1月は「意外なヒーロー」が誕生する時期?⛸️
NHLのシーズンには、努力量やエネルギーに関して、カレンダー上あらかじめ組み込まれた波があります。今の時期(シーズン中盤)は、スター選手以外にもチャンスが巡ってくる面白い時期でもあります。
カレンダー上あらかじめ組み込まれた波
NHLの長く厳しいレギュラーシーズンでは、開始直後や終盤だけでなく、中盤にも特有の「努力とエネルギーの波」が生まれるという見方が複数の現地メディアや分析で語られている。
シーズン序盤は全選手が健康でエネルギッシュ、かつ新しい環境やライン変更に対応しようとするため、プレーが速くミスも多く出る“ハイテンション”な時期となるが、その後数十試合を消化するにつれて、疲労や連戦による体力消耗が蓄積し、試合内容が変わってくる。これは、選手個々が高強度のスプリントや、高速な氷上動作を繰り返すラグビーのようなインターバル競技であるアイスホッケーの性質からも予想されること。
実際、試合ごとのジャンプ力やパワーといった身体能力はシーズンを通じて低下傾向にあり、移動や連戦の疲労が影響する。これは、スポーツ科学研究でも示されており、シーズンを通じた試合・移動・疲労の蓄積が下半身のパワー低下や疲労感の増加につながることが学術的に確認されている。(PubMed)
メディアの分析でも、今の時期はスケジュール消化による疲労が顕在化しやすく、選手のリカバリーや怪我、コンディション管理が成績に与える影響が大きくなると指摘されている。
実際、Sportsnetのミッドシーズン分析では今の段階が「怪我やスケジュール負荷で疲労が蓄積し、チームは戦術練習よりも『試合で勝つこと』とリカバリーにエネルギーを割かざるを得ない時期」と位置付けられており、スター以外の選手や若手の出場機会が増える背景として、全体的にゲームテンポがやや落ちること、ロースターの疲労や離脱が影響していると説明されている。
これにより、調子の良い選手が一時的に成果を出しやすくなる状況が生まれている。(Sportsnet.ca)
さらにスポーツ科学的観点から見ても、疲労は単に体力の低下だけでなく、動きの質や判断力にも影響するとされている。競技中に高強度の走行や全力ダッシュが減少することはゲーム終盤や連戦時に顕著で、身体的な疲労は戦術遂行能力やミスの増加にもつながる。
これは競技における時間-motionパターンの分析研究などでも示唆されるところで、疲れが進むとスプリントの回数や持続時間が落ちる結果、体力的に余裕のある選手や若手が目立ちやすくなる可能性がある。(PMC)
シーズン開幕直後は、みんな元気いっぱいでミスも多い「勢い重視」の試合が多いものです。選手たちがロスターやラインでの立ち位置を確保しようと必死になり、チームも早い段階で順位を上げようとします。全員が健康でコンディションも良いため、氷上では動きが非常に速くなります。
一方で、新しいチーム、新しいラインメイトという環境の変化もあり、ミスも多発します。その結果、ゴールが量産される傾向にあります。この「勢いはあるが粗い」プレーによって、序盤はある程度のランダム性が生まれますが、時間が経つにつれてチームプレーは引き締まり、最終的には本当に優れた選手だけが突き抜けていきます。
シーズン中には、トレード期限、レギュラーシーズン終盤など、努力量が再び高まるチェックポイントがいくつかあります。
しかし、今の時期に差しかかると、スケジュールによる疲れや怪我人が増え、どのチームも満身創痍です。シーズン開幕週のようなペースを最後まで維持することはできません。そのため、ロスターが薄く、疲労が溜まったこの時期、試合のスピードが少し落ち着く今だからこそ、若手プロスペクトや普段目立たない選手が活躍できるチャンスなんです。
先日も、アンソニー・デュクレア(ニューヨーク・アイランダーズ)が今シーズン5、6、7点目となるハットトリックを達成しました。エリートの一歩手前にいるような選手たちが、体調さえ良ければ爆発的な活躍を見せてくれるのが今の時期の楽しみでもあります。
データの裏側に隠された「人間ドラマ」👥
ホッケーの試合を見ていると、「どうしてあの選手を使わないの?」「なぜあんな決断をしたの?」と不思議に思うことがよくありますよね。
例えば、最近の注目トピックにはこんなものがあります。
オタワ・セネターズの騒動:チームの舞台裏で何かが起きているという噂に対し、チーム側は否定する声明を出しました。守護神ライナス・ウルマークが試合に出場しなかった件を含め、詳細は不明ですが「何か」があるのは間違いなさそうです。
代表チームの選考漏れ:なぜアメリカ代表はジェイソン・ロバートソンを外そうとしているのか、なぜカナダ代表はマーク・シャイフェレを連れて行かないのか。私たちは「ホッケーの実力(技術的な理由)」だと考えがちですが、実際には個人的な事情や人間関係が意思決定に深く関わっていることがよくあります。
