はじめに
来月3日に行われるNHLオールスターのメンバーもほぼ決まり、ロースターを見たところ、「うーん、予想通りかな」と新たな発見はほとんどありませんでした。ファン投票で12名中4名もバンクーバー・カナックス勢が占めたのに軽く驚きましたが、今の成績なら妥当でしょう。
リーグ推薦選手も決まり、後は開催日を待つばかり…、ちょっと待った!ファンの皆さん、まだ投票は終わってませんよ!3日間に渡って行われるオールスター・イベントの内、2日目のスキル・コンテスト出場選手(ファン投票は2枠のみ)はまだ投票を受け付けています。
メジャー選手に投票して、オールスターをさらに派手にするか、それとも「俺だけがあの選手の上手さを知ってるぜ」と言わんばかりに、いぶし銀の選手をチョイスするか。今回はその手引きになると同時に、「掘り出し物」的選手の紹介記事にもなります。
あのスティックを自分の手のように扱わなきゃいけないわけだから、
その技術の凄さは想像以上だにゃ。
テクニックだけでなく、スティックにパワーも伝えられるって、
やっぱアイスホッケーの選手は超人だ!
引用元:NHL.com「Final 2024 All-Star Skills participants debated by NHL.com」
今年もこの季節がやってきた!一番上手いのは誰だ?
DraftKings Sportsbook(スポーツ全般を扱う公営ギャンブル会社)提供 2024 NHLオールスタースキルイベントの競技内容は、ほぼ確定しています。
12人の参加者のうち10人は、土曜日にNHLによって指名されました。ボストン・ブルーインズのフォワード、デビッド・パストルナク、コロラド・アバランチのネイサン・マッキノン、エドモントン・オイラーズのレオン・ドライサイトルとコナー・マクデイビッド、
ニュージャージー・デビルズのジャック・ヒューズ、タンパベイ・ライトニングのニキータ・クチェロフ、トロント・メープルリーフスのオーストン・マシューズとウィリアム・ナイランダー、バンクーバー・カナックスのエリアス・ペターソン、アバランチのディフェンスマン、ケイル・マカーが10人の枠に加わっています。
1月18日までのオンライン投票で、ファンは残り2人の選手について最終決定権を持っています。
投票はNHL.com/voteから行い、1回のオンライン投票で、ファンは現在の選手名簿から最大2人のスケーターを選択できます。オールスタースケーターの。ファンはそれぞれ24時間あたり最大10票を投じることができます。
対話形式の投票となっており、英語、フランス語、チェコ語、フィンランド語、ドイツ語、スロバキア語、スペイン語、スウェーデン語の8か国語で利用できます。ファンは、NHL.comアプリとXで投票することもできます。
2月2日(金曜日。東部時間午後7時〈日本時間では2月3日・土曜日、午前9時〉、ESPN、ESPN+、SN、TVAS)のオールスタースキルで、12人の選手は優勝者総取りの賞金100万ドル(日本円で約1億4500万円)を目指して競い合います。
これは、トロント・メープルリーフス主催NHLオールスター・ウィークエンドの一環(会場:トロントのホーム=スコシアバンク・アリーナ)で、2月1日(木曜日)の1NHLオールスター関連イベント、2日のスキルズ・コンペティション、2月3日(土曜日)のNHLオールスターゲームの中に含まれています。
100万ドル(USD)の賞金は、ファステナル(産業および建設用品の卸売販売)NHLファーステスト・スケーター、ロジャース(カナダの大手通信企業)NHLハーデスト・ショット、スコシアバンク(トロントにある多国籍銀行)NHLパッシング・チャレンジ、ティムホートンズ(カナダの多国籍コーヒーハウスおよびレストランチェーン)NHLワンタイマーズ、アッパーデッキ(トレーディングカード会社)NHLスティック・ハンドリング、
チートス(コーンパフスナックのブランド)NHLアキュラシー・シューティング、ホンダNHLマンツーマン(ポイント獲得上位8名)、ペプシNHL障害物コース(ポイント獲得上位6名)の8つのスキルイベント2で、最も多くのポイントを獲得したオールスター出場選手に授与されます。
日本からも投票できるんだけど、言語の選択肢に「日本語」がないんだにゃ。
オールスターに限らず、ホンダはかなりNHLをバックアップしてるんだし、
オールスターだけでも日本で中継してくれるよう頑張ってくれないかな。
残り2枠、この選手に投票だ!
