はじめに
このブログで何度も取り上げてきた、「NHL33番目のチーム、誕生!?」「ユタ州ソルトレイクが本拠地?」に動きがありました。といっても、NBAユタ・ジャズのオーナーであり、この話題の中心人物ライアン・スミスが「新チーム名募集」を言い出しただけの事です。
シビレを切らしたというか、もう新チーム誕生は時間の問題とタカを括っているのか分かりませんが、スミス(とそのお仲間)は自信満々で突き進んでいます。彼が買収するかも、と言われているアリゾナ・コヨーテズの本拠地移転問題も進展なく、正直、楽観視できない状況。
スミスはまだ若いですし、AHLにチームを持って、そこで数年実績を積んでから、NHLへ…という手堅い道のりを行った方がいいし、実際、そういうパターンを取った経営者もいます。早急に結果を求めようとするスミス、彼の野望は一体何を目指しているのでしょう。
正直、32チームでスケジュールいっぱいいっぱいなのに、これ以上チーム増えたら、
選手達の体調管理がきつくなるんじゃないかにゃ。
オーナーになれば、質の高いアイスホッケーが見たいだろうに。
まずは選手ありきなんだけどなぁ。
引用元:KSL Sports.com「 Ryan Smith Asks Utahns About Potential NHL Hockey Team Names」
ユタ・ジャズだけじゃ物足りないよ!byライアン
ユタ・ジャズのオーナーであるライアン・スミスは、NHLチームをビーハイブ州(ユタ州の別名。蜂が州の昆虫)に誘致することに尽力しており、BYU卒業生(ブリガム・ヤング大学。ユタ州プロボにあり、末日聖徒イエス・キリスト教会運営の名門私立大学)はファンにチーム名のアイデアを募集しています。
拡張チームであろうと、現在のフランチャイズの移転であろうと、クラウドソーシングで富を築いた男は、4月8日・月曜日、ソーシャル・メディアを利用して、ユタ州に本拠を置くフランチャイズが何と呼ばれるかについてファンと交流しました。
結構、賛同者は多いよ!
ダウンタウン・アリーナへの資金提供が承認
3月初旬、州議会は、ソルトレイクシティのダウンタウンに、ユタ・ジャズと拡張予定のNHLチームを収容する新しい多目的アリーナ建設の可能性を導き出す法案を承認しました。
「繁栄する州には、州都に繁栄するダウンタウンが必要です」とSLC市長エリン・メンデンホール、ソルトレイク郡市長ジェニー・ウィルソン、スミス・エンターテインメント・グループは共同声明で述べています。
「本日、州都再活性化ゾーン法案(後出「S.B.272」のこと。地方自治体が活性化ゾーンを創設できるようにするための規定を制定するもの)が可決されたことで、我々はソルトレイクシティのダウンタウン・エクスペリエンス1に深く投資する態勢が整いました」。
末日聖徒イエス・キリスト教会(1847年、宗教家であり、ソレトレイクシティの創設者であるブリガム・ヤング率いるモルモン教徒が定住したことから)は、この法案を支持する声明を発表しました。
末日聖徒イエス・キリスト教会の広報担当者は、「教会の世界本部が置かれているダウンタウン・コミュニティの利害関係者として、私たちはソルトレイクシティのダウンタウンをリフレッシュして活性化させながら、今後何世代にもわたって安全で家族に優しい集いの場を提供する可能性をうれしく思います」と述べています。
このNHL拡張チームの話題を取り上げるたびに、ユタ州に関する知識が増えていくにゃ。
それにしても、この手の件について、宗教団体関係者がコメントするなんて、
もし日本でやったら「修行の方が大事じゃないですか?」とか言われそう。
引用元:KSL.com「 Have an idea for a Utah NHL team name? Ryan Smith wants to hear it」
もう名前の候補だって沢山あるよ!