オタワ・セネターズの騒動、代表チームの選考漏れ
まずライヌス・ウルマークの件について。現地報道では、SNSで「チーム内で不穏な動きがある」「不祥事の疑惑」といった未確認情報が拡散したため、セネターズは公式にこれを“完全なデマ”と否定する声明を発表。チームはウルマークが「個人的な理由でチームを離れているだけ」と明言し、憶測を否定した。
実際、ウルマークは12月下旬に個人的事情による無期限の休暇を取得しており、チームは人道的配慮とサポートを強調していると報じられている。球団幹部や選手からもウルマークへの支援の声が上がっており、怪我や不祥事ではなく“プライベートな事情”が理由であることを強調する報道が続いている。
彼不在の間、若手ゴーリーが先発を務めているが、チームとしては依然としてプレーオフ圏内を狙える位置にいると伝えられている。(ヤードバーカー)
次にジェイソン・ロバートソンについて。現地では彼がアメリカ代表五輪チームの最終メンバーに選ばれなかったことが大きな話題になっている。公式の五輪代表発表では、USA Hockeyは選考において“守備的なバランスや各選手の役割適合”を重視したとされ、得点力を持つロバートソンの不選出は驚きと批判を呼んでいる。
NHL.comの分析でも、ファンやアナリストの間では「ロバートソンや他の得点力選手を代表2番手チームに入れた場合でも十分戦える」との仮想ロスターが出されるほど、彼の不選出は疑問視されている。特にSNSでは、「USA Hockeyが攻撃力より身体的・守備のバランスを優先した」「現時点での戦術方針に合致する者を選んだ」という見方もあり、別の議論として「彼のスタイルが国際戦術に完全にはフィットしないのかもしれない」といった慎重論もある。
また一部ファンコミュニティでは、ロバートソンが代表入りを逃した理由について防御的役割の重視や「チーム化学反応」の優先が影響したという分析も出ており、単なる実力差以外の戦術的背景を指摘する声もある。そうした見方は公式コメントではなくファンやアナリストの見解ですが、代表選考の多様な要素が議論されていることを反映している。
そして、マーク・シェイフリーについても同じく五輪代表での不選出が注目されている。カナダの場合、代表候補の層が非常に厚く、歴史的にも「第二チームでも十分に戦える」と現地報道に書かれるほど。記事内でも触れられていましたが、NHL.comの五輪ロスター関連記事によると、カナダは代表入りに際して非常に多くの優秀な選手を抱えているため、シェイフリーのように長年の実績や高い得点力を持つ選手でも選ばれないケースが出ている。
ファンや解説者の中には「実力があるにも関わらず選ばれなかった選手を組み合わせれば“第2チーム”でも十分戦える」といった議論が起こっており、代表選考が単純な能力比較だけでなくチーム構築の戦術やケミストリー(組み合わせ)を重視した結果と分析されている。
どれだけ切り分けようとしても、これらを完全に分離することはできません。これは批判ではなく、人生そのものです。外部の人間として、私たちはなぜ特定の判断が下されたのかを推測することはできますが、実際には、私たちが知り得ない事情が常に存在します。
オリンピックは大丈夫!?怪我とインフラへの不安
今、ファンの関心は試合結果と同じくらい「選手の怪我」に向いています。特にカナダ代表については、サム・ベネットやマシュー・シェイファーをロスターに入れてほしいという声が多いですが、一方で主力選手が怪我をしないか、みんなハラハラしながら見守っています。
「ボー・ホーバットはケガをしたが、どの程度深刻なのか?」「トム・ウィルソンは離脱中だが、復帰はいつなのか?」。これからの数週間、選手たちは成功を目指すと同時に「健康を維持すること」にも必死になるでしょう。
さらに、もう一つ心配なのがミラノ・オリンピックの会場準備です。「リンクや客席といった試合に必要な機能は大丈夫だろう」という予測もありますが、アメニティやインフラ設備については少し不安な状況です。
註釈にも書きましたが、アイスリンクの表面に穴が開いていたこと、スタンドの仕上げ作業が進んでいないことを話してます。
ミラノ・オリンピックの会場準備
ミラノ・コルティナ2026冬季五輪でアイスホッケー競技の主会場となるサンタジュリア・アイスホッケーアリーナ(Milano Santagiulia Ice Arena)は、開催まで数週間を切った時点でも建設や仕上げ作業が進行中であることが欧米メディアで大きく報じられている。