44人に及ぶオールスター選手名簿には才能豊かな選手が数多くいるため、最後の出場者2人を選ぶのは簡単なことではありません。
投票プロセスを助けるために、我々は、NHL.comスタッフの何人かに、このスキルを競うイベントの名簿を埋めるため、誰を選ぶべきかを尋ねました。
彼らの答えは以下の通りです。
アマリー・ベンジャミン、スタッフライター
サム・ラインハート(センター、28歳。フロリダ・パンサーズ)—このフォワードは2023-24シーズンに大ブレイクし、31ゴールはNHLでオーストン・マシューズ(33ゴール)に次ぐ2位となっています。それは称賛されるべきだと思います。
彼は大物ではないかもしれませんが、これから最も偉大な選手となるシーズンを過ごしています。
ブラディ・トカチュク(左ウィング、24歳。オタワ・セネターズ)—(スキル・イベントに)純粋なエンターテイメントの価値を求めるなら、トカチュクを入れないわけにはいきません。オールスターゲームには出場しないパンサーズ所属の弟マシューを、彼のアドバイザーとして迎え入れることを想像してみてください。
そこに100万ドルの価値があります。
マシュー・バーザル、人気高いなぁ
ニック・コトソニカ、コラムニスト
シドニー・クロスビー(センター、36歳。ピッツバーグ・ペンギンズ)—ペンギンズのキャプテンは、特定の部門のスキルのみではなく、スキル全般にわたって優れていることで知られているため、この十種競技のような形式は、彼の素晴らしさを披露するかもしれません。
彼はカナダの英雄でもあり、イベントはトロントで開催されます。
クイン・ヒューズ(ディフェンス、24歳。バンクーバー・カナックス)—彼は、NHLディフェンスマンの中で51ポイント(11ゴール、40アシスト)でトップに立っています。
彼はニュージャージー・デビルズのセンターである弟のジャックや、カナックスのチームメイトであるエリアス・ペターソンと競争しなければなりません。
ビル・ダグラス、スタッフライター
セバスチャン・アホ(センター、26歳。カロライナ・ハリケーンズ)—ダラス・スターズのジェイソン・ロバートソン(左ウィング、24歳)のように、アホは全米メディアの注目をあまり集めていません。
アホには能力と数字(39試合で15ゴール、33アシスト)があり、スキルイベントでNHLの他の若手選手と対戦するのを見るのは素晴らしいことです。
マシュー・バーザル(ニューヨーク・アイランダーズ)–2020年にコナー・マクデイビッドを破って最速スケーターに輝いた彼は、45ポイント(41試合で12ゴール、33アシスト)を記録し、プレーメーカーとしてパックを使って何ができるかを示しました。
スキルを競うイベントにおいて、彼は全てを兼ね備えている存在なのです。
トム・グリッティ、スタッフライター
マシュー・バーザル(センター、26歳。ニューヨーク・アイランダーズ)—このフォワードはマクデイビッドを破って2020年の最速スケーターを獲得したので、そのイベントで、彼がマクデイビッドやフィールドにいる他の選手と対戦するのを見るのは楽しいでしょう。
彼は、スティック・ハンドリングやパス・チャレンジでも優れているでしょう。
セバスチャン・アホ(カロライナ・ハリケーンズ)—このフォワードは、NHLで最も完成度が高く、過小評価されている選手の1人です。オールスタースキルに出場することは、彼にすべての才能を発揮する機会を与えるでしょう。
マイク・モレアーレ、スタッフライター
マシュー・バーザル(ニューヨーク・アイランダーズ)–パックを持ったエリートスケーターは、攻撃側での動きで目を見張るものがあります。彼にそのスピード、プレーメイキング、シュートの精度を披露する機会を与えてもらいたいと思っています。
トム・ウィルソン(右ウィング、29歳。ワシントン・キャピタルズ)—ウィルソンについて考える時、いつも「威圧的な選手だ」というふうに思い浮かべるでしょう。タフでフィジカルがあり、容赦ありません。だからといって、このような舞台で、彼の隠された技術の一端を見たいと思わない人はいないでしょう。
アホやバーザルより、ウィルソンのチョイスが激渋だにゃ。
ワシントンの選手はみんな体格的にもプレー的にもグイグイ来る感じして、
彼も例外なくそのタイプ。「秘技」を見せてくれるのだろうか。
日本からは「ニック・スズキ」に一票だ!
