ロシア出身の有望株シャバノフがNHLへ!アイランダーズ入り

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はじめに

 KHLの記事を書きたいと思っていた矢先、アイランダーズがまさにうってつけの話題を届けてくれました。ロシア出身の注目フォワード、KHLで活躍中のマクシム・シャバノフとの契約が決まり、チームの補強戦略にも新たな動きが見え始めています。

 小柄ながらも高いスキルと機動力を持つ彼の加入は、来季のロースター争いにどう影響するのでしょうか?

シャバノフがアイランダーズと契約!

参照記事:Pro Hockey Rumors1Islanders Sign Maxim Shabanov

注目のロシア人フォワードがNHL挑戦へ🔥

 ニューヨーク・アイランダーズが、KHL(ロシアのプロホッケーリーグ)で活躍していたフォワード、マクシム・シャバノフと1年契約を結んだことを発表しました✨ 契約はエントリーレベルで、年俸の上限額は97万5,000ドル(約1億4千万円)。さらに最大で350万ドル(約5億5300万円)相当のボーナスも設定されているそうです(情報元:NHL.comのケビン・ウィークス)。

 この契約は、スポーツネットのエリオット・フリードマンが最初に報じ、『ホッケー・ニュース』のステフェン・ロズナーが確認しました。ロズナーによると、ニューヨーク・レンジャーズやフィラデルフィア・フライヤーズも彼の獲得を狙っていたとのことですが、最終的にシャバノフが選んだのはアイランダーズでした。

 今季(24-25シーズン)、同じくKHL出身でアイランダーズの新人だったマクシム・ツィプラコフも大きな話題になりましたが、今回のシャバノフもそれに続く形になります。KHLで7シーズンを過ごした後、ツィプラコフは今季77試合で10ゴール・35ポイントを記録し、KHLからの移籍組としては上々の活躍を見せました👀

KHLで大活躍のシャバノフ、その実力とは?💪

 一方、現在24歳のシャバノフは、KHLで3年間をフルでプレーしてきました。どのシーズンでも安定してチームの主力として活躍しており、今季はHCトラクトル2で65試合に出場し、23ゴール・67ポイントを記録。これはリーグ全体で3位の得点数という素晴らしい成績です✨

 さらにプレーオフでは21試合に出場し、ゴールとアシストを10ずつ記録して合計20ポイント。チームを準優勝へと導く原動力となりました。

 この結果は決して偶然ではありません。この若きウィンガーにとって、今季の活躍はまさに“絶好調”と言えるものでした。シャバノフは前のシーズンにも64試合で25ゴール・50ポイントを記録しており、飛躍のシーズンとなりましたが、ルーキーだった2022-23シーズンの18ゴール・31ポイントからも大きく成長しています📈

【追記】KHLの公式サイトでは、以下のように今季のKHLでの活躍を総括しています。

86試合で87ポイント(33ゴール・54アシスト)

 ほとんどの場合、一人の傑出した選手を選び出すのは簡単ではありません。しかし、トラクトルの場合は違いました。シャバノフはチーム内だけでなく、リーグ全体でも最強の選手の一人なのです。

 マキシムが調子を崩したのはシーズン最後の4試合だけで、それがチェリャビンスク(トラクトルの正式名称は、トラクトル・チェリャビンスク。チェリャビンスクはロシアの州都のこと)がファイナルシリーズを延長できなかった(1勝4敗で敗退、準優勝)大きな理由でした。

 それまで彼はまさに「怪物」だったのです。彼の個人の得点力だけでなく、その驚異的であり、かつ総合的な有効性も際立っていました。

 アドミラル(Admiral)、ディナモ・ミンスク(Dinamo Minsk)、ディナモ・モスクワ(Dynamo Moscow)との17試合と、ロコモティフ(Lokomotiv)とのファイナル初戦において、トラクトルは54ゴールを挙げ、47失点しています。

 シャバノフが氷上にいた時、得失点差は28対5(彼自身の10ゴールと10アシストを含む)だったのに対し、彼がベンチにいる時は26対42でした。どんなチーム、どんな時代においても、これほど支配的な選手を思い出すのは困難です。1970年代初頭のNHLの名選手ボビー・オアでさえ、チームメイトをこれほど引き離すことはありませんでした。

若手トップクラスの実績!その評価は?🔝

 3年間の活躍によって、シャバノフは「若手トップフォワード」としての地位を確立しました。なんと、彼はKHL通算207試合で150ポイントを記録しており、これは25歳未満の選手による得点記録3としては歴代9位にあたります😲

 ちなみに彼の記録は、ヴァディム・シパチャフ(現在、KHLディナモ・ミンスク所属)をわずかに上回っており(149)、現在ニュージャージー・デビルズに所属するアルセニ・グリツィウクに次ぐもの(152)。これは期待せざるを得ませんね!