ユタ・ジャズを統括するライアン・スミスが、ナショナル・ホッケーリーグをユタ州に誘致し、ダウンタウンの新しいアリーナでプレーできるようにしたい、と考えていることは周知の事実です。
しかし、最大の不明点の1つは、ユタ州がチームを獲得した場合、そのチームが何と呼ばれるのかということです。スミスは今、その答えを探そうとしています。
スミス・エンターテインメント・グループは月曜日に調査を開始し、ユタ州のNHLチーム名案をファンに尋ねました。ソーシャル・プラットフォームXで提案されていて、人気があるのは、Blizzard、Eagles、Hive、Pioneers、Snowcats、Swarm、Yetiなどがあります。
コヨーテズの移転問題は、いまだ混迷中
この質問は、アリゾナ・コヨーテズにとって興味深い時期に投稿されたため、スミスとチームとのつながりについてネット上で憶測が広がりました。
チームのオーナー、アレックス・メルエロがアリゾナ州内外の「複数の」買い手候補と話をしたとアリゾナ・スポーツが先週報じています。
この報道は、チームが新しいアリーナを見つけるのに苦労している中で出ました。昨年、アリゾナ州テンピの有権者は、フェニックス郊外に23億ドル(日本円で約3,500億円)を投じて歓楽街を建設するという3つの提案を否決しています。
そしてチームは先週、フェニックス地域の別の場所で、同タイプ地区のレンダリング図(データから画像や映像を作ること)を発表しましたが、この計画は110エーカー(東京ドーム9個分くらい)の州有地のオークションでの落札結果にかかっています。
月曜日、スコッツデール市長デビッド・オルテガは、州有地の近くにある市の代表であり、提案された計画を酷評しました。
「スコッツデールと隣接するフェニックス案は、ホッケー競技場に見せかけた新たな娯楽施設に対する市場の需要や、混雑する高速道路へのアクセス、競技場のゾーニング(建物の空間を機能や用途別にまとめて、効率的に配置すること)に疑問があること等について触れずに提案されたものだ」とKPNX(アリゾナ州メサにあるテレビ局。フェニックス地域中心にサービスを提供)が入手した声明で彼は述べています。
「この派手な提案は、アリゾナでホッケーを続けるための最後のあがきとして描かれたものだ」。
また、チームがユタに拠点を移した場合でも、スミスがコヨーテズの名前を維持するよう、Xで勧めた人もいました。
スコッツデール市長さん、相当お怒りモードだにゃ。
本当に計画案が杜撰なのか、単なるいちゃもん付けなのか。
娯楽施設誘致→建設による治安の乱れをだいぶ気にしているようなので、
後者のような感じがしないでもない。
資金調達のために、税金アップ!?
もちろん、スミス・エンターテインメント・グループは、将来のホッケー競技場を巡って独自の戦いを繰り広げることになるでしょう。先月、スペンサー・コックス知事は「首都再活性化ゾーン」を設立するS.B.272に署名しました。
しかし、このゾーンに何が含まれるかはまだ決定されておらず、ソルトレイク市議会は、ユタ・ジャズやNHLチームのための新しいアリーナなどの改善に資金を提供するために、地区で最大0.5%の消費税率を採用するかどうかについて、まだ投票していません2。
先月、スミス・エンターテインメント・グループの代表であるマイク・モーガンは、同社は新しいアリーナやその他のダウンタウンへの投資に「数十億ドル」の民間資金を費やす予定だと述べました。
市が税制措置に反対票を投じる場合もあるが、「SEG(グループの略称)として、起こりうる問題が実際に起こるまで心配なんかしないだろう」と彼は付け加えています。
これは、今後数か月で解決される可能性があります。
おそらく、提案されたチーム名はすべて決定される頃にはわかっているでしょう。
引用元:abc4.com「 What would you name Utah’s NHL team? Ryan Smith wants to know」
ユタ州と言えば、大雪と「ZZ」?
