はじめに
2023年のNHLドラフト終了後、YouTubeをはじめ、ネット上ではドラフト勝ち組・負け組分析で溢れています。これにトレードが絡んできており、今後、ますます議論が熱くなっていくことでしょう。その議論を読み解く上で、このサイトが役立てばいいなぁ…無理か^^;。
さて、今回は「トレードがトレードを呼ぶ嵐のオフシーズン分析」・第2弾です。記事にある選手のうち、記事がネット上に出た直後、別なチームへのトレードが決定した選手も何人かいます。
また、ドラフト前の記事なので、ESPNの記者によるドラフト予想もアップされていますが、それが当たったか、はずれたかを楽しんでいただければ幸いです。
ま、トレードにしてもドラフトにしても、記者予想がなかなか当たらないのは、日本も米国も変わらないということです(⌒-⌒; )。
トレードによって、各チームの先発ゴールキーパーが大幅に変わるかも?
という記事の途中からお届けするにゃ。
引用元:ESPN.com「NHL offseason dominoes: Moves that could create chaos」。
ゴールキーパー回転木馬、始動!(の続き)
28歳のサロスはキングスが必要とする全てであり、そのため、昨シーズンのトレード期限前にサロスを狙っていました。彼はベジーナ・トロフィー級のゴールキーパーであり、過去2シーズン、NHLの試合をリードしています。
今後2シーズン、サロスは500万ドル(日本円で約7億2千万円)のAAV(平均年俸)契約を結んでいますが、トレード保護は受けていません。
ジョナサン・クイック(37歳。現在、ニューヨーク・レンジャーズ所属)がスターの座を退いて以来、キングスはゴールでの解決策を模索してきたチームです。サロスはそれに該当するかもしれません。
彼は安い値段では来ないでしょう。報道によると、元プレデターズGMのデイビッド・ポイルは、サロスのためにキングスから2人の1巡目指名権を求めたといわれています。新GMのバリー・トロッツはキングスに何を望むでしょうか。
※新GMのバリー・トロッツ=新GM及びナッシュビル・プレデターズについては、こちらの記事を参照のこと。ナッシュビル・プレデターズの新GMにいろいろ質問しよう!【前編】・【後編】
彼の行った唯一の動きが、ヘッドコーチのアンドリュー・ブルネットを雇うことであると考えると、言うのは難しいです。しかし、それ(サロス獲得)が彼の哲学を知る手がかりになるかもしれません。
トロッツは、ナッシュビルに「面白いプレーをすること、ファンが見て楽しめるような、攻撃的なホッケーのブランド」を望んでいると語りました。
サロス獲得のために、何をすべきか
では、サロス獲得のために、(キングスの)21歳の右ウインガー、アルトゥール・カリエフ、ダイナミックだが怪我がちなセンター、ガブリエル・ビラルディ(23歳)、条件付きで1位指名権ではどうでしょうか。
※この記事の後、ガブリエル・ビラルディはウィニペグ・ジェッツへ移籍決定。
カリエフは、2年目のフルシーズン(56試合で28ポイント)を過ごしました。ビラルディはブレイクしたシーズンとなりました(63試合で41ポイント)……が、またしても63試合だったのです。
今夏、キングスは、第1巡目指名権を持っていませんが、2024年と2025年分は所有しています。(第1巡目指名順抽選の)宝くじ、2024年の分は保護しておいた方がいいです。
プレデターズがサロスをトレードするのは、ヤロスラフ・アスカロフ(21歳。2020年ドラフト全体11位)を獲得しているからに他なりません。しかし、彼にはもっと時間が必要です。
そこで、ケビン・ランキネン(ゴールテンダー、28歳。すでに来季まで契約済み)とフリーエージェントのゴールキーパー、フレデリク・アンダーセンでガマンするのはどうでしょう(最近までの所属はハリケーンズ)。シーズンが始まると、彼は34歳になります。
※この記事の後、7月1日(土曜日)、アンダーセンはカロライナと2年総額680万ドルの契約を結んだとの報道あり。
ESPNの予想は外れたわけだけど、
サロスのトレード話はまだ生きてるんだにゃ。
プレーオフでゴールキーパーが穴であることを露呈した、
シアトル・クラーケン辺りに入ってほしいねぇ。
ハリケーンズにはウィニペグの正GKを
(アンダーセンの)レギュラーシーズンの成績は理想的ではありませんでしたが、プレーオフでは効果を発揮していました(セーブ率.927、9試合平均失点1.83)。しかし、繰り返しになりますが、ハリケーンズのディフェンスの背後にいたからです。
多くのゴールキーパーが、ロッド・ブリンダムール監督の構想下で素晴らしいプレーを見せていますが、彼の下で何人の名ゴールキーパーがハリケーンズに在籍したでしょうか?
その目標に向かうために:コナー・ヘレビュイックはウィニペグの多くのチームにとって素晴らしい選手ですが、ウィニペグのチームの中で、彼の前で素晴らしいディフェンスを見せた選手が何人いたでしょうか?
ブリンダムールのチームで、彼(ヘレビュイック)がどれだけ優秀な選手になるのかという純粋な好奇心を満たすために、ハリケーンズへヘレビュイックを連れて行くのはどうでしょうか?
ケインズには他にも必要なものがありますが(特にゴールスコア部門)、これが原因で、彼らはネット前を固めているのです。彼(ヘレビュイック)はNHLで最も仕事量の多いゴーリーの一人として、ケインズのディフェンスとゴーリーの縦ライン問題を解決するでしょう。
ハリケーンズは誰をトレード要員にするべきか
カロライナはこの取引を始めるために大量のドラフト資本を持っていますが、ヘレビュイックとの取引を完了することは難しいのです。
ブレイディ・スクジェイ(ディフェンス、29歳)とブレット・ペッシー(ディフェンス、28歳)のどちらかがジェッツと契約延長するでしょうか?無制限フリーエージェントまであと1年だというのに?