攻撃的なスタイルが魅力!だけど体格に課題も🤔

 シャバノフのプレースタイルは、とにかくアグレッシブでスピーディー。派手な動きと高いスピードを活かしながら、今季、トラクトルの中でも中立ゾーン(ニュートラルゾーン)を突破して攻撃の起点になることが多くありました。また、パックを持っていてもいなくても、ゴール前に果敢に飛び込んでいく姿勢は、ファンからも支持されそうです🔥

 強力なショット、器用なハンドスキル、そしてクリエイティブなプレーメイク能力も兼ね備えており、NHLでもオフェンス面でのポテンシャルは十分。

 とはいえ、5フィート8インチ(約173cm)というやや小柄な体格がネックになる可能性もあります💭この体格のせいで、2019年〜2021年のドラフト適格期間中にNHLのスカウトの注目をあまり集められなかったとも言われています。

NHLでの活躍に期待大!💥

 そんなシャバノフは、NHLではまずニューヨーク・アイランダーズの第3ライン・左ウィングとして起用される予定です。

 また、アンソニー・デュクレアや新加入のジョナサン・ドルーアンの配置次第では、右ウィングとしての出場や、同じロシア出身の若手ツィプラコフと両ウィングで並ぶ可能性もあります。2人はこれまで一緒にリーグ戦でプレーした経験はありませんが、新たな“ロシアンコンビ”誕生となるかもしれませんね🇷🇺✨

 スピードとテクニックにあふれたシャバノフのプレーは、NHLファンにとっても必見!今後の活躍に注目が集まります👀🏒

現地でも「もし上手くいけば、アイランダースは将来のミドルシックスのウイングに、本格的な得点能力のある選手を安価な契約で獲得したことになる。これは低リスク・ハイリターンの契約だ」と絶賛。

【追記】なぜアイランダーズがシャバノフを獲得できるのか ※この記事は6月15日のものです。

参照記事:New York Islanders Hockey Now4Report: Isles Remain in Mix for Top KHL Free Agent

 現在、シャバノフ獲得に名乗りを上げているチームは6つ確認されています。それらはベガス・ゴールデンナイツ、フィラデルフィア・フライヤーズ、ピッツバーグ・ペンギンズ、ボストン・ブルーインズ、ユタ・マンモス、そしてアイランダーズです。

 以前の誤報?ではフライヤーズが最有力とされていましたが、現在の報道によると、争奪戦は依然としてオープンな状態です。ベガスとフィラデルフィアが最も噂されていますが、アイランダーズは昨年10月以来、熱心にシャバノフを追い続けています。

 NYポストのイーサン・シアーズが昨年10月にこの件を最初に報じました。ジム・パリアフィトが獲得交渉を主導している可能性が高い(彼はアイランダーズのツィプラコフを獲得した代理人)ため、アイランダーズには大きなチャンスがあります。アイランダーズにロシア人選手が複数在籍しており、シャバノフが北米に適応する上で助けになるだろうという点も有利に働きます。

 アイランダーズはほぼ毎年、ヨーロッパのフリーエージェントを獲得しているようです。

 ニキータ・ソシニコフ(現在、KHLアドミラル・ウラジオストク所属。アイランダーズには22-23シーズン、3試合出場のみ)やヤン・コバーン(現在、チェコのEVツーク所属。アイランダーズと契約したが、シーズン開幕前、無条件ウェーバーへ)の例を挙げると、全てが成功しているわけではありませんが。

 パリアフィトの代理人としての専門知識・経験を考えると、その可能性を無視するのは難しいでしょう。特に、シャバノフがアイランダーズのロースターを見たときに、フィラデルフィアやピッツバーグよりも早く優勝できる可能性のあるチームで、トップ9(第1〜第3ライン)のどこかのポジションに大きなチャンスを見出すとすれば尚更です。

 最終決定の期限は現在のところありませんが、常識的に考えると、遅くとも7月の第1週までには決まるでしょう。夏が進むにつれて注目すべきことです。

讃岐猫
讃岐猫

GMも大喜び!安価な1年契約で大物獲得!

