2023-24 WHL、B.C.ディビジョンの注目選手紹介!

現役スター選手紹介

はじめに 

 「若手選手がNHLのトップ・チームから下部組織のチームへ異動」なんて記事も、このブログでいくつか書いてきましたが、下部組織のチームって何?どんな選手がいるの?と思われた方も多いでしょう。Jリーグのユース・チームやNPBの2軍とはちょっと違うのです。 

 今回のWHL所属チームはそれぞれ独立したチームであると同時に、NHLのチームと業務提携しており、お互いフォローし合っていると考えていいでしょう。欧州サッカーのトップチームも同様の方法を採っており、レンタル移籍のやり取り等をしていますね。 

 今回は、NHLより一足先に日程を終了したWHLを採り上げ、選出されたばかりのベストナイン・ベストイレブンならぬ「ベストシックス(=ファースト・オールスターチーム)」のメンバーを紹介し、「イキのいい若手選手」を知っていただければ嬉しいです! 

讃岐猫
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引用元:プリンス・ジョージ・クーガーズ
公式サイト「Funk, Heidt, Thornton named to 2023-24 B.C. Division First All-Star Team

BCディビジョン・ファースト・オールスターチーム決定!

 本日(3月26日)、ウェスタン・ホッケーリーグは、2023-24WHLシーズンのBCディビジョン1・ファースト・オールスターチーム(NPBのベストナインのようなもの)を発表しました。

 WHLディビジョン・オールスターは、WHL(各チームの)ゼネラル・マネージャー達によって投票されます。

WHL BCディビジョン・ファースト・オールスターチーム


ゴールテンダー–ブレット・マーワルド(サスカトゥーン、サスカチュワン州)–バンクーバー・ジャイアンツ

ディフェンス–ハドソン・ソーントン(ウィニペグ、マニトバ州)–プリンス・ジョージ・クーガーズ

ディフェンス–ジャスティン・キプキー(カルガリー、アルバータ州)–ビクトリア・ロイヤルズ
フォワード–ザック・ファンク(コールドストリーム、ブリティッシュコロンビア州)–プリンス・ジョージ・クーガーズ

フォワード–ライリー・ハイト(サスカトゥーン、サスカチュワン州)–プリンス・ジョージ・クーガーズ

フォワード–ティジ・イギンラ(レイクカントリー、ブリティッシュコロンビア州)–ケロウナ・ロケッツ

6人の精鋭を紹介しよう!

WHL BCディビジョン・ファースト・オールスターチームの経歴

ゴールテンダー–ブレット・マーワルド(バンクーバー・ジャイアンツ):サスカチュワン州サスカトゥーン出身の20歳の選手は、出場試合数(55)、勝利数(29)、完封数(2)でキャリアハイを記録し、WHLのウェスタン・カンファレンス6位に2導きました。

 2018年のWHLドラフト7巡目(全体154位)でムースジョー・ウォリアーズ(23-24シーズン、イースト・ディビジョン2位)に指名されたマーワルドは、キャリア通算42勝43敗8延長勝ち1延長負け、平均失点率3.23、セーブ率.907、2完封という成績を残しています。

単体での映像が古いものしかなかったので、試合のダイジェストを。

ディフェンス–ハドソン・ソーントン(プリンス・ジョージ・クーガーズ3):マニトバ州ウィニペグ出身の20歳の選手は、68試合で74ポイント(18ゴール、56アシスト)を記録し、WHLディフェンダーの中でポイント・ランキング4位となりました。

 2018年のWHLドラフト2巡目(全体33位)でクーガーズに指名されたソーントンは、WHLレギュラー・シーズン通算207試合で196ポイント(56ゴール、140アシスト)を記録しています。

新しいのが少なくて…、1年前の映像です。
讃岐猫
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NHLトップチームから指名された選手や、契約済みの選手も!

ディフェンス–ジャスティン・キプキー(ビクトリア・ロイヤルズ4):アリゾナ・コヨーテズの18歳の有望株は5、67試合で52ポイント(16ゴール、36アシスト)というシーズンを送り、ロイヤルズの全スケーターの中で、ポイント・ランキング5位に入る程の成績を収めました。

 WHLレギュラーシーズン通算142試合出場で、85ポイント(24ゴール、61アシスト)を記録しました。

得点能力の高いディフェンスマンです!

