はじめに
NHLプレシーズンがついに開幕!🏒
ピッツバーグ・ペンギンズはモントリオール・カナディアンズと対戦し、序盤から白熱の攻防戦が繰り広げられました。若手選手たちの活躍や初登場ムラショフのセーブ、延長戦やシュートアウトの緊迫した展開など、ファン必見の内容です。
この記事では、初心者でもわかるように試合の流れや注目選手のプレーを詳しく紹介します✨
参照記事:Pensburgh1「Penguins/Canadiens Recap: Thoughts and observations on the first preseason game」
プレシーズン序盤の位置づけと試合開始✨
NHLのプレシーズンは、ファンにとって「シーズン開幕が近い!」と感じられる大事な時間です。でも一方で、基本的に、プレシーズンの一瞬の出来事や結果にあまり重きを置きすぎない方がいいとも言われています。
NHLのトレーニングキャンプは、テストや練習、試合といったさまざまなデータポイントから成り立っているので、特に注目が集まるテレビ放送の試合、だからといって、相手も未完成ですし、そこでの出来事だけで選手やチームを判断するのは早計なんですね。
とはいえ、もちろんそこから評価やストーリーが生まれるのも事実です。
そんな前置きを踏まえつつ、今回の試合では、ピッツバーグ・ペンギンズが2025-26シーズンのプレシーズン初戦をカナダ・ケベックで行い、対戦相手はモントリオール・カナディアンズでした。
ペンギンズの初戦ラインナップ🐧
【Penguins】
Foward
D. Heinen T. Broz A. Mantha
R. Harvey-Pinard T. Novak V. Puustinen
R. Fabbri J. Koppanen A. Hayes
S. Poulin B. Kindel B. Imama
Defensemen
R. Graves C. Clifton
R. Shea M. Dumba
O. Pickering H. Brunicke
Goalies
J. Blomqvist
S. Murashov
【Canadians】
Foward
J. Anderson J. Evans B. Gallagher
P. Laine O. Kapanen I. Demidov
S. Farrell O. Beck F. Mesar
J. Davidson L. Condotta A. Belzile
Defensemen
M. Matheson N. Dobson
J. Struble A. Engstrom
M. Del Gaizo N. Clurman
Goalies
S. Montembeault
J. Fowler
この日のペンギンズは、新しいシーズンに向けての布陣を披露しました。対するカナディアンズはというと、主力級のフォワードをそろえ、新加入のノア・ドブソン(ニューヨーク・アイランダーズから)をディフェンスに配置。さらに先発ゴーリーにはサミュエル・モンタンボーを起用するなど、なかなか豪華なラインナップでした。
ホームチーム(カナディアンズ)はファンの期待に応えるためにも、ビジターよりも強力なメンバーを用意する傾向があります。
試合は序盤から互いにパワープレーを繰り出す展開に。そんな中で先制したのはペンギンズでした。ハリソン・ブルニッケ、ヴァルテリ・プースティネン、そしてトリスタン・ブロズの3人2が見事な連携を披露。
スロット3内外で素早いパス回しの末に、プースティネンのパスを受けたブロズがシュートを決め、モンタンボーの守るゴールを破りました。
さらに試合中盤には、サム・プーラン4が相手にヒットを仕掛け、その後に熱のこもったファイトを展開。場内が大いに盛り上がる場面となりました。
このタイミングでペンギンズはゴーリーを交代し、ヨエル・ブロムクヴィストに代わってセルゲイ・ムラショフを投入。カナディアンズも同様に、モンタンボーに代えてジェイコブ・ファウラーを送り込みました。
第3ピリオドの苦しい時間⏱️
第3ピリオドに入ると、ペンギンズはペナルティで苦しい展開に。数的不利の時間帯、5対3の場面5を必死にしのいだものの、その直後にモントリオールが初得点を挙げます。
ムラショフがパックをうまくキャッチできず体勢を崩し、最後は仰向けに倒れ込む形になってしまいました。その隙を突いたオーウェン・ベックがパックを押し込み、試合は1-1の同点に。
2022年ドラフト全体33位指名、オーウェン・ベック。昨シーズン最終盤、12試合出場。新シーズン、さらに飛躍できるか。
延長戦とシュートアウト🎯
勝負は延長戦へ。前半、3対3(延長戦は、両チーム3人でプレー)はお互い慎重なプレーが続きましたが、後半になるとチャンスが増えてきました。ライアン・シェイがエイブリー・ヘイズに2対1の好機を演出しましたが、ファウラーがセーブ。
すぐにムラショフも大きな見せ場を作り、イワン・デミドフの決定的なシュートを横っ飛びで阻止しました。
残りわずかではマイク・マシーソンのシュートがポストを直撃するなど、最後まで目の離せない展開となりました。