参照記事:amNewYork5Maxim Shabanov to Islanders: Russian forward to 1-year deal

アイランダーズが注目のロシア人フォワード、シャバノフと契約!✨

 ニューヨーク・アイランダーズが、KHLで活躍していた注目のロシア人フォワード、24歳のマクシム・シャバノフと1年契約(950,000ドル)を水曜日に締結し、獲得競争に勝利しました🎉

 シャバノフは右ウイングとセンターの両方をこなせる選手で、KHLのトラクトル・チェリャビンスクで65試合に出場し、23ゴール・44アシストの67ポイントをマーク。これで2年連続50ポイント超えと安定した活躍を見せています🔥

 実はアイランダーズは昨夏もロシアの若手有望選手、マクシム・ツィプラコフを獲得。彼はスパルタク・モスクワ在籍時、2023-24シーズンに31ゴールを記録し、NHLでのルーキーシーズン(24-25)の77試合では10ゴール25アシストを達成しています。

シャバノフの多才さがチームに新たな可能性を🌟

 新GMのマシュー・ダルシュ6は、シーズンを通じてフォワードが複数のポジションでプレーすることを望んでおり、シャバノフの多才さと柔軟性はそのビジョンに合致しています。ダルシュGMは「ポジションに縛られない選手がいるのはチームにとって大きな武器」と火曜日のZoom取材で話しており、シャバノフのような選手を求めているのです。

 2025-26シーズンに向けて、シャバノフはアイランダーズの中軸フォワード陣に新たな魅力を加えてくれるでしょう✨

ロースターを見渡すと…右ウィングでの起用が濃厚?⚡️

 アイランダーズのセンター陣はボー・ホルバット、ジャン=ガブリエル・パジョー、ケイシー・チジカスがしっかり固まっています。さらに、コロラドからトレードで獲得した若手キャラム・リッチーも開幕ロースターを狙う注目株です。

 そのため、シャバノフが活躍しそうなのは右ウィングのポジション。本来センターのマシュー・バーザルが1ライン目でホルバットの右隣に入り、2ライン目はカイル・パルミエリがいます。3ライン目はジャン=ガブリエル・パジョーとシモン・ホルムストロムが好相性で、秋のトレーニングキャンプでは3ライン目でこの2人が一緒に挑む可能性が高そうです。

 ただ、シャバノフは身長が5フィート8インチ(約173cm)と小柄で、俊敏な動きと高いスキルを持つため、伝統的な第4ライン目の役割7には合わないかもしれません。より効果的な使い方を模索する上で、もしかすると、チジカスを挟んでシャバノフとツィプラコフが両ウィングで活躍するのが良い選択かもしれません⚡️

サイズの小ささを逆にフル活用して、相手の懐に飛び込んでいく上手さ。守備の負担を減らしてやれば、相当活躍しそう。

【追記】アイランダーズは、先日行われたドラフトでも、ロシア人選手を指名・獲得しています。

参照記事:New York Islanders Hockey Now「Islanders Draft Hulking Russian Winger Daniil Prokhorov

 ニューヨーク・アイランダーズは、(指名権の)トレードの可能性を検討することなく、全体42位の指名権を維持することを選択しました。その指名権で、アイランダーズはロシア出身のダニール・プロホロフを指名しています。

 18歳のプロホロフは、MHL8で20ゴール・27ポイントを記録した身長6フィート6インチ(約198cm)の巨漢です。EliteProspects9は、彼の身体能力と強烈なシュートに最高の評価を与えています。

 EPのドラフトガイドには、「スケートに乗ったミサイル。彼は激しいフォワードで、強烈なヒットを仕掛け、ネットに向かって戦い、時にはラッシュからスナイプする。懸念されるのはセンスだ」と記述されています。

 彼の体格を考えると、ホッケーセンスを向上させることができれば、NHLへの道はかなり容易に見えます。3人の「絶対にはずせない」1巡目指名選手に続いて、これは完璧な「攻めの一手」と言えるでしょう。

 彼はボトム6(第3〜第4ライン)のパワーフォワードと予想されていますが、その能力が育成によって向上すれば、身体的に優位に立ちながら年間25ゴール程度を挙げられるセカンドラインのウイングになる可能性も秘めています。