大会組織委員会や国際アイスホッケー連盟(IIHF)の幹部は、リンクの氷面や選手用施設(ドレッシングルーム)は競技開催までに確実に整うと強調しているものの、スタンドや仕上げ作業、周辺インフラは大会直前まで完全完成しない可能性が取り沙汰されています。
これは、女性大会の開始(2月5日)が男子より先行するため、せっかく新設されたアリーナを女性選手が“テスト利用”する形になる懸念もあると専門サイトが指摘しています。(The Ice Garden)
一部報道では、建設開始が当初予定より遅れたことや、工事管理が五輪組織委員会ではなく民間企業主導で進められてきたことが、進捗の遅さと不確実性の背景として挙げられている。現場では当初予定していたテストイベントが別会場に移されたり、座席数が当初プランより減る可能性が示唆されるなど、報道は「完成は間に合うだろうが、細部の仕上げや設備面で懸念が残る」という慎重な論調。(PA | Architecture and Technology)
ただし、こうした懸念に対してIOCや大会組織委員会は「リンク完成は確実で、穴や仕上げの遅れは迅速に対応済みであり、安全性や機能性に問題はない」と繰り返し明言。実際、テストイベントでは氷面に小さな穴が発生したものの主催側は迅速に修復し、競技開催に支障が出ないことを強調。これについてIOCのスポーツディレクターは、「大会が迫るなかで完成度が高まっていることに自信がある」と述べている。(AFPBB News)
一方で、現地メディアやスポーツ関係者の間では、五輪主会場の完成遅延が選手や関係者に不安感を与えている点も指摘。特に、世界最高レベルの氷上パフォーマンスが求められる国際大会でリンクの品質や運営面が北米のプロリーグ(NHL)標準と異なる可能性に触れられることがあり、NHL関係者も進捗状況のモニタリングを続けている。
こうした声は決して否定的なものばかりではなく、完成に向け現場が最終調整の段階にあることは広く理解されていると報じられている。(espn.com)
例えば、男子のロッカールームの写真は、かつてのマルレット・アリーナ(コヨーテズが一時的に使用していた会場)の初期の頃のように見えます。女子の初戦まで1ヶ月を切っているというのに、この準備状況は「ちょっとまずいよね」と言わざるを得ません。
プレーオフは「1位対8位」に戻すべき!?セントラル地区の不運🏒
最後に、今のNHLのプレーオフ形式について少し踏み込んだお話をさせてください。現在、リーグは順位表が接戦に見えるような仕組み(3ポイントゲームなど)を導入しています。これについては、良いチームが残り、悪いチームが脱落するという形が保たれているので、まだ我慢できます。
3ポイントゲーム
NHLの現在の順位表システムは、全試合が「同じ価値のポイント数」で評価されているわけではない。これはしばしば「three-point games(3ポイントゲーム)」という表現で語られるが、実際にはNHLが公式に3ポイント制を採用しているわけではない。現行のシステムは「勝利=2ポイント、OT/SO(オーバータイム/シュートアウト)負け=1ポイント、規定時間内敗戦=0ポイント」という2ポイント制。
したがって、全体として見れば試合によって順位表に加算される総ポイント数が「2ポイントの試合」と「3ポイントの試合」の2種類になるため、俗に「3ポイントゲーム」と呼ばれている。これは、OTやシュートアウトに持ち込まれた試合で勝者が2点、敗者が1点を得ることで、合計3ポイントが順位表に分配されることから生じている。(Sound Of Hockey)
この三重ポイント現象が起きる理由は歴史的な背景にある。もともとNHLでは引き分けが存在し、勝利で2ポイント、引き分けで各1ポイントというシンプルな形式。しかし、1999–2000シーズンに「OTに進出したチームにも最低1ポイントを与える」制度が導入され、これによってOTに進んだゲームの勝者は追加で1ポイント(計2ポイント)を、敗者も1ポイントを得るようになった。
これが「OT敗戦でも1ポイント」が存在する根拠であり、その結果としてOTに入ったゲームは合計3ポイントが順位に加わるという状態になっている。
一方、IIHF(国際アイスホッケー連盟)や欧州リーグなどでは最初から真の3ポイント制が採用されており、これは「規定時間内勝利=3ポイント、OT/SO勝利=2ポイント、OT/SO敗戦=1ポイント、規定時間内敗戦=0ポイント」というもの。
この方式では常に合計3ポイントが分配され、試合ごとに評価が一定になる。こうした方式は、規定時間での勝利をより強く評価し、順位表の公平性を高めるという意図で広く使われている。
NHLファンや分析者の間では、現在の「2-1-0」システムが順位をやや圧縮し、プレーオフ争いをより混戦に見せるという意見も。たとえば、OT敗戦による1ポイントが累積されることで、僅差で差がつきにくくなり、順位差が小さく見える、という指摘である。