トレイシー・マイヤーズ、スタッフライター
ニック・スズキ(センター、24歳。モントリオール・カナディアンズ)— NHLは若者の集まるリーグですよね?そして24歳の彼はNHLのトップクラスの若手選手の1人です。スズキは昨シーズンと同等かそれ以上のペースで突っ走っているので、大舞台でその実力を見せつけるでしょう。
ジャック・アイシェル(センター、27歳。ベガス・ゴールデンナイツ)— ポストシーズンで100%の力を発揮していた選手が、初めてのプレーオフ進出でスタンレー・カップを獲得したことは、いつでも祝福されるべきことです。
アイシェルはキャリアの中で十分なスキルを示しており、このイベントに参加する価値があります。
ビル・プライス、編集長
ジャック・アイシェル(ベガス・ゴールデンナイツ)— 彼は春にスタンレー・カップを掲げたのだから、スキル・コンテストの賞金100万ドル獲得を目指して、彼にスケートをするチャンスを与えてみてはどうでしょうか?
ラスムス・ダーリン(ディフェンス、23歳。バッファロー・セイバーズ)— なぜ、フォワードだけが、すべての楽しみを享受しなければならないのでしょうか?
確かに、アバランチのケイル・マカーはすでにスキルコンテストのメンバーにいますが、そこにもう一人の非常に才能のあるディフェンスマンを入れて、バッファローからトロントまで移動するファンに、応援の楽しみを持たせてはどうでしょうか?
この選手に栄光を!激渋選手がメジャー選手の上を行く!
ショーン・ローク、編集部シニアディレクター
フランク・バトラーノ(右ウィング、29歳。アナハイム・ダックス)— 気持ちの良い話が大好きですが、オールスター・ウィークエンドの中で、バトラーノは最高の物語の1つになります。
29歳の彼は4チーム目の所属になりますが、世間からの評価をはるかに上回るスキルを持っており、この舞台でそれを示すことができます。
ロバート・トーマス(センター、24歳。セントルイス・ブルーズ)— このフォワードは非常に熟練しており、まさに本領を発揮しつつあります。セントルイスのファンがすでに知っていることを、ホッケー界にも知らせてみませんか?
