ディビジョン。コロラド・アバランチ、ダラス・スターズ、そしてウィニペグ・ジェッツがしのぎを削り、レベル高い闘いを繰り広げています。しかし、ウィニペグの様子がおかしいのです。

讃岐猫
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引用元:The Washington Post.com「Winnipeg Jets look to rediscover some consistency as they aim for a long playoff run

    NHL.com「Bowness away from Jets after medical procedure

    NHL.com「Ovechkin scores twice, Capitals shut out Jets

最近、下降気味のウィニペグ…

 ウィニペグ・ジェッツが最高の状態にあるとき、エリートのゴールテンディングと豊富な得点力を備えたディフェンスを中心に構築された、息詰まるような緊張感を持ったホッケーをプレーします。

 しかし、直近の遠征終盤において1長い間にわたり、そうは行きませんでした、この間の試合で3連敗に終わったからです。チームはホームに戻り、この春のプレーオフ進出を目指して、ある程度安定感を取り戻そうとしています。

 「自分たちのことやプロセスを心配し、チームに関する詳細な部分、チーム内での競争、そして戦術を実行する上で一貫性を持たせなければならない」とディフェンスマンのディラン・デメロは、日曜のワシントン戦で20-3で敗れた後に語りました。

ジェッツvs.キャピタルズ戦のダイジェストです!

 「それが、このシーズンの最終段階で揺らいでいるようだ。僕らは思うように一貫性を保てていない。チームのプロセスが正しければ、どんな構成のチームであろうと、どんな選手とでも自信を持って対抗できるはずだ」。

失点数の少なさが売りのチームなのに…

 今シーズンの長い期間、ジェッツはNHLのどんなチームよりも強豪であり、その結果、スタンレーカップ獲得の有力候補のよう思われていました。

 トップ・センターのマーク・シャイフェレは1試合平均ポイントで成果を挙げており(0.98、全体40位。チームではトップ)、カイル・コナーは30ゴールを決め(全体25位。チームではトップ)、コナー・ヘレブイック(勝利数32は全体3位、セーブ率.920は全体トップ)はリーグ最優秀ゴールキーパーとしてベジーナ・トロフィー獲得のシーズンとなるよう、順調に歩みを進めています。

 ウィニペグは全チームの中で2番目に少ない失点(172。トップはフロリダ・パンサーズの171)を記録しています。

 ニュージャージー・デビルズ、ニューヨーク・アイランダーズ、キャピタルズ戦で13失点を喫したというのは、これ以上ないほど常軌を逸した試合でした。

讃岐猫
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現在、代理監督が奮闘中!

 先週とシーズン序盤に3家族や個人的な健康上の理由で、不在であったリック・ボウネス監督の代役を務めたアシスタントのスコット・アーニエルは、「我々チーム内は細かい部分でもっと良くならなければならない。そうすれば、これまでに見せてきたものよりもずっと良くなるはずだ」と語っています。

 「ここ2、3試合はそこから逃げていたようだ」。

 特に気になったのは、デビルズやアイランダーズ戦の次、ワシントン戦において4、もっと良い試合ができると選手たちが考えていたにも関わらず、2つの好調なピリオドを乗り切った後、第3ピリオドで状況が一変したことです。

プレーオフの対戦相手が気になるが…

 アーニエルは、火曜日(3月26日)にはエドモントン、木曜日(28日)には前回チャンピオンのラスベガスとのホームでの試合があり、スケジュールがこれ以上楽になることはないので、(連敗により)いくつかの悪影響がチームに出ているが、いずれにせよ、再編成する時期が来たと指摘しました。

 セントラル・ディビジョンを制し、プレーオフ第1ラウンドで5、コロラドかダラスのような難敵対決を避けるという目標を考えれば、ウィニペグにとって絶望を問題としている場合ではありません。

 「コロラドとダラスとのレースはシーズンを通して続いているね」とアーニエルは語りました。「僕らは常に上位にとどまるために最高の能力を発揮し、ホーム・アイスでのアドバンテージを得るために必死になってきたんだ。それは今も変わっていないよ」。

讃岐猫
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相手を気にするより、自分のチームを立て直そう!

