パンサーズvsライトニング、監督の皮肉合戦と激しいプレーオフ第3戦

アイスホッケー名勝負

はじめに~フロリダとタンパベイ、氷上の激突🔥

 氷の上でも、フロリダは熱い!🏝️⛸️

 アメリカ・フロリダ州に本拠地を置く2つのNHLチーム――フロリダ・パンサーズとタンパベイ・ライトニング――が、スタンレーカップをかけたプレーオフでまた激突しました。NHLというと、カナダや寒い地域のイメージが強いですが、実は南国フロリダでも、こんなに熱い戦いが繰り広げられているんです🔥

 今回は、そのシリーズ第3戦での出来事と、それにまつわるちょっとユニークな“言葉の応酬”を、アイスホッケー初心者の方でもわかりやすくご紹介します!

参照記事:Miami Herald1As Panthers-Lightning series heats up, even the coaches are getting involved in chrips

監督同士の“皮肉合戦”が話題に😏

 フロリダ・パンサーズがスタンレーカップ・プレーオフの開幕ラウンド第3戦で、タンパベイ・ライトニングに5対1で大敗。それを受けて、ライトニングのジョン・クーパー監督が、パンサーズのポール・モーリス監督の発言を使って見事に皮肉返しをしました。

 というのも、モーリス監督は試合前日の金曜日(4月25日)に「うちが試合中に当たりに行くのは“パックを持ってる選手だけ”だ」と冗談交じりにコメントしていたのですが、これはライトニングのフォワード、ブランダン・ヘイグルへの遠回しな批判なのです。

 つまり、第2戦でヘイグルがキャプテンのアレクサンダー・バルコフに対して、パックを持っていない状態で遅れてヒットしてきたことへの不満から出た一言でした。そのヒットの結果、ヘイグルはインターフェアランス2による5分間のマイナー・ペナルティ3を受け、さらに1試合の出場停止処分となっています。

これが問題のシーン。バルコフ、痛そう

 ところが第3戦の終盤、今度はパンサーズのスターウィンガー、マシュー・カチャックが、パックを離した後のライトニングのフォワード、ジェイク・ゲンツェルにヒットをしてしまい、同様のインターフェアランスによる5分間のペナルティを受けることに。

問題のシーン、その2。アイスに叩きつけられてますよ〜。

 クーパー監督はカチャックのヒットについて、ヘイグルがバルコフにしたヒットと同様に扱われるべきだと思ったかと問われると、こう答えた――「うちが当たるのはパックを持ってる選手だけだよ」と、モーリス監督の言葉をそのまま使って淡々とコメント。

 モーリス監督はそのコメントをその晩、自宅で妻と一緒にトロント・メープルリーフス対オタワ・セネターズの試合を見ているときに耳にしたそうです。

 「彼が俺をイジってきたんだよ」とモーリスは日曜日に語りました。「家でセネターズの試合を見ていたら、彼が俺をからかってきた。それも俺の発言を使ってさ。氷上で起きたことにぴったり当てはまるかは分からないけど、それでも面白かったよ。よくやったなって思った」。

 「妻も大笑いしてたよ。すごく面白かったみたいだ」とモーリスは付け加えました😄。

当たりの激しさはシリーズの名物に💥

 なお、この件に関してカチャックに対するNHLのプレーヤー・セーフティ部門による聴聞会4は行われない予定であり、したがって、シリーズ第4戦(月曜、アメラント・バンク・アリーナ5、午後7時開始/ESPN、ESPN+、Scripps Sports、Panthers+で中継)を前に出場停止処分が下されることもなさそうです。

 現在、フロリダは7戦4勝制のシリーズを2勝1敗でリードしています。理由としては、たしかにカチャックのゲンツェルへのヒットは確かに遅れていたものの、相手のゲンツェルは事前にパックを扱っていたこと(バルコフがヘイグルにヒットされたときとは違い)、そして頭部への接触がなかったことがその判断の根拠です。

 それにしても、このシリーズ最初の3試合はとにかくフィジカル(身体的接触)が激しい!💪🔥シリーズ序盤の3試合だけでも、両チームのぶつかり合いは尋常ではありません。

 実はフロリダ・パンサーズとタンパベイ・ライトニングがプレーオフで顔を合わせるのは、ここ5年で4回目6。いまや「フロリダの戦い(Battle of Florida)」とも呼べるほどです。

この試合のハイライト映像です!

