緊急レポート!NHLドラフトがNFLやNBAと同形式になる!?

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はじめに

 まもなく日本プロ野球、NPBのドラフト会議が始まります。今年から確か2位指名も中継するらしいですが、抽選なのに会議とはこれいかに、という感じがしないでもありません。いつの間にか、親子の感動物語になっていますし…。

 そして、最近、ショーアップされたNFLやNHLのドラフトを見ているせいか、いかにも小ぢんまりした集まりにしか見えません。

 さて、このブログでも再三話に出ている「NHLドラフト」、来年あたり、大きな変革がありそうです。

 NHL各チームのホーム持ち回りで会場を提供し、そこへ全チームの関係者が集合して指名していく方式を取っているのですが、それが「集合しなくていいよ、各自ホームにいていいよ」方式になるかも…というのが、今回の記事の主な内容です。
  

讃岐猫
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引用元:sports.yahoo.com「Report: NHL considering decentralized draft akin to NFL, NBA

NHLのドラフト形式が変わる!?

 スポーツネットのエリオット・フリードマンの報道1によると、NHLはNBAやNFLのドラフトに似た「分散型」のドラフトについて、各チームに意見を求めているとのことです。

 変更を望む声があれば、この決定は早ければ2025年のドラフトから適用され、ラスベガスで開催される2024年のドラフト2に影響する可能性もあるとフリードマンは報じています。

讃岐猫
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現行ドラフト形式のいい面

 この決定に従えば、NHLが伝統的に行ってきたイベントの運営方法から大きく外れることになります。2020年と2021年のドラフト(どちらもCOVIDの影響を受けた)は、分散型と同等の形式で行われた数少ない年でした。

 フリードマン記者は、自身のコラム『32 Thoughts』3の中で、この報道を拡大解釈し、各チームはそれぞれのホームタウンに留まり、有望株はドラフトが開催される場所に向かうと説明しています。

 現在、NHLの各チームは毎年夏になると特定のマーケット(ドラフト会場)に集結し、4ホッケー界全体が集まるだけでなく、多くの素晴らしい瞬間につながる機会を提供してくれています。

現行ドラフトの悪い面

 NHLがフォーマットの変更を推進すると推測されている背景には、ドラフトからNHLのフリーエージェント(FA)の開始までの間隔(日数)が狭いことなどが報じられています。

 2023年、そして来年の夏もドラフトが6月28日から29日にかけて行われるため、NHLカレンダーにおける、この2つの大きな節目の間隔が2日間と短くなっているのです。

 そうなると、(今年の場合、)7月1日の「(FA市場の)混乱」に備えて、各チームが現場に戻る時間は5ほとんどなかったのです。

讃岐猫
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時間との戦い?

 もしNHLが分散型ドラフトへのルートをたどることを決定し、(ドラフト会場で)コミッショナーのゲイリー・ベットマンが(チーム)個々のドラフト指名を発表することになった場合、ドラフトの完了までに要する時間が大きな変更点となります。

 2020年NHLドラフト2日目6は、8時間半という驚異的な長丁場となりました。これの原因は、(アメリカ)国内各地の「(通称)ウォー・ルーム7」において、主に海外リーグでプレーするクラブの動向を探るためだったのです。

まとめ

 北米ドラフトに影響されたのか、NPBを中継するTBSは少し放送形態を変えるらしく、それが吉と出るか、凶と出るかは全く分かりません。ダラダラ長いドラフトに慣れてない日本の視聴者は、途中でそっぽを向きかねません。

 お祭り、ショーだと割り切ってる北米のパターンを、どう咀嚼していくのか。若い選手の将来を決めるものなのに、いい加減な放送するな!なんて考えている日本人に理解してもらうのは、至難の業のような気もします。NHL同様、伝統を守った方がいいような気もしますが。

讃岐猫
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【注釈】

  1. 「NHLは正式に、ドラフトの“分散化”(若手有望株の選手が、NFL/NBAのスタイルでドラフト会場に参加している間、クラブ関係者はホームに留まる)について意見を聞きたいと各チームに通知しました。

     変更を望む声があれば、おそらく2025年になるでしょう」とある。
    ↩︎
  2. 2024年のNHLドラフト開催地として検討されている会場の一つとして、ラスベガスの「スフィア」があると報道されている。

     ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン社(以下、MSG)が建設した「Sphere(スフィア)」のことで、“球形”の2万人収容、未来的エンターテインメント大型アリーナ。ラスベガスへの進出を計画していたMSGの事業の一環である。

     2023年9月29日にオープンし、収容人数は約20,000人。
    ↩︎
  3. 詳しくはこちら→
    ↩︎
  4. フリードマンは、分散型ドラフトについて反対の立場を取っており、「全員が一緒にいて、挨拶したり、雑談したりできるドラフトが大好き」としている。

     その理由として、NHL以外の北米プロリーグが現行のNHLドラフト方式をやっておらず、その点がユニークであること、

     メディア間だけでなく、マネージャーとマネージャー、スカウトとスカウト、指名予定の若手選手とチーム、そしてエージェントとチームの間等、対面でビジネスを行うことには大きな価値があること等を挙げている。
    ↩︎
  5. フリーエージェントの開始までに、それぞれのホームタウンへ戻るには1日が必要となり、長旅になる可能性が高い。スカウトやスタッフの移動コストもかなりかかる。選手へのサラリーを考えると、移動人数の少ない分散型が適当と思われる。

     フリードマンはまた、多くのスカウト、幹部、その他のチーム関係者が”嗅ぎ回っている”中で、”私的なビジネス”を行うことに関する懸念が(一部チームの中で)あると報じています。
    ↩︎
  6. 2020年10月6日〜7日まで開催された第58回NHLエントリードラフトのこと。当初、2020年6月26日〜27日、ケベック州モントリオールのベルセンターで予定されていたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックのため、3月25日に延期が決定。

     リモート形式で開催され、各チームはビデオ会議を通じて集まり、コミッショナーのゲイリー・ベットマンが1巡目指名を発表し、副コミッショナーのビル・デイリーが、ニュージャージー州セコーカスのNHLネットワークスタジオから、その後のすべてのラウンドの指名を発表した。
    ↩︎
  7. NFLでは、ドラフト当日、各チームのオーナーやGM、監督をはじめ、コーチ、スカウトらが本社にある「ウォールーム」と呼ばれる部屋に集まり、そこから指名する。ドラフト会場には、コミッショナー等に指名を伝えるチームスタッフを派遣。

     「ウォールーム」には、ドラフト対象選手の情報が集積していると言われている。事前に、チームは何度もシミュレーション、つまり仮想ドラフトを重ね、当日に備えるのが普通。 ↩︎
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