ハリケーンズはセス・ジャービス(センター、21歳)のような選手と契約しなければならないのでしょうか?フリーエージェントによる解決策はほとんどないので、ヘレビュイックのトレードと、得点力アップのための移籍のバランスが取ることができるでしょうか。
最後の質問は、もしヘレビュイックがケインズの守備システムの後ろでプレーするのであれば、シーズン前にベジーナ・トロフィーを授与することは可能だろうか、ということです。
うーん、ケインズの第一目標は、
プレーオフでの決定力のなさから考えれば、
フォワードじゃないかにゃ。
それにしても、トレードの駒がしょぼいなぁ…。
アナハイムが全体2位のマトヴェイ・ミチコフを指名
コナー・ベダードは、2023年のNHLドラフトクラスで最も才能のある攻撃選手です。彼はフランチャイズを変えるほどの有望株であり、その存在は各チームに嫌な考えを起こさせました…
つまり、明らかに、NHLの誰も、より良いドラフト抽選のオッズ確保を期待するあまり、(わざと)競争力の低いチームのロスターを作るなんてことはありません。なんと突飛なコンセプトでしょう。とにかく、ドラフト抽選に当選したシカゴにおめでとうと言っておきます。
アダム・ファンティリは、アナハイム・ダックスの2位指名確定と考えられています。ミシガン大学出身の年間最優秀選手は、チームを構築できる偉大なセンターであるからです。
また、少なくとも2026年まで待たなくても、来シーズン、ファンティリはプレーできます。これ(2026年まで待つこと)が、マトヴェイ・ミチコフにとっての問題点です。
プロ契約選手指名=契約切れまで待ちの姿勢
NHLのドラフト専門家たちは、この18歳のロシア人の非常に高い能力を垂涎の的にしています。彼はダイナミックなウインガーで、ドラフトで2番目に優秀で純粋なタレントになるかもしれません。
SKAサンクトペテルブルクとのKHL契約(プロ契約)が3年残っていることだけが、彼にとっての問題です。彼を指名するということは待つことを意味します。
そして、ダックスは待てるのです。トレヴァー・ゼグラス(センター)は22歳、メイソン・マクタビッシュ(センター)は20歳、ジェイミー・ドライスデール(ディフェンス)は21歳です。
ディフェンスマンのオレン・ゼルウィガー(ディフェンス、19歳。現在、カムループス・ブレイザーズ所属、WHL)やセンターのネイサン・ゴーチャー(センター、19歳。現在、ケベック・レンパート所属、QMJHL)のような、これからNHLにやって来る選手について言及するまでもありません。
GMのパット・ファーベークが望むなら、ここで長期戦(ミチコフを待つこと)も演じられます。この豪華さに加えて、すでにセンターにある程度の厚みがあることから、ダックスのドラフト2位指名はミチコフになる可能性があります。
果敢にミチコフを指名したのは、
我らがフライヤーズなんだにゃ。
フライヤーズに待てるほどの余裕があったかなぁ。
即戦力じゃなきゃダメでしょ。
ダックスがミチコフを指名した場合…
もしそうなったら、コロンバス・ブルージャケッツは、結婚式最後のオードブルのように、アダム・ファンティリへ襲いかかります。GMのヤルモ・ケカライネンは、在任中、ずっとフランチャイズにふさわしいセンターを探していました。
彼らは全くチームに馴染まなかったか(ライアン・ヨハンセン、センター、30歳。現在、コロラド・アバランチ所属)、一瞬だけコロンバスにいたか(マット・デュシェーヌ、センター、32歳。現在、ダラス・スターズ所属)、モントリオールで本当にプレーしたかっただけの選手だったようです(ピエール=リュック・デュボア、センター、25歳。現在、ウィニペグ・ジェッツ所属)。
※全くチームに馴染まなかったか=2014年のオフシーズン中、ライアン・ヨハンセンとコロンバス・ブルージャケッツは、長い契約交渉で話題となっている。その交渉は、後にチームの社長ジョン・デビッドソンが「不条理」と「恐喝」と呼ぶくらい、険悪なものとなったようである。
長い契約交渉中、チームが徐々にサラリーを上げていく方法に、ヨハンセンが納得できなかったという説もあるが、チームの中心選手である驕りがあったのかもしれない。ヨハンセンはトレーニング・キャンプにほとんど参加せず、何とか合意。結局、2015-16シーズン途中、ナッシュビル・プレデターズへトレードされている。
ファンティリは、彼(GMのヤルモ・ケカライネン)の待ち望んでいた選手なのです。
ミチコフが指名候補から外れたため、サンノゼ・シャークスは、将来の偉大なセンターであるレオ・カールソンを4位で迎える可能性があります。
コール・コーフィールド(右ウィング、22歳。現在、モントリオール・カナディアンズ所属)はモントリオールでアメリカ人の相棒を得ることになります、つまり、カナディアンズはセンターのウィル・スミス(別な選手の可能性もある)を5位で指名するでしょう。
まとめ
結局、ダックスはレオ・カールソンを指名し、「3年後に出てきてくれて構わないよ」路線を取るようです。カールソンと同じポジション=センターのスター選手が多いチームなだけに、もしかしたら、何人かの選手にポジション・チェンジをさせるかもしれません。
ファンティリ、コロンバス・ブルージャケッツ3位指名、これは予想通り。大学アイスホッケーでプレー継続か、あるいはコロンバスの下部組織チームを選択するか。
1年生ですし、もう少し大学でプレーと予想していますが、昨シーズン、タイトルを獲っているから、今度は新天地で…と目標を変えてもおかしくないところです。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!