 4月22日のポストシーズン開幕時、(3位のままでは)ジェッツが対戦相手を選べないことをデメロは知っており、安定したプレーをすることに焦点を置こうとしています。フォワードのメイソン・アップルトンは、試合ごとに勢いが変わっても、自分とチームメイトが動揺しない姿を見たいと考えています。

 「これは忍耐強いゲームだ」とアップルトンは6語りました。「この時期は、どちらかというとチェスの試合のようなものさ。

 速攻で得点することはそれほど多くないので、スマートなホッケーをプレイすることが重要であり、第1ピリオドの20分間でチームを圧倒することはできないよ。時には59分や60分かかることもあるし、そういう考え方も必要だ」。

まとめ

 チームの調子が下降気味なことの根底に、監督の健康問題が横たわっているような気がします。代理監督は「問題ない」を強調していますが、NHL各チーム監督へのプレッシャーはハンパないものがあり、それが健康を蝕んでいった可能性を棄てきれません。

 「監督、大丈夫かな。俺達がちゃんとしなかったから…」という選手の思いが、試合中のワンプレーごとに迷いを生じさせているのかもしれません。最終コーナーに入っているのは相手も同じ、死にものぐるいで来ますから、プレーを迷っている暇はないはずです。

 記事中にあるチームの再整備も必要で、それは戦術とかだけでなく、メンタル面でのケアも含むべきです。今のところ、ボウネス監督の病状についての続報はありません。その手の情報についても、どうやって伝えていくか、フロント・スタッフの配慮が試される時ですね。

讃岐猫
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【註釈】

  1. 3月17日(日曜)からスタートしたアウェイ5試合で、17日のコロンバス戦(6-1)、19日レンジャーズ戦(4-2)と勝利したものの、21日のニュージャージー戦(1-4)、23日のアイランダーズ戦(3-6)と連敗。
    ↩︎
  2. 試合後、デメロは次のように語っている。「ここ数試合よりも、今日の試合からはずっとポジティブな点を得られたと思う。アイランダーズとの試合では、試合のあらゆる面において、僕らはまさに大きな『オフ』を取っていたような日だった。

     今日はずっと良くなったね。みんな脚力もあったし、フォアチェックにも入って、相手を混乱させていたし。何本か本当にいいシュートがあったけど、入らなかっただけさ」。なお、ジェッツは2013年1月22日以来、ワシントンのホームで勝っていない(0勝7敗4延長負け)。
    ↩︎
  3. 勝利したレンジャーズ戦、軽度の医療処置を受けるため、ボウネスはベンチ入りしていなかった。代理監督のアーニエルは次のように述べている。「二日前の夜に電話があり、いくつかの問題についての連絡があった。医師たちは原因を知っているようだ。

     彼は家に帰って診察を受ける予定だ。チームの遠征後には戻ってくるかもしれない。とにかく、事態がどうなるか見ている状態なんだ。深刻かって?そうではないよ。長期にわたらないんじゃないかな。(医師たちが)原因を突き止めたことをとても嬉しく思っている。

     彼らはそれを調べて治療に取り組むだろう」。10月23日〜11月まで、ボウネスはチームを離れており、10月22日、妻のジュディが発作を起こしたためである。
    ↩︎
  4. 3月24日(日曜)、 キャピタル・ワン・アリーナで行われたウィニペグ・ジェッツ戦で、ワシントンが第3ピリオドでアレックス・オベチキンが2ゴールを挙げ、ゴールテンダーのチャーリー・リンドグレンが27セーブを挙げて3-0で勝利。

     オベチキンは5試合連続ゴール中で、8ゴールを記録しており、NHLキャリアでは848ゴールとなった。この勝利により、イースタン・カンファレンスからスタンレーカップ・プレーオフへ出場できる、2つ目のワイルドカード枠に入り、デトロイト・レッドウィングスに1点差を付けた。
    ↩︎
  5. 3月25日現在、ウェスタン・カンファレンスのセントラル・ディビジョン3位。このままで行くと、同ディビジョン2位のダラス・スターズと対戦する可能性が高い。

     仮にディビジョン1位となった場合、同カンファレンスのワイルド・カード1位チーム、ナッシュビル・プレデターズが対戦相手となる。

     しかし、3月25日現在、ナッシュビルはフランチャイズ記録となる連続勝ち点記録を17試合(15勝0敗2分)に伸ばすほど好調であり、ワイルド・カードではなく、ストレートでプレーオフ出場圏内に入ってきそうな勢いである。
    ↩︎
  6. ワシントン戦後、次のように語っている。「私たちは、そこで(第3ピリオドに入ったところ)ちょっと歯がゆい思いをしていたんだけど、その2点目(第3ピリオド、オベチキンによるもの)は本当に偶然入ったようなものだったんだ。

     最終的にどうやって入ったのかさえ分からない。でも、どちらかと言えば、そっちの方(第3ピリオド、ワシントンの先制点、ジョン・カールソンによるもの)が気の抜けたものだった」。

     この発言や前述デメロの「オフ」発言、代理監督の「ここ2、3試合はそこから逃げていたようだ」の発言等から考えると、チーム全体にやや緊張感の欠けていた事が分かる。 ↩︎
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