ナショナル・ホッケーリーグがビーハイブ州にやってくるという保証はまだありませんが、だからといって、ユタ・ジャズのオーナー、ライアン・スミスがチーム名について空想するのを止めるわけではありません。
4月8日・月曜日の朝、スミスはアンケートへのリンクをTwitter/Xに投稿し、ユタ州の人達にチームへのアイデアを送るよう求めました。ファンはすぐに提案をしてくれて、中にはジャージのモックアップ(試作品)やロゴを添えたものもあったようです。
提案の中で特に共通していたテーマの1つは、「地球上で最も大雪が降る」というユタ州の冬のアイデンティティに従うことでした。上位の候補には、「ユタ・イエティ」と「ユタ・ブリザード」なども見られます。
あるユーザーは「ユタ・ブリザードは間違いない」と答えました。「『ZZ』のテーマ3はそのままに、私たちにとって象徴的な雪を表現してください」
「ふざけるなよ。それにはイエティがふさわしい!」と別のユーザーは言っています。
アリーナ・トラブルのさなか、アリゾナ・コヨーテズがソルトレイクシティに移転する可能性があるという憶測への言及として、コヨーテズがそのままチーム名になると示唆する人もいました。
しかし、コヨーテズが州の土地競売で落札し、民間資金でアリーナを建設するという公約を表明したため、こうした憶測はその後沈静化しています。
自分がユタの住人だったら、強そうなのはイエティかにゃ。
グッズも作りやすそうだし。ブリザードだったら、チームが連敗しようものなら、
「チーム成績もお寒い、選手の成績もお寒い、
ついでに観客席もお寒い」とか言われそう。
MLB拡張の候補地にもなってます
ユタ州を拠点とするホッケーチームのために行われた提案のいくつかは、数か月前、ユタ州に本拠を置く4(予定の)メジャーリーグ・ベースボール・フランチャイズのアイデアを反映していました。
MLB、NHLどちらのファンであるユーザーも、「ゴールデンスパイクス」、「セインツ」、さらには「パイオニアズ」と呼ばれるチームを応援できると感じています。
来シーズンに新チーム参加とは行かないみたいです
もし、あなたがNHLチーム名の候補のどれかが好きでないとしても、あまり心配する必要はありません。
NHLの拡張はまだ何年も先のように思われるため、スミスとファンには名前やブランディング(ブランドの価値を高めるための施策のこと)のアイデアをブレイン・ストーミング(複数人でアイデアを自由に出し合い新たな発想を生むこと)する時間はまだ十分にあります。
2月、ホッケーニュースによると、NHLコミッショナーのゲーリー・ベットマンが、リーグは「拡大モードではない」と述べたと報じていました。
NHLの最近のチーム拡張は2021年に行われ、シアトル・クラーケンがリーグに加わり、チーム数は32になりました。それ以前は、2017年にラスベガス・ゴールデンナイツがコンペティションに参加しました。
ユタ・ジャズ、MLSのリアル・ソルトレイク、NWSL(ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ)のユタ・ロイヤルズなど、ユタ州のいくつかのスポーツベンチャーのオーナーであるライアン・スミスは、1月にリーグとの拡大交渉開始の要請を正式に提出しています。
これに対し、NHLはチーム設立への関心を高く評価し、ユタ州を「有望な市場」と呼んでいるとと答えました。
それ以来、ユタ州のチーム入札に関する最新情報はありません。
まとめ
これだけワイワイ騒いどいて、結局、アリゾナ・コヨーテズのユタ移転決定で、シャンシャン決済しそうな予感がします。コヨーテズ自体の地力も挙がってきていますし、ライアン・スミスがチームに即結果を求めるタイプなら、そっちの方がお得感ありと思うのですが。
MLBの拡張フランチャイズ候補に挙がっているのも、何気に障壁になるのではないでしょうか。MLBとNHLを秤にかければ、経済効果は前者に軍配上がりますから。ただ、大雪を名物とするユタ、MLB新チームはドーム・スタジアム必須となりますがね。
それとソルトレイクってよく名を聞く街ですが、経済的キャパとしてはそれほど大きくないはず。そうなると、MLBのような大型スタジアムをまかない切れるかどうかは疑問です。街の規模に合わせるなら、NHLの方をチョイスすべき…最後は贔屓してしまいました^^;。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- オフィス街・ビジネス街・商業地域を置く都市の中心部がダウンタウンである。そこを旅行者などが散策したり、スポーツ観戦やアトラクションを楽しんだり、ショッピングをするコースのことを「エクスペリエンス」という。
↩︎ - 投票の結果次第で、ソルトレイクシティは、州都活性化ゾーンの資金調達のため、0.5%を上限とするローカルオプションの売上税と使用税を新たに課すことを許可される。
↩︎ - ユタ州のプロ スポーツ チームのニックネームには、Zの文字が頻繁に出現することでよく知られている (ユタ ジャズのzzなど)。この傾向は、 1990 年代にピークに達している。現在、少なくとも 10 のプロ スポーツ フランチャイズが、文字 Z を含むチーム名を使用。
↩︎ - 日本でも報道されていたが、MLBは現在の30チームから2チーム増の32チームを目指している。有力候補として、ソルトレイクとナッシュビルの名が挙げられているものの、まだ絞りきれてはいない。
現コミッショナーの任期切れ、2029年までに行われるとされており、まだ様子見の段階と言える。なお、早くもソルトレイクのチーム名候補は幾つか出ていて、Bees、Buzz、Gulls、Stingers、Pioneers、Bison、Outlaws、Saints、Cutthroats等がある。Pioneers、Saintsは、NHLチームの候補にも入っている。 ↩︎