 両チームのロスターが年々入れ替わっても、お互いのことは知り尽くしていて、しかも両チームの間に友情は一切存在しないのは明らかで、試合中もホイッスルの後に小競り合いが絶えません。チェックを終えた後にも一押しが加わる有り様です。

 パンサーズのフォワード、エートゥ・ルオスタリネンは「このシリーズでフィジカルなプレーは終わらないと思う。まだまだ続くし、僕たちも当たり続けなきゃ」と語ります。

 同じくパンサーズのカーター・ヴァーヘイゲも「お互いに経験豊富なフィジカルチーム。どっちも一歩も引かない、これからも激しいぶつかり合いになるよ」とコメントしています。

讃岐猫
讃岐猫

勝つために必要なのは「冷静さ」🧊🧠

 フロリダがシリーズ最初の2試合を制したあと、シリーズの流れを変えたのは第3戦。タンパベイ・ライトニングがエースGKアンドレイ・バシレフスキーの活躍もあって、しっかり反撃に成功。前の2試合を落としたとは思えない集中力で、フロリダ・パンサーズの隙を突いて得点を重ねました。

 一方で、パンサーズのヴァーヘイゲは「たぶん、あの試合ではエネルギーがちょっと足りなかった。余計なことをしようとし過ぎていた気がする。うちのチームは、シンプルなプレーをして、一つひとつを全力でやるときに一番強いんだ。そこから外れてしまっていたよ」と反省のコメント。

 シリーズの行方は、パンサーズが自分たちのスタイルを取り戻せるかどうかにかかっています。第4戦でタイに持ち込むのはライトニングか、それとも再び主導権を握るのはパンサーズか――。

 パンサーズのディフェンスマン、アーロン・エクブラッドは「一番大事なのは“冷静さ”だよ」と語ります。「勝ったときは世界の頂点にいる気分になるけど、負けたときは本当にツラい。それだけに、試合と試合の間で感情をどうコントロールするかがめちゃくちゃ重要なんだ。

 プレーオフのシリーズでは、それがすべてと言っていい。気持ちが沈みすぎても、浮かれすぎてもダメ。毎試合、同じエネルギー、集中力、激しさを持って臨まなきゃいけないんだ。毎分、全力でね」と語っています。

まとめ

 フロリダ・パンサーズとタンパベイ・ライトニングの激戦は、まさに氷上のドラマ。監督同士の皮肉合戦や、選手のぶつかり合いも見どころたっぷり。プレーオフならではの緊張感と駆け引きに、「こんな面白いスポーツがあったんだ」と思わず言いたくなるはず。

 初めての人も、この熱さに触れればきっと夢中になりますよ!✨

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. フロリダ州マイアミを拠点とする日刊新聞で、1903年に創刊。現在はMcClatchy社が所有し、主にマイアミ・デイド、ブロワード、モンロー郡を対象に発行されている。オンライン版(miamiherald.com)では、地域のニュースやスポーツ、ビジネスなど幅広いコンテンツを提供。

     ピューリッツァー賞を24回受賞しており、地域貢献活動として高校生奨学金や災害支援活動も行っている。 ↩︎
  2. 相手選手がパックを持っていない状態で不正に妨害する行為。例えば、相手の動きを制限したり、進行を妨げるために体を使うことが含まれる。インターフェアランスを犯すと、2分間のマイナー・ペナルティが科せられ、チームは数的不利になる。
    ↩︎
  3. 通常は悪質な行為や危険なプレーに対して科せられる。これにより、ペナルティを受けた選手は5分間、ペナルティボックスに入って試合に参加できない。この間、相手チームはパワープレーの状態となり、数的優位を活かして攻撃することができる。

    5分間のペナルティが科せられる主な状況
    ・暴力的な行為:相手選手を意図的に傷つけようとする行為や、危険なチェック(特に頭部へのチェック)などが該当。

    ・過剰な力を使ったチェック:例えば、相手選手を過度にボードに押し込むような行為。
    
・悪質なインターフェアランス:通常のインターフェアランスよりも危険度が高い場合、例えば、パックを持っていない選手への強い妨害など。


    特徴
    ・ペナルティ時間中に相手がゴールを決めても、ペナルティの時間は減らず、終了まで続く。
    
・ペナルティを受けた選手が試合に戻れるのは、5分間経過した後。
    ↩︎
  4. Department of Player Safety(DPS)のこと。選手の安全を守るために設立された部門。主な役割は、競技中の危険な行動を監視し、違反があれば適切なペナルティを科すこと。

     DPSは選手に安全なプレースタイルを促進し、重大な違反には試合出場停止や罰金が科されることがある。また、映像レビューを通じて違反を確認し、ルール改正や選手教育にも力を入れている。

     聴聞会(ヒアリング)は、選手が重大なルール違反を犯した場合に行われる公式な手続きである。DPSは映像を基に調査し、選手に弁明の機会を与えた後、適切な処分(試合出場停止や罰金など)を決定する。
    ↩︎
  5. フロリダ州サンライズにある多目的アリーナで、主にNHLのフロリダ・パンサーズのホームゲームが行われている。1998年に開館し、最大22,457人を収容可能。音楽コンサートや家族向けショー、スポーツイベントも盛況に開催されている。

     アクセスはI-595やI-75などの主要道路を利用でき、周辺にはショッピングモールやレストランもあり便利。チケットは公式サイトで購入可能で、事前の駐車場予約も提供されている。
    ↩︎
  6. 2023-24シーズンも今シーズン同様に第1ラウンドで対戦し、パンサーズが4勝1敗で勝ち上がり。2022-23シーズンは対戦なし。2021-22シーズンは第2ラウンドで対戦し、ライトニングが4戦ストレート勝ち。2020-21シーズンは第1ラウンドで対戦し、ライトニングが4勝2敗で勝ち上がっている。 ↩︎
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