はじめに
トレード・デッドライン目前で、デビルズが大きな動きを見せました。シャークスの攻撃面を牽引し、チームの数少ない(?)スター、ティモ・マイヤーをトレードで獲得!
かなり前から移籍の噂はあったのですが、デビルズは3年先のドラフト指名権までトレードの駒にして、ガッツリ引き抜いていったのです。
ドラフトの上位指名権を使うということは、ある程度、チームにとって痛手ではあるのですが、裏を返せば、バクチ的要素の強いドラフトに頼らずとも、デビルズには充分若手をキープしてあるという自信の表れかもしれません。
新天地移籍にウキウキしているマイヤーの言葉からも、デビルズの充実ぶりがうかがえます。
このブログでも再三触れてきた、
「トレード・マジック」が炸裂したような記事内容に、
読んでいるオイラの頭がクラクラしてきたにゃ。
引用元:NHL.com「Meier traded to Devils by Sharks for 4 players, 3 draft picks」。
大型トレード成立!
ティモ・マイヤー(右ウィング、26歳)は26日(日曜)、サンノゼ・シャークスからニュージャージー・デビルズにトレードされました。
マイヤーのサラリーの50%を保持するシャークスは、フォワードのファビアン・ゼッターランド(左ウィング、23歳)とアンドレアス・ジョンソン(左ウィング、28歳)、ディフェンスのシャキール・ムハマドゥリン(21歳)とニキータ・オホティク(22歳)、
※上記選手については、本記事【後編】内を参照のこと。
2023年NHLドラフトでの条件付き1巡目指名権、2024年NHLドラフトでの2巡目と7巡目の指名権を獲得しました。
デビルズはまた、ディフェンスのスコット・ハリントン(ディフェンス、29歳)とサンテリ・ハタッカ(ディフェンス、22歳)、フォワードの将来有望株であるティムール・イブラギモフ(左ウィング、22歳)、ゴールキーパーの期待の星、ザカリー・エモンド(22歳)を獲得し、2024年のNHLドラフトでは5巡目指名権を受け取りました。
※ハリントンについては、本記事【後編】内を参照のこと。
※サンテリ・ハタッカ=フィンランド出身。アメリカン・ホッケー・リーグのウティカ・コメッツでプレー中。シャークス時代の2021年11月9日、カルガリー・フレイムズ戦(4対1で勝利)でNHL初アシストを記録。
※ティムール・イブラギモフ=ロシア出身の左ウィング。ロシアU-16〜-18の代表歴があり、地元サンクトペテルブルグのユース・チームでも活躍。イーストコースト・ホッケー・リーグのウィチタ・サンダーからウティカ・コメッツへ移籍。
※ザカリー・エモンド=カナダのケベック・メジャー・ジュニア・ホッケー・リーグ所属ハスキーで、長い間、活躍。その後、いくつかのチームを転々としているが、今ひとつ伸び悩み。今回のウティカ・コメッツへの移籍でひと皮むけるか。
移籍成立直後のマイヤーの言葉
「ここ数週間は、ずっと噂話を聞いているような状態でした。で、何かが起こるのじゃないかとワクワクしていたよ。そして、ニュージャージーは常に噂話の中にあった」とマイヤーは言っています。
「そこ(デビルズ)が僕の行く場所になるかもしれないと想定して、彼らのプレーを見てみると…。彼らのようなチームを見ている分には、エキサイティングなチームであり、対戦するにはタフなチームだね。
このリーグのスターであり、本当に良い選手である多くの若手と一緒に、そのようなチームに参加する機会を得ることは、僕にとって素晴らしい機会だ」と語りました。
デビルズのチームメイトと接触済み
マイヤーは、デビルズのコーチであるリンディ・ラフ(63歳)や、同じくスイス出身でニュージャージーのキャプテンである、センターのニコ・ヒッシャー(センター、24歳)とも話をしたとのことです。
※リンディ・ラフ=デビルズの前は、ダラス・スターズや現役時代の古巣バッファロー・セイバーズのヘッド・コーチを歴任。2014年冬季オリンピックでカナダ代表チームのアシスタント・コーチも。
現役時代、セイバーズとニューヨーク・レンジャーズではキャプテンを務め、ガッツあふれるプレーでチームを牽引。
26歳のフォワードは、水曜日のコロラド・アバランチとの試合に先立って、火曜日にデンバーに移動する際、チームに合流する可能性が高いと思われます。