そして、勝敗はシュートアウトに持ち込まれます。ムラショフは同胞デミドフのトライをスティックで弾き、マンサは地元でゴールならず。レインのシュートは枠を外れ、トミー・ノヴァクもファイブホール6を狙いましたが決めきれません。
一方でショーン・ファレルのシュートは一度ムラショフに当たりながら回転してゴールへ転がり込みましたが、ブロズが巧みなフェイクと切り返しでファイブホールを突き、再び試合を延長させました。
その後も互いに決め手を欠いてしまいます。メーサルはムラショフに止められ、続くベン・キンデルもバックハンドのフェイクを決められませんでした。
ついに、第5ラウンドでオリヴァー・カパネンがバックハンドでゴールを奪取。これが決勝点となり、最後のチャンスを得たヘイズは決められず、勝負あり。試合はカナディアンズに軍配が上がりました。
カナディアンズ、このメンバーで第3ピリオドの1点のみか。ま、これからでしょ。
選手たちの活躍と注目ポイント⭐
【以下はペンギンズの選手中心です】
トリスタン・ブロズは、第3ピリオド・5対3のペナルティキルで唯一のフォワードでした。状況的にセンターが必要でしたが、そこで信頼を得てしっかりプレーできたのは評価すべき点です。第1ピリオドで、ゴールを決める前からすでにいい働きを見せていました。
さらに、同ピリオドでアンソニー・マンサへの絶妙なセンタリングパスを出すなど、惜しくもゴールにはなりませんでしたが見せ場も作りました。
先週のバッファローでのプロスペクト戦でも活躍していた彼は、プレシーズン序盤でも光っており、今シーズンも期待できそう7です。
一方、モントリオールが5対3のアドバンテージを得た場面では、ライアン・グレイヴスのスティックからパックが滑ってプレーから取り残され、コナー・クリフトンも足をもつらせて交錯。その結果、相手のチャンスを防ぐためにグレイヴスがスラッシング8(公式記録ではトリッピング)を取らざるを得ませんでした。
「新しい年、新しい自分」とは言えないような、過去の悪い影を感じさせるプレーで、基本的なプレー――パックを深く前線へ送り込むといった場面――でもつまずいてしまいました。さらにその後、ペンギンズがすでに数的不利の状況で再びペナルティを取られてしまい、残念ながら初戦は厳しいスタートとなりました。
新加入選手の印象では、クリフトン(バッファロー・セイバーズから新加入)はフィジカルなプレーが目立つものの、その他の面ではまだ限定的で、あまり目立たず。マット・ドゥンバ(ダラス・スターズから新加入)はパックをさばく場面で悪くない見せ場を作り、100%のレギュラーシーズンのテンポでなくても良い動きを見せました。
アンソニー・マンサ(カルガリー・フレームスから新加入)は静かなプレーに終始し、チャンスも少なめ。ロビー・ファブリ(アナハイム・ダックスから新加入)は体を張ったアグレッシブなプレーを見せ、予想以上に存在感がありました。
ベン・キンデルはトップパワープレーのユニットに抜擢され、マンサ、ドゥンバ、ノヴァク、ヘイズと共に起用され、必要な場面でパックを保持するなど安定したプレーを披露、良い印象を残しました。
ゴールテンダーのヨエル・ブロムクヴィストは、シュートがあまり飛んでこなかったものの、11本すべてを止めて無失点。ペンギンズが優位に試合を進めていたため比較的静かな夜でしたが、開幕に向けていいスタートを切ったと言えるでしょう。

カナディアンズはまあまあ気合の入ったメンバー、ペンギンズはややお試しモードってメンバー構成だったにゃ。第1ピリオドでまだ攻撃の形を模索している感のあったカナディアンズ、時間を兼ねるごとに昨シーズンのキレを取り戻したか。それにしてもペンギンズの新加入選手は渋いね、激渋。チームに馴染むには、もう少し時間が必要か。
新星ムラショフとチームの総評🌟
オーウェン・ピッカリングも静かではありますが、良い夜を過ごしました。パトリック・レインの突進に対して堂々と立ちはだかり、まさに求められるプレーを披露。圧倒的なインパクトはなくても、今後に向けて良い手応えを得た夜となりました。
そして、この試合は21歳のセルゲイ・ムラショフ9にとってNHLプレシーズン初登場の夜でした。昨年9月にはNHLレベルのシュートに対応する準備が十分ではありませんでしたが、今は対応可能。成長が感じられる試合となりました。
彼は非常に才能豊かで将来を嘱望される選手であり、関係者もその成長を加速させようとしています。
ムラショフは制御ギリギリのスリリングなスタイルでプレーし、失点シーンでもその一面を見せましたが、それでも試合の忙しい時間帯に起用され、レギュレーションでは18本中17本をセーブ。延長戦でも活躍し、シュートアウトでもまずまずの出来でした。
総じて、この夜はペンギンズにとって成功といえる初戦でした。勝敗そのものよりも重要なのは、ブロズ、ブルニッケ、ブロムクヴィスト、ピッカリングといった選手たちがアピールできたこと。シーズン開幕時やその後の試合で自分の役割を勝ち取るための材料を、しっかり見せられたのは大きな収穫です。
初戦としては十分な内容を残し、チームは次の拠点であるピッツバーグに戻り、次のキャンプに向けて準備を進めます。ファンとしても、これからの成長や活躍が楽しみになる試合でした🏒✨
まとめ
