はじめに
プレーオフ・第1ラウンドで敗退するチームが、続々と決まっています。一番手・ワシントン・キャピトルズの後、ウィニペグ・ジェッツ、ロサンゼルス・キングス、ニューヨーク・アイランダーズ、タンパベイ・ライトニングが戦いの場から去っていきました。
残る3カード中、意外と?健闘しているのが、バンクーバー・カナックスと対戦しているナッシュビル・プレデターズ。終盤に連勝を重ね、ウェスタン・カンファレンスのワイルドカード1位の成績で進出してきましたが、戦力的には厳しいとされてきました。
とはいえ、ここまで2勝3敗の崖っぷち。レギュラー・シーズン中、「プレーオフ、無理でしょ」から一気に追い上げてきたチーム、このプレーオフでも同様の底力を見せるかどうか。今回は、強靭な精神力でピンチを乗り切ろうとするプレデターズの選手達を追った内容です。
キングスも、あっさりとエドモントン・オイラーズにやられちゃったにゃ…。
今季のオイラーズって、大型連勝はあったけど、脆さも同居したチームだった。
キングスの敗退は、シーズン中盤での監督交代が影響したかもなぁ。
引用元:NHL.com「Predators’ top players ‘step up and make it happen’ in Game 5 victory at Canucks」
プレデターズ、2勝3敗と盛り返す!
スタンレーカップ・プレーオフとは、チームのベストプレーヤーが最も重要な時にベストプレーヤーであることを示すものです。
ナッシュビル・プレデターズのフォワード、ライアン・オライリーもそれを信じており、彼とラインメイトのフィリップ・フォースバーグとグスタフ・ナイキスト、そしてNo.1ディフェンスマンのローマン・ジョシを含むチームメイトの何人かは、
4月30日(火曜日)、バンクーバー・カナックスとのウェスタン・カンファレンス第1ラウンド・第5戦で、もっとやらなければならないというプレッシャーを感じていました。
第3ピリオド・7分15秒、ジョシのパワープレー・ゴールを皮切りに、プレデターズが1-0から反撃に転じたのです。
フォースバーグとナイキストが合わせて3アシストを記録し、第3ピリオド・12分46秒、アレクサンドル・キャリアが得点を決め、プレデターズが2-1で勝利したため、
3勝2敗でリードしているカナックスは、5月3日(金曜日)、ブリヂストン・アリーナで第6戦を行なうことになりました。
向こうのニュース速報映像です→https://youtu.be/57UXQmt9Hxc?si=t8-gxXhD_AHH1XAv。
プレーオフに出るトップ選手の心構え
オライリーは、トップ・プレーヤーがシーズンを延長したいのであれば(プレーオフに出たいのであれば)、それに応じた何かをしなければならないと理解していました。
「(プレーオフの)シリーズを深く掘り下げるにつれて、最高の選手、最も多くのお金をもらっている選手がステップアップして、それ(勝利)を実現しなければならない」と彼は言います。
「今夜は大きな勝利だ。向こうのトップの選手たちはパックをネットに入れ、パワープレーで我々を〈殺していた〉と思う。だから、僕らがステップアップして、大きなゴールを決めたのは素晴らしいことだった」。
プレデターズは、カナックスのフォワード、ブロック・ボーザーとJ.T.ミラーがステップアップし、ナッシュビルでの第3戦と第4戦でバンクーバーを勝利に導くのを見ていました。
このオライリーの心構えを、フィラデルフィアの選手達に伝えたいにゃ!