「(ラフと)話せて本当に良かった」とマイヤーは言いました。「彼はチームの状況を少し話してくれたし、明らかに彼のチームに加わることにとても興奮しているよ。
彼は僕を迎えることにとても興奮しているようで、それは間違いなく素晴らしい気分だから、僕は彼と一緒に仕事をして、チームに加わり、プレーし始めることに興奮しているだけなのさ」。
マイヤーはヒッシャー、ジャック・ヒューズ(センター、21歳)のいずれかと一緒に、トップ6の役割でプレーすることが期待されています。
「あのメンバーには非常にいい選手がたくさんいるね」とマイヤーは語りました。「楽しいことになりそうだ。誰とプレーするかについてはあまり考えていなくて、ただ興奮しているだけだよ。誰とプレーすることになっても、きっと素晴らしいものになるだろうさ。
そういうメンタリティを持っているんだよ」と語っています。
負傷も徐々に回復
上半身の負傷で過去3試合を欠場していたマイヤーは、2021-22年シーズン、77試合でNHLのキャリアハイとなる76ポイント(35ゴール、41アシスト)を、今シーズン、57試合で52ポイント(31ゴール、21アシスト)をそれぞれ記録しています。
彼は一日ずつ回復していると言いました。
マイヤーは「できるだけ早くプレーしたいが、体の声にも耳を傾けるつもりだ」と語っています。
2019年7月1日に結んだ4年契約の最終シーズンを迎えているマイヤーは、シーズン終了後に制限付きフリーエージェントになる可能性があります。
複雑なドラフト指名権のトレード
デビルズがマイヤー獲得のために断念した選手に加え、2023年のドラフトで、デビルズの1巡目指名が2位以内だった場合、サンノゼは2024年のNHLドラフトで1巡目指名権を受け取ることになります。
ニュージャージーが2023年のイースタン・カンファレンス・ファイナルに進出し、マイヤーがプレーオフの50%以上、または2024年のイースタン・カンファレンス・ファイナルに出場した場合、(ニュージャージーの)2024年の二巡目指名が一巡目指名となります。
その指名順がトップ10に入った場合、デビルズは代わりに2025年のNHLドラフトの一巡目指名権を(シャークスに)譲渡するオプションとなっています。
デビルズは、当初の条件(2023年の上位2位)に従って2024年のドラフトでの1巡目指名権を譲渡した場合、2024年のイースタン・カンファレンス・ファイナルに進出すれば、2025年のドラフトで自身の1巡目指名権を(シャークスに)渡すことになります。
マイヤーは2019年7月1日に結んだ4年契約の最終シーズンを迎えており、シーズン終了後に制限付きフリーエージェントとなることができます。
まさにドラフト指名権マジック!
いや、もうパズルの領域だにゃ。
デビルズGM、大いに語る!
デビルズのゼネラルマネージャー、トム・フィッツジェラルド(54歳)は「そこに座って(再契約する)自信があると言うこともできるが、私が自信を持っているのは、自分達が何者であるか、そして何を売ることができるかということかな…自分達のチームだからね」と語りました。
※トム・フィッツジェラルド=NHLとAHLで17シーズンプレー。デビルズでは、ゼネラルマネージャー兼エグゼクティブ・バイス・プレジデントが正式な役職。ピッツバーグ・ペンギンズで選手育成のディレクターを勤め、2009年にスタンレーカップで優勝。
「ジャージーはダイヤの原石だとずっと言ってきた。外から来る人が、ここに来て『わあ、本当にすごい』と思ってくれるまで、どんなものかわからないのじゃないかな。私達が提供し、販売できるものについて、ティモが買ってくれると信じているし、その自信はあるよ」。
2015年のNHLドラフトの一巡目(全体9位)でサンノゼに指名されたマイヤーは、レギュラー・シーズン451試合で316ポイント(154ゴール、162アシスト)、スタンレーカップ・プレーオフ35試合で20ポイント(7ゴール、13アシスト)を記録しています。
4カ国語(スイス語、フランス語、英語、ドイツ語)に堪能なマイヤーは、自分らしいホッケーをプレーして、この先のデビルズを助けたいだけです。
後編に続くにゃ!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!