これは「チーム間の勝ち点差を小さくする効果がある」という意見がファンコミュニティでも多くあるが、これが必ずしも公平性や実力を反映しているかについては議論が続いている。
ですが、どうしても納得がいかないのが「地区内(ディビジョン)対決」を強制するポストシーズンの仕組みです。
「地区内(ディビジョン)対決」を強制するポストシーズンの仕組み
現行のNHLプレーオフ方式は、レギュラーシーズン終了後に16チーム(各カンファレンス8チーム)が進出し、2チームの「ワイルドカード」と各ディビジョン上位3チームがまず確定。
その後の第1ラウンド(8チーム各1シリーズ)は“ディビジョン内対戦”が多く組まれる方式になっており、各ディビジョン2位と3位同士で当たるほか、ディビジョン1位がワイルドカードと対戦するため、同じディビジョン同士の対戦が多くなる仕掛けになっている。
この構造が批判を受ける主な理由は、レギュラーシーズンの戦績が良いチーム(トップ3)のチーム同士が、1回戦で当たってしまう可能性がある点。特に、同じディビジョンに複数の強豪チームが集まっている場合、そのディビジョン内での1回戦対戦が避けられないため、強豪同士の早期対戦や実力上位のチーム同士の潰し合いが起きやすいとの批判が出ている。
これにより、リーグ全体の順位上位3チームが別々のディビジョンに分かれていない場合、1回戦で“実質的な準決勝級の対戦”が発生する可能性がある。こうした構造は、結果として「上位チームが不必要に厳しい1回戦を強いられる」との不満につながっている。
この不満はファンやアナリストの間でも広く語られており、多くの議論が行われている。ある現地分析では、「1対8のシード方式(つまり順位ごとに単純に並べる方式)」に戻した方が、レギュラーシーズンの成績をより公平に反映し、理論上は上位チームがより有利な初戦を得られるようになる」という意見も。
これは、より古い形式や他のスポーツで見られる方式に近い考え方であり、現在の方式では同じディビジョンが強い場合、同地区同士の対戦が固定化しやすいと指摘されている。
また、この批判には、同じ対戦カードの繰り返しというファン視点からの不満も。例えば、過去数シーズンでは同じチーム同士の対戦が1回戦で何度も繰り返された事例があり、これが「新鮮さの欠如」や「ドラマ性の低下」という観点からも批判されることがある。
こうした声は、プレーオフ方式が長年固定化されたディビジョン勝者優先形式の影響を受けていることを示している。(The Times of India)
一生懸命に努力してエリートチームを作り上げ、レギュラーシーズンでトップ3に入るような素晴らしい成績を残したのに、なぜ1回戦から他のエリートチームと潰し合わなければならないのでしょうか?実際、ベットマンを雇っているオーナーたちも、この方式を好むべきではありません。
これでは、82試合という長いレギュラーシーズンの価値が薄れてしまいます。高いお金を払ってチームを強くしたオーナーにとっても、2回戦に進むチャンスが公平に与えられないのは不本意なはずです。
特に今シーズンの「セントラルディビジョン」はこの問題が顕著です。アバランチ、スターズ、ワイルドの3チームは、現在リーグの勝ち点と勝率でトップ3を独占しています。得失点差でもリーグの1位、3位、4位という、間違いなくリーグ最強クラスの3チームです。
今のルールだと、この最強の3チームのうち1つが、1回戦でいきなり消えてしまうことになります。一方で、ギリギリ勝ち点90で滑り込んだようなチームが、4連敗で消えるまでの時間を稼ぐだけのような対戦カードも生まれてしまいます。
もし昔のような「カンファレンス1位対8位」のフォーマットであれば、このセントラル地区の3強は、(総勝ち点順で)それぞれシアトル、サンノゼ、ロサンゼルスと対戦することになり、もっと納得感のある戦いが見られるはずです。
また、この形式なら「3位で妥協せず、2位に上がろう」というレギュラーシーズンのドラマも生まれます。現在のルールでは、地区2位になっても3位になっても結局対戦相手が変わらないことが多く、シーズン終盤の熱が冷めてしまいます。
そろそろ、昔の「1位対8位」の方式に戻す時が来ているのではないでしょうか。
まとめ
圧倒的な強さを見せるアバランチ、混戦模様の「MidHL」、そして期待の若手セレブリーニの活躍など、今シーズンのNHLは見どころが満載です。
これからのシーズン後半戦、怪我に気をつけながらも熱い戦いを見せてくれる選手たちを、引き続き全力で応援していきましょう!

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