まとめ

 シャバノフの加入で、アイランダーズの中堅層に新たな刺激が加わりました。小柄ながら多彩なスキルを持つ彼が、どのラインでどんな役割を果たすのか。ツィプラコフとの共演にも注目が集まりそうです。今後の展開が楽しみですね。

讃岐猫
讃岐猫

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

【註釈】

  1. NHLの移籍情報や契約ニュースに特化した米国発の専門サイト。信頼性の高い噂や報道を厳選して掲載しており、迅速かつ分析的な情報提供が特徴。MLBやNBA関連の噂サイトを展開する企業によって2016年に設立され、現在も北米ファンを中心に多くの支持を集めている。
    ↩︎
  2. ロシアのチェリャビンスクを本拠地とするプロアイスホッケークラブで、KHLのハルラモフ・ディビジョンに所属。1947年に設立され、ソビエトリーグ、国際ホッケーリーグ、ロシアスーパーリーグを経て、2008年にKHLに加入した。

     チームの歴史的な功績としては、1977年のソビエトホッケー選手権での銅メダル獲得や、1990年代初頭の国際ホッケーリーグでの2度の3位入賞が挙げられる。2009年にはトラクトル・アイスアリーナに移転し、KHLでは2012年のコンチネンタルカップ優勝、2013年のガガーリンカップ決勝進出など、大きな成功を収めている。
    ↩︎
  3. このカテゴリーで最も有名なのが、現在NHLミネソタ・ワイルドに所属するキリル・カプリゾフである。NHL移籍までにKHLで記録した通算成績は、113ゴール、230ポイントを25歳以前に達成。20歳時点で168ポイント(236試合)を記録済みで、24歳までに230ポイントを超えている。
    ↩︎
  4. 「National Hockey Now」ネットワークのサイト群の一部。このサイトでは、ニューヨーク・アイランダーズとNHLに関するニュース、分析、およびコラムを提供している。クリスチャン・アーノルドとナショナル・ホッケー・ナウのチームが情報発信を行っている。
    ↩︎
  5. ニューヨーク市でSchneps Mediaが発行している無料の日刊新聞「amNewYork」のウェブサイト。ニューヨーク市のマンハッタンを中心とした地域ニュースやイベントに焦点を当てており、速報、交通、医療、政治、教育、飲食、ナイトライフ、不動産、スポーツなど、幅広い情報を提供している。

     2003年10月10日にニューヨーク市初の無料日刊紙として創刊され、2019年にSchneps Mediaに買収された。
    ↩︎
  6. カナダ出身、NHLやAHLの複数のチーム(コロンバス・ブルージャケッツ、ナッシュビル・プレデターズ、サンノゼ・シャークス、タンパベイ・ライトニング、モントリオール・カナディアンズなど)で選手として活躍。

     引退後は、デリマー・インターナショナル社で営業およびマーケティング担当副社長を務めた後、2019年にタンパベイ・ライトニングのホッケー運営ディレクターに就任し、2度のスタンレーカップ優勝に貢献した。2025年5月23日、ニューヨーク・アイランダーズのGMに就任。
    ↩︎
  7. 第4ラインは、伝統的にエネルギーとフィジカルプレーを提供する役割を担い、相手へのプレッシャー、守備、そしてペナルティキル(PK)での活躍が期待される。短いシフトで高い強度を発揮し、相手のペースを乱すことも目的の一つ。

     近年では戦術の変化により、得点能力も期待される場合があるが、基本的にはフィジカルと守備に重点を置いたラインとして位置づけられている。
    ↩︎
  8. Molodezhnaya Hokkeinaya Ligaは2009年創設のロシアのジュニアアイスホッケーリーグで、16~20歳の選手が対象。KHLと連携し、将来のプロ選手を育成する登竜門的存在。約30〜40のチームが参加し、レギュラーシーズンとプレーオフで「ハルラモフ・カップ」を争う。SKA-1946やロコモティフ・ヤロスラヴリなどが有力クラブ。
    ↩︎
  9. アイスホッケーの包括的な統計データを提供するウェブサイトで、NHLからジュニアリーグまであらゆるレベルの選手、チーム、リーグに関する詳細な情報を提供する。個々の選手のキャリア統計追跡や選手比較機能、リアルタイム更新が特徴で、ホッケーファンやプロにとって信頼性の高い情報源として広く利用されている。 ↩︎
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