フォワード–ザック・ファンク(プリンス・ジョージ・クーガーズ):ワシントン・キャピタルズの期待の有望株である20歳の選手は、今シーズン、WHLトップの67ゴールを叩き出しました。彼の123ポイントは全WHLスケーター中2位となっています。

 ブリティッシュコロンビア州コールドストリーム出身の身長6フィート(約183センチ)、体重210ポンド(約95キロ)の選手の傑出したプレーや成績により、2024年3月1日、ワシントン・キャピタルズと6フリーエージェント契約を結びました。

 2023年9月25日、「テンポ7 WHL週間最優秀選手」に選ばれたファンクは、シーズンを力強くスタートさせ、決して減速することはなかったのです。彼はWHLの9/10月の月間最優秀選手にも選ばれました。

 2018年WHLドラフト2巡目(全体43位)でカルガリー・ヒットメン(セントラル・ディビジョン所属)に指名されたファンクは、WHLレギュラーシーズン通算228試合で227ポイント(119ゴール、108アシスト)を記録しています。

オベチキンの後を継げるか⁉︎

フォワード–ライリー・ハイト(プリンス・ジョージ・クーガーズ):ミネソタ・ワイルドの期待の有望株である19歳(2023年のNHLドラフト2巡目指名〈全体64位〉)は、2023-24シーズン、66試合で117ポイント(37ゴール、80アシスト)を記録し、WHLで3位のポイント数を稼ぎ、侮れない存在となりました。

 ハイトの80アシストという数字はWHL全体で2番目と優秀なものなのです。2023年10月11日から11月27日まで、ハイトは16試合連続ポイントを記録し、この期間で言えば、33ポイント(8ゴール、25アシスト)となっています。

 2024年2月26日、身長5フィート11(約180センチ)、182ポンド(約83キロ)のセンターは、「テンポ WHL週間最優秀選手」に選ばれました。

 2020年WHLプロスペクト・ドラフト1巡目(全体2位)でプリンス・ジョージ・クーガーズに指名されたハイトは、WHLレギュラーシーズン通算221試合で280ポイント(85ゴール、195アシスト)を記録しています。

来シーズンはトップ・リーグかも。

2024年NHLドラフト上位指名予想されている選手も!

フォワード–ティジ・イギンラ(ケロウナ・ロケッツ8):ブリティッシュコロンビア州レイクカントリー出身の17歳の選手は、62試合で84ポイント(47ゴール、37アシスト)を記録し、ロケッツの全選手中でポイント・ランキング2位となりました。

 彼の47ゴールは、WHL全てのスケーター中6位タイとなっています。

 2024年NHLドラフトのNHLセントラル・スカウティングの中間ランキングで、北米スケーター中、11位に挙げられていて、身長6フィート(約183センチ)、体重186ポンド(約84キロ)のパワー・フォワードの躍進により、6月のNHLドラフトの早い段階(指名順)で9名前を呼ばれそうな勢いを持っています。

 2023年12月18日、「テンポ WHL週間最優秀選手」に選ばれました。2021年のWHLプロスペクト・ドラフトの1巡目(全体9位)でシアトル・サンダーバーズに指名されたイギンラは、キャリア通算115試合で103ポイント(53ゴール、50アシスト)を記録しています。

1巡目指名されるんじゃないかなぁ。
讃岐猫
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そもそも「WHL」とは?

ウェスタン・ホッケーリーグについて


 ジュニア・ホッケー選手のための世界最高の育成リーグとみなされているウェスタン・ホッケーリーグ(WHL)の本部は、アルバータ州カルガリーに拠点を置いています。

 WHLは、ホッケーの発展、教育、すべての参加者にとって安全で前向きな環境という3つの重要な基盤を備えたワールドクラスのプレーヤー体験を提供してきました。

 多様で包括的な組織であるWHLは22の加盟クラブで構成されており、そのうち16クラブがカナダ西部に、6クラブが米国太平洋岸北西部にあります。

 カナダ・ホッケーリーグのメンバーであるWHLは、60年近くにわたり、ナショナル・ホッケーリーグへの人材の主要な供給者であり続けてきました。

 WHLはホッケー奨学金の大手提供者でもあり、毎年375名を超える卒業生がWHL奨学金を受け取り、希望する高等教育を受けています。毎シーズン、WHLの選手は、カナダのナショナル・ジュニア・ホッケーチームの中核も形成しているのです。

まとめ

 育成のための下部組織チームがしっかりしているNHLを見ていると、その人材の豊富さにただ、ただ感服するしかありません。しかも、彼らは10代後半からNHLドラフト対象選手になるわけですから、アメリカン・ドリームを掴むため、切磋琢磨しているのは当然です。