それくらい、プレーオフ進出というのは選手にとって名誉なことであり、
力入るものであるのがよく分かるインタビューだ。
プレデターズ監督は、選手を称賛
ジョシがゲーム5で同点に追いついた後、オライリーは、キャリアの決勝点につながるスクリーン・パスを出し、ナイキストとフォースバーグがそれぞれ1点目と2点目のアシストを記録しています。
上記4人の選手全員(オライリー、フォースバーグ、ナイキスト、ジョシ)が両方のゴールの時、氷の上にいました。
「一年中、彼らはそれをやってきた」と、プレデターズのアンドリュー・ブルネット監督は語っています。
「彼らが示した回復力を誇りに思うよ。大変だったんじゃないかな。チームの理想通り、一切合切をやってのけるには、プレーオフというシリーズは難しいものだからね。彼らは攻撃的な連中だが、その姿勢を貫いてくれた」。
「選手達へのメッセージは、『君達がやるんだ』というものだった。(優勝カップを)手に入れるには時間がかかるかもしれないが、ドアを叩き続けなければならないんだ。
そして、彼らは自分自身に忠実であり続けてくれたおかげで、本当に良い仕事をしたと思うね。彼らは試合をごまかすことなく、チャンスを掴み、勝利してくれた」。
負傷を抱えながら、やっと1点をもぎ取った
ジョシは見事なパワープレー・ゴールでプレデターズを勢いづけ、第1戦のオライリーのゴール以来、ナッシュビルのパワープレー17回・無得点に終止符を打ちました。
フォルスバーグとのギブ・アンド・ゴーで、彼はネットへの空いているコースを見つけ、ゴール前に多くの選手の体が積み重なる中、カナックスのゴーリー、アルトゥール・シロフスの下にパックを滑り込ませたのです。
「僕はスピードに乗って、”フィル(フォルスバーグのこと)”にパックを叩き出した。フィルは素晴らしいプレーをして、すぐに僕にパックを返してくれて、それから相手が少しスペースを空けたように僕は感じたんだ」とジョシは言いました。
「ゴールキーパーの周りを回ろうとして、どういうわけかそこ(ゴール前)に横たわってしまった。その後、何が起こったのかわからない。僕はそこに横たわったままで、それ(パック)が入るのを見たので、それがすべてさ」。
これはジョシのシリーズ初ゴールであり、第4戦・第1ピリオド、パックを受けて上部が裂けた右耳の治療に、プレデターズのキャプテンは何針縫ったのか数え切れないほどだったのですが、その後にこのゴールは生まれたのです。
耳は大丈夫かにゃ?パックが直に当たると、相当痛いらしいんで。
ジョシはキャプテンでもあるから、「痛い」なんて言って休んでいられない、
とにかくやらなきゃ!のアドレナリンが出っぱなしなんだろう。
パワープレーでのゴールは、今後も課題
「ミラー、ボーザー、彼らはナッシュビルでいくつかの大きな試合をこなしていた」とジョシは言いました。
「僕らは、特にパワープレーでステップアップしなければいけないことは分かっていた。このシリーズでパワープレーが良くなかったと思うけど、それが僕らにとって大きな目標になったんだ」。
「僕らはみんな、グループ全体でそのことについて話し合った。つまり、1勝3敗で負けていて、実際にナッシュビルで2試合、かなり良い試合をしたように感じていたけど、それはあまり重要じゃないよね。勝てなかったんだから。
僕らは何も手にしていないことを分かっていたさ。もっとステップアップして、もっといいプレーをして、もっと力を出さなければならない。今夜、それができたと思う」。
第6戦でも、そのチャンスが巡ってくるでしょう。
【付記】
プレデターズ情報満載のポッドキャスト「Locked On Predators」によると、
ノリス・トロフィー(ベスト・ディフェンスマンに贈られる賞)のファイナリストにノミネートされたロマン・ジョシについて、アンドリュー・ブルネット監督がどう評価しているか、賞を獲得できるかどうかの予想を伝えています。具体的には、他チームのクイン・ヒューズとケイル・マカーとの比較のようです。
次にカナックスとのシリーズ中、プレデターズの守護神、ゴールテンダーのジュゼ・サロスのパフォーマンスについて、です。ネット上で一部であるものの、かなり辛辣な非難を浴びており、このプレーオフの成績が、ナッシュビルでの彼の将来を変えるかもしれないという命題の下、率直に議論しています。
最後に、テネシー州中部でのケーブルテレビの第5戦中継が大失敗したこと(ほとんど映らなかった?)について。プレデターズ・ファンは第6戦を見ることができるのかどうか、を検証しています。
勝利のためなら、何でもやる!
「現時点で、勝つためにできることは何でもする」とオライリーは言いました。「僕自身も、もっと試合をプロデュースし、もっと創造的なプレーをしたいと思っている。パワープレーもそうさ。
思うようには進んでいないけど、僕らはステップアップして、ああいうすごいゴールを決めるつもりさ」。
「もちろん、何でもかんでも、いろんな方法を選択できるけど、勝つためにはどんなことでもやるしかないし、相手チームに差を付けるために努力し続けなければならない」。
まとめ
パワープレーに対する思いが、チーム全体でかなり強いようですが、それはレギュラー・シーズン中のカナックスの強さを見てきたからでしょう。プレジデンツ・トロフィー争いの上位に長らくいたチームですし、なかなか得点のチャンスをもらえないのは明らかです。
記事中にもあるように、強豪のちょっとしたスキを見逃さないようにしなければならず、最もスキの生まれやすいパワープレー時に、意識を集中させるのは当然です。プレデターズの勝ち星はまだ1つ負けており、次の第6戦は攻守にわたって激しいプレーの応酬になりそうです。
シーズン通して安定していたカナックスがそのまま押し切るか、シーズン終盤、無類の強さを誇り、勢いに乗りまくっているプレデターズがどんでん返しを起こすか。波乱の少ない今シーズンの第1ラウンド、カナックスが「昨シーズンのブルーインズ」になるかもしれません。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!