さらに、このオールスターに参加するという「事件」に、トーマスは個性を発揮してくれるので、それは(イベントにとっても)常にプラスに働くのです。
この2人は相当渋いというか、地元のファン以外はあまり知らないんじゃないかにゃ。
2人の所属するチームは、共にレギュラー・シーズンでやや下り坂なので、
ここは一発奮起してもらいたい。
ダン・ローゼン、スタッフライター
クイン・ヒューズ(バンクーバー・カナックス)– ニュージャージー・デビルズにいる弟ジャックと、彼は対戦できます。また、チームメイトのエリアス・ペターソンとも競争できます。おそらくノリス・トロフィーの最高のライバルとなる、コロラド・アバランチのケイル・マカーと彼は対戦できるでしょう。
さらに、ヒューズはトップレベルの爆発的なスピード、強くて正確なショット、そして素早く滑らかなスティックさばきで、すべての種目に出場することができます。
キリル・カプリゾフ(左ウィング、26歳。ミネソタ・ワイルド)— このロシア人フォワードは、NHLで最も熟練した選手の一人です。スキルコンテストは、彼が何者で、どんな個性があり、何ができるかを披露する絶好の機会です。シュートはそれほど強くありませんが、正確であるし、スケーティングも上手いです。
そして最も重要なことに、カプリゾフはファンを席から飛び上がらせる程の能力を持っています。彼はトロントでそれをやるでしょう。
デレク・ヴァン・ディースト、スタッフライター
J.T.ミラー(センター、30歳。バンクーバー・カナックス)— このフォワードが過ごしている今シーズンを考えると、彼はスキルズ・コンペティションに参加するのに最適な候補者でしょう。今シーズン、ミラーはバンクーバーのトップスコアラーの一人として、多くのスキルを披露しています。
フィリップ・フォースバーグ (左ウィング、29歳。ナッシュビル・プレデターズ)– このフォワードは、4年前のエドモントン・オイラーズ戦でラクロス・スタイルの「ミシガン」ゴール3を決めていて、プレデターズのフォワードとして豊富なスキルを持っているから、スキルコンテストの完璧な候補となるでしょう。
フォースバーグは2度目のオールスターゲーム出場となり、大舞台でリーグ屈指の強豪を相手にどんなプレーを見せられるか楽しみです。
まとめ
ゴール前じゃなくて、ニュートラル・ゾーンでミシガンに似たプレーをする選手はいるけど、ゴール付近という相手のマークもキツイ場所でやってのけるのは、至難の業です。それのできるベダードとゼグラスが共にケガのため、オールスター不出場となりそうなのは本当に残念。
話変わって、日本のBリーグのオールスターを見慣れた方には、NHLあるいはNBAのオールスターはすっと受け入れられると思います。今回のNHLの場合、長い歴史を振り返るコーナーもあれば、新装スタートしたばかりの女子ホッケーのプロ・リーグも参戦と例年以上に盛り沢山。
最後に自分が投票するとしたら、絶対ニック・スズキに一票投じます!真面目に上手いと思うし、伝統あるオリジナル・シックスのモントリオールのキャプテンとして、チームを引っ張るメンタルの強さで、難攻不落のスキル・コンテストをクリアしてくれると信じています。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 木曜日に開催されるイベントの詳細については、こちら→☆。
↩︎ - ファーステスト・スケーターは、決められたコースでどれだけ速く滑るかを競う。ハーデスト・ショットは、シュートのスピードを競う。パッシング・チャレンジはパスの、ワンタイマーズはトラップ無しでのシュートのそれぞれ正確性を競う。
スティック・ハンドリングはスティックさばきの上手さ、アキュラシー・シューティングは的当て。ここまでがラウンド1。ラウンド2のマンツーマンはシュート・アウト、つまりPK戦である。そして、最終ラウンドが障害物レースで、ポイントが2倍となる。
↩︎ - 別名ハイ・ラップ。攻撃している選手が相手のネットの後ろからスケートし始め、パックをスティック上に乗せて持ち上げ、そのままスティックを振って得点すること。ネットの隅を狙い、至近距離からパックをネットに撃ち込むことができる。
2023年12月23日、コナー・ベダードは、シカゴ・ブラックホークスvs.セントルイス・ブルース戦でこのゴールを決め、数時間後、トレバー・ゼグラスが、アナハイム・ダックスvs.シアトル・クラーケン戦で同じゴールを決めている。
2人の選手が同じ日にミシガン・ゴールを決めたのは、NHL史上初のことである。 ↩︎