 選手の年齢層がやや高いAHLと比べ(引退間近のベテラン選手が活躍の場を求め、移籍する場合もある)、WHLは10代後半から20代前半の選手がほとんど。フレッシュなプレーを楽しめると同時に、能力が高くても、ドラフト指名されない選手も多い過酷な場所なのです。

 今回のファースト・オールスターチームに選出されたからといって、必ずしもドラフトにかかるとは限りません。チームを優勝させるとか、何シーズン連続でタイトルを取ったとしても難しい。

 その事実がそのまま、昨年全体1位指名のコナー・ベダードがいかにすごい選手なのかに結びつくんですけどね。

讃岐猫
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【註釈】

  1. WHLのブリティッシュコロンビア・ディビジョンのこと。2001年、リーグ再編でウェスタン・カンファレンスの一部として設立され、その前身はウェスト・ディビジョンである。

     その名前が示すように、ワシントンのすぐ北にあるブリティッシュコロンビア州のチームが中心となって構成されている。なお、前述のリーグ再編により、WHLはそれぞれ2つのディビジョンを持つ2つのカンファレンスに分割された。

     イースタン・カンファレンス:イースト・ディビジョンとセントラル・ディビジョン。ウェスタン・カンファレンス:BCディビジョンとU.S.ディビジョン。
    ↩︎
  2. カンファレンス8位までがプレーオフ進出。バンクーバーはディビジョンで3位。68試合32勝32敗4延長勝ち0延長負け。222ゴール、249失点。勝ち点68。昨シーズンも同様の順位で、プレーオフ準々決勝で敗退。
    ↩︎
  3. BCディビジョン1位。68試合49勝15敗1延長勝ち3延長負け。316ゴール、187失点。勝ち点102。昨シーズンはディビジョン2位、プレーオフ準決勝敗退。ソーントンは同チームのキャプテン。
    ↩︎
  4. BCディビジョン4位。68試合29勝30敗5延長勝ち4延長負け。221ゴール、272失点。勝ち点67。昨シーズンはディビジョン5位、プレーオフ不出場。

     昨シーズンまで2季連続出場していないが、パンデミックでプレーオフがキャンセルされる前(19-20、20-21の2シーズン)は、毎シーズン出場していた。
    ↩︎
  5. 2023年NHLドラフト5巡目(全体160位)で指名されているが、アリゾナとエントリー契約をしていないため(下部組織の育成リーグで実力が付けば、トップチームと契約)、ビクトリアでプレーをしている。

     アルバータ州カルガリー出身の身長6フィート3(約191センチ)、体重194ポンド(約88キロ)のこの選手は、2020年WHLプロスペクト(若手有望選手)・ドラフトの6巡目(全体126位)でロイヤルズに指名されています(WHLは14歳から指名可能。キプキーは指名時15歳)。
    ↩︎
  6. ゼネラルマネージャーのブライアン・マクレランより、3年間のエントリーレベル契約を結んだと発表。ファンクの契約は平均年間サラリー81万ドル(NHLでプレーした場合。約1億2千万円)、AHLで8万2500ドル(約1200万円)となる。

     ファンクは、パワープレーゴール数(25)、プラス/マイナス評価(+44)でWHLトップとなり、シュート数(279本)で4位にランクされている。 ゴール数とパワープレーゴール数でチームのシーズン新記録を樹立した。
    ↩︎
  7. 2023-24シーズンのウエスタン・ホッケーリーグ(WHL)のオフィシャル・スポンサー。カナダ西部全域を中心とした燃料流通会社。1960 年以来カナダ西部の地域社会にサービスを提供し、地元の生協等と連携して事業展開をしている。
    ↩︎
  8. BCディビジョン2位。68試合33勝30敗4延長勝ち1延長負け。250ゴール、258失点。勝ち点71。昨シーズンはディビジョン4位、プレーオフ準々決勝敗退。
    ↩︎
  9. 2023-24シーズン開幕直後、イギンラは2024年のNHLエントリードラフトのトップレベルの有望選手として認められていなかった。NHLセントラルスカウティングにおいて、2巡目か3巡目指名の予想を示す「B」評価だったからである。

     WHL開幕直後の12試合で13ゴールと21ポイントを記録する好調なスタートを切り、 1巡目指名の可能性が高い「A」プロスペクトに格上げされた。2023年12月、イギンラは2024年のドラフト対象候補者40人の1人に選ばれた。 ↩︎
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