ペンギンズ初戦は勝敗以上に、若手や新加入選手の成長が見えた試合でした🌟ブロズの華麗なパス、ムラショフの安定したセーブ、ピッカリングらの堂々としたプレーなど、シーズン本番に向けて期待が高まります。
今後のキャンプや開幕戦で、これらの選手たちがどのように飛躍するか注目です🏒✨

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- ピッツバーグ・ペンギンズに特化したファン向けメディアで、試合ニュース、予想、分析、プロスペクト情報、ポッドキャストなど幅広いコンテンツを日々配信している(ファン目線の記事が多いのが特徴)。
公式サイトは試合のリキャップやトレーニングキャンプの速報、意見記事や選手ランク付けなど、現場に即したタイムリーな記事を掲載しており、今回のプレシーズン試合の詳報もここで確認できる。最近はサイトデザインの刷新とユーザー向け機能(「The Feed」など)追加でコミュニティ性を強化しており、広告表示の最適化も図られている。
さらに、かつてのPodcastはリブランドして別ネットワークに移るなどメディア展開を続けており、音声コンテンツでもペンギンズ情報を追いやすくなっている。
↩︎ - ハリソン・ブルニッケは、2024年ドラフト全体44位指名、ディフェンス、19歳。ヴァルテリ・プースティネンは、2019年ドラフト全体203位指名、右ウィング、26歳。トリスタン・ブロズは、2021年ドラフト全体58位指名、センター、22歳。
↩︎ - ゴール前の中央に広がる重要なエリアを指す。具体的には、フェイスオフサークル2つの間からゴール前までの長方形のゾーンが「スロット」と呼ばれる。この中でも特にゴールに近い場所は「ハイ・デンジャー・スロット(高危険地帯)」と呼ばれ、得点が決まりやすい場所として知られている。
スロットは攻める側にとって最大の得点チャンスが生まれるエリアであり、ゴールキーパーにとっても最も守りづらい場所となる。そのため、オフェンスは積極的にスロットへ進入しようとし、ディフェンスは必死にこのゾーンを死守する。試合の解説などで「スロットからのシュート」と出てきた場合、それはゴール前の決定的な場面を意味している。
つまりスロットは、点を取りたいチームにとっては“狙うべき場所”、守るチームにとっては“絶対に譲ってはいけない場所”であり、アイスホッケーにおける攻防のカギとなるエリアといえる。
↩︎ - 2019年ドラフト全体21位指名、右ウィング、24歳。この日のペンギンズは、前述の3人も含め、2024-25シーズン、出場機会に恵まれなかった選手を多く起用し、この試合にテスト的な意味合いを持たせていたようである。プーランも、昨シーズン、7試合出場で1アシスト。なお、プーランは試合会場のあるケベック出身。
↩︎ - ペンギンズは、第2ピリオド終了まで1分を切ったところで、ホールディングのペナルティを取られており、第3ピリオド開始時点で1人少なかった。さらに第3ピリオド開始30秒で、トリッピングのペナルティ。これで時間的に短かったが、5人対3人。
↩︎ - ゴールキーパーの両足の間にできるすき間のこと。シュートがここを通ってゴールに決まると「ファイブホールを抜いた」と表現される。
この呼び方は、キーパーが守るゾーンを5つに分けて説明する伝統からきています。1つ目はブロッカー側(利き手の腕の横)、2つ目はキャッチグローブ側、3つ目と4つ目はそれぞれ足元の左右。そして最後の5つ目が、股下にあたる「ファイブホール」となる。
ファイブホールは特に1対1のブレイクアウェイや、シュートフェイクで相手の体勢を崩した後などに狙われやすい場所。キーパーが足を動かすと一瞬すき間が開いてしまうため、選手にとっては大きな得点チャンスとなる。
つまりファイブホールは、守る側にとっては最も神経を使う部分であり、攻める側にとっては狙いどころのひとつ。試合で「ファイブホールを突いた!」と聞いたら、それはキーパーの股下を華麗に抜いたゴールシーンだと理解すると良い。
↩︎ - 昨シーズンのブロズはAHLで59試合に出場、19ゴール・18アシストを記録。その前の3シーズンは大学ホッケーで活躍しており、1シーズンミネソタ大でプレーした後、デンバー大へ転校している。大学通算119試合出場、32ゴール・47アシスト。
↩︎ - スラッシングとは、スティックで相手の体や手、足を叩いてしまう反則のこと。強く叩かなくても、相手の体に当たれば反則とみなされ、危険な行為として扱われる。そのため、多くの場合は2分間のマイナーペナルティとなる。
一方のトリッピングは、スティックや足を使って相手をつまずかせ、転倒させてしまう反則。よくあるケースとして、スティックを相手のスケートに引っかけて倒してしまうプレーが挙げられる。こちらも基本的にはマイナーペナルティで、2分間の退場。
↩︎ - 2022年ドラフト全体118位指名。指名後、2シーズンはKHLのロコモティフ・ヤロスラヴリ及び同チームの下部組織でプレー。北米に渡ったのは、2024-25シーズンからで、AHLとECHLで合計42試合に出場。29勝10敗、平均失点は2.40〜2.64、セーブ率は.913〜.922を記録している。 ↩︎